2014年11月30日

Jarrod Lawson『Jarrod Lawson』

UK/USのソウルマニアに絶賛された白人ソウル・シンガー☆Jarrod Lawson『Jarrod Lawson』
ジャロッド・ローソン
発表年:2014年
ez的ジャンル:インディ・ソウル系US白人シンガー・ソングライター
気分は... :才能発掘!

今回はインディ・ソウルの注目新作からUS白人ソウル・シンガーJarrod Lawsonのデビュー・アルバム『Jarrod Lawson』です。

Jarrod Lawsonは1976年生まれの白人ソウル・シンガー/ピアニスト/ソングライター。オレゴン州ポートランド近郊出身で現在もポートランドを拠点に活動しているようです。

ピアノの調律師として働く傍らで地元のグループに参加しながら音楽活動を続けてきた彼が、約10年の歳月をかけて完成させた作品が本作『Jarrod Lawson』です。

自主制作盤としてリリースされた本作でしたが、UKのソウルマニアの間で話題となり、短期間で完売となってしまいます。その後、UKの人気レーベルDomeと契約し、リイシュー盤がリリースされ、さらには国内盤もリリースされました。

上記ジャケは国内盤のものですが、DomeからリリースされたUK盤のジャケはこんな感じです。

『Jarrod Lawson』 ※輸入盤
Jarrod Lawson

レコーディングにはJarrod本人の他に2009年からGood People名義で活動を共にするChristopher Friesen(b)、Joshua Corry(ds)、Farnell Newton(tp)等が参加しています。

また、ミックスをPrince等を手掛けたDave Friedlanderが担当し、マスタリングはDave Friedlanderの勧めでこれまで2,000以上の作品を手掛けた巨匠Bernie Grundman‎が務めています。Dave Friedlanderが本作に惚れ込み、Bernie Grundmanを紹介した点からも、Jarrod Lawsonが才能を持ったミュージシャンであることが窺えます。

D'AngeloOmarEric Benetあたりを引き合いに説明されることが多い作品です。

そうした説明の通りのJarrodのソウル・ヴァイブスが魅力なのは勿論ですが、それだけにも収まらない作品でもあります。Jarrod自身が自らの音楽性を"ソウルとジャズがほぼ当分"と語っているように、ジャズ・フィーリングも上手く取り入れており、ジャズ文脈から聴くのも楽しいと思います。

また、ラテン/ブラジルのエッセンスを取り入れた楽曲が多く収録されているのも僕好みです。

全曲Jarrodのオリジナルです。

心地好い生音グルーヴと共にJarrodの素晴らしいヴォーカルを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Music And Its Magical Way」
オススメその1。D'Angelo「Brown Sugar」を彷彿させるネオソウルなグルーヴを持つオープニング。多重録音のコーラス・パートも含めてJarrodの持つソウル・フィーリングを存分に堪能できます。タイトルの通り、マジカルなミュージックです。
http://www.youtube.com/watch?v=nbSZChTIapc ※ライブ音源

「Sleepwalkers」
オススメその2。バトゥカーダ調のリズムと始まるブラジリアン・フレイヴァーのソウル・チューン。ブラジリアン・グルーヴ大好きな僕の嗜好にフィットする1曲です。クラブ系ブラジリアン・ジャズがお好きな人にもぜひチェックして欲しい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Y6kl1FiDTQE

「He's There」
オススメその3。僕の一番のお気に入り。Jarrodのソウル・ヴァイヴスがビンビンに伝わってきます。本作の持つオーガニックなグルーヴの魅力も堪能できます。終盤にラテン・フレイヴァーでアクセントを加えているあたりも心憎いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Z7lorcq9WqI

「Walk In The Park」
ジャズ・フィーリングに溢れた仕上がり。本曲あたりを聴くと、本作はR&B/SoulファンのみならずJazzファンにも届いて欲しい気がします。

「All That Surrounds」
浮遊感が心地好いメロウ・グルーヴ。Jarrodの鍵盤が奏でるグルーヴとヴォーカルが一体化して音空間に溶け込んでいる感じがいいですね。

「Think About Why」
オススメその4。スキャットと共に始まるラテン・フレイヴァーの軽快な仕上がりはモロに僕好み。きっとラテン系のダンシング・ジャズがお好きな人も気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=MjsBLTlrMU4

「Redemption」
抑えたヴォーカルでしっとりと聴かせるジャジーなミディアム・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=T1Kt32rg8SE

「Spiritual Eyes」
オススメその5。素晴らしいコーラス・ワークと共に始まるコズミック・グルーヴ。序盤の静から一気に動へシフト・チェンジするのがいいでしね。Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』から多大な影響を受けていることを確認できる1曲です。

「Together We'll Stand」
オススメその6。ラテン・フレイヴァーを効かせたファンキー・グルーヴ。モロにラテンではなく、ソウル・グルーヴの中にラテンのエッセンスを巧みに取り入れるあたりも全盛期のStevie Wonder作品あたりの影響が大きいのかもしれませんね。

「Needed」
メロウ&ミステリアスな雰囲気を持ったバラード。夢の中を彷徨っているような感じです。

「Everything I Need」
Domeの人気コンピ『Soul Lounge』シリーズの最新版『Soul Lounge 11』にも収録されている注目曲。ヴォーカル重視の『Soul Lounge』シリーズに相応しい、ソウルフル・バラードです。シンプルな弾き語りながらも聴き応え十分です。
http://www.youtube.com/watch?v=SVUDyIZlGs8 ※ライブ音源

「Gota Keep」
オススメその7。ラストは心地好いグルーヴに魅了されるネオソウルで締め括ってくれます。生音ソウル・グルーヴの魅力を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=ovmqNeTJvCI

もう11月も最終日、明日から12月ですね。
毎年12月は慌しくせずにゆっくり過ごしたいと思うのですが、昨年同様に今年はかなりバタバタ状態・・・忘年会どころではありません(泣)
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2014年11月28日

Gato Barbieri『Chapter One: Latin America』

南米をテーマにしたChapterシリーズの第一弾。これぞ南米ジャズ!☆Gato Barbieri『Chapter One: Latin America』
Chapter One: Latin America (Dig)
発表年:1973年
ez的ジャンル:スピリチュアル/フリー・ジャズ系アルゼンチン・ジャズ
気分は... :これぞ南米ジャズ!

今回はアルゼンチンを代表するジャズ・ミュージシャンGato Barbieriを代表する1枚、『Chapter One: Latin America』(1973年)です。

Gato Barbieriは1932年、アルゼンチン、サンタフェ州ロサリオ生まれのテナー・サックス奏者/コンポーザー。

1950年代後半に後にTV/映画音楽の巨匠となるアルゼンチン人ピアニストLalo Schifrinのオーケストラに参加します。その後はヨーロッパを拠点に活動し、Don Cherryとグループを組んでいた時期もありました。

1967年には初リーダー作『In Search of the Mystery』をリリース。南米のエッセンスを取り入れたサウンドで徐々に注目されるようになり、1972年にはBernardo Bertolucci監督、Marlon Brando主演の映画『Last Tango in Paris』の音楽を手掛けてグラミー賞を獲得し、その名を一躍広めました。

その後は今回紹介する『Chapter One: Latin America』(1973年)を初めとする南米をテーマにしたChapterシリーズなど70年代に数多くのリーダー作を残しています。

独特の存在感を持つジャズ・ミュージシャンですよね。

本作『Chapter One: Latin America』(1973年)は、故郷ブエノスアイレスで母国のミュージシャン達と創り上げた作品であり、タイトルの通り、南米をテーマにした壮大な作品です。

その後、Chapterシリーズとして以下の続編をリリースしています。

 『Chapter Two: Hasta Siempre』(1973年)
 『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)
 『Chapter Four: Alive in New York』(1975年)

本作に話を戻すと、母国アルゼンチンのみならず、南米全体としてのアイデンティティを意識した作品に仕上がっています。効果的に民族楽器を取り入れた南米録音ならではのサウンドに、Gatoのスピリチュアル・ジャズ/フリー・ジャズ的なテナー・サックスが加わり、素晴らしい南米ジャズ/アルゼンチン・ジャズ作品へと帰結させています。

レコーディングにはGato Barbieri(ts)以下、Raul Mercado(quena)、Amadeo Monges(Indian harp)、Ricardo Lew(g)、Quelo Palacios(g)、Isoca Fumero(charango)、Antonio Pantoja(anapa、erke、siku、quena、erkencho)、Adalberto Cevasco(b)、Dino Saluzzi(bandoneon)、Domingo Cura(bombo indio)、Pocho Lapouble(ds)、 Jorge Padin(per)、El Zurdo Roizner(per)、Osvaldo Bellingieri(p)といったミュージシャンが参加しています。

南米版のPharoah Sanders「Encuentros」、フォルクローレ色の強い「India」、壮大なスケールの組曲「La China Leoncia Arreo La Correntinada Trajo Entre La Muchachada La Flor De La Juventud」、ブエノスアイレスの風情たっぷりの「Nunca Mas」、ブラジリアンな「To Be Continued」と聴き応え十分の全5曲です。

僕の場合、音も聴かずジャケに写るGatoの格好良さに惹かれてジャケ買いした作品だったのですが、思っていた以上の壮大で濃厚な演奏に圧倒されてしまいました。

ジャズ好きは勿論のこと、ラテン音楽好きの人が聴いても楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Encuentros」
本作のハイライト。この1曲のみでも本作を聴く価値があると思います。哀愁ギターにインディアン・ハープ、 南米の縦笛ケーナ、チャランゴなどの民族楽器が絡むスピリチュアル・ジャズは、まさに本作のテーマに相応しいオープニングだと思います。よく言われるように、演奏全体やGatoのテナーのブロウは南米版のPharoah Sandersといった趣です。Pharoah Sanders大好きな僕は、この演奏を初めて聴いたときには鳥肌が立ちました。スピリチュアル・ジャズ名演だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=jDQkAQed3Xw

Sangue Mostro feat. Jovine「Non Ci Sono Se」のサンプリング・ソースになっています。
Sangue Mostro feat. Jovine「Non Ci Sono Se」
 http://www.youtube.com/watch?v=TbL4_NfUuUA

「India」
J. Asuncion Flores/M. Ortiz Guerrero作。「Encuentros」同様に、様々な民族楽器が絡む、よりフォルクローレ色が強い演奏になっています。しかしながら、Gatoのテナーはしっかりジャズしています。南米録音ならではのジャズが楽しめる1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=TkFTSoUTcm4

「La China Leoncia Arreo La Correntinada Trajo Entre La Muchachada La Flor De La Juventud」
長いタイトルですが、Part 1からPart 4までの4部構成となった13分半超の組曲です。南米音楽とフリージャズが出会った壮大なスケール感のある演奏は聴き応え十分です。南米人としての誇りのようなものを感じるGatoの自信に満ちたプレイを存分に堪能しましょう。「Encuentros」と並ぶ本作のハイライトだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=mcqbgVB-U5o

「Nunca Mas」
それまでの汎南米的な演奏に対して、ここではバンドネオンを配したブエノスアイレスの小粋な夜といった風情の演奏を聴かせてくれます。バンドネオン、ピアノ、Gatoのテナーの絡みが絶妙です。この演奏も大好き!
http://www.youtube.com/watch?v=6eSBjLi4rDU

「To Be Continued」
ラストはGato本人のナレーション入りの小曲。バトゥカーダ調のブラジリアン・モードの演奏で締め括るのは興味深いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=UFmnoS0cDSA

Gato Barbieriの他作品もチェックを!

『In Search of the Mystery』(1967年)
In Search of the Mystery (Dig)

『The Third World』(1969年)
Third World

『El Pampero』(1971年)
El Pampero

『Fenix』(1971年)
Fenix

『Last Tango in Paris』(1972年)
Last Tango In Paris: Original MGM Motion Picture Soundtrack

『Bolivia』(1973年)
Bolivia

『Under Fire』(1973年)
Under Fire

『Chapter Two: Hasta Siempre』(1973年)
Chapter Two: Hasta Siempre (Dig)

『Chapter Three: Viva Emiliano Zapata 』(1974年)
Chapter Three: Viva Emiliano Zapata - Originals

『Yesterdays』(1974年)
Yesterday

『Chapter Four: Alive in New York』(1975年)
Chapter 4.Live in New York

Gato Barbieri & Dollar Brand『Confluence』(1975年)
コンフルエンス

『Caliente!』(1976年)
Caliente

『Ruby Ruby』(1977年)
Ruby Ruby (Reis) (Rstr) (Dig)

『Tropico』(1978年)
Tropico: Originals (Dig)

『Bahia』(1982年)
Gato Barbieri: Bahia

『Apasionado』(1983年)
Apasionado

『Para Los Amigos』(1984年)
Gato...Para Los Amigos

『Passion And Fire』(1988年)
Passion and Fire
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2014年11月27日

Adriana Calcanhotto『Mare』

Arto Lindsayプロデュース。現行MPBを代表する女性SSWによる蒼い傑作!☆Adriana Calcanhotto『Mare』
Mare
発表年:2008年
ez的ジャンル:現行MPB系女性SSW
気分は... :蒼の魅力・・・

今回は現行MPBを代表する女性シンガー・ソングライターAdriana Calcanhottoが2008年にリリースした『Mare』です。

Adriana Calcanhottoは1965年、ブラジルリオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ生まれの女性シンガー・ソングライター。

1990年にデビュー・アルバム『Enguico』をリリースして以降、コンスタントに作品をリリースし続ける現行MPBを代表する女性シンガー・ソングライターです。

『Adriana Partimpim』(2004年)をはじめとするAdriana Partimpim名義で子供向けのアルバムもリリースしています。

今回紹介する『Mare』(2008年)は、印象的なメイクを施したジャケと、Arto Lindsayプロデュースという点で関心を持ったアルバムです。

Arto LindsayAdriana Calcanhotto本人とプロデュースを務めています。

アルバムにはMarisa MonteGilberto Gilという大物2人がゲスト参加しています。

Adriana Calcanhotto(vo、g、ds)、Arto Lindsay(g、ds)以下、Moreno Veloso(vo、g、cello、congas)、Domenico Lancellotti(ds、per)、Kassin(el-p、g)という+2諸作でお馴染みの新世代トリオ、さらにはRodrigo Amarante(key)、De Palmeira(b)、Jorge Helder(b)、Jards Macale(g)、Alberto Continentino(g、b)、Marcelo Costa(pandeiro)、Bidu Cordeiro(tb)、Marlon Sette(tb)といったミュージシャンがレコーディングに参加しています。

派手さはありませんが、ジャケ・イメージのような蒼く、深淵な現行MPBを楽しめます。サウンド面ではMoreno VelosoDomenico LancellottiKassinの貢献が目立ちます。さり気なさの中に軽くエッジを効かせているのが心憎いですね。

主役であるAdrianaのヴォーカルには、透明感の中にキュートさと凛とした力強さが同居している点に魅力を感じます。

聴き重ねるほどに味わいが増す1枚です。
蒼の魅力に浸ってください。

全曲紹介しときやす。

「Mare」
Moreno Veloso/Adriana Calcanhotto作。タイトル曲はMoreno VelosoとDomenicoがバックを固めています。シンプルながらも先鋭的なサウンドと凛としたAdrianaのヴォーカルでシャキっとした気分になります。
http://www.youtube.com/watch?v=QLq7o3hP050

「Seu Pensamento」
De Palmeira/Adriana Calcanhotto作。ここではMoreno Veloso、Domenico、Kassinが揃い組。作者De Palmeiraも加わり、Adrianaの哀愁ヴォーカルを透明感のあるサウンドで支えます。
http://www.youtube.com/watch?v=HY0yIHpQrxc

「Tres」
Antonio Cicero/Marina Lima作。ここでもMoreno Veloso、Domenico、Kassinが揃い組。さり気ないですが、新世代トリオらしいエレガントかつ先鋭的なサウンドを堪能できます。+2諸作がお好きな人であれば気に入るはず!
http://www.youtube.com/watch?v=VJQ__20pFuI

「Porto Alegre (Nos Bracos De Calipso)」
Pericles Cavalcanti作。Marisa Monteフィーチャー曲。少しノスタルジックな雰囲気の漂う軽快な仕上がり。MarisaとAdrianaの共演曲は実に楽しげです。
http://www.youtube.com/watch?v=zkjAYh3zobI

「Mulher Sem Razao」
Bebel Gilberto/Cazuza/De作。アルバム『Burguesia』に収録された作者の一人Cazuzaのヴァージョンがオリジナルですかね?‎Adrianaのオリジナルではありませんが、個人的には一番のお気に入り。Adrianaのヴォーカルにグイグイと惹き込まれていきます。
http://www.youtube.com/watch?v=GgIWWP8nrpU

「Teu Nome Mais Secreto」
Waly Salomao/Adriana Calcanhotto作。Jards Macaleの哀愁ヴィオランとMoreno Velosoのチェロが織り成す哀愁サウンドがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=8NcJCDR79fc

「Sem Saida」
Augusto De Campos/Cid Campos作。深遠なミステリアス感が印象的です。深く深く潜っていきます(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=RKDXwzc7r9Y

「Para La」
Arnaldo Antunes/Adriana Calcanhotto作。Arto Lindsayがノイジーを聴かせてくれる哀愁アヴァンギャルド・チューン。
http://www.youtube.com/watch?v=4RrSs4UEDt4

「Um Dia Desses」
Kassin/Torquato Neto作。本作と同じ年にリリースされたAlexia Bomtempo『Astrolabio』あたりと一緒に聴きたくなるアコースティック・チューン。Adrianaのヴォーカルに寄り添うMoreno Velosoのコーラスがいい感じです。
http://www.youtube.com/watch?v=a256KfKGg-8

「Onde Andaras」
Caetano Veloso/Ferreira Gullar作。Caetanoのオリジナルは『Caetano Veloso』(1968年)に収録されています。また、当ブログではMaria Bethaniaのカヴァーも紹介済みです。本作参加のMarisa Monteもカヴァーしていましたね(コンピ作品『Cafe Brasil』収録)。本カヴァーはさり気ないメロウネスにグッときます。一人マッタリとしながら聴きたいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=0wPS_32JSAw

「Sargaco Mar」
Dorival Caymmi作。Gilberto Gilがギターで参加。Gilberto Gilのギターをバックに、Adrianaが寂しげな声でしみじみと歌い上げます。
http://www.youtube.com/watch?v=-Up1CldTsr0

Adriana Calcanhottoの他作品もチェックを!

『Enguico』(1990年)
Enguico

『Senhas』(1992年)
Senhas

『A Fabrica do Poema』(1994年)
Fabrica Do Poema

『Maritmo』(1998年)
Maritmo

『Publico』(2000年)
Publico

『Cantada』(2002年)
Cantada

Adriana Partimpim『Adriana Partimpim』(2004年)
Adriana Partimpim

Adriana Partimpim『Partimpim II』(2009年)
Partimpim 2

『O Microbio do Samba』(2011年)
O Microbio Do Samba

『Olhos De Onda-Ao Vivo』(2014年)
Olhos De Onda-Ao Vivo
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2014年11月25日

Force M.D.'s『Chillin'』

永遠の名曲「Tender Love」収録!Tommy Boyの男性R&Bヴォーカル・グループ☆Force M.D.'s『Chillin'』
Chillin
発表年:1985年
ez的ジャンル:Tommy Boy系男性R&Bヴォーカル・グループ
気分は... :テンダー・ラブ・・・

今回は80年代後半に活躍した男性R&Bヴォーカル・グループForce M.D.'sの2ndアルバム『Chillin'』(1985年)です。

数日前に紹介したTheophilus London『Vibes』で、Force M.D.'sがゲスト参加しており、懐かしくなって取り上げることにしました。

80年代後半、Force M.D.'sFull Forceという2つのForceグループに魅了されたR&Bファンは多かったのでは?僕もそんな一人でした。

Force M.D.'sは1981年N.Y.スタテンアイランドで結成された男性R&Bヴォーカル・グループ。

メンバーはAntoine "T.C.D." LundyTrisco PearsonCharles "Mercury" NelsonStevie D LundyJessie Danielsの5名。

Tommy Boyとの契約に成功したグループは、1984年にデビュー・アルバム『Love Letters』をリリース。翌1985年には映画『Krush Groove』のサントラに収録された「Tender Love」(Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュース)が全米チャート第10位のヒットとなります。同曲は今日紹介する2ndアルバム『Chillin'』(1985年)にも収録されています。

さらに3rdアルバム『Touch & Go』(1987年)からはシングル「Love is a House」が全米R&BチャートNo.1となりました。4thアルバム『Step to Me』(1990年)を最後にTommy Boyを離れ、それを機にMercuryとTriscoはグループを離れてしまいます。

その後もメンバーを交代しながらグループは活動を続けますが、中心メンバーであったMercuryT.C.D.は90年代後半に相次いで他界してしまいました。

本作『Chillin'』ですが、何はともあれJam & Lewisによる名曲「Tender Love」のアルバムですね。Jam & Lewisがポップチャートで成功を収めるきっかけとなった曲です。僕の場合、The S.O.S. Bandを通じてJam & Lewisに対する興味が高まり、さらに本曲のヒットでJam & Lewisプロデュース作品にハマっていきました。

また、個人的にも「Tender Love」には青春の思い出が詰まっています。その思い出はクリスマス・イヴと紐付いているので、この曲のイントロを聴くと、まずクリスマスの光景をイメージしてしまいます。

残念ながら、Jam & Lewisプロデュース曲は「Tender Love」1曲のみです。その意味では、当時はそれ以外の楽曲への関心は低く、印象は薄かったですね。

しかしながら、アルバム全体を聴き直すと80年代らしさと若手コーラス・グループらしい初々しさを楽しめる1枚に仕上がっていると思います。「Tender Love」以外であれば、素敵なラブ・バラード「Walking On Air」がオススメです。「Chillin'」あたりのHip-Hopトラックを配した楽曲もTommy Boyらしくて楽しいと思います。

「Tender Love」「Force MD's Meet The Fat Boys」の2曲以外はRobin Halpinがプロデュースしています。

まずは「Tender Love」を10回リピートしましょう(笑)

全曲紹介しときやす。

「One Plus One」
ファンカラティーナのフレイヴァーの聴いた快活なポップ・ソウルでアルバムは幕を開けます。先入観なしで聴くと、当時の全米チャート席巻していた第2次ブリティッシュ・インヴェイジョン風でもありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=wtIXfh3PC3w

「Here I Go Again」
コーラス・グループとしての魅力が存分に伝わってくる正統派スウィート・バラード。若手グループはが、こういうオーセンティックなバラードをきちんと歌い上げてくれるのは逆に新鮮ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bYA516opkuE

「Uh Oh!」
今聴くとドラム・プログラミングが陳腐ですが、ヴォーカル・パートは悪くない爽快なメロウ・ソウルに仕上がっています。良くも悪くも80年代半ばの音ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=-poGanwAhRk

「Chillin'」
タイトル曲はラップパートもあるHip-Hop調のメロウ・チューン。スクラッチ音も含めてオールド・スクールなトラックがTommy Boy作品らしくて逆にいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dMfC3wlBp-U

「Force MD's Meet The Fat Boys」
Fat Boysをフィーチャー。アルバム・リリース以前にシングル・リリースしていた楽曲です。「Chillin'」同様、てオールド・スクールなHip-Hopトラックがいいですね。Fat Boysも懐かしいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=dOfgvJDvsJ8

「Tender Love」
Jimmy Jam & Terry Lewisプロデュース。本作のハイライトとなるメロウ・バラード。イントロを聴いただけで涙腺がウルウルしてきます。美しい鍵盤の響きとT.C.D.の実直なリード・ヴォーカルとスウィートなコーラスが、聴く者の心を素直に解してくれます。
http://www.youtube.com/watch?v=pW_vpwbERBo

Kenny Thomas、Dubwise、Uncle Sam、Jordan Knight、Alicia Keys、Jay-R、SHINee、Winston Francisといったアーティストが本曲をカヴァーしています。

また、Bone Thugs-N-Harmony「Days of Our Livez」、Jaheim「Have You Ever」、Kane & Abel feat. Master P, Silkk the Shocker & Sons of Funk「Call Me When You Need Some」、DJ Taz「Yearnin」、Trina feat. Kelly Rowland「Here We Go」、Mike Jones feat. Slim Thug and Lil' Flip「Magic Touch」、Young Rome feat. Marques Houston「For Your Love」、Krushadelic「Make It Happen」、Casino「Tender Love」、Internet Club「Wave Temple」等のサンプリング・ソースとなっています。

Kenny Thomas「Tender Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=41R0nZz62Ik
Uncle Sam「Tender Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=-E2YX22Rb_c
Jordan Knight「Tender Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=VhI5N6d5jKA
Alicia Keys「Tender Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=o0aY3_lN19s
Bone Thugs-N-Harmony「Days of Our Livez」
 http://www.youtube.com/watch?v=0GVbeTdDRs4
Jaheim「Have You Ever」
 http://www.youtube.com/watch?v=MegVA2-sCVk
Young Rome feat. Marques Houston「For Your Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=1Vg1eWZjLZ0

「Will You Be My Girlfriend?」
ダンサブルなポップ・ソウル。正直、サウンドは陳腐ですが、若手グループらしい快活さ、実直さがエナジーになっている感じでいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=AemqW-AH_uc

「Walking On Air」
ラストは素敵なラブ・バラードで締め括ってくれます。「Tender Love」以外では、この曲を推す人が多いのでは?このグループの持つ爽快スウィートな魅力が反映されています。
http://www.youtube.com/watch?v=81g0LB39I_0

Force M.D.'sの他作品もチェックを!

『Love Letters』(1984年)
Love Letters

『Touch & Go』(1987年)
Touch & Go
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2014年11月24日

Funk Inc.『Chicken Lickin'』

レア・グルーヴ人気盤!ジャズ・ファンク・クラシック☆Funk Inc.『Chicken Lickin'』
ファンクINC/チキン・リッキン
発表年:1972年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ファンク/ソウル・ジャズ
気分は... :リラックスできるファンキー・グルーヴ!

今回はレア・グルーヴ人気盤、ジャズ・ファンク・グループFunk Inc.の2ndアルバム『Chicken Lickin'』(1972年)です。
※上記ジャケは1st『Funk, Inc.』(1971年)との2in1CD(右側のジャケが本作)

Funk Inc.は1969年インディアナポリスで結成されたジャズ・ファンク・グループ。

オリジナル・メンバーはEugene Barr(ts)、Cecil Hunt(conga)、Jimmy Munford(ds、vo)、Bobby Watley(org、vo)、Steve Weakley(g)です。

グループは『Funk, Inc.』(1971年)、『Chicken Lickin'』(1972年)、『Hangin' Out』(1973年)、『Superfunk』(1973年)、『Priced To Sell』(1974年)といったアルバムをPrestige Recordsからリリースしました。その後90年代にリユニオン・アルバム『Urban Renewal』(1995年)をリリースしています。

今回数あるFunk Inc.作品の中から本作『Chicken Lickin'』をセレクトしたのはメロウ・グルーヴ「Let's Make Peace And Stop The War」が聴きたくなったからです。

約10日前に紹介したBuild An Ark『Peace With Every Step』に「Let's Make Peace And Stop The War」にインスパイアされた楽曲「Love Is Our Nationality」が収録されており、記事を書きながらFunk Inc.を未紹介であったことに気づき、今回取り上げた次第です。

「Let's Make Peace And Stop The War」以外にも「Chicken Lickin」「The Better Half」等のファンキーな人気曲が収録されています。

ファンキーで格好良いのに、リラックスできる心地好さが魅力のグループだと思います。そんなグループの魅力がギュっと詰まった1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Chicken Lickin」
Bobby Watley作。タイトル曲はレア・グルーヴ人気曲。カッティング・ギター、サックス、オルガン、コンガ、ドラムが一体となり、リラックスしたファンキー・グルーヴを生み出しています。コンパクトなサックス・ソロ、オルガン・ソロもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=fan7JBFlz5g

「Running Away」
Sly Stone作。Sly & The Family Stoneのカヴァー。オリジナルは『There's A Riot Goin' On』(1970年)に収録されています。この曲の持つ雰囲気とFunk Inc.のグルーヴ感がよくマッチしています。Steve Weakleyのファンキー・ギターにグッときます。
http://www.youtube.com/watch?v=GECawhM6T6w

「They Trying To Get Me」
Ozzie Cadena/Steve Weakley作。ソウルフルなバラードです。作者Steve Weakleyの情熱的なギターが主役です。
http://www.youtube.com/watch?v=qV1WYQKy0uo

「The Better Half」
Maceo Parker作。Maceo & All The King's Menのカヴァー。オリジナルは『Doing Their Own Thing』(1970年)です。 ファンキー度ではアルバム随一かもしれません。やはりこの曲ではEugene Barrの快調なサックスが目立ちます。
http://www.youtube.com/watch?v=_-1Xdts7Xb0

本曲はSupreme NTM「Dans Le Vent」、Leaders of the New School「Daily Reminder」Boogie Down Productions「Sex and Violence」のサンプリング・ソースにもなっています。

「Let's Make Peace And Stop The War」
Bobby Watley作。前述のように僕のお気に入り曲。ヴォーカルも入ったメロウなオルガン・グルーヴは実にピースフルです。コンガの響きも実に心地好い!ニューソウルに呼応したラブ&ピースなメロウ・ジャズ・ファンク名曲だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=veBk6P5umQk

「Jung Bungo」
Bobby Watley作。ラストはグルーヴィーなソウル・ジャズで締め括ってくれます。オルガン・ジャズ好きの方はグッとくるはずです。

Funk Inc.の他作品もチェックを!

『Funk, Inc./Chicken Lickin'』(1971,72年)※2in1CD
ファンクINC/チキン・リッキン

『Hangin' Out』(1973年)ハンギン・アウト

『Hangin' Out/Superfunk』(1973年)※2in1CD
ハンギン・アウト/スーパー・ファンク

『Priced To Sell』(1974年)
プライスド・トゥ・セル
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