発表年:1968年
ez的ジャンル:アコースティック回帰系ボサノヴァ/ジャズ・サンバ
気分は... :ジャケ買い大正解!
今回は60年代ブラジル作品からGrupo Manifesto『Grupo Manifesto No.2』(1968年)です。
Grupo Manifestoは、ボサノヴァなどのアコースティックなスタイルの演奏が衰退しはじめた1960年代後半に、ブラジル独自のアコースティック・サウンドへの回帰を目指して集まった音楽集団。
メンバーはFernando Leporace、Amaury Tristao、Gutemberg Guarabyra、Mariozinho Rocha、Guto Graca Meloというコンポーザー陣と、Gracinha Leporace、Augusto Cesar Pinheiro、Jose Renato Filho、Lucelena、Junaldoといったヴォーカル陣から成ります。
メンバーのうち、Gracinha Leporaceは、後にBossa Rioのメンバーとなり、さらにはa href="http://eastzono.seesaa.net/article/233458310.html">Sergio Mendes & Brasil '66、Sergio Mendes & Brasil '77にも参加しています。また、プライベートでもSergio Mendesと結婚することになります。
それ以外のメンバーでいえば、Lucelenaはフォーク・デュオLuli & LucinhaのLucinhaとして活動することになります。
Grupo Manifestoに話を戻すと、グループは『Manifesto Musical』(1967年)、『Grupo Manifesto No.2』(1968年)といったアルバムをリリースしています。
2ndアルバムとなる本作『Grupo Manifesto No.2』(1968年)では、Oscar Castro-Nevesがアレンジを手掛け、Durval Ferreiraがプロデュースしています。
アコースティック・サウンド回帰ということで古臭いイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、今聴いても新鮮な印象を受ける普遍的な魅力を持った1枚だと思います。Oscar Castro-Nevesによるアレンジが冴えているのと、曲によってリード・ヴォーカルが代わるので、アルバム全体のメリハリが効いている点が気に入っています。
僕の場合、音も聴かずにジャケが気に入って、ジャケ買いしたアルバムだったのですが大正解でした!
ボサノヴァやジャズ・サンバ好きの人はぜひチェックを!
全曲紹介しときやす。
「Maria Redentora」
Mariozinho Rocha作。LucelenaとJunaldoがリード・ヴォーカルをとるオープニング。軽妙かつノスタルジックな雰囲気でリラックスさせてくれます。
「Diferenca」
オススメその1。Amaury Tristao/Mariozinho Rocha作。Gracinhaと作者Amauryがリード・ヴォーカル。アフロ・サンバとボサノヴァのリズムを交互に配した素敵なアコースティック・メロウに仕上がっています。
「Pra Que Brigar」
Wolmar Carneiro/Mariozinho Rocha作。Junaldoがリード・ヴォーカルをとるサンバ・グルーヴ。肩ひじ張らないサンバ・チューンといった感じがいいですね。
「Hoje E Domingo」
Fernando Leporace/Mariozinho Rocha作。透明感のあるアコースティック・サウンドとコーラスワークが印象的です。
「Quem Vem La」
オススメその2。Amaury Tristao/Joao Medeiros Filho作。パーカッシヴなボッサ・リズムとサウダージ感覚たっぷりのコーラスワークが実にいいですね。
「Bloco da Vida」
オススメその3。Guarabyra/Capinan作。Lucelenaがリード・ヴォーカルをとるノルデスチ調の仕上がり。ミステリアスな魅力があります。
http://www.youtube.com/watch?v=61HCdJJyoOo
「So」
Amaury Tristao/Mario Telles作。美しいストリングスとピアノを配したボッサ・サウンドをバックに、Lucelenaが哀愁ヴォーカルでしっとりと歌い上げます。
「Garoto Paissandu」
Mariozinho Rocha作。後にDoris Monteiroも取り上げた楽曲。ここではJunaldoが溌剌としたヴォーカルを聴かせてくてます。
「Sem Dor」
オススメその4。Fernando Leporace作。Lucelenaがリード・ヴォーカルをとる爽快ジャズ・サンバ。男性コーラスもいい感じです。
「Minha Decisao」
オススメその5。Amaury Tristao/Joao Medeiros Filho作。Junaldoがリード・ヴォーカルをとる軽快なジャズ・サンバ。ヴォーカルものジャズ・サンバがお好きな人であれば間違いない1曲。
「Marianinha」
Fernando Leporace作。ラストは美しいアコースティック・バラードをGracinhaがしっとりと歌い上げます。
1st『Manifesto Musical』(1967年)もご一緒にチェックを!
『Manifesto Musical』(1967年)