2015年01月18日

Clap! Clap!『Tayi Bebba』

トライバル/エキゾチックと融合したベースミュージック☆Clap! Clap!『Tayi Bebba』
タイー・ベッバ 【日本独自CD化】
発表年:2014年
ez的ジャンル:トライバル系フューチャー・ルーツ/フューチャー・リズム
気分は... :音も世界観も凄い!

今回は話題のクラブミュージック新作Clap! Clap!『Tayi Bebba』(2014年)です。昨年9月にアナログ/デジタル配信のみでリリースされたものが遂にCD化されました。CD化されるのは今回の日本盤が初めてです。

Clap! Clap!ことCristiano Crisciはイタリア、フィレンツェ出身のプロデューサー、ミュージシャン、トラックメイカー。

Clap! Clap!名義では、これまで『Gwidingwi Dema』(2013年)、『Tambacounda EP』(2014年)、『Buck/Ichnus』(2014年)といったEP/シングルをリリースしています。

Clap! Clap!名義以外にDigi G'Alessio名義でも活動し、『Oh SP Days!』(2011年)、『Disco Zambra Remixes Vol.2 (Afternoon)』(2012年)、『The Purple Book 2012』(2012年)といったアルバムをデジタル配信しています。

また、LuckyBeardStabberDigi G'Alessioによるベースミュージック/ダブステップ・ユニットL/S/Dとしてもアルバム『UaU』(2013年、デジタル配信)をリリースしています。

Clap! Clap!のベースとなるのが、ダブステップ以降のUKベースミュージックです。本作『Tayi Bebba』もUKのブレイクビーツ/ベースミュージック系レーベルBlack Acreからリリースされています。

Clap! Clap!名義の初アルバムとなった本作『Tayi Bebba』は、ジャケからもイメージできるように仮想の島国Tayi Bebba(タイー・ベッバ)の音楽をテーマにしたトライバル/エキゾチックな作風の1枚です。

Martin DennyLes Baxterの流れを汲むエキゾチックなエッセンスと、UKベースミュージック/ダブステップ/ジュークを融合させた点が本作の魅力・特長だと思います。Clap! Clap!自身は、この独自のサウンドを"フューチャー・ルーツ/フューチャー・リズム"と呼んでいます。

国内盤にはClap! Clap!による各曲の説明が載せられており、島国タイー・ベッバをめぐる壮大なストーリーが理解できるようになっています。この説明により、サウンドをストーリー的かつ映像的に捉えることが容易となり、アルバムをより魅力的に聴くことができます。

僕自身はあまりUKベースミュージックやダブステップ/ジュークに明るくはありませんが、そんな僕でも独自のフューチャリスティックかつトライバルなビートと、緻密なコンセプト設計およびそのサウンドの具現化に惹き込まれます。その音世界や世界観に圧倒されると同時に、想像力をかき立ててくれるのもいいですね。

各方面で絶賛されているのが頷ける1枚です。
ジャンルに囚われず多くの方に聴いて欲しいですね。

全曲紹介しときやす。

「The Holy Cave」
タイー・ベッバの"聖なる洞窟"をテーマにしたオープニング。トライバルでジューク(Juke)調のビートが、島の古文書の予言のような神聖かつミステリアスな雰囲気を高めます。
https://www.youtube.com/watch?v=wB38xWcWwbc

「Ashiko」
Ashikoとはタイー・ベッバを侵略者から守る(架空の)巨大な象のことらしいです。ここではシカゴ・ハウス調の黒いビートがトライバル感と結びつき、不思議な魔力のような雰囲気を醸し出すサウンドを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=E_J1RKQ2uRc

「The Rainstick Fable」
魔術師がハリケーンを操り、島を吹き飛ばしたというタイー・ベッバの寓話がテーマ。トライバルかつトリッキーなジューク調の重低音ビートの上に、カリンバやコラのエキゾチックな音色が乗っかる本作らしい雰囲気を満喫できる1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=05E24dMKdzg

「Kwasi The Scorcerer」
島の魔術師クワシの持つ力がテーマ。クワシの持つ魔力を音にしたかのような得体の知れない重低音ビートが唸りを上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=nX0ysv9BNNo

「Black Smokes, Bad Signs」
悪の兆しを告げる島の黒い雲がテーマ。トライバル感たっぷりのダブステップが風雲急を告げる不気味なムードを演出します。
https://www.youtube.com/watch?v=Kkg4w9QHfyw

「Conqueror (Action/Assault/Conquest)」
ここから3曲は侵略者によるタイー・ベッバ島の侵略をテーマにしたもの。本曲ではタイー・ベッバに対する侵略・征服をアッパーなトライバル・ビートで表現しています。Clap! Clap!が言うところの"フューチャー・ルーツ"といったニュアンスがよく伝わってくる1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=Kkg4w9QHfyw

「Conqueror (Consequences/Memories)」
本曲は侵略がもたらした島全体のマイナス・オーラを表現しています。退廃的なフューチャリスティック・サウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=afZRAIhPg-k

「Conqueror (Remorse/Withdrawn)」
前曲の流れを受け、征服者が改心し、島が平穏を取り戻す様子を表現しています。ピースフルな雰囲気を醸し出すトライバルなハウス・サウンドの合間に重低音ベースミュージックが織り交ざっています。
https://www.youtube.com/watch?v=_x2CI-mXpbc

「Burburka」
タイー・ベッバの人々がリラックスするために吸うハーブ(麻薬?)をテーマにしたもの。覚醒感のあるトライバル・ビートが鳴り響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=KpX-VxerCgw

「Sahkii (Xirhuu)」
島の女神サーキがテーマ。トリッキーなトライバル・ビートはまさに"フューチャー・リズム"といった感じです。脳内を覚醒させるビートには中毒性があります。
https://www.youtube.com/watch?v=ydgS7KcW7WU&spfreload=1

「Sahkii's Elevation」
ハリケーン上陸による島のパニック状態をテーマにした本曲ではDj. Khalabをフィーチャー。トライバル・ビートにスペイシーなエッセンスも加味したアフロなアッパー感がたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=p4c3Kbhqfcw

「Kwasi's Storm (Kyanumj) (Tape Dub)」
最強のハリケーンの島への上陸をテーマにしたもの。ダビーな雰囲気も漂う重低音ベースミュージックが腹まで響いてきます。
https://www.youtube.com/watch?v=V6fVpRyGnFY

「Universal Modulator (Kujhmak)」
ハリケーン直後の島で明かされつつある島の本当の姿をテーマにしたもの。トライバルかつトリッキーなビートににフリージャズ的なエッセンスも加わったアブストラクトなカオス感が実に面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPiFi6QG24U

「Sahkii's Knowledge」
明らかになった女神から島の人々へのお告げをテーマにしたもの。雄大かつトライバルな疾走感は"フューチャー・エキゾチック"と呼びたくなります。
https://www.youtube.com/watch?v=dBF3LD-zqLs

「Universal Modulator (Ujmubuam)」
女神からのお告げに従い、島の人々が銀河の彼方への帰還する様子をテーマにしたもの。物語自体が島から宇宙へと飛躍しますが、それと呼応するようなトライバルなフューチャー・サウンドが展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZPiFi6QG24U

「Sailing In The Seas Of Wood」
島全体が宇宙船として飛び立ち、宇宙航海へ向かう様子を描いたもの。エスニックなエッセンスが強調されています。
https://www.youtube.com/watch?v=xLPLzYCIJeY

「Kuj Yato」
島の人々が航海の末、辿り着いた素晴らしき終着点がテーマ。素晴らしき終着点がトライバルなエッセンスと重低音ビートで描かれ、物語はエンディングを迎えます。
https://www.youtube.com/watch?v=v4sDiCKdZ4M

ここまで練り込まれた物語なので、アルバム全体を映像化してくれないですかね?
posted by ez at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月17日

Y?N-Vee『Y?N-Vee』

嫉妬してしまう?女性R&B/Hip-Hopグループ☆Y?N-Vee『Y?N-Vee』
Y?n-vee
発表年:1994年
ez的ジャンル:女性ヒップホップ・ソウル・グループ
気分は... :嫉妬してしまう?

90年代女性R&B/Hip-HopグループからY?N-Vee『Y?N-Vee』(1994年)です。

Y?N-VeeはL.A.サウスセントラルで結成された女性グループ。メンバーはSonshineVayneYeszNic Namの4名。

誰もが「なんて読めばいいの?」というグループ名ですが、グループ名の由来は「Why Envy?」で、嫉妬するほどイケてるグループということみたいです。日本語で表記すれば「ワイ・アン・ヴィー」といった感じですかね。

Ice Cubeや2Pacのバックを務めていたこともあるようですね。2PacのグループThug Lifeのアルバム『Volume 1』にもY.N.V.名義でフィーチャリングされています。

セクシー衣装でポーズをとるジャケからも想像できるように、歌一本で勝負!というよりもヴォーカル、ラップ、ダンス何でもこなすガールズR&B/Hip-Hopといった感じです。

プロデュースはDoug RasheedOji PierceBrian GDobbs The Wino等が手掛けています。メイン・プロデューサーのDoug RasheedCoolio「Gangsta's Paradise」のプロデュースでお馴染みですね。

各曲は基本的にヴォーカル・パートとラップ・パートを両方織り込んでいます。L.A.サウスセントラル出身ということで、G-Funk的なトラックも目立ちます。

アルバムの目玉となるのがRick James「Mary Jane」ネタの「Chocolate」Mtume「Juicy Fruit」ネタの「Tricks-N-Trainin'」の2曲です。まずこの2曲をチェックすれば、グループの魅力を実感できると思います。

それ以外では「Gangsta's Prayer」「We Got A Good Thing」「All I Wanna Do」あたりが僕のオススメです。

女性ヒップホップ・ソウル好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Even When You Sleep」
Oji Pierceプロデュース。G-Funkな雰囲気のミディアム・グルーヴでアルバムは幕を開けます。ヴォーカルだけじゃなくラップもやるわよ!とグループの特徴を印象づけてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YWBOG5bepDA

「All I Wanna Do」
Doug Rasheed/Nykein Francesプロデュース。妖しげなラップ・パートとキャッチーなヴォーカル・パートのコントラストがいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=6CtLr2QdlY4

「4 Play」
Doug Rasheedプロデュース。ファンク・トラックにのった哀愁ミディアム。この時期のR&Bらしい切ないメロディがグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=lkONW-kjWDY

「I'm Goin' Down」
Doug Rasheedプロデュース。シングルにもなった本曲はRose Royceのカヴァー。オリジナルは『Car Wash』(1976年)に収録されています(Norman Whitfield作)。また、本作と同年にMary J. Bligeがカヴァーしたことでも知られている曲ですね。本格派バラードに仕上がっていますが、こういった曲は彼女たちにはあまり似合わないかも?
https://www.youtube.com/watch?v=RvSV86UnZG4

「Sceamin'」
Doug Rasheedプロデュース。ヒップホップ・ソウルなミディアム・グルーヴ。こういう曲は彼女たちにハマりますね。ヴォコーダーも入った僕好みの仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=OMLbnGydCpw

「Sonshine's Groove」
Alvin Oliverプロデュース。しっとりと聴かせるオーセンティックなミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=VuDLYffOHdY

「Chocolate」
Doug Rasheedプロデュース。シングルにもなった本作のハイライト。大ネタRick James「Mary Jane」をモロ使いしたヒップホップ・ソウル。PVも含めてグループの魅力がキャッチーに伝わってくる1曲。この時代のヒップホップ・ソウル好きであれば、間違いなく気に入るはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=wqwrE2pQxY0

「Stra8 Hustler」
Doug Rasheedプロデュース。Parliament「I've Been Watching You (Move Your Sexy Body) 」をサンプリングしたG-Funk調の哀愁グルーヴ。
https://www.youtube.com/watch?v=rdEoPXtOZkE

「Tricks-N-Trainin'」
Brian G/Dobbs The Winoプロデュース。「Chocolate」と並ぶ本作のハイライト。Mtume「Juicy Fruit」をサンプリングしたファンク・ビートに男性ヴォーカル&ラップも加わったキャッチーな仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=SpvwkBZ-bOg

「Y?N-Vee」
Aaron Pointer/DeJuan Smithプロデュース。グループ名を冠した本曲はAbstract Rudeのラップをフィーチャー。妖しげな雰囲気が漂います。

「Real G」
Brian G/Dobbs The Winoプロデュース。哀愁モードのヒップホップ・ソウル。歌以外にラップもありというグループの特長がうまく伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=NrEqGzjiioA

「Gangsta's Prayer」
Doug Rasheedプロデュース。定番ブレイクThe Honey Drippers「Impeach The President」を使った哀愁グルーヴ。何処となくレイジーなヴォーカル&ラップがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=mZIycDcXWl0

「We Got A Good Thing」
Oji Pierceプロデュース。グループのキュートな魅力を伝えてくれる美メロR&Bグルーヴで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=v6HHmQbRBi8

サッカーのアジア杯「日本対イラク」は勝利したものの、消化不良な感じでしたね。やはり、決定機に決めきらないとイケませんね。

それよりアギーレの先行きが不透明な中で、どこか冷めた目で試合を観てしまいます。この中途半端な感じ嫌ですね・・・
posted by ez at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月16日

The Dave Pike Set『Infra-Red』

ラーガ・ジャズ・ロック「Raga Jeeva Swara」収録☆The Dave Pike Set『Infra-Red』
Infra-Red
発表年:1970年
ez的ジャンル:MPS系ジャズ・ロック
気分は... :ジャケはアイデア倒れですが(笑)

ジャズ・ヴァイヴ奏者Dave Pike率いるThe Dave Pike Setが1970年にリリースした『Infra-Red』です。

当ブログでこれまで紹介したDave Pike作品は以下の4枚。

 『Bossa Nova Carnival』(1962年)
 『Manhattan Latin』(1964年)
 The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
 The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)

Dave Pike(vib、per、vo)、Volker Kriegel(g、sitar、per、vo)、J.A. Rettenbacher(b、vo)、Peter Baumeister(ds、per、vo)の4人から成るThe Dave Pike Setといえば、シタール人気曲「Mathar」『Noisy Silence-Gentle Noise』収録)で有名ですね。

そのため、The Dave Pike Setのアルバムといえば、「Mathar」に続く、シタール・ジャズを探してしまいますよね。本作にも、その願望を叶えてくれるラーガ・ジャズ・ロック「Raga Jeeva Swara」が収録されています。

ただし、「Raga Jeeva Swara」だけで終わらないのが本作の魅力です。サイケ、ブーガルー、フリー・ジャズ等のエッセンスを織り交ぜながら、彼ららしいジャズ・ロック・サウンドを展開しています。

ジャズ・ロック・ユニットとしての完成度を高めた1枚。
アルバム・タイトルに因んで、赤外線調にしたジャケはアイデア倒れですが(笑)、中身はかなりエキサイティングです。

全曲紹介しときやす。

「Suspicious Child, Growing Up」
Volker Kriegel作。Kriegelのソロ・アルバム『Spectrum』(1971年)でも演奏していた楽曲がオープニング。アシッドな空気感の中でKriegelのギターやPikeのヴァイヴが鳴り響きます。
https://www.youtube.com/watch?v=tJp4uo-YPpY

「Attack Of The Green Misers」
Dave Pike作。このユニットのアグレッシヴな演奏を堪能できるサイケなジャズ・ロック・チューン。Pike以外の3名の変幻自在なプレイは迫力があります。
https://www.youtube.com/watch?v=EhCHoTrslhE

「But Anyway」
Volker Kriegel作。J.A. Rettenbacherの格好良いベースと共に始まるブーガルー調のグルーヴィー・ジャズ。軽快なグルーヴとPikeのヴァイヴの音色がよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=WP93N7k02Ck

「Rabbi Mogen's Hideout」
Dave Pike作。メロディアスながらもジャズ・ロックしています。60年代後半のロック・サウンドが好きな人が気に入りそうなジャズ・ロック・サウンドという気がします。

「Raga Jeeva Swara」
J.A. Rettenbacher作。本作のハイライト。やはり、The Dave Pike Setといえば、Volker Kriegelのシタールをフィーチャーしたジャズ・ロック・チューンですよね。ファンの期待に応えてくれる1曲です。

「Send Me The Yellow Guys」
J.A. Rettenbacher作。フリーキーでファンキーなジャズ・ロック。特に後半のPikeのヴァイヴとファンキー・グルーヴの絡みが心地好いですね。Volker Kriegelのギター&シタールも快調です。

「Soul Eggs」
Volker Kriegel作。Kriegelのギターが炸裂する軽快でアッパーなソウル・ジャズ。
https://www.youtube.com/watch?v=2duVNNcz_kc

「Infra Red」
Dave Pike/J.A. Rettenbacher/Peter Baumeister/Volker Kriegel作。ラストは幻想的なフリー・ジャズで締め括ってくれます。

The Dave Pike SetDave PikeVolker Kriegelの他作品もチェックを!

Dave Pike『It's Time for Dave Pike』(1961年)
It's Time for Dave Pike

Dave Pike『Pike's Peak』(1962年) ※Bill Evansとの共演作
パイクス・ピーク

Dave Pike『Bossa Nova Carnival』(1962年)
ボサ・ノヴァ・カーニヴァル+リンボ・カーニバル

Dave Pike And His Orchestra ‎『Manhattan Latin』(1964年)
Manhattan Latin (Dig)

The Dave Pike Set『Got the Feeling』(1968年)
Got the Feeling

The Dave Pike Set『Noisy Silence-Gentle Noise』(1969年)
ノイジー・サイレンス-ジェントル・ノイズ(紙ジャケット仕様)

The Dave Pike Set『Four Reasons』(1969年)
Four Reasons

Dave Pike『The Doors of Perception』(1970年)
Doors of Perception

The Dave Pike Set『Live at the Philharmonie』(1970年)
Live at the Philharmonie (Mlps)

The Dave Pike Set『Album』(1971年)
アルバム

Volker Kriegel『Spectrum』(1971年)
Spectrum

The New Dave Pike Set『Salomao』(1972年)
Salomao
posted by ez at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月14日

Julie Dexter『Dexterity』

UKブラックによるレゲエ・フィーリングのインディ・ソウル☆Julie Dexter『Dexterity』
Dexterity
発表年:2002年
ez的ジャンル:UKブラック系アトランタ・インディ・ソウル
気分は... :参加メンバーが興味深い!

今回はUK出身、アトランタを拠点に活躍する女性R&BシンガーJulie Dexterの1stアルバム『Dexterity』(2002年)です。

Julie Dexterはジャマイカ系の両親を持つイギリス、バーミンガム出身の女性シンガー。

90年代前半のアシッド・ジャズ全盛期にUKクラブ・シーンで活動を開始します。ソウル、ジャズ、レゲエといったジャンル横断型のスタイルで様々なセッションに参加しています。

1999年には拠点をUSアトランタへ移し、2000年にはEP『Peace Of Mind』をリリースしています。ソロ・アルバムとしては『Dexterity』(2002年)、『Conscious』(2004年)、『New Again』(2011年)といった作品をリリースしています。

また、アトランタを拠点に勢力的に活動するベーシスト/プロデューサーKhari Simmonsと共演したメロウ・ボッサ作品Julie Dexter & Khari Simmons『Moon Bossa』(2006年)は当ブログでも紹介済みです。

当ブログで紹介した作品でいえば、Anthony David『3 Chords & the Truth』(2004年)、Angela Johnson『A Woman's Touch Vol.1』(2008年)といったアルバムにもゲスト参加しています。

クロスオーヴァー感覚のオーガニック/ジャジーな女性R&B/ソウル・シンガーというイメージの強いアーティストですね。その中でも1stアルバムとなる『Dexterity』(2002年)はジャマイカンのDNAを持つ彼女のレゲエ色が強く打ち出された1枚です。

実は今年に入ってから頻繁に聴いているアルバムが本作とMe'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』(2003年)の2枚です。共にレゲエ色が強いR&B/ソウル作品ですね。

Me'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』は、元Robert Glasper ExperimentChris Dave(ds)が全面参加していたことで『Jazz The New Chapter』でもセレクトされ、再び注目されている盤です。

それに対して、本作『Dexterity』はリリースから10年以上を経た今日では注目されることが少ないアルバムかもしれません。それでも参加メンバーを追っていくと、派手さはありませんが興味深いミュージシャンが多数参加しています。

当ブログで紹介したアーティストでいえば、前述のアトランタを拠点に勢力的に活動するベーシスト/プロデューサーKhari Simmons、そのKhari Simmonsのクロスオーヴァーなソウル/ジャズ・ユニットJivaの女性ヴォーカリストRhonda Thomas、80年代に活動していたソウル/ファンク・グループDream Machineの元メンバーJames McKinney(key)が参加しています。

それ以外にも?uestlove、James Poyser、Kamal Grayらとのプロダクション・ユニットThe Grand WizzardsのメンバーとしてThe Roots作品を手掛けたAnthony Tidd(b)、ボルチモアを拠点に活動するNu JazzユニットFertile GroundRobert Glaspertらが参加したアルバム『The Heartbeat』(2014年)が話題となったドラマーLil John Roberts、ロンドンを拠点に活動する才能豊かなコンポーザー/アレンジャー/プロデューサー/サックス奏者のJason Yarde(el-p、sax)や、Jason Yardeもメンバーであるホーン・セクション・ユニットJason & The Angrynotes、等のミュージシャンが参加しています。

レゲエ色が強く打ち出されていますが、同時にR&B/ソウル、ジャズのフィーリングも巧みに織り交ぜたクロスオーヴァー感覚は、今の僕の嗜好によくフィットします。

本作はJulieが立ち上げた自身のレーベルKetch A Vibeからのリリースです。プロデュース。アレンジ、ソングライティング(共作含む)はJulie自身が手掛けています。

今聴いても、結構面白い1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
軽やかなアルバムのイントロ。

「Ketch A Vibe」
前述の自身のレーベル名を冠した本曲は、ジャジーフィーリングの人力ドラムン・ベースです。JTNCに感化された今ジャズ・ファンの方は興味深く聴けるはずです。ドラムはWylee Kyat。
https://www.youtube.com/watch?v=-qHiRSqpoUo

「Love」
ボルチモアを拠点に活動するNu JazzユニットFertile Groundをフィーチャー。本作を象徴するジャズ・フィーリングを採り入れたレゲエ・サウンドを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=rwjk0SjG3UM

「Faith」
オルガンの音色が印象的なオーガニック・ソウル。リラックした雰囲気のブルージー・サウンドがいいですね。Rhonda Thomasがバック・コーラスで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=oOGx2utUsTs

「How Can You Feel」
Lil John Robertsがドラムを叩き、Jason & The Angrynotesがホーン隊を務めるレゲエ・チューン。本作らしいグルーヴを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=A__2aeQwJg8

「God Bless The Dub」
タイトルの通り、ダビー・チューンです。ダビーなのに透明感があるのはJulieの澄み切ったヴォーカルのおかげでしょうね。

「What Do I Do」
レゲエを採り入れながらも、軽やかなメロウ・フィーリングを重視した本作ならではの雰囲気の仕上がりです。Eric Appapoulayeのギター&ベースが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=tviirPFsLrU

「That's Livin'」
Khari Simmons参加曲。後のJulie Dexter & Khari Simmons『Moon Bossa』を予感させるジャジー・メロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=POupz8-P6nM

「Walk With Me」
Eric Appapoulayeのアーシーな味わいのギターとレゲエ・リズムの組み合わせが面白い1曲。

「I Dream」
メロウ・ボッサ調の本曲は、『Moon Bossa』を彷彿させます。Julian Siegelのバス・クラリネットがいい味わいです。
https://www.youtube.com/watch?v=gH9naqeyjU8

「Judgement Day」
トライバルな雰囲気の小曲。

「How Long」
ミステリアスなジャジー感が印象的なスピリチュアル・ジャズ調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=Dkr1Xxq6JWc

「Moving On」
Eric Appapoulayeのアコースティック・ギターに先導され、Julieがしっとりと歌い上げるジャジー・メロウ。

「Walk Reprise」
「Walk With Me」のリプライズでアルバムは幕を閉じます。

Julie Dexterの他作品もチェックを!

『Conscious』(2004年)
コンシャス

Julie Dexter & Khari Simmons『Moon Bossa』(2006年)
Moon Bossa (Dig)

『New Again』(2011年)
New Again

Me'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』(2003年)も近いうちに取り上げたいと思います。
posted by ez at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月13日

Rick Bowles『No Man's Land』

Byrne & Barnes全面参加の幻のAOR作品☆Rick Bowles『No Man's Land』
rick bowles no man's land.jpg
発表年:1984年
ez的ジャンル:マッスル・ショールズ系AOR
気分は... :何故か懐かしい・・・

NFLディビジョナル・プレイオフは、シーホークス、パッカーズ、ペイトリオッツ、コルツが勝ち、カンファレンス・チャンピオンシップへ進出しました。コルツ以外は僕の予想通りでしたが、各チーム圧倒的な強さで勝利したという感じでもなかったですね。

パッカーズがQBロジャースが万全ではなく、戦力ダウンしているのが残念ですね。あとはブロンコスがこの段階で敗れ去るとは思っていませんでした。というより、コルツに勢いが出てきたというべきなのか・・・

プレイオフが始まる前は、どのチームが勝ち上がったとしても、NFCチャンピオンとなったチームがAFCチャンピオンを撃破してスーパーボウルを制覇すると予想していましたが、少し雲行きが怪しくなってきました。

現時点でがスーパーボウルは「シーホークス対ペイトリオッツ」の対戦となり、シーホークスが連覇するというのが僕の予想です。予想というより、観てみたいカードという感じですかね。

来週末のカンファレンス・チャンピオンシップが今から待ち遠しいですね。

今回はアラバマ州マッスル・ショールズでレコーディングされたAOR作品Rick Bowles『No Man's Land』(1984年)です。

AORファンにはお馴染みのデュオByrne & BarnesRobert Byrne/Brandon Barnes)のRobert Byrneがプロデュースし、Brandon Barnesも全面参加している作品です。

Rick Bowlesはノースカロライナ州出身の男性シンガー・ソングライター。1982年にByrne & Barnesの2人も参加した1stアルバム『Free For The Evening』をリリースしており、本作『No Man's Land』(1984年)は2ndアルバムとなります。

実際には本作『No Man's Land』は自主レーベルからのリリースで市場に殆ど出回らず、ファンの間で幻のアルバムとされていた作品です。Byrne & Barnesといえば、彼らのアルバム『An Eye For An Eye』(1981年)も本国アメリカでは結局お蔵入りとなった作品でしたね。

さて『No Man's Land』ですが、都会的なメロウ・フィーリングが印象的な1st『Free For The Evening』と比較すると、より80年代的なサウンド・プロダクションになっています。その意味ではマッスル・ショールズでレコーディングした作品という印象はあまり湧かないかもしれません。このあたりは好みが分かれるところでしょうね。

レコーディングには、Rick Bowles(vo、g)、Robert Byrne(key、g、back vo)、Brandon Barnes(key)以下、Owen Hale(ds)、Milton Sledge(ds)、Gary Baker(b)、Mike Chapman(b)、Steve Nathan(key)、Richard Putnam(key)、Clayton Ivey(key)、John Willis(g)、Mac McAnally(g)、Hershey Reeves(back vo)、Cindy Richardson(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

良くも悪くも80年代らしいポップ・ロック感覚のAOR作品です。Rick Bowlesの綺麗なハイ・トーン・ヴォーカルがサウンド、メロディとよくマッチしているのが、本作の魅力だと思います。

80年代に青春時代を過ごした僕としては、リアルタイムで本作を聴いたわけではありませんが、聴いていると懐かしさを感じる1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Shame On Me」
Rick Bowles/Robert Byrne作。80年代らしい雰囲気のイントロで始まるポップ・ロック調のオープニング。80年代青春映画のサントラに収録されていそうなキラキラしたメロウ・ポップ感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5Fmtk8YGkpw

「No Man's Land」
Rick Bowles/Robert Byrne作。シンセ・サウンドも交えた哀愁ロックなタイトル曲。この哀愁メロディも80年代らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FK0JVr_qcp0

「In The Meantime」
Rick Bowles/Robert Byrne/Richard Putnam作。ファンキーな味わいとシンセ・サウンドを組み合わせたミディアム・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=keYyBtPNYNI

「Who's That Look In Your Eye」
Robert Byrne/Tom Brasfield作。Byrne & BarnesやMichael Johnsonのヴァージョンでも知られる名バラード。本ヴァージョンはこのバラードの素晴らしさを存分に堪能できます。AOR好きにはたまらない本作のハイライトなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=3jUaHZGb_r8

「Baby Lied」
Rick Bowles作。軽快かつ爽快なポップ・チューン。僕はこういうタイプの曲は苦手なのですが、爽快さがある分、最後まで聴けます(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=70wVQLpvr4g

「I Hate The Way I Love You」
Robert Byrne作。今聴くとモロに80年代なサウンド・プロダクションが少しうるさいかもしれませんが、雰囲気は悪くありません。

「Night Blind」
Rick Bowles/Richard Putnam作。甘く危険な香りのするロック・フィーリングが80年代好きにはたまらないのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=L1fvoeLZzWc

「One Life Stand」
Rick Bowles/Robert Byrne作。ラストは1stの雰囲気に近い素敵なメロウ・チューンで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aOoocHPwJ5Y

ご興味がある方は1st『Free For The Evening』(1982年)やByrne & BarnesRobert Byrneのアルバムもチェックを!

『Free For The Evening』(1982年)
フリ-・フォ-・ジ・イヴニング

Byrne & Barnes『An Eye For An Eye』(1981年)
アン・アイ・フォー・アン・アイ(オリジナル・エディション)(生産限定紙ジャケ)

Robert Byrne『Blame It On The Night』(1979年)
ワン・ナイト・ロマンス+2
posted by ez at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1980年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする