発表年:1971年
ez的ジャンル:ペルー産ラテン・ファンク
気分は... :黒砂糖は美味なり!
今回はペルー産ラテン・ファンクBlack Sugar『Black Sugar』(1971年)です。
Victor "Coco" Salazar、Miguel "Chino" Figueroaが在籍していたLos Far Fenを母体として1970年に結成されたペルーのラテン・ファンク・グループBlack Sugarの紹介は、2ndアルバム『Black Sugar II』(1974年)に続き2回目となります。
1st『Black Sugar』(1971年)、2nd『Black Sugar II』(1974年)共にレア・グルーヴ名盤として再評価が高まっています。
『Black Sugar II』の記事でも書きましたが、僕がBlack Sugarを初めて聴いたのは、ラテン・ロック/ファンクを集めたコンピ『Chicano Power!』(1998年)でした。
このコンピではAzteca、Malo、Sapo、Santanaといったチカーノ系グループが目立っているのですが、そんな中にBlack Sugarの「Too Late」、「Viajecito」(いずれも『Black Sugar』収録)も混じっていました。
そのため、僕にとってのBlack Sugarは、南米産ラテン・ファンクというよりも、前述のチカーノ系グループに近いイメージがあります。
本作『Black Sugar』は、『Black Sugar II』同様にUSファンク/ソウル/ロックをうまく取り込んだラテン・グルーヴが満載です。
本作におけるメンバーはVictor "Coco" Salazar(g、tamb)、Miguel "Chino" Figueroa(org、p)、Carlos Mejia(vo)、Roberto Valdez(b)、Jose "Arroz" Cruz(per)、Antonio Ginocchio(tp、tb)、Jorge Chavez(as、fl)、Coco Lagos(per)、Miguel Salazar(per)という9名。
改めて、僕自身がラテン・リズムの効いたファンキー&グルーヴィーな音が好きなことを実感しました。また、ファンキーのみならずメロウ路線の楽曲にも捨て難い魅力があります。
プロデュースはJaime Delgado Aparicio。
全曲紹介しときやす。
「Too Late」
Carlos Mejia/Black Sugar作。メロウなイントロに続き、キレキレのホーン隊と共にラテン・リズムが躍動します。パンチの効いたCarlos Mejiaのヴォーカルもいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=KBK4DLWfKuI
「Viajecito」
Jaime Delgado Aparicio/Miguel "Chino" Figueroa作。サイケ・ギターとラテン・ピアノが印象的なラテン・ファンク。
http://www.youtube.com/watch?v=aaU4EP7qWhw
「The Looser」
Miguel "Chino" Figueroa/Carlos Mejia/Black Sugar作。フツーにファンクとして格好良いファンキー・グルーヴ。うねるベースライン、グルーヴィーかつ覚醒的なオルガン、パーカッシヴなボンゴの響き、ソウルフルなCarlos Mejiaのヴォーカルがたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=cUJXlqpV9yE
「This Time」
Carlos Mejia/Black Sugar作。グループなメロウな側面を堪能できる1曲。サンセット・モードにピッタリなメロウ・ソウルです。
http://www.youtube.com/watch?v=2j4pTsXthpo
「Funky Man」
Victor "Coco" Salazar/Jaime Delgado Aparicio/Black Sugar作。タイトルの通り、ファンキーに攻めまくるファンク・グルーヴ。程良く肩の力の抜けたホーン・サウンドいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=mzyQSL7Fk0g
「Understanding」
D.R.作。Carlos Mejiaのソウルフル・ヴォーカルの魅力が際立つグルーヴィーなラテン・ソウル。中盤のブレイクでメリハリをつけています。
http://www.youtube.com/watch?v=H0QhECqmTZM
「When You're Walking」
Carlos Mejia/Black Sugar作。哀愁メロウなサウンドにグッときます。ブルーアイド・ソウル好きの人なんかが気に入りそうですね。Victor "Coco" Salazarのギターも冴えています。
http://www.youtube.com/watch?v=ApYsLMXvL0I
「When I Needed Someone」
Carlos Mejia/Black Sugar作。フリーソウル好きの人は気に入るであろうアコースティック・メロウ。オルガンのグルーヴィーな音色も効いています。
http://www.youtube.com/watch?v=J2vT8Q6RV_0
「Pussy Cat」
Richard Halligan作。ラストはパーカッシヴなインスト。前衛的な雰囲気とオーケストレーションによるドラマティック感が混在しているのが面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=T3_W6QvyVJ4
未聴の方は『Black Sugar II』(1974年)もチェックを!
『Black Sugar II』(1974年)