発表年:1971年
ez的ジャンル:名アレンジャー系SSW/ソフトロック
気分は... :今年最後の1枚は・・・
明日の大晦日は年末恒例『ezが選ぶ2014年の10枚』をエントリーする予定ですので、通常の作品紹介は今日がラストです。
2014年最後の1枚に選んだのは、名アレンジャー/ヴァイヴ奏者Gary McFarlandが画家/詩人のPeter Smithとの共作でリリースした『Butterscotch Rum』(1971年)です。
これまで当ブログで紹介したGary McFarland作品は以下の3枚。
『Soft Samba』(1964年)
『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)
『Today』(1969年)
結果として、本作『Butterscotch Rum』がリリースされた1971年にMcFarlandは心臓発作で急死してしまいます。
全曲McFarlandとPeter Smithによる歌入り、しかも全曲二人のオリジナルというMcFarland作品の中でも異色の1枚です。そのせいか、アルバム全体としてはシンガー・ソングライター/ソフトロック的な雰囲気が漂います。
King Crimsonでも活躍したTony Levin(b)、Chet Amsterdam(b)、Sammy K. Brown(ds)、元Paul McCartney & WingsのDenny Seiwell(ds)、Stuart Scharf(g)、Russell Georg(fiddle)、Warren Bernhardt(key)等がレコーディングに参加しています。プロデュースはGary McFarland。
正直、McFarlandとPeter Smithのソフト・ヴォーカルはお世辞にも上手いとは言えませんが、雰囲気はSSW風でいい感じです。それを引き立てるのがMcFarlandの絶妙なアレンジ・センスです。特に、さまざまな音楽のエッセンスを巧みに融合させて、独自のポップ・ワールドへ昇華させています。
画家/詩人のPeter Smithは本作のジャケも手掛けています。ちなみに『Today』(1969年)のジャケもPeter Smithです
ぜひソフトロック好きの人にチェックして欲しい1枚です。
全曲紹介しときやす。
「All My Better Days」
オススメその1。ヘタウマ・ヴォーカルと素晴らしいアレンジで内省的な歌世界を見事に表現しています。美しくも何処となく切ないポップ・ワールドがたまりません。この時代のSSW/ソフトロックがお好きな人であれば、間違いなく気に入るはず!
https://www.youtube.com/watch?v=1igWLbuvnz0
「Poor Daniel」
オススメその2。ライナーノーツにも書いてありますが、バーバンク系に通じる小粋なポップ・センスを楽しめる1曲です。
「Salvation Army Rags」
本作らしいソフトロックなポップ感で弾けています。ヘタウマ・ヴォーカルのコーラスワークが案外良かったりします(笑)
「Miami Here We Come」
オススメその3。マイアミのビーチが似合いそうなソフト&メロウな仕上がり。
「Straight Arrow」
フィドルが印象的なトラッド感覚のソフトロックはなかなかユニークです。
「Dance With Me」
オススメその2。美しいポップ・バラード。Harry Nilssonあたりがお好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=XU3H3Q6xk4Q
「Rain On The Ocean」
名アレンジャーMcFarlandの手腕が光る、ストリングスに木管楽器も駆使したドラマティックなサウンドを堪能できます。少しプログレっぽい終盤も印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=y7R0FuKNcFo
「Jenny's Path」
アーシーな雰囲気の幻想的なソフトロックが融合した、これまたユニークなポップワールド。
「Patricia」
オススメその2。オルガンを巧みに駆使したソフトロック的なポップワールドが実に素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0-HZRli_qkc
Gary McFarlandの過去記事もご参照下さい。
『Soft Samba』(1964年)
『Does the Sun Really Shine on the Moon』(1968年)
『Today』(1969年)