2014年11月30日

Jarrod Lawson『Jarrod Lawson』

UK/USのソウルマニアに絶賛された白人ソウル・シンガー☆Jarrod Lawson『Jarrod Lawson』
ジャロッド・ローソン
発表年:2014年
ez的ジャンル:インディ・ソウル系US白人シンガー・ソングライター
気分は... :才能発掘!

今回はインディ・ソウルの注目新作からUS白人ソウル・シンガーJarrod Lawsonのデビュー・アルバム『Jarrod Lawson』です。

Jarrod Lawsonは1976年生まれの白人ソウル・シンガー/ピアニスト/ソングライター。オレゴン州ポートランド近郊出身で現在もポートランドを拠点に活動しているようです。

ピアノの調律師として働く傍らで地元のグループに参加しながら音楽活動を続けてきた彼が、約10年の歳月をかけて完成させた作品が本作『Jarrod Lawson』です。

自主制作盤としてリリースされた本作でしたが、UKのソウルマニアの間で話題となり、短期間で完売となってしまいます。その後、UKの人気レーベルDomeと契約し、リイシュー盤がリリースされ、さらには国内盤もリリースされました。

上記ジャケは国内盤のものですが、DomeからリリースされたUK盤のジャケはこんな感じです。

『Jarrod Lawson』 ※輸入盤
Jarrod Lawson

レコーディングにはJarrod本人の他に2009年からGood People名義で活動を共にするChristopher Friesen(b)、Joshua Corry(ds)、Farnell Newton(tp)等が参加しています。

また、ミックスをPrince等を手掛けたDave Friedlanderが担当し、マスタリングはDave Friedlanderの勧めでこれまで2,000以上の作品を手掛けた巨匠Bernie Grundman‎が務めています。Dave Friedlanderが本作に惚れ込み、Bernie Grundmanを紹介した点からも、Jarrod Lawsonが才能を持ったミュージシャンであることが窺えます。

D'AngeloOmarEric Benetあたりを引き合いに説明されることが多い作品です。

そうした説明の通りのJarrodのソウル・ヴァイブスが魅力なのは勿論ですが、それだけにも収まらない作品でもあります。Jarrod自身が自らの音楽性を"ソウルとジャズがほぼ当分"と語っているように、ジャズ・フィーリングも上手く取り入れており、ジャズ文脈から聴くのも楽しいと思います。

また、ラテン/ブラジルのエッセンスを取り入れた楽曲が多く収録されているのも僕好みです。

全曲Jarrodのオリジナルです。

心地好い生音グルーヴと共にJarrodの素晴らしいヴォーカルを堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Music And Its Magical Way」
オススメその1。D'Angelo「Brown Sugar」を彷彿させるネオソウルなグルーヴを持つオープニング。多重録音のコーラス・パートも含めてJarrodの持つソウル・フィーリングを存分に堪能できます。タイトルの通り、マジカルなミュージックです。
http://www.youtube.com/watch?v=nbSZChTIapc ※ライブ音源

「Sleepwalkers」
オススメその2。バトゥカーダ調のリズムと始まるブラジリアン・フレイヴァーのソウル・チューン。ブラジリアン・グルーヴ大好きな僕の嗜好にフィットする1曲です。クラブ系ブラジリアン・ジャズがお好きな人にもぜひチェックして欲しい1曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Y6kl1FiDTQE

「He's There」
オススメその3。僕の一番のお気に入り。Jarrodのソウル・ヴァイヴスがビンビンに伝わってきます。本作の持つオーガニックなグルーヴの魅力も堪能できます。終盤にラテン・フレイヴァーでアクセントを加えているあたりも心憎いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=Z7lorcq9WqI

「Walk In The Park」
ジャズ・フィーリングに溢れた仕上がり。本曲あたりを聴くと、本作はR&B/SoulファンのみならずJazzファンにも届いて欲しい気がします。

「All That Surrounds」
浮遊感が心地好いメロウ・グルーヴ。Jarrodの鍵盤が奏でるグルーヴとヴォーカルが一体化して音空間に溶け込んでいる感じがいいですね。

「Think About Why」
オススメその4。スキャットと共に始まるラテン・フレイヴァーの軽快な仕上がりはモロに僕好み。きっとラテン系のダンシング・ジャズがお好きな人も気に入ると思います。
http://www.youtube.com/watch?v=MjsBLTlrMU4

「Redemption」
抑えたヴォーカルでしっとりと聴かせるジャジーなミディアム・グルーヴ。
http://www.youtube.com/watch?v=T1Kt32rg8SE

「Spiritual Eyes」
オススメその5。素晴らしいコーラス・ワークと共に始まるコズミック・グルーヴ。序盤の静から一気に動へシフト・チェンジするのがいいでしね。Stevie Wonder『Songs In The Key Of Life』から多大な影響を受けていることを確認できる1曲です。

「Together We'll Stand」
オススメその6。ラテン・フレイヴァーを効かせたファンキー・グルーヴ。モロにラテンではなく、ソウル・グルーヴの中にラテンのエッセンスを巧みに取り入れるあたりも全盛期のStevie Wonder作品あたりの影響が大きいのかもしれませんね。

「Needed」
メロウ&ミステリアスな雰囲気を持ったバラード。夢の中を彷徨っているような感じです。

「Everything I Need」
Domeの人気コンピ『Soul Lounge』シリーズの最新版『Soul Lounge 11』にも収録されている注目曲。ヴォーカル重視の『Soul Lounge』シリーズに相応しい、ソウルフル・バラードです。シンプルな弾き語りながらも聴き応え十分です。
http://www.youtube.com/watch?v=SVUDyIZlGs8 ※ライブ音源

「Gota Keep」
オススメその7。ラストは心地好いグルーヴに魅了されるネオソウルで締め括ってくれます。生音ソウル・グルーヴの魅力を堪能できます。
http://www.youtube.com/watch?v=ovmqNeTJvCI

もう11月も最終日、明日から12月ですね。
毎年12月は慌しくせずにゆっくり過ごしたいと思うのですが、昨年同様に今年はかなりバタバタ状態・・・忘年会どころではありません(泣)
posted by ez at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする