日系スウェーデン人Yukimi Nagano率いるグループのデビュー作☆
Little Dragon『Little Dragon』♪

発表年:2007年
ez的ジャンル:スウェディッシュ・エレクトロ
気分は... :あったかいんだから〜
今回は日系スウェーデン人の女性シンガー
Yukimi Nagano率いるスウェーデンの4人組バンド
Little Dragonのデビュー・アルバム
『Little Dragon』(2007年)です。
Little Dragonは1996年にスウェーデン、ヨーテボリで結成されたバンド。2000年に
Yukimi Nagano(vo、per、key)、
Fredrik Kallgren Wallin(key、b、vo)、
Hakan Wirenstrand(key、ds、vo)、
Erik Bodin(ds、key、vo)という現在のラインナップが揃いました。
日本人の父とスウェーデン人の母を持つ中心メンバーの女性シンガー
Yukimi Naganoは、デビュー前から
Koop、
Swell Session、Stateless(共にAndreas Saagの変名)、
Hirdといったスウェーデン人アーティストの作品でフィーチャーされ、その存在感で注目を浴びていました。
Little Dragon自体のデビュー作は2006年にリリースされたシングル
「Twice/Test」です。アルバムとしては、これまで
『Little Dragon』(2007年)、
『Machine Dreams』(2009年)、
『Ritual Union』(2011年)、
『Nabuma Rubberband』(2014年)という4枚をリリースしています。
特にメジャーからリリースされた最新作
『Nabuma Rubberband』(2014年)は、UKチャート第14位、USチャート第24位というチャート・アクションをみせ、着実にその地位を築きつつあります。今度のグラミーのBest Dance/Electronic Albumにもノミネートされています。
クラブジャズ/エレクトロニカ系の文脈で捉えられることが多いグループですが、興味深い接点もあります。当ブログで紹介した作品でいえば、
Raphael Saadiq『Stone Rollin'』(2011年)にYukimi Naganoがフィーチャーされたり、
Robert Glasper Experiment『Black Radio』(2012年)の国内盤でグループのデビュー・シングル
「Twice」がカヴァーされたことです。
特に
『Black Radio』で
「Twice」がカヴァーされていたことには意外でした。
Robert GlasperのアンテナにLittle Dragonのようなグループが引っ掛かったことは新鮮な驚きでしたし、嬉しい気分になりましたね。
その
「Twice」が収録されているのが、今日紹介する1stアルバム
『Little Dragon』(2007年)です。
ちなみに国内盤はジャケが異なります。
『Little Dragon』 ※国内盤

まずYukimi Naganoのコケティッシュ・ヴォーカルに惹き込まれます。さほど凝ったサウンド・プロダクションではないのですが、それが逆にYukimiの個性的なヴォーカルを際立たせています。北欧らしい幻想的でヒンヤリとした雰囲気も僕好みです。
楽曲はすべてグループのオリジナルです。
派手さはありませんが、ジワジワとハマる1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Twice」シングルにもなったグループの代表曲。アメリカの人気TVドラマ『グレイズ・アナトミー』でも使われました。何より、前述のように衝撃作
Robert Glasper Experiment『Black Radio』(国内盤)でカヴァーされたことでも有名な楽曲です。寂しげなピアノをバックに、Yukimi Naganoがコケティッシュなヴォーカルで切々と歌い上げる内省的な名曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=TrpMncSZe-I「Turn Left」チープなエレクトロ・サウンドがいいアクセントになっているエレ・ポップ風の仕上がり。80年代ニューウェイヴ大好きな僕としては、このスカスカなエレクトロ感が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=Xz_-cNL87lg「Fortune」幻想的なサウンドの中にYukimi Naganoのコケティッシュなヴォーカルがジワジワと溶け込んでいきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ua5pwuxh64Q「Recommendation」デモ・テープ風のラフな仕上がりですが、Yukimi Naganoのコケティッシュ・ヴォーカルの魅力がダイレクトに伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=f4uXlunU92k「Constant Surprises」Yukimi Naganoがこれまで参加してきたクラブジャズ/クロスオーヴァー作品からの影響を感じる仕上がり。北欧クロスオーヴァー・ジャズとも相性バッチリ!
https://www.youtube.com/watch?v=F3ZE1w6dLUs「Forever」レイジーなトリップ感が印象的なダウナー・チューン。Yukimi Naganoのミステリアスなイメージと合致する曲調です。
https://www.youtube.com/watch?v=2p7SfW6QUbU「After the Rain」スウィンギーなアクセントをつけたジャズ風の仕上がり。Yukimi Naganoのキュートな魅力を堪能できる小粋な仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=e76XKGCTg14「Place to Belong」美しいエレクトロ・サウンドが支配します。Yukimiのヴォーカルは美しきアンドロイドといった趣です。
https://www.youtube.com/watch?v=lG92Dgo68Pk「Stormy Weather」シンプルながらも独特の雰囲気を醸し出すビューティフルな仕上がり。
Bjorkがお好きな方などは気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=0eSUF2FXnTA「Test」夢の中で戯れているかのような軽やかな浮遊感が実に心地好い1曲。こういう曲大好き!
https://www.youtube.com/watch?v=uQFOkcLmyeU「Wink」北欧エレクトロニカらしい雰囲気を持ったキャッチーな仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=siUOFWj-5YQ「Scribbled Paper」ラストは幻想的かつ淡々とした美しさを持った楽曲で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NpxQsKhdrO0ご興味がある方は
Little Dragonの他作品もチェックを!
『Machine Dreams』(2009年)
『Ritual Union』(2011年)
『Nabuma Rubberband』(2014年)