2014年11月11日

『特別企画:遂に3,000回達成!』

遂に3,000記事達成!
2005年9月のブログ開設から約9年2ヶ月で、この大台を達成することができました。

2,000回達成時に、3,000記事とイチローのMLB3,000本安打達成と同じ位のタイミングになると予測していたのですが、3,000記事が先になりました。

自分のスタイルを貫いたまま、この大台に到達できたことは、自分の中ではそれなりの達成感があります。

ブログを開設した当初は1年間続けることができるのかなぁ・・・くらいの意識だったので、まさかブログがここまで自分の生活の中に根付くとは思いもしませんでした。

僕自身、ソーシャル・メディアで必要以上に他人とつながりを持つことは、面倒くさいと思っている人間であり、ブログも自分のための備忘録と割り切って書いている部分もあります。

『孤独のグルメ』ではありませんが、誰にも邪魔されず、気も遣わずに自分の好きなCDをセレクトし、文章で整理するという行為は、僕にとっての最高の「癒し」なのだと思います。

そうは言っても、書いても誰も読んでいない状態では張り合いもなく、3,000回もエントリーすることは難しかったと思います。その意味では、コメントをくださる方やブログを閲覧してくださる方に、とても感謝しています。seesaaブログのアクセス解析機能でチェックしている限りでは、それなりの閲覧者数を維持できているので・・・

こういった区切りの記事でいつも書いていますが、当ブログで絶対曲げたくないのは、年代、ジャンルに縛られず、自分の好きな作品を紹介していくというスタンスです。

今日は3,000記事達成記念(?)ということで、60年代、70年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代の各カテゴリーの過去エントリーから4枚ずつセレクトしたいと思います。4枚は僕の思い入れが強い作品や今の僕の嗜好が欲している作品くらいに考えてください。

1960年代
60年代は時代が一回りした感のB級なお洒落な音を欲しています。

上段左:The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band『Latin Kaleidoscope』(1968年)
上段右:Ann Burton『Ballads & Burton』(1969年)
下段左:Daniela Und Ann『Samba-Soul-Beat in Black & White』(1969年)
下段右:Nazz『Nazz』(1968年)

Latin Kaleidoscope/Cubバラード・アンド・バートン(期間限定盤)Samba Soul Beat in Black and WhiteThe Nazz

The Kenny Clarke-Francy Boland Big Band「Un Graso De Areia」
 http://www.youtube.com/watch?v=uHWDa3P9RpY
Ann Burton「A Lovely Way to Spend an Evening」
 http://www.youtube.com/watch?v=S_KeF30NKYI
Daniela Und Ann「Somebody Somebody」
 http://www.youtube.com/watch?v=AxHlhntevGc
Nazz「Open My Eyes」
 http://www.youtube.com/watch?v=apW-fj11T_k

1970年代
1970年代は生音の心地好さや躍動感を欲しています。

上段左:Cesar『Cesar 830』(1975年)
上段右:Greg Perry『Smokin'』(1977年)
下段左:Elis Regina『Em Pleno Verao』(1970年)
下段右:Youngbloods『RIde The Wind』(1971年)

Cesar 830Smokin
エン・プレノ・ヴァラオンRide the Wind

Cesar「See Saw Affair」
 http://www.youtube.com/watch?v=uzFGJrPQK4k
Greg Perry「I'll Always Be In Love With Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=2nwa5CrBnQI
Elis Regina「Vou Deitar e Rolar(Quaquaraquaqua)」
 http://www.youtube.com/watch?v=ODZLuYS2HmI
Youngbloods「RIde The Wind」
 http://www.youtube.com/watch?v=epuXgrR6ipk

1980年代
1980年代は時代的にキラキラした音がいいですね。

上段左:Toninho Horta『Toninho Horta』(1980年)
上段右:Dynasty『Adventures in the Land of Music』(1980年)
下段左:Ruben Blades『Agua de Luna』(1987年)
下段右:The Blow Monkeys『She Was Only A Grocer's Daughter』(1987年)

トニーニョ・オルタAdventures in the Land of Music
Agua de LunaShe Was Only a Grocer's Daughter

Toninho Horta「Aqui, Oh!」
 http://www.youtube.com/watch?v=bY7oDMBaG7g
Dynasty「Adventures in the Land of Music」
 http://www.youtube.com/watch?v=cVYxoPUjOHU
Ruben Blades「Isabel」
 http://www.youtube.com/watch?v=VnviBk0EgsI
The Blow Monkeys「It Doesn't Have to Be This Way」
 http://www.youtube.com/watch?v=7gqYd9gP_9g

1990年代
1990年代はリアルタイムの思い入れが一番強い時代かも?

上段左:Urban Species『Listen』(1994年)
上段右:Stereolab『Emperor Tomato Ketchup』(1996年)
下段左:Mr. Fingers『Introduction』(1992年)
下段右:Kut Klose『Surrender』(1995年)

ListenEmperor Tomato Ketchup
イントロダクションkut klose surrender.jpg

Urban Species「Spiritual Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=NPgUanns_Dw
Stereolab「Cybele's Reverie」
 http://www.youtube.com/watch?v=v6dNTmfZp0U
Mr. Fingers「On A Corner Called Jazz」
 http://www.youtube.com/watch?v=WhjlAnLBhRY
Kut Klose「Lovely Thang」
 http://www.youtube.com/watch?v=Y7dg3-2OS_g

2000年代
僕のの嗜好の変化が一番反映されているのがこの年代かも?

上段左:Adriana Evans『El Camino』(2007年)
上段右:Q-Tip『Kamaal The Abstract』(2009年)
下段左:Celso Fonseca『Natural』(2003年)
下段右:Roman Andren『Juanita』(2007年)

El Caminoカマール・ジ・アブストラクト
Naturalファニータ

Adriana Evans「Hey Now」
 http://www.youtube.com/watch?v=mBHeVXVU9r4
Q-Tip「Do You Dig U?」
 http://www.youtube.com/watch?v=uvEJOtzBuOo
Celso Fonseca「Bom Sinal」
 http://www.youtube.com/watch?v=Z34bAtfv0g0
Roman Andren「Let's Live Forever, Love」
 http://www.youtube.com/watch?v=SH51Qtt17Vc

2010年代 ※今年の盤は除きました!
TamyやBarrio Jazz Gangのように日本で全く無視されている盤にニンマリ?

上段左:Jose James『No Beginning No End』(2013年)
上段右:Andres Beeuwsaert『Cruces』(2012年)
下段左:Tamy『Tamy』(2011年)
下段右:Barrio Jazz Gang『2』(2010年)

ノー・ビギニング・ノー・エンドandres beeuwsaert cruces.jpg
tamy_tamy.jpg''2''

Jose James「Vanguard」
 http://www.youtube.com/watch?v=rHUmAg8OWo0
Andres Beeuwsaert「Vento Em Madeira」
 http://www.youtube.com/watch?v=fb_mKVXBnjA
Tamy「Gigi」
 http://www.youtube.com/watch?v=T2R3x_bAfB8
Barrio Jazz Gang「Take Yr Freedom Back」
 http://www.youtube.com/watch?v=Xq98Qvu9OQM

また明日から気持ちを引き締め直して、愚直に記事を書き重ねていく所存です。
皆様、これからも宜しくお願い申し上げます。
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2014年11月10日

Cameo『Cardiac Arrest』

「Rigor Mortis」、「Find My Way」を含むデビュー作☆Cameo『Cardiac Arrest』
カーディアック・アレスト
発表年:1977年
ez的ジャンル:N.Y.ファンク
気分は... :大台達成前夜・・・

実は今日が2,999回目のエントリーです。
明日は3,000回の大台に達する見込みです。
明日は通常エントリーとは異なる特別企画にしたいと思います。

今回はLarry Blackmon率いるファンク・グループCameoのデビュー・アルバム『Cardiac Arrest』(1977年)です。

これまで当ブログで紹介したCameo作品は以下の5枚。

 『Cameosis』(1980年)
 『She's Strange』(1984年)
 『Word Up!』(1986年)
 『Machismo』(1988年)
 『Real Men ... Wear Black』(1990年)

Cameoといえば、リアルタイムで聴いた「Word Up!」「Candy」といったヒット曲に代表されるソリッドなエレクトリック・ファンクのイメージも強いですが、初期の大所帯ファンク・バンド時代も捨て難い魅力がありますね。

そんな初期Cameoにおいて、『Cameosis』(1980年)と並ぶ代表作がデビュー・アルバム『Cardiac Arrest』(1977年)です。

本作におけるメンバーはLarry Blackmon(vo、ds、per)、Gregory Johnson(key、p、vo)、William Revis(b)、Eric Durham(g)、Arnett Leftenant(sax)、Nathan Leftenant(tp)、Tomi Jenkins(vo)、Kurt Jetter(vo)という8名。プロデュースはLarry Blackmon

本作のハイライトといえば、「Find My Way」「Rigor Mortis」というシングルにもなった2曲だと思います。

特に僕にとっては「Rigor Mortis」が最高のキラー・チューンですね。ただし、ダイレクトに「Rigor Mortis」にシビれたというよりも、本曲をサンプリングソースとして使ったJungle Brothers「Feelin' Alright」Brand Nubian「Brand Nubian」の2曲を通じて、この曲が大好きになったという流れですが・・・

Jungle Brothers「Feelin' Alright」
 http://www.youtube.com/watch?v=zLqOIyq_OME
Brand Nubian「Brand Nubian」
 http://www.youtube.com/watch?v=WmQRtwrqwQ8

「Rigor Mortis」はCameoらしいソリッドなファンク・サウンドの原型を楽しめますが、反対にデビュー・シングルでダンス・ヒットとなった「Find My Way」は全くCameoらしくありません。その意味で、アルバム全体としては試行錯誤の感もあります。ただし、それは悪い意味ではなく、Cameoらしい部分とそうではない部分が入り混じっている面白さが本作の魅力だと思います。

前述の2曲以外であれば、「Still Feels Good」「Post Mortem」「Good Times」あたりがオススメです。

Cameo好きであれば、ぜひ手元に置いておきたい1枚ですね。

全曲紹介しときやす。

「Still Feels Good」
Larry Blackmon作。軽快なホーン・サウンドとカッティング・ギターが先導するディスコ・ファンク。なかなかキャッチーで好きです。
http://www.youtube.com/watch?v=WRdmFTK-Q8g

「Post Mortem」
Larry Blackmon/Gregory Johnson作。この曲もシングルになりました。Cameoらしいヴォーカル・スタイルやファンキー・サウンドを楽しめるファンク・チューン。MC Solaar「Matiere Grasse Contre Matiere Grise」のサンプリング・ソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=YcOP_r6JuKM

「Smile」
Larry Blackmon作。爽快メロウなミディアム・チューン。アコースティックなアクセントもあって、初期ならではのサウンドだと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=ajanLxaa1Tk

「Funk Funk」
Larry Blackmon作。P-Funk調のミディアム・ファンク。Cameoらしいのか、らしくないのかもよく分かりませんが、そこが面白いのかも?C.P.O.「The Wall」、2 Source「Dans Ma Banlieue (P-Funk Mix)」のサンプリングソースにもなっています。
http://www.youtube.com/watch?v=jeTr8wvvd1o

「Find My Way」
Johnny Melfi作。The Three Degreesのカヴァーです。グループのデビュー・シングルであり、ダンス・ヒットとなりました。Cameoらしからぬ雰囲気のダンス・チューンですが、逆にそこが面白いのでは?『Secret Omen』(1979年)でも再録音されています。
http://www.youtube.com/watch?v=8xyH4fzlYzk

「Rigor Mortis」
Larry Blackmon/Nathan Leftenant/Arnett Leftenant作。シングルとしてR&Bチャート第33位となりました。この曲は後のCameoらしいソリッド・ファンクを予感させるファンキー・チューンに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=nQY1jCbrC2k

前述のJungle Brothers「Feelin' Alright」Brand Nubian「Brand Nubian」以外にも、Heavy D & the Boyz「Big Tyme」、Paris「Make Way for a Panther」、N2Deep「Whoo Ride」、Gangsta Boogie feat. Mr. X and Theodore Miller「Pass Tha Joint」、DJ Quik「Get at Me」、Poison Clan「Fire Up This Funk」、Mackadelics「On a Ride」、Ill Al Skratch feat. Crystal Johnson & Crystal Waters「Yo Love」、Silkk the Shocker feat. Snoop Dogg「Get It Up」、Wax & EOM「Last Resort」、Captain Murphy「Mighty Morphin' Foreskin」のサンプリングソースとなっています。

Heavy D & the Boyz「Big Tyme」
 http://www.youtube.com/watch?v=gUH24Hh4dJ0
Gangsta Boogie feat. Mr. X and Theodore Miller「Pass Tha Joint」
 http://www.youtube.com/watch?v=An2f8Pz2DhU
DJ Quik「Get at Me」
 http://www.youtube.com/watch?v=w6nscNwqUr4
Poison Clan「Fire Up This Funk」
 http://www.youtube.com/watch?v=L6csn2r4e2I

「Good Times」
Larry Blackmon作。軽快なファンキー・メロウ。キャッチーで大好きです!Cameoらしい音とCameoらしからぬ音が同居する面白さもありますね。
http://www.youtube.com/watch?v=1W52GXLcUEA

「Stay by My Side」
Larry Blackmon作。スロウも魅力のCameoですが、ラストはそんなリスナーの期待に応えてくれる素敵なメロウ・チューンで締め括ってくれます。少しイナたい感じが初期ならではの音ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=HvVr3inY1Qc

Cameoの過去記事もご参照下さい。

『Cameosis』(1980年)
Cameosis

『She's Strange』(1984年)
She's Strange

『Word Up!』(1986年)
Word Up!

『Machismo』(1988年)
cameo machismo.jpg

『Real Men ... Wear Black』(1990年)
Real Men Wear Black
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2014年11月09日

ZanYe『Conversations』

デトロイトの女性ネオソウル・シンガーによるメロウな良盤☆ZanYe『Conversations』
CONVERSATIONS
発表年:2014年
ez的ジャンル:デトロイト・ネオソウル
気分は... :ZanYeじゃねぇ?

今回は良質のネオソウル新作ZanYe『Conversations』です。

ZanYeのプロフィールはよくわかりませんが、デトロイトを拠点とする女性ネオソウル・シンガーであり、本作『Conversations』が2ndアルバムのようです。

インディ・ソウルらしい流行に左右されないジャジー&メロウなフィーリングにグッとくるネオソウル作品です。こういう奇をてらわないナチュラルな女性ネオソウル作品に僕は弱いんですよね。

Inohs SivadDeus Christianがプロデュースし、レコーディングにはDeus Christian(g、b、back vo)、Chris Donaldson(ds、per)、Duane Dawkins(ds)、Selecia Smith(key、prog)、Tony Gordon(key、syn)、Gene Wilson(b)、James Donaldson(per)、Kyle Rushing(back vo)、Inohs Sivad(back vo)、Dana Anderson(back vo)、LaVell Williams,(back vo)、Maurice Owens(back vo)、C. Alexander(vo)、Will Lazzana(rap)等メンバーが参加しています。

カヴァー2曲以外は、ZanYeと参加メンバーらの共作によるオリジナル曲が並びます。

気心知れたメンバーとリラックスした雰囲気の中で創り上げたメロウなソウル・ヴァイヴスが実に心地好いです。

ジャケは垢抜けないインディ感が漂いますが、ネオソウル/メロウ・ソウル好きの人であれば長く愛聴できる充実した1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Crazy Love」
オススメその1。クールに疾走するアーバン・モードのメロウ・ソウル。垢抜けないジャケの雰囲気とは全く異なる都会的なサウンドに思わりニンマリしてしまいます。

「Funny Valentine」
ジャズ・スタンダード「My Funny Valentine」(Lorenz Hart/Richard Rodgers作)をカヴァーしています。このジャズ・スタンダードをボッサ・フレイヴァーのメロウ・ソウルで聴かせてくれます。Adriana Evans好きの人は相当グッとくるはず!何の予備知識なしに聴くと、「My Funny Valentine」だと気づかないかもしれません。こういうカヴァーって意外にありそうでないかも?この路線でカヴァー・アルバムを創ると面白いのでは?

「Feels Like Rain」
C. Alexanderとのデュエット。安定感のある大人のメロウ・ソウルに仕上がっています。肩の力が抜けた自然体のアーバン・ソウルって感じが僕好みです!

「Extra Ordinary」
派手さはありませんが、ジャジーなネオソウル好きにはグッとくるミディアム。生演奏の良さが伝わってきます。

「I'm Gonna Keep Ya」
しっとりとしたメロウ・バラード。こういった曲でも過度に熱唱しすぎず、抑揚を上手にコントロールしたヴォーカルを聴かせてくれます。

「Keep It Movin'」
Will Lazzanaのラップをフィーチャー。ジャズ・ファンク調のサウンドの抜けの良さが心地好いです。終盤にラップ・パートを挿入してアクセントをつけています。

「Don't Let It Go To Your Head」
Gamble & Huff(Kenneth Gamble & Leon Huff)作のJean Carnによるメロウ・ダンサーをカヴァー。Jeanのオリジナルはアルバム『Happy To Be With You』(1978年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、本作らしい自然体のヴァイヴスが実に心地好いネオソウル・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=lyv_fzgwz7I

「Mistake」
哀愁メロウなジャジー・ソウル。丁寧に歌い上げていく感じが好感持てます。

「Celebrate」
爽快に疾走する僕好みのメロウ・ソウル。ZanYeの透明感のあるソウル・ヴォーカルと自然体のメロウ・サウンドがよくマッチしています。

「Conversation」
最後はタイトル曲。しっとりとしたバラードで余韻を残して締め括ってくれます。

振り返ると、今年はメジャーR&Bの新作をまったく紹介していないかもしれませんね。R&B/Soulについてはすっかりインディ・ソウル専門になってしまいました。今の僕にはメジャーR&B以上に聴きたい音があるということなのでしょうね。
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2014年11月08日

Dorothy Ashby『Dorothy's Harp』

ジャズ・ハープのパイオニアによるレア・グルーヴ人気作☆Dorothy Ashby『Dorothy's Harp』
ドロシーズ・ハープ
発表年:1969年
ez的ジャンル:ジャズ・ハープのパイオニア
気分は... :あなたの知らないジャズ・ハープの世界・・・

今回はジャズ・ハープのパイオニアDorothy Ashby『Dorothy's Harp』のレア・グルーヴ人気作Dorothy Ashby『Dorothy's Harp』(1969年)です。

Dorothy Ashby(本名:Dorothy Jeanne Thompson)(1930-1986年)は、ミシガン州デトロイト生まれ。父親がミュージシャンであった影響で幼少期からピアノを弾いていたそうです。高校でハープに出会い、興味を持ったものの、大学ではピアノを専攻していました。大学で学びながらクラブでピアニストとしての活動を開始したDorothyは、20歳の時に念願であった自分のハープを手に入れます。

その後は自身のジャズ・ハープ・トリオを結成し、ジャズ・ハープのパイオニアとして活動していきます。1957年の『The Jazz Harpist』を皮切りに数多くのリーダー作をリリースすると同時に、多くのジャズ作品やソウル作品、ポップ作品にゲスト参加しています。

当ブログで紹介した作品でいえば、何といっても名盤Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』(1976年)の「If It's Magic」が有名ですよね。Dorothyのハープに導かれるStevieのヴォーカルがサイコーでした。

本作『Dorothy's Harp』はレア・グルーヴ方面での再評価も高い1枚です。

プロデュースはRichard Evansが務め、彼のオーケストラがバックを務めています。また、Odell Brown(el-p)、Lennie Druss(fl、oboe)が参加しています。

内容はレア・グルーヴ人気作というのは頷けるものです。どの曲もビートが効いていて躍動感があります。ブラジリアン名曲のカヴァーをはじめ、ブラジリアン・フレイヴァーの演奏があるのも僕好みです。

また、「Canto De Ossanha」「The Windmills Of Your Mind」「Cause I Need It」あたりはサンプリングソースとしても人気です。

ハープのイメージを覆し、ジャズ・ハープの魅力を存分に伝えてくれる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「By The Time I Get To Phoenix」
Glen Campbellのヒット(オリジナルはJohnny Rivers)で知られるJimmy Webb作品。当ブログではGary McFarlandヴァージョンも紹介済みです。グルーヴィーなリズムとハープならではのエレガントな弦の響きの組み合わせがサイコーです。このオープニングを聴けば、本作がレア・グルーヴ人気盤であることが実感できるはず!
https://www.youtube.com/watch?v=00uiKaJLWKQ

当ブログでも紹介したCommon「Start the Show」でサンプリングされています。
Common「Start the Show」
 http://www.youtube.com/watch?v=87cLBY3i11A

「Canto De Ossanha」
Vinicius de Moraes/Baden Powell作。当ブログではThe Girls from BahiaWalter Wanderley等のカヴァーを紹介済みです。アフロ・ブラジリアン名曲ををハープの音色で軽やかに奏でます。
https://www.youtube.com/watch?v=FXo8bkYd2nY

当ブログで紹介したJurassic 5「Canto De Ossanha」をはじめ、Mad Skillz「The Jam」、Phife Dawg「Ben Dova」、Ugly Duckling「Another Samba」、Per Vers「Black Power」のサンプリング・ソースとなっています。
Jurassic 5「Canto De Ossanha」
 http://www.youtube.com/watch?v=zn8Et6AbDgY

「Love Is Blue」
Andre Popp/Bryan Blackburn作。フレンチ・ポップ名曲「恋は水色(L'amour est bleu)」をカヴァー。オリジナルはVicky Leandros。Paul Mauriatのイージーリスニング・ヴァージョンでお馴染みですね。当ブログではClaudine Longetのカヴァーも紹介済みです。クラシカルな雰囲気も漂うメロディと、躍動するロック・ビートの組み合わせが面白いですね
https://www.youtube.com/watch?v=BjYuhPKQTRU

「Reza」
Edu Lobo/Ruy Guerra作。Edu Loboのミステリアスなブラジリアン名曲をカヴァー。ブラジリアン・リズムをバックに、ジャズ・ハープの醍醐味を存分に味わえます。
https://www.youtube.com/watch?v=p3b9dWgA7es

本曲について、当ブログではEdu Loboのオリジナルをはじめ、Sergio Mendes & Brasil '66Wanda de Sah featuring The Sergio Mendes Trio Lennie Dale & Sambalanco TrioTamba 4The Carnivalのカヴァーも紹介済みです。

「The Girl's In Love With You」
Hal David/Burt Bacharach作。ポップな中にブルージーな香りも漂うサウンドをバックに、Dorothyの抑えたハープの音色がシブいですね。ハープという楽器の持つ可能性を再認識させてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=W2BZRfOT54w

「Truth Spoken Here」
Richard Evans作。躍動するビートをバックにしたR&Bテイストの演奏が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JVOaxbQtxCA

「Toronado」
Richard Evans作。女性スキャットも入ったブラジリアン・フレイヴァーの仕上がり。ハープの音色がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=FjhZj4FkpHo

「The Windmills Of Your Mind」
Alan Bergman/Marilyn Bergman/Michel Legrand作。Steve McQueen主演の映画『The Thomas Crown Affair(邦題:華麗なる賭け)』(1968年)の主題歌をカヴァー。お馴染みの名曲がハープで奏でられると、新たな魅力が加わっている感じになりますね。
https://www.youtube.com/watch?v=MN1UHUcNhio

本曲はDoudou Masta「C'Est La Compet'」、Rahzel「All I Know」、Da II Deuce「Dost Vas Mam! (I've Had It With You)」、Pacewon「Locked」、FlexE「The Orange Love Domain」、Melat「Fanclub」のサンプリングソースとなっています。
Melat「Fanclub」
 http://www.youtube.com/watch?v=7Slo0ZBCuls

「Cause I Need It」
Dorothy Ashby作。疾走感のあるリズムをバックに、DorothyのハープとLennie Drussのオーボエの音色が実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=BiR8lGWFKEg

本曲はINI feat. Pete Rock「Fakin' Jax」、Jay Z「A Million and One Questions (Premiere Remix)」、Que. D「Rock Box」、Madlib「Ashby Road」ののサンプリングソースとなっています。
INI feat. Pete Rock「Fakin' Jax」
 http://www.youtube.com/watch?v=MlOw9FgdpSc
Madlib「Ashby Road」
 http://www.youtube.com/watch?v=x4auFL_7kU8

「Just Had To Tell Somebody」
Dorothy Ashby作。軽快なリズムとハープの音色がマッチしたドリーミーな躍動感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=Qkb-gOrUdNc

「Fool On The Hill」
ラストはThe Beatlesの名曲カヴァー(Lennon-McCartney作)。この曲のインスト・カヴァーとして最高峰という気がします。Richard Evansのアレンジ・センスが冴え渡ります。
https://www.youtube.com/watch?v=nIN6utaf0ck

Dorothy Ashbyの他作品もチェックを!

『The Jazz Harpist』(1957年)
Jazz Harpist

『In a Minor Groove』(1958年)
In a Minor Groove

『Afro-Harping』(1968年)
Afro-Harping (Dig)

『The Rubaiyat of Dorothy Ashby』(1970年)
Rubaiyat Of Dorothy Ashby
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2014年11月07日

Colin England『Out Of Control』

NJS好きにはたまらない男性R&B作品☆Colin England『Out Of Control』
Out of Control
発表年:1993年
ez的ジャンル:NJS系男性R&B
気分は... :時は金なり・・・

今回は90年代男性R&B作品からColin England『Out Of Control』(1993年)です。

Colin EnglandはUSの男性R&Bシンガー。1989年にColin名義でシングル「How It Used To Be」をリリース。その後Motownとの契約に成功し、『Colin England』(1991年)、『Out Of Control』(1993年)という2枚のアルバムをリリースしています。

NJS好きにはお馴染みの男性シンガーですね。本作『Out Of Control』(1993年)もNJS好きを魅了する楽曲が収められています。

プロデューサーとして、兄弟R&BグループThe Boysのメンバーとしても活躍したHakim Abdulsamad、当ブログでもアルバム『Whole New Head』を紹介した男性R&BグループOne II 3のメンバーIke Lee IIIKiyamma Griffin、さらにはRoy PennonTim MinerSuamana Brownが起用されています。Colin自身のプロデュース曲もあります。

アルバムはNJSなダンサブル・チューンとスロウ〜ミディアムが半々ですが、やはりNJSなダンサブル・チューンに魅力を感じる1枚です。Colinの声質がダンサブル・サウンドによくフィットしています。

特に「No 1/2 Steppin'」「Out Of Control」「I'll Do Anything」あたりはかなりグッとくるはず!

大人のNJS作品をぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「No 1/2 Steppin'」
オススメその1。Hakim Abdulsamadプロデュース。NJS好きの心を奪うオープニング。爽快なダンサブル感がたまりません。ヴォコーダー使いもいいですね。本曲を聴いていたら、本作と同じ1993年にリリースされたRiff「Judy Had a Boyfriend」が聴きたくなりました。
http://www.youtube.com/watch?v=G4h-vE-6ZgA

「Come Over, Baby」
オススメその2。アルバムからのリード・シングル。Hakim Abdulsamadプロデュース。甘く危険な香りのするセクシーなダンサブル感がたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=ZgAzpTgA-GQ

「Out Of Control」
オススメその3。Hakim Abdulsamadプロデュース。シングルになってもおかしくないキャッチーさが魅力のダンサブルなタイトル曲。
http://www.youtube.com/watch?v=wotbl4NyALQ

「You Took My Love Away」
シングルにもなったミディアム・スロウ。Roy Pennon/Suamana Brownプロデュース。セクシー・ヴォーカルで迫ります。
http://www.youtube.com/watch?v=ex6QURG5rgk

「Bring Me Love」
Kiyamma Griffinプロデュース。大人のヴォーカルで熱唱するスロウ。

「Sorry Seems To Be The Hardest Word To Say」
Elton Johnのバラード曲をカヴァー。オリジナルはアルバム『Blue Moves』(1976年)に収録されています。落ち着いた雰囲気でじっくりと聴かせます。Tim Minerプロデュース。
http://www.youtube.com/watch?v=DI0bEPTAYCo

「24/7」
Colin自身のプロデュース。ここではClub Nouveauの女性ヴォーカルValerie Watsonとデュエットしています。
http://www.youtube.com/watch?v=oTsSPKwmowM

「Can I Touch You」
オススメその4。Ike Lee IIIとKiyamma GriffinというOne II 3コンビがプロデュース。Colinと共にOne II 3の才能を実感できるダンサブル・チューンです。
http://www.youtube.com/watch?v=BH-rlzrWq6Y

「I'll Do Anything」
オススメその5。Colin Englandプロデュース。この曲はかなり好き!アーバン・ナイトなダンサブル感がサイコーです。90年代らしいキーボードもたまりません。
http://www.youtube.com/watch?v=8kpEXdgLgkY

「What's On Your Mind」
Colin England/Tim Minerプロデュース。ラストは落ち着きのあるミディアム・グルーヴでセクシーに締め括ってくれます。

ご興味がある方は、1st『Colin England』(1991年)もチェックを!

『Colin England』(1991年)
Colin England
posted by ez at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする