2014年12月19日

Brothers By Choice『She Puts The Ease Back Into Easy』

メロウ・ダンサーなタイトル曲を含むレア・グルーヴ人気作☆Brothers By Choice『She Puts The Ease Back Into Easy』
SHE PUTS THE EASE BACK INTO EASY
発表年:1978年
ez的ジャンル:L.A.モダン・ソウル
気分は... :メロウ&セクシー!

今回はレア・グルーヴ人気作Brothers By Choice『She Puts The Ease Back Into Easy』(1978年)です。最近になり、再発CDがリリースされ、入手しやすくなりました。

Brothers By ChoiceはThe Glidersを前身にL.A.で結成されたソウル/ファンク・グループ。中心メンバーはBarnett WilliamsCharles Higgins, Jr.Eddie J. Gurrenの3名。ちなみにCharles Higgins, Jr.は有名なサックス奏者Charles Higginsの息子です。

グループの実質的な活動期間は1978〜1981年でしたが、その間に5枚のシングルと唯一のアルバム本作『She Puts The Ease Back Into Easy』をリリースしています。

レア・グルーヴの人気作である本作『She Puts The Ease Back Into Easy』ですが、ハイライトは「She Puts The Ease Back Into Easy 」「Take A Little More」というサンプリング・ソースとしても有名な2曲だと思います。

ただし、その2曲に止まらず、「Baby, You Really Got Me Going」「Girl I Need You Too」などモダン・ソウルの佳作が多く収録されているのが本作の魅力です。さらにアルバム未収録であったシングルのみの楽曲が3曲追加収録されているのが再発CDの特典です。

プロデュースはBarnett WilliamsEddie J. GurrenStan Ross。レコーディングにはDavid T. Walker(g)、Clay Drayton(g、b)、Henry Fields(b)、Jimmy Gordon(ds)、Scotty Harris(ds)、John Barns(key)、Pat Gammon(key)、Gary Coleman(per)、Chuck Findley(horns)、Quipman Dennis(horns)、Ron Starr(horns)といったミュージシャンが参加しています。

メロウ・ダンサー好きの人にはたまらない1枚、レア・グルーヴ人気作というのも頷けます。

全曲紹介しときやす。

「She Puts The Ease Back Into Easy (Part 1)」
James P. O'Loughlin/Larry C. Lynum作。本作のハイライトその1。オープニングを飾るパート1はインストです。David T. Walkerのめくるめくギターと共にスタートするメロウ・ダンサー。フィリー調のダンサブル・サウンドに女性コーラスとサックスが絡み、聴く者を高揚させます。
https://www.youtube.com/watch?v=0yFsI1QHgWw

この曲といえば、Buddha Brand「天運我に有り(撃つ用意)」のサンプリング・ソースとしてお馴染みですね。僕も大好きで当時のウォークマンのヘビロテ曲でした。「天運我に有り(撃つ用意)」がBrothers By Choiceを知るきっかけとなりました。
Buddha Brand「天運我に有り(撃つ用意)」
 https://www.youtube.com/watch?v=OtELozDHRUc

「天運我に有り(撃つ用意)」が収録されたBuddha Brand『病める無限のブッダの世界〜BEST OF THE BEST(金字塔)』(2000年)は、当時最も頻繁に聴いていたJapanese Hip-Hopアルバムでした。
Buddha Brand『病める無限のブッダの世界〜BEST OF THE BEST(金字塔)』(2000年)
病める無限のブッダの世界 ― BEST OF THE BEST (金字塔)

「Baby, You Really Got Me Going」
Barnett Williams/Eddie J. Gurren/Larry C. Lynum/T.A. Wargo作。セクシーな魅力に満ちたミディアム・テンポのモダン・ソウル。リード・ヴォーカルのCharles Higgins, Jr.のセクシー・ヴォーカルを堪能したいのであれば、この曲が最適なのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=ZJXp3FbiDko

「Girl I Need You Too」
Barnett Williams/Eddie J. Gurren作。爽快ソウル・ダンサーの本曲もモダン・ソウル好きにはたまらない仕上がりです。ヴォーカルに絡むホーン隊がなかなかいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=iKu295m8CTk

「Young, Single And Free」
Barnett Williams/Eddie J. Gurren作。ファンキーに疾走するメロウ・ダンサー。疾走感を盛り上げるホーン隊と女性コーラス隊が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=X8PTUQ4WR4k

「Take A Little More」
Neil Goldberg作。「She Puts The Ease Back Into Easy」と並ぶ本作のハイライト。ファルセット・ヴォーカルを駆使したセクシー&ビューティフルなソウル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=lnIr5l4SWAg

MadlibプロデュースM.E.D.「Yeah」をはじめ、Dres「New York City Niggas」、The Alchemist feat. Prodigy, Evidence & Big Twins「Fourth of July」といった曲のサンプリング・ソースとなっています。

M.E.D.「Yeah」
 https://www.youtube.com/watch?v=Vx4NyhHA0nk
Dres「New York City Niggas」
 https://www.youtube.com/watch?v=U1Mp7WhPZMg
The Alchemist feat. Prodigy, Evidence & Big Twins「Fourth of July」
 https://www.youtube.com/watch?v=-Xvd4FOmt2c
Educated Consumers「Or Do I」
 https://www.youtube.com/watch?v=BesvHFynZfY

「I've Got What You Need」
Gary Byrd/Henderson Huggins/Joe Wilson作。開放的なファンキー感が印象的です。ただし、他の曲に比べてインパクトは弱いかも?

「She Puts The Ease Back Into Easy (Part 2)」
こちらはヴォーカル・ヴァージョン。Part 1とは異なる味わいを楽しむことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=1IedhKMO59Q

「You Keep My Love Alive」
Barnett Williams/Charles Higgins, Jr./Eddie J. Gurren作。本編のラストは爽快ファンキーな雰囲気で締め括ってくれます。

再発CDには「Oh, Darlin」「Why Can't You Make Up Your Mind」「How Much I Feel」というシングルになった3曲がボーナス・トラックとして追加収録します。この3曲がなかなか充実していてお得感がありますね。

ちなみに再発CDライナーノーツによれば、シングル「Oh, Darlin」Delegation「Oh Honey」へのアンサー・ソングらしいです。

「Oh, Darlin」
 https://www.youtube.com/watch?v=p9LfM3rj4js
「How Much I Feel」
 https://www.youtube.com/watch?v=bbvEk5xJesQ

気付けば、今週も今日でおしまい。あと1週間で仕事納めになってしまいますね。年内納品の仕事がいくつかまだ残っている状態・・・この土日は仕事漬けになりそうです(泣)
posted by ez at 02:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月17日

Guru『Jazzmatazz (Streetsoul)』

豪華ゲスト、プロデューサーを迎えたGuruのプロジェクト第3弾☆Guru『Jazzmatazz (Streetsoul)』
ジャズマタズ:ストリートソウル
発表年:2000年
ez的ジャンル:豪華ゲスト、プロデューサーとの共演系Hip-Hop
気分は... :今聴き直すと面白い!

今日は故GuruによるプロジェクトJazzmatazzの第3弾『Jazzmatazz (Streetsoul)』(2000年)です。

これまで当ブログで紹介したJazzmatazzシリーズは以下の3枚。

 『Jazzmatazz』(1993年)
 『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
 『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)

『Jazzmatazz, Vol. 4』の記事でも書きましたが、Jazzmatazzと言えば最初の2枚のインパクトが大きすぎて、Guruの生前には第3弾、第4弾を軽視していた面があります。

Jazzmatazzというプロジェクト自体、Acid Jazz全盛期にHip-HopとJazzの融合を試みるための他流試合(?)プロジェクトとしてスタートさせたものであり、Acid Jazzブームの去った後にリリースされた第3弾、第4弾には食指が動きませんでした。音が云々というよりもプロジェクトの位置づけに興味が持てなくなったという感じです。

しかしながら、Guruの死後に余計な思いを排してこれらの作品に耳を傾けると、なかなかいいアルバムであると素直に思えるようになりました。

改めて眺めると、本作『Jazzmatazz (Streetsoul)』にフィーチャーされているアーティストの豪華さに感動します。Angie StoneDonell JonesMacy GrayBilalErykah BaduThe RootsAmel LarrieuxKelisCraig DavidIsaac HayesLes NubiansHerbie HancockBig ShugJunior ReidProdigal Sunnといったメンツです。

また、DJ ScratchDJ PremierThe NeptunesJay Dee(J Dilla)Erykah BaduThe Roots、Victor Flowers、Agallah、Guru自身というプロデューサー陣もなかなかです。

このメンバー構成からイメージできるように、Hip-HopとJazzの融合というより、Hip-Hopとネオソウルの融合といった雰囲気ですね。個人的にはThe RootsBilalJay Dee(J Dilla)Erykah BaduといったSoulquarians勢の参加曲やThe Neptunesプロデュース曲がオススメです。

改めて聴き返しても、いろいろ楽しめる1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
アルバムのイントロ。

「Keep Your Worries」
Angie Stoneをフィーチャー。DJ Scratchプロデュース。シングル・カットもされた曲です。哀愁モードのトラックにのって、Angie姐さんの肝の据わったヴォーカルとGuruらしいフロウが絡みます。
https://www.youtube.com/watch?v=7R0D6ryRUqQ

「Hustlin' Daze」
Donell Jonesをフィーチャー。DJ Premierプロデュース。ほぼGang Starr状態ですね。American Cream Team feat. Raekwon & RZA「It's Not a Game」の声ネタも交えたプリモ先生の擦りと共に始まり、The Blue Notes「Here I Am」ネタのトラックが印象的です。Donell Jonesのヴォーカルもトラックによく馴染んでいます。さすがプリモ、いい仕事ぶりです。
https://www.youtube.com/watch?v=m9cD3qHELWM

「All I Said」
Macy Grayをフィーチャー。The Neptunesプロデュース。DJ Premierプロデュース曲の後に、The Neptunesプロデュース曲が並ぶと両者の個性が際立ちますね。余計なものを削ぎ落としたトラックで妖しげな雰囲気とMacyの個性的なヴォーカルを活かしています。
https://www.youtube.com/watch?v=6tU5rKPxKfU

「Certified」
Bilalをフィーチャー。Jay Dee(J Dilla)プロデュース。J Dillaっぽく聴こえないかもしれませんが、ビートはJ Dillaビートです。Klaus Wunderlich「Sugar Me/Standing in the Road」ネタのループが印象的なトラック、Bilal独特のハイ・トーン・ヴォーカルがGuruのフロウを盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=lVPlNhkD7yU

「Plenty」
Erykah Baduをフィーチャー。プロデュースも彼女です。レトロなジャジー調ながらもエリカ様ワールドにGuruを引きずり込んでいます。
https://www.youtube.com/watch?v=tjJ1TL2gf1M

「Lift Your Fist」
The Rootsをフィーチャー。プロデュースもThe Roots。本作にはSoulquariansメンバーが何名か参加していますが、コレがSoulquariansらしい音なのでは?今聴いてもかなり格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=biuy7LSKBhQ

「Guidance」
Amel Larrieuxをフィーチャー。Guruプロデュース。Earth, Wind & Fire「Keep Your Head to the Sky」ネタのキャッチーな仕上がり。Amel Larrieuxの透明感のあるヴォーカルが華やかな雰囲気を演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=8JDTe8MG2TY

「Interlude (Brooklyn Skit)」
インタールード。

「Supa Love」
Kelisをフィーチャー。The Neptunesプロデュース。The Neptunesのエッジの効いたトラックが秀逸です。この頃のThe Neptunesはエッジーだったなぁ!
https://www.youtube.com/watch?v=_XNiTmGM9sQ

「No More」
Craig Davidをフィーチャー。Guruプロデュース。今回のフィーチャリング・アーティストの中で僕と最も縁遠いのがCraig David。どうもCD購入してまで聴きたいアーティストではないんですよね。僕の中では・・・。そんな理由で本曲も軽く聴き流してしまうことが多いのですが。
https://www.youtube.com/watch?v=CYKTduaZC8g

「Where's My Ladies?」
Big Shugをフィーチャー。Guruプロデュース。Big ShugはGang Starr Foundationのメンバーですね。Fleetwood Mac「Prove Your Love」ネタのドラム、The Dramatics「Whatcha See Is Whatcha Get」ネタの上モノによるトラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=DKWSjs8s7pQ

「Night Vision」
Isaac Hayesをフィーチャー。Victor Flowersプロデュース。Isaac Hayes「Walk From Regio's」をサンプリングしたHayesへのリスペクトに溢れた1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=qfRK8aK2gvE

「Who's There?」
Les Nubiansをフィーチャー。Guruプロデュース。Gwen McCrae「Love Without Sex」ネタの哀愁トラックにのって、当ブログでも紹介したフレンチ・ネオソウル・デュオLes Nubiansがフレンチ・ヴォーカルでGuruを盛り上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=DVCrCnb6Jog

「Mashin' Up Da World」
Junior Reid(元Black Uhuru)、Prodigal Sunnをフィーチャー。Agallah/Guruプロデュース。ラガとGuruの融合って雰囲気が面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=4a6sQkyVRyA

「Timeless」
Herbie Hancockをフィーチャー。Guruプロデュース。Jazzmatazzの原点を踏まえれば、こういったジャズの大物アーティストとの共演がJazzmatazzらしいですよね。サウンドの方もコンテンポラリー・ジャズとHip-Hopの融合といった雰囲気で実にスタイリッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=xETOLOwUETY

Jazzmatazzシリーズの過去記事もご参照下さい。

『Jazzmatazz』(1993年)
Jazzmatazz, Vol. 1

『Jazzmatazz Vol II:The New Reality』(1995年)
Jazzmatazz, Vol. 2: The New Reality

『Jazzmatazz, Vol. 4』(2007年)
Jazzmatazz 4: Hip Hop Jazz Messenger Back to the
posted by ez at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月16日

Walter Wanderley & Luiz Henrique『Popcorn Pop』

ユニークなシンガーとオルガン・ボッサ第一人者の共演☆Walter Wanderley & Luiz Henrique『Popcorn Pop』
ポップコーン
発表年:1967年
ez的ジャンル:オルガン系ボッサ・ジャズ/ラウンジ・ポップ
気分は... :ポップコーンのような気軽さ!

今回はオルガン・ボッサの第一人者Walter Wanderleyと個性的な男性シンガー/ギタリストLuiz Henriqueの共演作『Popcorn』 (1967年)です。Luiz Henriqueといえば、バルサの監督のあの人を思い浮かべてしまいますが(笑)

これまで当ブログで紹介したWalter Wanderley作品は以下の3枚。

 『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
 ※Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio名義
 『Batucada』(1967年)
 『Kee-Ka-Roo』(1968年)

本作は個性的な男性シンガー/ギタリストLuiz Henrique『Barra Limpa』(1967年)に続きリリースしたVerveでの第2弾アルバムでもあります。

レコーディングにはLuiz Henrique(vo、g、per)、Walter Wanderley(org)、 Sivuca(accordion)、Romeo Penque(fl)、Melvin Tax(fl)、Jose Marino(b)、Affonso de Paula(per)、James Kappes(ds)、Gary Chester(ds)、Donald MacDonald(ds)が参加しています。

ボッサ・ジャズに収まらず、ソウル・ジャズ風の演奏やラウンジ・ポップ調のエッセンスも詰まったバラエティ感が魅力です。Wanderleyの変幻自在のオルガンがLuiz Henriqueの個性を巧みに引き出している感じがいいですね。

ポップかつスタイリッシュなフェイク・ボッサあたりがお好きな人も楽しめると思います。

ポップコーンのような気がるに楽しめるポップなサウンドをぜひ!

全曲紹介しときやす。

「Happy Birthday」
お馴染みのバースデー・ソングをユニークなアレンジで聴かせてくれます。Wanderleyのグルーヴィー・オルガンと人を喰ったHenriqueのヴォーカルが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=A1ogCX0lHJM

「Cabaret」
大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカル『Cabaret』のテーマ曲をカヴァー(Fred Ebb/John Kander作)。Wanderleyらしいオルガン・ボッサ・サウンドと、Henriqueのヘナヘナ・ヴォーカルがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=1XzHNpo0Vak

「Florianopolis」
Luiz Henrique作。哀愁メロウな雰囲気がいい感じのボッサ・チューン。すっきりとしたアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sCo8-JDN-wA

「Kee-Ka-Roo」
Walter Wanderley作。当ブログでは『Kee-Ka-Roo』収録のヴァージョンも紹介済みです。軽快かつメロウなオルガン・グルーヴはオルガン・ソウル・ジャズ好きの人向けだと思います。。
https://www.youtube.com/watch?v=uh3m08V9av8

「Diane In The Morning」
Luiz Henrique作。組曲風の展開は本作の中でも異色の演奏です。Henriqueのギターがなかなか良かったりします。

「Popcorn」
Luiz Henrique/Walter Wanderley作。タイトル曲もボッサではなくオルガン・ソウル・ジャズしています。ボッサ系アーティストならではのソウル・ジャズ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FmdwF0Kiye4

「A Different Beat」
Mauricio Einhorn/Durval Ferreira作のはずですが、Luiz Henrique/Oscar Brown Jr.作とクレジットされています。小粋なボッサ・ラウンジ調の仕上がりは僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=nlte6yx2C40

「Home On The Range」
童謡としてお馴染みの「峠の我が家」をメロウにカヴァー。あの歌がこんなに洗練されるのかと感心してしまいます。

「Blue Island」
Jacqueline Sharpe/Luiz Henrique作。ボッサ・ジャズ調の仕上がりですが、本作らしいラウンジ感のあるアレンジがリラックスさせてくれます。

「Dusty Road」
Jacqueline Sharpe/Luiz Henrique作。疾走するボッサ・ジャズですが、聴いているとEdu Loboを思い浮かべるのは僕だけでしょうか・・・

「In My Automobile」
Roberto Menescal/Ronaldo Boscoli作。ラストは小粋なオルガン・ラウンジ調で締め括ってくれます。

Walter WanderleyLuiz HenriqueのVerve時代の他作品もチェックを!

Walter Wanderley『Rain Forest』(1966年)
サマー・サンバ

Astrud Gilberto/Walter Wanderley Trio『A Certain Smile A Certain Sadness』(1966年)
A Certain Smile, A Certain Sadness

Walter Wanderley『Cheganca』(1966年)
シェガンサ(紙ジャケット仕様)

Walter Wanderley『Batucada』(1967年)
バトゥカーダ

Walter Wanderley『Kee-Ka-Roo』(1968年)
キー・カー・ルー

Luiz Henrique『Barra Limpa』(1967年)
バーハ・リンパ
posted by ez at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月15日

Flaming Ember『Sunshine』

Hot Waxのファンキー・ロック/ブルーアイド・ソウル・グループ☆Flaming Ember『Sunshine』
サンシャイン+5
発表年:1971年
ez的ジャンル:Hot Wax系ファンキー・ロック/ブルーアイド・ソウル
気分は... :こういうジャケに弱いんです!

今回は白人グループながらもHot Waxと契約し、ヒットを放ったグループFlaming Emberの2ndアルバム『Sunshine』(1971年)です。

Flaming Emberは60年代後半にデトロイトで結成されたファンキー・ロック/ブルーアイド・ソウル・グループ。

メンバーはJoe Sladich(g)、Bill Ellis (key)、Jim Bugnel(b)、Jerry Plunk(ds、lead vo)という4名です。

グループはHolland-Dozier-Holland(Brian Holland/Lamont Dozier/Edward Holland, Jr.)が設立したHot Waxと契約し、「Mind, Body And Soul」(全米チャート第26位)、「Westbound #9」(全米チャート第24位)、「I'm Not My Brothers Keeper」(全米チャート第34位)といったヒットをチャートへ送り込んでいます。

また、『Westbound #9』(1970年)、『Sunshine』(1971年)という2枚のアルバムをリリースしています。僕が保有するのは2枚共に1997年にCD化された盤です。

2枚のアルバムのうち、「Mind, Body And Soul」「Westbound #9」というヒット2曲とフリーソウル人気曲「Spinning Wheel」(Blood, Sweat & Tearsの名曲カヴァー)が収録された1st『Westbound #9』の方が人気かもしれませんが、個人的にはジャケが素敵な2nd『Sunshine』もなかなか気に入っています。

本作『Sunshine』では、Greg PerryWilliam Weatherspoonの2人がプロデューサーを務め、2人に加えてGeneral Johnson(Chairmen Of The Board)、Angelo BondEdith WayneRon DunbarRaynard MinerRonald Weatherspoon、さらにメンバーのJerry Plunkがソングライティングを手掛けています。

ハイライトはヒットした「I'm Not My Brothers Keeper」とサンプリング・ソースとして人気の「Gotta Get Away」あたりですかね。

ファンキー・ロック/ブルーアイド・ソウル・グループといった紹介をしましたが、この2ndはロック色がより強まっている印象を受けます。その意味では1st以上にバンドの色とHot Waxの色の折り合いを上手くつけているように感じます。妖しげかつへヴィなファンキー・サウンドがJerry Plunkのワイルドなヴォーカルと相俟って自分達の色を出すことに成功していると思います。

その意味では本作でグループの歴史に幕が閉じられたのは残念ですね。確かに、このグループの音がHot Waxらしいのか?という点はありますが・・・

このジャケに惹かれた方は、ぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Livin' High, Money Low」
General Johnson/Greg Perry作。Jerry Plunkのワイルドな哀愁ヴォーカルにマッチしたゴツゴツとしたグルーヴがいい感じのオープニング。

「1200 Miles From Heaven」
General Johnson/Greg Perry作。サイケなスパイスの効いたワイルドな疾走感がたまりません。適度にパーカッシヴなのも僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=Qej2AfkAxvI

「Heart On Lovin' You」
Ronald Weatherspoon/William Weatherspoon作。骨太グルーヴとJerry Plunkのソウルフル・ヴォーカルが一体化した絶品ファンキー・ロック!

「Stop The World (And Let Me Off)」
Angelo Bond/Edith Wayne/Ron Dunbar作。ファンキー・ロック・グループとHot Waxサウンドの融合といった雰囲気がよく反映されている楽曲。終わり方はあっけないですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=Q2d2NbjaEl8

「Sunshine」
Raynard Miner/William Weatherspoon作。ブルーアイド・ソウルという点では、じっくり聴かせるタイトル・チューンが味わい深いと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=lyA76U7Gkns

「Gotta Get Away」
Jerry Plunk作。オルガンとギターが織り成す妖しげなグルーヴ感にグッとくるダークなファンキー・チューン。レア・グルーヴ好きの人であれば気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=nqXRIE0cXfA

Diamond D「I'm Outta Here」、「Who Got the Gun」、Pete Rock feat. Skillz「One MC One DJ」、Flipmode Squad「Hit 'Em Wit Da Heat」のサンプリング・ソースとして人気です。
Diamond D「I'm Outta Here」
 https://www.youtube.com/watch?v=HPqtTYkULfA
Diamond D「Who Got the Gun」
 https://www.youtube.com/watch?v=vnGZ_glKDUU
Pete Rock feat. Skillz「One MC One DJ」
 https://www.youtube.com/watch?v=0DRZacg0CjA
Flipmode Squad「Hit 'Em Wit Da Heat」
 https://www.youtube.com/watch?v=89ItzAg-FCU

「I'm Not My Brother's Keeper」
Raynard Miner/Ron Dunbar/William Weatherspoon作。ファンキー&パーカッシヴなイントロが印象的なヒット・チューン。前述のように全米チャート第34位のヒットとなりました。サイケなエッセンスも加わったHot Waxっぽさと、ファンキー・ロック・グループらしい骨太感の調和がとれているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=tXNlpchVz24

「Ding Need Dong (To Ding-A-Ling-A-Ding-Dong)」
Raynard Miner/William Weatherspoon作。このキャッチーなファンキー・チューンも僕のお気に入り。グイグイくるリズム隊の推進力とパワフルかつソウルフルなヴォーカルがいい感じです。

「One Step Beyond」
Angelo Bond/General Johnson/Greg Perry作。美しいソウル・バラードを高らかに歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=-zghh58GyUA

「Ember Blues」
Jerry Plunk作。ラストはタイトルの通り、モロにブルース・チューンというHot Waxらしからぬ雰囲気で締め括ってくれます(笑)

1st『Westbound #9』(1970年)も一緒にチェックを!

『Westbound #9』(1970年)
ウエストバウンド・ナンバー9 +3
posted by ez at 02:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月14日

Gerardo Frisina『Movement』

クラブジャズのマエストロによる新作☆Gerardo Frisina『Movement』
Movement
発表年:2014年
ez的ジャンル:Schema系クラブジャズ
気分は... :抗えない格好良さがある!

今回はSchemaの看板アーティストGerardo Frisinaの最新作『Movement』です。

イタリア、ミラノ出身のプロデューサー/DJであるGerardo Frisinaに関して、これまで当ブログで紹介したのは以下の3枚です。

 『Ad Lib』(2001年)
 『The Latin Kick』(2005年)
 『Join The Dance』(2010年)

Nicola Conteと並ぶイタリアのジャズ・ダンス・シーンのマエストロですが、ヴォーカリストを配したアフロ・ジャズ、ソウル、ブルースといったブラック・ミュージック寄りのアプローチが目立つ近年のNicola Conteに対して、Gerardo Frisinaは本作でも相変わらずインスト中心のアフロ・キューバンなクラブジャズ道を邁進しています。

進化形ジャズに多くの注目が集まる今日、こうしたクラブジャズ然とした作品の位置づけってビミョーなのかもしれません。しかしながら、一度音を聴いてしまうと抗えない格好良さに魅了されるのも事実です。

アフロ・ファンク的な演奏もありますが、やっていることに極端な変化があるわけではありません。それでもサウンドの成熟度・完成度にはさすがマエストロという気がします。

Gerardo Frisinaがプロデュース&アレンジを手掛け、レコーディングにはGiovanni Guerretti(p、el-p)、Pasquale Bardaro(vib)、Hendrickson "Pucci" Mena(tp)、Alfonso Deidda(bs、fl)、Germano Zenga(ts)、Enzo Frassi(b、el-b)、Hernesto Lopez(ds、per)、Francesca Sortino(vo)といったアーティストが参加しています。

楽曲はすべてGerardo Frisinaのオリジナルです。

素直に格好良いアフロ・キューバンなジャズ・ダンスを楽しみましょう。

全曲紹介しときやす。

「Arrival」
パーカッシヴなリズムと共に疾走しながらも、スタイリッシュな落ち着きを持つ大人のクラブジャズ・チューンでアルバムは幕を開けます。ヴァイヴの音色が全体に落ち着きを与えてくれます。

「I Need Rhythm」
本作の格好良さを象徴するアフロ・キューバンなジャズ・ダンス・チューン。骨太ベース、グルーヴィーなオルガン、エレガントなヴァイヴ、小粋なトランペット・ソロなど、どこを切ってもスタイリッシュです。
https://www.youtube.com/watch?v=OgIEN-ugJpk

「Movement」
タイトル曲はノスタルジックなスタイリッシュ感がたまりません。Pasquale Bardaroのヴァイヴの音色が優雅な気分にしてくれます。

「The Talisman」
格好良いブレイクと共に始まるアフロ・ファンク・チューンは本作ならではの新機軸ですね。クラブジャズにアシッド・ジャズ的なエッセンスが加わったような雰囲気です。妖しげなフルートの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=F90H4Gg2SRA

「Selvatico」
シャープに躍動するアフロ・キューバン・リズムでグイグイ牽引するSchemaらしいクラブジャズです。演奏全体のヴィヴィッド感がいいですね。

「The Sound Image」
ミステリアスな雰囲気でジワジワと迫ってくる妖しげなアフロ・キューバン。引き算のスタイリッシュさが格好良いですね。

「Eastern Vibrations/Shout it Out」
Francesca Sortinoのスキャットが誘う妖しい雰囲気に包まれた仕上がりです。

「Reporter」
Hendrickson "Pucci" Menaの格好良いトランペット・ソロが印象的です。スパイ・ジャズ的な格好良さもありますね。

「Communications」
エレガントなジャズ・ダンス・チューン。フロア仕様のリミックスが似合いそうな素材ですね。

「Moving Shadows」
ボッサ・ジャズなエッセンスも加えて軽やかに疾走します。ここでもノスタルジックな雰囲気を巧みに使っています。

「Mystic Latin」
タイトルの通り、妖しげなラテン・ジャズ・ダンスに仕上がっています。エスニックな香りも漂います。

「What's Jazz?」
ラストはダンサブルなアフロ・キューバン・チューンで締め括ってくれます。「What's Jazz?」というより、「What's Jazz Dance?」って雰囲気ですね。

Gerardo Frisinaの他作品もチェックを!

『Ad Lib』(2001年)
Ad Lib

『Hi Note』(2004年)
Hi Note

『The Latin Kick』(2005年)
The Latin Kick

『Note Book: A Journey In Sound The Remix』(2007年)
Note Book

『Join The Dance』(2010年)
Join the Dance [Import CD from Italy]
posted by ez at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする