発表年:1995年
ez的ジャンル:Irma系ボッサ・ジャズ/アシッド・ジャズ
気分は... :刺激はないけど・・・
今回はイタリアのボッサ・ジャズ・バンドBossa Nostraの1stアルバム『Solaria』(1995年)です。
Bossa Nostraはイタリアで結成されたボッサ・ジャズ・バンド。メンバーはEmanuele Bigi(p、el-p)、Luigi Storchi(ts、as)、Massimo Mussini(g)、Stefano Carrara(b)、 Adriano Molinari(ds)の5名です。
イタリアの人気レーベルIrmaから『Solaria』(1995年)、『Kharmalion』(1998年)、『Voyage To Brazilia』(2000年)という3枚のアルバムをリリースしています。
今日紹介する1st『Solaria』は1995年という時期のせいか、アシッド・ジャズ的なフィーリングが反映された1枚に仕上がっています。
本作ではIrmaレーベルを代表するDJ/プロデューサーLTJ(LTJ X-Perience)ことLuca Trevisiがプロデュースを手掛けています。
2nd『Kharmalion』、3rd『Voyage To Brazilia』では女性シンガーBruna Loppezをフィーチャーしていましたが、本作『Solaria』ではJames Brownのバック・シンガーとして知られるVicki Andersonが数曲でフィーチャーされています。Vicki AndersonはBobby Byrdの妻、Carleen Andersonの母です。
Vicki Andersonがフィーチャーされた「The Message From A Soul Sisters」、「Home Is Where The Hatred Is」以外はすべてインストです。
今聴くと、目新しさがあるアルバムではありません。しかしながら、改めてアルバムを聴き通すと、ボッサ・ジャズ、アシッド・ジャズ、クラブジャズが1枚の中に同居している様が面白い気がします。
刺激はありませんが、その分リラックスして聴ける1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Faces」
Stefano Carrara作。バンドの方向性が明快に示された小粋な生音ボッサ・ジャズと共にアルバムはスタートします。
https://www.youtube.com/watch?v=LWmUiOrTOH0
「The Message From A Soul Sisters」
James Brown作。Vicki Anderson自身がMyra Barnes名義で1970年にシングル・リリースした楽曲のカヴァーです。ここではアシッド・ジャズ調の洗練されたサウンドをバックに、Vickiが衰えを感じさせないダイナマイト・ソウル・ヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ealOfp7RqD0
「The Crickets Sing For Anamaria」
Marcos Valle「Os Grilos」をカヴァー。当ブログではMarcos Valle自身やWalter Wanderley、The Dee Felice Trioのヴァージョンも紹介済みです。ここでは端正な佇まいの生音ボッサ・ジャズを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GprozOq6x_g
「Scream」
Stefano Carrara作。ムーディーなボッサ・ジャズ。夜ジャズなジャジー感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qaJg7uamzlU
「Solaria」
Emanuele Bigi作。この曲はブラジリアン・フュージョン調の仕上がり。ブラジル系クラブジャズがお好きな人は気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=qDOaQY3grNE
「Kontaminazione II」
Emanuele Bigi作。アシッド・ジャズ調のジャズ・ファンク。小気味よさがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=GjfV1Zx4KrY
「Blooming」
Emanuele Bigi作。フルートが先導するジャジー・メロウ。ギターの響きが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=CcQeTHyRHQw
「Home Is Where The Hatred Is」
Gil Scott-Heron作。当ブログでは『Pieces of a Man』および『It's Your World』収録のGil自身のヴァージョンを紹介済みです。この時代らしいアシッド・ジャズ・サウンドをバックに、Vickiが雰囲気たっぷりのヴォーカルで歌い上げます。なかなかの好カヴァーだと思います。フルートの音色が演奏にアクセントをつけてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=z5vk9fyWY9I
「Groupin'」
Luigi Storchi作。ベースラインがいい感じのスムース・ジャズ調のミディアム・チューン。落ち着いた雰囲気です。
「South Train」
Massimo Mussini作。クラブジャズ調のボッサ・グルーヴ。クラブジャズ黎明期って雰囲気でしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=W8Oiu7po0kY
「Home Is Where The Hatred Is (Progetto Tribale Soul Mix)」
「Home Is Where The Hatred Is」のProgetto Tribaleによるリミックス。UKクラブミュージック風です。
https://www.youtube.com/watch?v=z5vk9fyWY9I
「The Message From A Soul Sisters (The LTJ Xperience Mix)」
「The Message From A Soul SistersのLTJ Xperienceによるリミックス。哀愁モードになっています。
ご興味がある方は2nd『Kharmalion』、3rd『Voyage To Brazilia』もチェックを!
Bossa Nostra featuring Bruna Loppez『Kharmalion』(1998年)
『Voyage To Brazilia』(2000年)