2014年12月13日

Mestizo L.A.『Mixing It Up』

ベテラン・チカーノ・バンドが遂にリリースした1stアルバム☆Mestizo L.A.『Mixing It Up』
mestizo la mixing it up.jpg
発表年:1998年
ez的ジャンル:L.A.チカーノ・ソウル/ロック
気分は... :やはり70年代チカーノ・サウンドがいい!

今回はL.A.のチカーノ・バンドMestizo L.A.の1stアルバム『Mixing It Up』(1998年)です。

Mestizo L.A.は70年代半ばからイーストL.A.で活動しているチカーノ・バンド。今年10年ぶりの新作『After All These Years』をリリースしたことで注目を浴びているグループです。

それ以前に『Mixing It Up』(1998年)、『As Promised』(2004年)といったオリジナル・アルバムをリリースしています。

1983年にリリースされたRuben Guevaraコンパイルのチカーノ・グループのコンピ『Los Angelinos (The Eastside Renaissance)』(1983年)には、本作のオープニングを飾る「What Am I Going To Do?」が収録されています。Ruben Guevaraは70年代にFrank Zappaプロデュースの下、Ruben & The Jets名義でアルバムをリリースしているチカーノ・ロッカーです。

今日紹介する1stアルバム『Mixing It Up』は1998年のリリースですが、先に挙げた「What Am I Going To Do?」をはじめとする4曲は80年代前半にレコーディングされたもののようです。しかしながら、2014年の今聴いてもメロウネスと躍動感を併せ持つラテン・サウンドは実に魅力的です。

本作におけるメンバーは、Albert Balderas(tp)、Roberto Ceja(key、vo)、Tony Fernandez(ds、congas)、Rudy Garcia(b)、Mickey Gonzalez(vo、per)、Steve Lang(as、ts、fl、vo)、Ron Solarzano(g、timbales、vo)、David Vidaurrazaga(g、vo)という8名。

70年代モードのラテン・ソウルとラテン・ロックとラテン・ジャズが絶妙のバランスで融合している感じですかね。

要は、AztecaMaloSapoCourtial With Errol KnowlesCoke EscovedoPete EscovedoAposento AltoJorge Santanaといった西海岸チカーノ・サウンドがお好きな人は、絶対に気に入ると思います。

正直、1998年から25年位前にタイムスリップしているかのようなチカーノ・サウンドですが、それこそが本作の最大の魅力です。これが1998年仕様のアップデートされすぎたサウンドであれば、僕が本作を購入することは無かったでしょう。

自分の70年代ラテン・ソウル/ラテン・ロック好きを再確認できた1枚です。

楽曲はすべてメンバーのDavid VidaurrazagaもしくはRon Solarzanoのペンによるものです。

全曲紹介しときやす。

「What Am I Going To Do?」
前述のコンピ『Los Angelinos (The Eastside Renaissance)』にも収録されていたグループの魅力が凝縮されたオープニング。MaloAztecaがお好きな人はグッとくるであろうフリーソウル的な仕上がりです。ラテン・リズムにのった軽快なメロウ・グルーヴは実に心地好いです。ソウルフルなハイトーン・ヴォーカルやキレのあるホーン隊がいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=65wJZYV4KtE

「Locura En Primavera」
緩急をつけたラテン・リズムと素晴らしいホーン・アンサンブルが楽しめます。インストと思いきや終盤にヴォーカルが入ります。

「Morenita」
チカーノ・バンドらしいホーン・アンサンブルとアタッキングなピアノが格好良いですね。ヴォーカル・パートも70年代ラテン・ソウル/ロックの香りがしていいですね。

「Want Your Love」
メロウなラテン・ソウルは黄昏モードにピッタリです。ソウルフルなリード・ヴォーカルとメロウ・サウンドにウットリです。
https://www.youtube.com/watch?v=YgTOwLZsRCQ

「Un Sueno」
レトロ感のラテン・ソウル。そのレトロ感のあるサウンドが逆にいい味出しています。サックス、トランペットのソロが盛り上げてくれます。

「Lead The Way」
スピーディーに疾走します。70年代チカーノ・サウンドに90年代ならではのエッセンスを薄っすら加味した躍動感がたまりません。

「Dia Azul」
伸びやかなホーン・サウンドを前面に打ち出したインスト・チューン。

「Picture」
この曲は90年代サウンド感が出たチカーノ・ロックに仕上がっています。正直、アルバムの中では少し浮いているかも?

「Don't You Know?」
The Doobie Brothers「Long Train Runnin'」あたりと一緒に聴きたくなる曲ですね。軽快に駆け抜けます。

「Mestizo」
ラストはグループ名を冠した哀愁ラテン・グルーヴで締め括ってくれます。ラテン・サウンドって何故こんなにレトロな雰囲気がマッチするんですかね。

ご興味がある方は2nd『As Promised』(2004年)、3rd『After All These Years』(2014年)もチェックを!

『As Promised』(2004年)
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『After All These Years』(2014年)
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2014年12月11日

4Hero『Play with the Changes』

これが4Heroサウンドの完成形なのか?☆4Hero『Play with the Changes』
Play With the Changes (Dig)
発表年:2007年
ez的ジャンル:UKフューチャー・ソウル/ジャズ
気分は... :これが聴き納めなのか?

今回はDegoMarc Macの2人による人気ユニット4Heroが2007年にリリースした5thアルバム『Play with the Changes』(2007年)です。

当ブログで紹介した4HeroおよびDegoMarc Mac関連の作品は以下の3枚です。

 『Parallel Universe』(1994年)
 Tek 9『Simply』(1999年)
 『Creating Patterns』(2001年)
 2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)
 Dego『A Wha' Him Deh Pon?』(2011年)
 Visioneers『Hipology』(2012年)

前作『Creating Patterns』(2001年)から6年ぶりにリリースされた新作が本作『Play with the Changes』(2007年)でした。

2007年作品ということで、リアルタイムで当ブログにエントリーしていてもおかしくないアルバムなのですが、当時の僕は4Heroをはじめとする西ロンドン界隈のダンス・ミュージックには疎く、恥ずかしながら本作もスルーしていました。僕の中で4Heroはドラムンベース全盛の90年代で区切りをつけていた感があったもので・・・

僕が再び4HeroやDegoの動きに注目するようになったのは、2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)だったので、1年遅かったですね(泣)

21世紀スタイルのソウル&ジャズを聴かせてくれた前作『Creating Patterns』をさらに発展させた本作には、前作同様に多彩なヴォーカリストがフィーチャーされています。

Bembe SegueLady AlmaFaceUrsula Ruckerといった前作にも参加していたアーティストに加え、 Jack DaveyPhonteThe Foreign Exchange)、Darien BrockingtonLarry MizellTalita LongTerry DevosJody Watley(元Shalamar)といったヴォーカリストが参加しています。

また、Degoとのユニット2000BlackBugz In The Atticでの活動でお馴染みのKaidi Tatham、同じくBugz In The AtticのメンバーであるMatt Lord、今が旬の進化形ドラマーRichard SpavenMarc Macも属するHillside Barbershop TrioBrad Munn(Somatik)Luke Parkhouse、近年The Invisibleのメンバーとしても活躍するギタリストDave Okumu等もレコーディングに参加しています。

アルバムの実態としては、Dego制作曲、Marc Mac制作曲を合わせて4Hero名義でリリースしたという感が強く、ユニットとしての体は成していないかもしれません。

Kaidi Tathamと共に制作したものが多いDego主導の曲は、ほぼ2000Blackですし、Marc Mac主導の曲ははBrad Munn(Somatik)Luke Parkhouseを従えたHillside Barbershop Trio中心の制作が目立ちます。

そんなパッチワーク的なアルバムでありながら、改めて聴くと、その完成度に驚かされる作品に仕上がっているのが、このユニットの凄さですね。

現在の状況であれば、本作が4Heroとしてのラスト・アルバムになってしまうのですかね?

そう考えると、4Heroサウンドの完成形、到達点として重要な意味を持つアルバムだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Morning Child」
Carina Anderssonをフィーチャー。前作『Creating Patterns』の人気曲「Les Fleur」Minnie Ripertonの名曲カヴァー)でフィーチャーされていたCarina Anderssonがオープニングを飾ります。流麗なストリングスをバックに、Carina Anderssonがキュートなヴォーカルを披露する様は、Charles StepneyのアレンジでMinnie Ripertonがリード・ヴォーカルをとっているかのようです。
https://www.youtube.com/watch?v=z4xY7WoZyP4

「Take My Time」
Brook D'LeauとのデュオJ*Daveyで知られる女性シンガーJack Daveyをフィーチャー。哀愁モードのエレクトリック・ソウル。あえて抑えたトーンの仕上がりが本作らしいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=mBJ4qEcGv08

「Look Inside」
UKの女性シンガーFaceをフィーチャー。Marc Macがプロデュースし、Marc以外のバック・ミュージシャンはBrad MunnとLuke ParkhouseのみというHillside Barbershop Trioメンバーで制作された楽曲。ハイパーな疾走感が心地好いフューチャー・ソウルはかなりのお気に入りです。
https://www.youtube.com/watch?v=09KCn-H9lFk

「Sink Or Swim (No Choice For Me)」
多方面で活躍するUS女性シンガーLady Almaをフィーチャー。DegoとKaidi Tathamの2人主導で制作された本曲は2000Blackの雰囲気に近いですね。Degoらしいフューチャリスティックなグルーヴをバックに、Lady Almaがディーヴァらしい艶やかなヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jbdh8kD5Y1c

「Give In」
PhonteとDarien BrockingtonというThe Foreign Exchangeファミリーの男性ヴォーカル2人をフィーチャー。4Hero meets The Foreign Exchange的な面白さがある1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=L5WtY7vvteQ

本曲はMadlib「Dill Withers Theme」のサンプリング・ソースとなっています。

「Play With The Changes」
タイトル曲では、なんとMizell兄弟として数多くの名作を世に送り出してきたLarry Mizellのヴォーカルをフィーチャー。女性シンガーTalita Longとデュエットしています。Sky High Production作品のようなストリングスは入っていませんが、Mizell Brothersへのリスペクトを感じる爽快メロウ・グルーヴに仕上がっています。Kaidi Tathamの涼しげなフルートもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=iV6_l6P7LjY

「Something In The Way」
西ロンドンの歌姫Bembe Segueをフィーチャー。DegoとKaidi Tathamの2人主導で制作された本曲も4Heroというより、2000Black名義でもいいようなブロークン・ビーツに仕上がっています。個性的な声質を持つBembe Segueですが、ここでは前に出過ぎずフューチャリスティックなダンス・サウンドに上手く溶け込んでいます。個人的にはかなり好きな1曲です。

「Stoke Up The Fire」
再びFaceをフィーチャー。Bembe Segueがバック・コーラスを務めています。Dave Okumuのロッキン・ギターでアクセントをつけています。

「The Awakening」
Ursula Ruckerのスポークン・ワードフィーチャー。インディアン・ハープを配し、スピリチュアル・ジャズのエッセンスも加わった演奏を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=78aWMdEcv7M

「Sophia」
ストリングスを巧みに配した雄大な疾走感が心地好いインスト。
https://www.youtube.com/watch?v=oY36IOXRqRo

「Superwoman (Where Were You When I Needed You?)」
Terry DevosをフィーチャーしたStevie Wonderのカヴァー。Stevieのオリジナルは『Music of My Mind』(1972年)に収録されています。オリジナルの雰囲気・展開を受け継ぎ、前半、中盤、後半とメリハリをつけた流れになっています。Terry Devosのヴォーカルも実にStevie Wonder風です。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPoLZpwSDSo

「Why Don't You Talk?」
ロンドンを拠点に活躍するサックス奏者がホーン・アレンジを手掛けたインスト・チューン。進化形ドラマーRichard Spavenが叩き出すビートをバックに、素晴らしいホーン・アンサンブルが繰り広げられます。こういう演奏も今年流行の進化形ジャズとして面白いのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=WCDtJ-6fa-I

「Bed Of Roses」
かつて一世を風靡した女性ヴォーカリストJody Watley(元Shalamar)をフィーチャー。駆け抜けるスピードという点では、本作で一番疾走しています。アコースティックな疾走感が実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=G2gzzvrxcy0

「Gonna Give It Up (Wanna Quit)」
Lady Almaを再びフィーチャー。Degoらしいエレクトリック・ソウル・サウンドとLady Almaがソウルフル・ヴォーカルの相性は抜群です。
https://www.youtube.com/watch?v=WexdmBE4QBQ

「Dedication To The Horse」
ラストはDegoによるロッキンなインストで締め括ってくれます。Dave Okumuのギター、Matt Lordのベース、Richard Spavenのドラムが激しく絡みます。

他の4Hero作品もチェックを!

『In Rough Territory』(1991年)
In Rough Territory 4 Hero

『Parallel Universe』(1994年)
Parallel Universe

『Two Pages』(1998年)
トゥ・ペイジズ

『Creating Patterns』(2001年)
Creating Patterns

DegoMarc Mac関連の過去記事もご参照下さい。

Tek 9『Simply』(1999年)
Simply (+ Bonus Tracks)

2000Black『A Next Set A Rockers』(2008年)
ア・ネクスト・セット・ア・ロッカーズ

Visioneers『Hipology』(2012年)
HIPOLOGY
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2014年12月10日

First Choice『Hold Your Horses』

ダンス・クラシック「Double Cross」、「Love Thang」収録!☆First Choice『Hold Your Horses』
HOLD YOUR HORSES + 7
発表年:1979年
ez的ジャンル:サルソウル系女性コーラス・グループ
気分は... :ミュンヘン・ディスコは苦手ですが・・・

今回はフィリー・ソウル/サルソウルを代表する女性ヴォーカル・グループFirst ChoiceのSalsoulからの第2弾アルバム『Hold Your Horses』(1979年)です。

First Choiceの紹介は、Salsoul第1弾アルバム『Delusions』(1977年)に続き2回目となります。

Salsoul第1弾アルバムであった前作『Delusions』(1977年)は、Baker-Harris-Young(Ron Baker/Norman Harris/Earl Young)がプロデュースを務め、Earl Young(ds)、Ron Baker(b)、Norman Harris(g)、Bobby Eli(g)、Ron Kersey(key)、Larry Washington(per)、 Vincent Montana, Jr.(vib)等フィリー・ソウル/サルソウルお馴染みのミュージシャンがバックを務めました。結果として、ダンス・ヒット「Dr. Love」も生まれ、一定の成功を収めました。

しかし、Salsoulからの第2弾アルバムとなる本作『Hold Your Horses』(1979年)では、Baker-Harris-Youngの関与はぐっと低くなり、Norman Harrisが1曲プロデュースしたのみで、Norman Harris(g)、Bobby Eli(g)、Larry Washington(per)らのMSFB系ミュージシャンの参加も2曲のみです。

それに代わって、本作の制作を主導したのが、ディスコ・ミックスの巨匠Tom Moultonとミュンヘン・ディスコの巨匠Giorgio Moroderの右腕であったプロデューサー/アレンジャー/キーボード奏者であったThor Baldurssonの2人です。この2人がミュンヘンのMusicland Studiosで全6曲中4曲のプロデュースを手掛けました。

その意味では、サルソウルとミュンヘン・ディスコの出会いを楽しむアルバムといえるでしょう。ただし、本作に収録された「Hold Your Horses」「Love Thang」「Double Cross」というダンス・クラシック3曲のうち、Tom Moulton/Thor Baldurssonプロデュースは「Hold Your Horses」のみで、「Love Thang」はソウル・グループThe Politiciansを主導したMcKinley Jacksonのプロデュース、「Double Cross」Norman Harrisのプロデュースです。

個人的にはLarry Levanがプレイしたことでも知られる「Double Cross」が大好きです。少しテンポを落としたディスコ・ブギー「Love Thang」の心地好さもいいですね。Tom Moulton/Thor Baldurssonプロデュース曲ではRare Pleasureのカヴァー「Let Me Down Easy」がお気に入りです。

正直言って、ミュンヘン・ディスコやGiorgio Moroder作品にさほど魅力を感じない僕ですが、そんな僕でも素直に楽しめた1枚です。

ミュンヘン・ディスコという新境地を開拓しつつ、サルソウルらしいディスコ・チューンも楽しめるという意味でバランスのとれた作品だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Let Me Down Easy」
David Jordanがプロデュースし、女性シンガーSandy Barberをフィーチャーしたディスコ・プロジェクトRare Pleasure、1976年のシングル曲をカヴァー。あまりミュンヘン・ディスコを感じさせないフィリーダンサー調の軽快なディスコ・チューンに仕上がっています。John Davisの軽やかなサックスも盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FdvssXwgJkA

Rare Pleasureのオリジナルもチェックを!ちなみSandy BarberがSandy B名義でnervousから1992年にリリースした「Feel Like Singin'」は当時僕が最も頻繁に聴いていたハウス・シングルの1つです。そちらも一緒にチェックを!

Rare Pleasure「Let Me Down Easy」
 https://www.youtube.com/watch?v=u_U3LL7HaT0
Sandy B「Feel Like Singin'(Def Classic Mix) 」
 https://www.youtube.com/watch?v=MxJkQe88STk

「Good Morning Midnight」
スパニッシュ/メキシカン調のダンス・チューン。ユニークですが少し狙いすぎで、僕には野暮ったい気も?
https://www.youtube.com/watch?v=nL_tIHzRJho

「Great Expectations」
好き/嫌いは別にしてミュンヘン・ディスコ色が強い本曲はFirst Choiceの新境地といえでしょう。その意味では注目曲だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=Cm09HQ_U9TY

「Hold Your Horses」
タイトル曲はアルバムからの1stシングルであり、ダンス・チャートでヒットしました。Tom Moultonらしいディスコ・ミックスを楽しむことができる仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=wEZMm0tIlzk

「Love Thang」
McKinley Jacksonのプロデュース。シングルにもなったダンス・クラシック。少しユルっとしたディスコ・ブギーが実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=fp3HwsEq1ok

本曲はサンプリング・ソースとしても定番曲です。Jungle Brothers「What U Waitin' 4?」Boogie Down Productions「Word From Our Sponsor」、The New Style「Can't Win for Losing」、MC Shan「Living in the World of Hip Hop」、The UBC「U Treat Me Right」、Chubb Rock「Treat 'Em Right」、K-9 Posse「Ain't Nothin to It (Dance Version)」、Paul Johnson「It's a Love Thang」、Donna Summer「Breakaway (Remix)」等の曲でサンプリングされています。

Jungle Brothers「What U Waitin' 4?」
 https://www.youtube.com/watch?v=QeiQ8mc_Uts
The New Style「Can't Win for Losing」
 https://www.youtube.com/watch?v=0O3wH1VjPD0
The UBC「U Treat Me Right」
 https://www.youtube.com/watch?v=EMhTKzJgs5I
Chubb Rock「Treat 'Em Right」
 https://www.youtube.com/watch?v=FZf-XZBlFDg
Paul Johnson「It's a Love Thang」
 https://www.youtube.com/watch?v=oKgfVXJqEpM

「Double Cross」
問答無用のガラージ・クラシック。僕の一番好きなFirst Choice作品です。このイントロを聴いただけでワクワクしてきますよね!貫録さえ感じるサルソウルらしいダンス・チューンだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=G-MhdmBo7Fc

2 in a Room「Kamikaze (Took My Love)」、Boomer T「Sample This」、Tyree「T's Revenge It Takes a Thief (Julian "Jumpin" Perez)」、Discofunk「Choice」、Ta-Ku「Higher (Flume Remix)」等のサンプリング・ソースにもなっています。

2 in a Room「Kamikaze (Took My Love)」
 https://www.youtube.com/watch?v=5EJgvnXguWc
Ta-Ku「Higher (Flume Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=4l15evegaKo

再発CDにはボーナス・トラックとして以下の曲が追加収録されています。
「Love Thang (Original Single Version)」
「Love Thang (Original Tee Scott 12" Mix)」
「Double Cross (Original Bobby "DJ" Guttadaro 12" Mix)」
「Double Cross (Original Larry Levan's Greatest Mixes Volume Two Version)」
「Double Cross (Original Tom Moulton Unreleased Remix)」
「Love Thang (Acappella)」
「Love Thang (Background Vocal)」

First Choiceの他作品もチェックを!

『Armed and Extremely Dangerous』(1973年)
Armed & Extremely Dangerous

『Delusions』(1977年)
DELUSIONS + 5

『Breakaway』(1980年)
BREAKAWAY + 2
posted by ez at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月08日

『今の気分は...2014年12月8日編』

今日は故John Lennon(1940-1980年)の命日。
そこでThe Beatles時代のJohnの曲やソロ作品の中から、今の気分にフィットする10曲をセレクトしました。

今ではThe BeatlesもJohn Lennonのソロも殆ど聴いていない僕ですが、洋楽にのめり込むきっかけとなったアーティストがBilly JoelとThe Beatlesだったので、John Lennonはやはり今でも僕にとっては特別なアーティストです。

以前にも書きましたが、当時中学生であった僕がリアルタイムで初めて体験するJohnの新作が遺作となった『Double Fantasy』(1980年)でした。しかも、買ったばかりの『Double Fantasy』を家のステレオで聴いている最中に、音楽好き仲間の同級生から電話があり、Johnの訃報を聞かされたというショッキングな思い出は今でも忘れられません。あれから34年が経ちますが、今でも12月8日という日を迎えると、34年前のあの日のことが思い出されます。厳密にいえば、日本時間では9日でしたが。

ここに挙げた10曲はマイ・フェイバリット的なものではなく、あくまで今聴きたい曲として思い浮かんだものです。眺めてみると、時代のリーダーとしてのJohnよりも、シニカルで寂しがり屋の人間John Lennon的な曲が今の気分にフィットするようです。

曲によっては、過去記事で未紹介のものもありますがご容赦下さい。

The Beatles「No Reply」
https://www.youtube.com/watch?v=ILdBDOPoEDQ
From 『Beatles For Sale』(1964年)
ビートルズ・フォー・セール(紙ジャケット仕様)

The Beatles「Nowhere Man」
https://www.youtube.com/watch?v=TGGphnDMVDI
From 『Rubber Soul』(1965年)
ラバー・ソウル(紙ジャケット仕様)

The Beatles「I'm Only Sleeping」
https://www.youtube.com/watch?v=gnKu_dyqamE
From 『Revolver』(1966年)
リボルバー(紙ジャケット仕様)

The Beatles「Sexy Sadie」
https://www.youtube.com/watch?v=2IcK4S5lDE0
From 『The Beatles』(1968年)
ザ・ビートルズ(紙ジャケット仕様)

The Beatles「I'm So Tired 」
https://www.youtube.com/watch?v=zy-gOf-_3f4
From 『The Beatles』(1968年)
ザ・ビートルズ(紙ジャケット仕様)

John Lennon「Hold On」
https://www.youtube.com/watch?v=4bYnH4gPbvc
From 『John Lennon/Plastic Ono Band』(1970年)
ジョンの魂(紙ジャケット仕様)

John Lennon「I Found Out」
https://www.youtube.com/watch?v=0sFQeDzVFrA
From 『John Lennon/Plastic Ono Band』(1970年)
ジョンの魂(紙ジャケット仕様)

John Lennon「Jealous Guy」
https://www.youtube.com/watch?v=dZUCR6DwuKg
From 『Imagine』(1971年)
イマジン(紙ジャケット仕様)

John Lennon「Bless You」
http://www.youtube.com/watch?v=QfkNJV128-w
From 『Walls And Bridges』(1974年)
心の壁,愛の橋

John Lennon「Watching The Wheels」
https://www.youtube.com/watch?v=3MmCMPqK9v0
From 『Double Fantasy』(1980年)
ダブル・ファンタジー(紙ジャケット仕様)
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2014年12月07日

Submotion Orchestra『Alium』

さらに緻密なサウンドの完成度が高まったUKソウル・コレクティブの3rd☆Submotion Orchestra『Alium』
Alium [帯解説・ボーナストラック1曲収録 / 国内盤] (BRC448)
発表年:2014年
ez的ジャンル:UKソウル・コレクティブ/クロスオーヴァー
気分は... :美学を貫く・・・

今回はUKのソウル・コレクティブSubmotion Orchestraの最新3rdアルバム『Alium』です。

実はここ数ヵ月ほど彼らの1stアルバム『Finest Hour』(2011年)をブログで取り上げようと思っていたのですが、タイミングを逸している間に最新作となる本作がリリースされたので、こちらを先に取り上げることにしました。

Submotion Orchestraは、2009年にリーズで結成。リーダーのDom Howardを中心とした教会での生演奏ダブステップ・ライブがグループ結成のきっかけとなりました。

メンバーはRuby Wood(vo)、Simon Beddoe(tp、flh)、Taz Modi(p、key、org)、Chris Hargreaves(b)、Danny Templeman(per)、Tommy Evans(ds)、Dom Howard(producer、engineer)という7名。

これまで『Finest Hour』(2011年)、『Fragments』(2012年)という2枚のアルバムをリリースしています。

生演奏と電子音を巧みに融合させたサウンドに、紅一点Ruby Woodのヴォーカルが絡む独自サウンドは、Gilles PetersonをはじめとするDJからも高い評価を得ています。

The Cinematic OrchestraJames Blake等が引き合いに出され、ダブステップやUKソウルの文脈で説明されることも多い彼らですが、僕自身は熱心なダブステップのリスナーでもないので、あまりダブステップ云々は意識せずに聴いています。

個人的にはUKクラブミュージックにソウル、ジャズを融合させたクロスオーヴァー・ユニットというイメージですね。特に生演奏の比重が高いバンドなのでジャズ視点で聴くのも楽しいと思います。

3rdアルバムとなる本作では、さらに緻密なサウンドが構築されています。立体的な音のメリハリや拡がりを巧みに使い、さらなる高みに到達している印象があります。また、ジャズを強く意識した演奏も多くなり、ジャズ視点で聴く楽しみも増したのでは?

Submotion Orchestraらしい美学で貫かれた素晴らしい作品です。

全曲紹介しときやす。

「Awakening」
重厚なシンセ・サウンドにトランペットが絡むインストでアルバムは幕を開けます。

「Time Will Wait」
Ruby Woodの透明感のあるヴォーカルが人力ベース・ミュージック調のサウンドと絡む美しくも深遠な仕上がり。SMOの静の魅力が詰まっています。
https://www.youtube.com/watch?v=PgORr4ZWT1g

「City Lights」
前曲「Time Will Wait」が静の魅力であれば、本曲はSMOの動の魅力が詰まったダンサブルかつドラマティックな仕上がり。Ruby Woodのクール・ビューティーなヴォーカルとスケール感の大きなステッパー・サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZeaA7mJZne4

「Victim Of Order」
ダビー&ジャジーな音空間に変則リズムと木霊のようなRubyのヴォーカルが響き渡ります。このグループのジャズ/クロスオーヴァーな側面を堪能できる1曲です。聴き重ねるほどに惹き込まれている1曲ですね。

「Chrome Units」
ダウナーなエレクトリック・サウンドをダビーなエッセンスで引き締めたインスト・チューン。ダイナミックな音空間を楽しめます。

「Rust」
エフェクトのかかったRuby WoodのヴォーカルとTommy Evansのヴォーカルに、生音と電子音を融合させたサウンドでゆったりと流れていく音風景を見事に構築した感動的な仕上がり。お見事!としか形容できません。

「Life After」
美しくも儚いRubyの切ないヴォーカルが際立ちます。薄っすらとしていた音のレイヤーが気づくと重厚なものになっています。

「The Hounds」
ダビー&クロスオーヴァー・ジャズなインスト。SMO的ジャズを楽しめます。

「Trust/Lust」
高揚感に包まれたエレクトリック・ソウル。序盤は淡々としていますが、終盤にかけてエキサイティングに盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Zck3wHWKAvA

「Swan Song」
美しきウインター・ソングといった趣の仕上がり。Ruby Woodの透明感のあるヴォーカルが胸の奥に響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=cuOiCPP1NQ0

「Bring Back The Wolf」
生演奏主体のバンドとしての心意気が伝わってくる変拍子を交えたインスト・チューン。ここでもSMO的ジャズを楽しめます。

「Worries」
ラストは心の葛藤、揺らぎを見事にヴォーカル、サウンドで表現した感動曲で本編は締め括られます。

「Forever」
国内盤ボーナス・トラック。本編とは雰囲気を異にするフロア仕様のダンス・チューン。クラブ・ミュージック好きの人は間違いなく気に入るはず!

Submotion Orchestraの他作品もチェックを!

『Finest Hour』(2011年)
ファイネスト・アワー [ボーナス・トラック付き]

『Fragments』(2012年)
フラグメンツ
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