2014年11月16日

GoGo Penguin『V2.0』

マンチェスターから世界に発信する新世代ジャズ・ピアノ・トリオ☆GoGo Penguin『V2.0』
V2.0
発表年:2014年
ez的ジャンル:新世代UKジャズ・ピアノ・トリオ
気分は... :冬ジャズ!

今回は新作ジャズ作品から話題の新世代ジャズ・トリオGoGo Penguinの2ndアルバム『V2.0』です。

本当は9月のJazz The New Chapter(JTNC)強化月間に紹介したかったのですが、その枠から漏れて紹介するタイミングを逸していた作品です。

音的には夏のジャズというよりは、冬のジャズといった趣なので、その意味ではこの季節に紹介するのが良いのも?

GoGo Penguinはイギリス、マンチェスターで結成されたジャズ・トリオ。メンバーはChris Illingworth(p)、Nick Blacka(b)、Rob Turner(ds)の3名。

2012年にデビュー・アルバム『Fanfares』をリリース。、RadioheadSquarepusherMassive Attack等を聴いて育ってきた新世代による独自のジャズ・サウンドは、Gilles Petersonからも大絶賛され、その名をシーンに轟かせました。

また、革新的なジャズ・ピアノ・トリオという観点では、2008年のEsbjorn Svenssonの死により、その歴史に幕を閉じたE.S.T.Esbjorn Svensson Trio)の後継的なポジションのグループとしても注目されています。

最新作『V2.0』は、『Jazz The New Chapter 2』でも紹介されていた作品ですね。

USのエリート・ジャズ・ミュージシャンはやらない、UKの若手ならではのジャズ・サウンドといった感じですね。先にも書いたように、夏ではなく冬のジャズといった雰囲気がUKらしいと思います。

すべて3人のみのトリオ演奏でオール・インストです。
楽曲もすべて彼らのオリジナルです。

こういったSquarepusher経由のサウンドは、普段あまりジャズを聴かないクラブミュージック好きの人あたりには受けがいいと思います。その一方で、コンテンポラリー・ジャズのコアなリスナーの方は、どのように受け止めるのですかね。

プロデュースはBrendan WilliamsJoseph Reiser

『Jazz The New Chapter』によれば、J Dillaは進化形ジャズを理解する必須科目ですが、本作を聴くとSquarepusherあたりもそうなんじゃないかなと思えてきます。

UK新世代によるジャズ・サウンドは美しくもあり、刺激的でもあります!

全曲紹介しときやす。

「Murmuration」
この美しくも何処か儚い雰囲気のヒンヤリ感はRadioheadを聴いて育ってきたUK発の若手ジャズ・トリオって感じですね。
http://www.youtube.com/watch?v=GFoJli7qRdc

「Garden Dog Barbecue」
本曲をアルバムのハイライトに挙げる人は多いのでは?Squarepusherを通過してきた進化形ドラミングを堪能できる新世代ジャズらしい演奏です。終盤の盛り上げもグッド!
http://www.youtube.com/watch?v=6YE20EV1W-g

「Kamaloka」
人力ドラムンベースなドラムと美しいピアノ響きが織り成す、スノー・モードな躍動感がたまりません。寒い季節が似合う演奏だと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=REwNxxd1qgI

「Fort」
鍵盤の美しい響きと、それを下支えする小刻みなドラミングとベースのサウンドのミキシング・バランスが絶妙ですね。このユニットのユニークさを堪能できる演奏です。
http://www.youtube.com/watch?v=RPnQXLq8w_Q

「One Percent」
トリオの息の合った美しい疾走感が実に心地好いですね。UKの若い世代だからこそのサウンドですね。

「Home」
さり気ない演奏ですが大好きです。冬のピアノ・ジャズって感じがたまりません。Nick Blackaのベースの存在感がいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bYxVjy6R9KQ

「The Letter」
Chris Illingworthのピアノを中心とした厳粛な演奏です。

「To Drown In You」
進化形ジャズの肝はドラムに有り!と再確認させてくれる演奏です。そんなRob Turnerのドラムが先導する音空間を、ピアノとベースが埋めていきますが、余白をうまく使っている感じがいいですね。
http://www.youtube.com/watch?v=IgOyFzAAYNA

「Shock And Awe」
ピアノを中心としたダークなアンビエント・ミュージック。
http://www.youtube.com/watch?v=ZVTyOp2GTv8

「Hopopono」
ラストは美しくも若々しい新世代ユニットらしい演奏で締め括ってくれます。ビューティフル!
http://www.youtube.com/watch?v=-UtAV_azaBc

1stアルバム『Fanfares』(2012年)もチェックを!

『Fanfares』(2012年)
FANFARES
posted by ez at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする