発表年:2014年
ez的ジャンル:デトロイト・ネオソウル
気分は... :ZanYeじゃねぇ?
今回は良質のネオソウル新作ZanYe『Conversations』です。
ZanYeのプロフィールはよくわかりませんが、デトロイトを拠点とする女性ネオソウル・シンガーであり、本作『Conversations』が2ndアルバムのようです。
インディ・ソウルらしい流行に左右されないジャジー&メロウなフィーリングにグッとくるネオソウル作品です。こういう奇をてらわないナチュラルな女性ネオソウル作品に僕は弱いんですよね。
Inohs Sivad、Deus Christianがプロデュースし、レコーディングにはDeus Christian(g、b、back vo)、Chris Donaldson(ds、per)、Duane Dawkins(ds)、Selecia Smith(key、prog)、Tony Gordon(key、syn)、Gene Wilson(b)、James Donaldson(per)、Kyle Rushing(back vo)、Inohs Sivad(back vo)、Dana Anderson(back vo)、LaVell Williams,(back vo)、Maurice Owens(back vo)、C. Alexander(vo)、Will Lazzana(rap)等メンバーが参加しています。
カヴァー2曲以外は、ZanYeと参加メンバーらの共作によるオリジナル曲が並びます。
気心知れたメンバーとリラックスした雰囲気の中で創り上げたメロウなソウル・ヴァイヴスが実に心地好いです。
ジャケは垢抜けないインディ感が漂いますが、ネオソウル/メロウ・ソウル好きの人であれば長く愛聴できる充実した1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Crazy Love」
オススメその1。クールに疾走するアーバン・モードのメロウ・ソウル。垢抜けないジャケの雰囲気とは全く異なる都会的なサウンドに思わりニンマリしてしまいます。
「Funny Valentine」
ジャズ・スタンダード「My Funny Valentine」(Lorenz Hart/Richard Rodgers作)をカヴァーしています。このジャズ・スタンダードをボッサ・フレイヴァーのメロウ・ソウルで聴かせてくれます。Adriana Evans好きの人は相当グッとくるはず!何の予備知識なしに聴くと、「My Funny Valentine」だと気づかないかもしれません。こういうカヴァーって意外にありそうでないかも?この路線でカヴァー・アルバムを創ると面白いのでは?
「Feels Like Rain」
C. Alexanderとのデュエット。安定感のある大人のメロウ・ソウルに仕上がっています。肩の力が抜けた自然体のアーバン・ソウルって感じが僕好みです!
「Extra Ordinary」
派手さはありませんが、ジャジーなネオソウル好きにはグッとくるミディアム。生演奏の良さが伝わってきます。
「I'm Gonna Keep Ya」
しっとりとしたメロウ・バラード。こういった曲でも過度に熱唱しすぎず、抑揚を上手にコントロールしたヴォーカルを聴かせてくれます。
「Keep It Movin'」
Will Lazzanaのラップをフィーチャー。ジャズ・ファンク調のサウンドの抜けの良さが心地好いです。終盤にラップ・パートを挿入してアクセントをつけています。
「Don't Let It Go To Your Head」
Gamble & Huff(Kenneth Gamble & Leon Huff)作のJean Carnによるメロウ・ダンサーをカヴァー。Jeanのオリジナルはアルバム『Happy To Be With You』(1978年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継ぎつつ、本作らしい自然体のヴァイヴスが実に心地好いネオソウル・カヴァーに仕上がっています。
http://www.youtube.com/watch?v=lyv_fzgwz7I
「Mistake」
哀愁メロウなジャジー・ソウル。丁寧に歌い上げていく感じが好感持てます。
「Celebrate」
爽快に疾走する僕好みのメロウ・ソウル。ZanYeの透明感のあるソウル・ヴォーカルと自然体のメロウ・サウンドがよくマッチしています。
「Conversation」
最後はタイトル曲。しっとりとしたバラードで余韻を残して締め括ってくれます。
振り返ると、今年はメジャーR&Bの新作をまったく紹介していないかもしれませんね。R&B/Soulについてはすっかりインディ・ソウル専門になってしまいました。今の僕にはメジャーR&B以上に聴きたい音があるということなのでしょうね。