2015年01月09日

Evie Sands『Estate Of Mind』

女性SSWによるブルーアイド・ソウル作品☆Evie Sands『Estate Of Mind』
エステイト・オブ・マインド + 4(生産限定紙ジャケット仕様)
発表年:1975年
ez的ジャンル:女性SSW系ブルーアイド・ソウル
気分は... :You Can Do It !

今回は女性SSWによるブルーアイド・ソウル作品Evie Sands『Estate Of Mind』(1975年)です。

Evie Sandsは1946年N.Y.ブルックリン生まれの女性シンガー/ソングライター。

シンガーとして、1963年にシングル「The Roll」でデビュー。その後もコンスタントにシングルをリリースしますが、大きなヒットには恵まれませんでした。

しかしながら、彼女がシングルで歌った「Take Me For A Little While」(1965年、Trade Martin作。Vanilla Fudge、Patti LaBelle & The Bluebellesもカヴァー)、「I Can't Let Go」(1965年、Chip Taylor/Al Gorgoni作、The Holliesヴァージョンがヒット)、「Angel Of The Morning」(1967年、Chip Taylor作。Merrilee Rush & The Turnabouts、Melba Montgomery、Juice Newton等もカヴァー)等の楽曲は今日でも名曲として評価されています。

70年代に入ると、『Any Way That You Want Me』(1970年)、『Estate of Mind』(1975年)、『Suspended Animation』(1979年)といったアルバムをリリースしています。同時に、ソングライターとしての評価を高めていきました。

2ndアルバムとなる本作『Estate of Mind』(1975年)は、ブルーアイド・ソウル色を強めたアルバムです。同時に、「Love In The Afternoon」「Take It Or Leave It」「One Thing On My Mind」「I Love Makin' Love To You」といった多くのアーティストがカヴァーしているEvieの人気曲のオリジナルが収録されています。これらの人気曲をEvieはBen WeismanRichard Germinaroとの共作で書き上げています。

プロデュースはDennis Lambert & Brian Potterというヒット・メイカー・コンビ。Dennis Lambert & Brian Potter作品も3曲収録されています。

レコーディングにはEvie Sands(vo、g、key)以下、Michael Omartian(key、syn)、David Hungate(b)、Ed Greene(ds)、
Dean Parks(g、sitar)、Gary Coleman(per)、
Victor Feldman(per)、Ernie Watts(horns)、Ginger Blake(back vo)、Julia Tillman Waters(back vo)、Oren Waters(back vo)等のミュージシャンが参加しています。

フリーソウル・クラシックとしてもお馴染みの「I Love Makin' Love To You」をはじめ、素敵な曲が揃っています。

女性SSW好き、ブルーアイド・ソウル好き、AOR好きの方はぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「A Woman's Work Is Never Done」
邦題「女は生きる」。Dennis Lambert/Brian Potter作。ロッキン・テイストのAORチューンです。好き/嫌いがはっきり分かれるタイプの曲かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=_RVI_B30h1M

「Love In The Afternoon」
邦題「昼さがりの情事」。Ben Weisman/Evie Sands/Richard Germinaro作。Barbra Streisandヴァージョンでもお馴染みの曲ですね。当ブログではDionne Warwickのカヴァーも紹介済みです。SSWらしい素敵なラブソングをDean ParksのシタールやErnie Wattsのサックスが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ksli2GDYK_Y

「You Brought The Woman Out Of Me」
邦題「夢見る貴方」。Dennis Lambert/Brian Potter作。本作らしいブルーアイド・ソウル・フィーリングを楽しめる1曲。Freda Payne、Hot等がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=-5b-zZbJ8O4

「Take It Or Leave It」
邦題「恋するバラード」。Ben Weisman/Evie Sands/Richard Germinaro作。素敵なホーン・アンサンブルと共に始まるラブ・バラード。切ない恋心を歌い上げるEvieのヴォーカルにグッときます。The Manhattans、Brenda & The Tabulations、本田 美奈子等がカヴァーしています。

「Call Me Home Again」
Evie Sands作。本作唯一のEvieの単独作品。正統派バラードを透明感のあるヴォーカルで丁寧に歌います。

「One Thing On My Mind」
邦題「もうひとつのお願い」。Evie Sands/Richard Germinaro作。AORダンサー的な仕上がりの本曲も人気があるのでは?Phyllis HymanDionne Warwick、The Persuasions、石川セリ等がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=sAT4gqx8AxU

「Yesterday Can't Hurt Me」
邦題「昨日にさよなら」。Dennis Lambert/Brian Potter作。Don Brown等がカヴァーしています。切ない雰囲気のEvieのヴォーカルからは甘酸っぱい恋の味がします。さすがはDennis Lambert & Brian Potter。
https://www.youtube.com/watch?v=DshRwf1OBZw

「I Love Makin' Love To You」
邦題「夢のささやき」。Ben Weisman/Evie Sands/Richard Germinaro作。『Free Soul Travel』にも収録されていたフリーソウル・クラシック。僕がEvie Sandsを知るきっかけになった楽曲です。本作らしいメロウ・フィーリングのブルーアイド・ソウルを満喫できます。当ブログでも紹介したMadelaineをはじめ、Allman & Woman(Gregg Allman/Cher)、Arthur Prysock等がカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=zdmpnoOpgqY

「Early Morning Sunshine」
邦題「想い出のささやき」。Ben Weisman/Evie Sands/Richard Germinaro作。子供向けTV番組『Captain Kangaroo』の挿入歌として使われた曲のようです。子供に語りかけるような優しさに満ちたカントリー・タッチの仕上がり。

「(Am I) Crazy Cause I Believe」
邦題「心のときめき」。Evie Sands/Richard Germinaro作。ラストは落ち着いた雰囲気の大人のメロウ・チューンで締め括ってくれます。

CDには1976年にレコーディングした以下の4曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。

「Music Man」
OrleansのJohanna Hall/John Hall作。美メロのメロウ・バラードはなかなか感動的です。本曲を聴けば、ボーナス・トラックで得した気分になるのでは?

「Signed, Sealed, Delivered」
Stevie Wonder/Lee Garrett/Syreeta Wright/Lula Mae Hardaway作。Stevie Wonder、1970年のヒット曲をカヴァー。オリジナルは『Signed, Sealed & Delivered』(1970年)に収録されています。溌剌とした歌声でStevieのヒット曲を歌い上げます。

「You Can Do It」
Ben Weisman/Evie Sands/Richard Germinaro作。アルバム本編にも通じる都会的ブルーアイド・ソウルのフィーリングを堪能できます。

「The Way You Do The Things You Do」
Smokey Robinson/Robert Rogers作。The Temptations、1964年のヒット・シングルをカヴァー。ソウル・フィーリングとポップ・フィーリングのバランスが絶妙です。

ご興味がある方はEvie Sandsの他作品もチェックを!

『Any Way That You Want Me』(1970年)
Any Way That You Want Me

『Suspended Animation』(1979年)
Suspended Animation
posted by ez at 01:47| Comment(4) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする