2015年02月21日

Fania All-Stars『Latin-Soul-Rock』

ソウル、ロックも巻き込んだN.Y.ラテン/サルサ☆Fania All-Stars『Latin-Soul-Rock』
Latin-Soul-Rock
発表年:1974年
ez的ジャンル:Fania系N.Y.ラテン/サルサ
気分は... :スッキリ!

今日はFania All-Stars『Latin-Soul-Rock』(1974年)です。

N.Y.ラテンの名門レーベルFniaのオールスター・グループFania All-Starsの紹介は、『Live At The Cheetah Vol.1/Vol.2』(1972年)、『Rhythm Machine』(1977年)に続き3回目となります。

本作『Latin-Soul-Rock』(1974年)は、アルバムA面がスタジオ録音、B面がライブ録音(N.Y.ヤンキー・スタジアムおよびプエルトリコ)という構成です。また、タイトルの通り、ソウル、ロックをも取り込んだラテン/サルサ・サウンドを志向したアルバムであり、N.Y.ラテン/サルサの魅力をより多くの人に知ってもらおうという意欲が感じられるアルバムです。

そんな意図もあってか、アルバムにはJorge Santana(g)、Billy Cobham(ds)、Jan Hammer(org)、Manu Dibango(sax)といった異なるジャンルのミュージシャンも参加しています。

それ以外にもJohnny Pacheco(leader、per)、Larry Harlow(p、org)、Bobby Valentin(b)、Roberto Roena(bongos)、Ray Barretto(congas)、Mongo Santamaria(congas)、
Ricardo Ray(p)、Nicky Marrero(timbales)、Yomo Toro(tres)、Willie Colon(tb)、Luis Ortiz(tp)、Ray Maldonado(tp)、Victor Paz(tp)、Hector Lavoe(vo)、Ismael Miranda(vo)、Ismael Quintana(vo)、Justo Betancourt(vo)、Pete "Conde" Rodriguez(vo)、Santos Colon(vo)、Bobby Cruz(vo)、Cheo Feliciano(vo)といったラテン/サルサの豪華メンバーの名がズラリと並びます。

個人的には、今聴き直して一番フィットするFania All-Stars作品ですね。スタジオ録音の5曲が充実しているのが大きいかもしれません。特に「Smoke」「There You Go」の2曲に本作の狙いがよく反映されていると思います。

ライブ録音3曲の中ではManu Dibangoの代表曲「Soul Makossa」のラテン・ファンク・カヴァー、豪華メンバーによる大迫力のデスカルガ「Congo Bongo」がいいですね。

レア・グルーヴ好きの人であれば、きっと一番フィットするFania All-Starsのアルバムだと思います。

全曲を紹介しときやす。

「Viva Tirado」
Gerald Wilson作。El Chicanoもカヴァーしていたラテン名曲。妖しげなBobby Valentinのベース・ラインとコンガの響きが印象的です。中盤以降は覚醒的なオルガンやじらした感じが魅力のホーン・サウンドで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=YP1Yr9MkFz4

「Chanchullo」
Cachao作。Jorge Santanaのラテン・ロックなギター・サウンドと、このオールスターらしいN.Y.ラテン・サウンドが融合した演奏を楽しめます。。
https://www.youtube.com/watch?v=mJYDV7LiZ7c

「Smoke」
Dee Ervin作。レア・グルーヴ好きにはEarl J. Foster Jr.率いるファンク・グループTribeのヴァージョンでお馴染みの曲ですね。本ヴァージョンもレア・グルーヴ好きはテンション高くなる、覚醒的ラテン・グルーヴに仕上がっています。まさにラテン/ソウル/ロックな仕上がり!
https://www.youtube.com/watch?v=3YhyO4TTjYA

「There You Go」
Edwin Starrのシングル曲をカヴァー。グルーヴィー・オルガンと格好良いホーン・アンサンブルが牽引するラテン・ソウルなインスト
https://www.youtube.com/watch?v=T3FwV-7eZuY

「Mama Guela」
Tito Rodriguez作。キレとスピードのあるラテン・グルーヴで一気に駆け抜ける本曲も格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=cyC-X6266FA

ここまでがオリジナルLPのA面(スタジオ録音)です。ここから始まるB面のうち、「El Raton」「Congo Bongo」の2曲がN.Y.ヤンキー・スタジアムでのライブ録音、「Soul Makossa」がプエルトリコでのライブ録音です。

「El Raton」
Cheo Feliciano作。Cheo Felicianoのヴォーカル、Jorge Santanaのギターがフィーチャーされた哀愁ラテン・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=mJYDV7LiZ7c

「Soul Makossa」
Manu Dibangoの代表曲をラテン・ファンク調でカヴァーしています。うねるベースラインに覚醒的なパーカッションが絡むリズム隊が抜群に格好良いですね。勿論、Manu Dibangoのサックスも目立っています。
https://www.youtube.com/watch?v=QQVcj0H3Rkw

「Congo Bongo」
Henry Alvarez/Larry Harlow作。ラストはオールスター・ユニットらしい豪華でハードなデスカルガで大いに盛り上がって締め括ってくれます。特にMongo SantamariaRay Barrettoによるハード・ハンズなコンガがサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=1iEvqanPrn8

Fania All-Starsの他作品もチェックを!

『Live at the Red Garter Vol.1』(1968年)
Vol. 1-Live at the Red Garter

『Live at the Red Garter Vol.2』(1969年)
Vol. 2-Live at the Red Garter

『Live At The Cheetah Vol.1』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 1

『Live At The Cheetah Vol.2』(1972年)
Live at the Cheetah, Vol. 2

『Live at Yankee Stadium Vol.1』(1976年)
Vol. 1-Live at Yankee Stadium

『Live at Yankee Stadium Vol.2』(1976年)
Vol. 2-Live at Yankee Stadium

『Delicate and Jumpy』(1976年)
Delicate and Jumpy

『Live in Japan 76』(1976年)
Fania All Stars in Japan

『Rhythm Machine』(1977年)
Rhythm Machine

『Spanish Fever』(1978年)
Spanish Fever

『Cross Over』(1979年)
Cross Over

『Commitment』(1980年)
Commitment

『California Jam』(1980年)
California Jam
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2015年02月20日

Judy Roberts『Circle Of Friends』

息の合ったセッションの楽しさが伝わってきます!☆Judy Roberts『Circle Of Friends』
Circle of Friends
発表年:1995年
ez的ジャンル:女流ジャズ・ピアニスト/シンガー
気分は... :ブラジリアン・ジャズだけではなく・・・

今回はシカゴ生まれの女性キーボード奏者/シンガーJudy Robertsの人気作『Circle Of Friends』(1995年)です。

これまで当ブログで紹介したJudy Roberts作品は以下の3枚。

 『The Judy Roberts Band』(1979年)
 『The Other World』(1980年)
 『Nights In Brazil』(1981年)

本作『Circle Of Friends』(1995年)は、これまで紹介した3枚の作品と比較すると認知度の低い作品であり、ブラジリアン・ジャズ色も薄めです。しかしながら、ジャズ・アーティストとして円熟味を増したJudy Robertsを楽しめる1枚に仕上がっています。

プロデュースはJudy RobertsScott Steinman

レコーディング・メンバーはJudy Roberts(p、vo)以下、Stewart Miller(b)、Greg Sergo(ds)、
Greg Fishman(ts、fl)、Neal Seroka(g)という編成です。

アルバム・タイトルの通り、気心知れたメンバーとのセッションを楽しんでいる様子が伝わってくるのがいいですね。

落ち着いた演奏とJudyの透明感のあるチャーミングな歌声を聴いていると心がホッとします。「Common Ground」「My Attorney Bernie」のようなブラジリアン・ジャズな演奏もいいですが、「Scrapple From the Apple」「Do Nothin' Till You Hear from Me」「How About You」といったジャズ然とした演奏やヴォーカルを楽しむのが本作らしい聴き方だと思います。

ブラジリアン・ジャズだけではないJudy Robertsの魅力を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Scrapple From the Apple」
Charlie Parker作。当ブログではDexter Gordonのカヴァーも紹介済みです。Greg FishmanとテナーとJudyのスキャットと共に始まります。軽快なピアノも含めて、ジャズ・アーティストJudy Robertsを実感できるオープニングです。

「Common Ground」
Ivan Lins/Paul Winter作。『Nights In Brazil』でも取り上げていたIvan Lins「Velho Sermao」の英語ヴァージョンの再演です。Ivan Linsのオリジナルは当ブログでも紹介した『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)に収録されています。『Nights In Brazil』での透明感のあるボッサ・サウンドを受け継ぎつつ、円熟味が増した芳醇なボッサ・サウンドを堪能できます。アルバム・タイトルは本曲の歌詞の中に出てくる"Circle Of Friends"というフレーズからとったものだと思います。

「I Didn't Know About You」
Duke Ellington/Bob Russell作。ジャズ・スタンダード然としたムーディーな演奏です。Judy Robertsのしっとりと歌い上げるヴォーカルも雰囲気があっていいですね。Greg Fishmanのリリカルなテナーもサイコー!

「My Attorney Bernie」
Dave Frishberg作。初期Judy Roberts作品がお好きな人は喜ぶであろうブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴです。ブラジリアン・ジャズ好きの人にとっては「Common Ground」と並ぶハイライトかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=SlO5GlN9AIg

「Do Nothin' Till You Hear from Me」
Duke Ellington/Bob Russell作。Wynton Kellyのカヴァーも紹介済みです。序盤はStewart MillerのベースとピアノのみをバックにJudyが歌います。このシンプルさがJudyのキュートな歌声を引き立て、なかなかいい雰囲気です。中盤はGreg Sergoのドラムも加わった小粋なピアノ・トリオ演奏を楽しめます。ラストは再びJudyの雰囲気たっぷりのヴォーカルで締め括ってくれます。

「Take Five」
Iola Brubeck/Paul Desmond作。Dave Brubeckでお馴染みの名曲ですね。昨年某ドラマの挿入歌として使われたJUJUのカヴァーを何度も聴いているうち、本曲の女性ヴォーカル・ヴァージョンが耳に馴染んできたので、それを経て今聴くと実にフィットします。

「Born to Be Blue」
Mel Torme/Robert Wells作。当ブログではWes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。少しブルージーな雰囲気で聴かせる大人のジャズ・バラード。

「How About You」
Ralph Freed/Burton Lane作。小粋なスウィンギー感が心地好いですね。歌詞を一部改変して有名人の名前が登場するといった遊び心も含めていい雰囲気です。

「So Many Stars」
Marilyn Bergman/Alan Bergman/Sergio Mendes作。Sergio Mendes and Brasil '66『Look Around 』(1968年)のヴァージョンでお馴染みの曲です。また、当ブログではSarah Vaughanのカヴァーも紹介済みです。ここではロマンティックな雰囲気でしっとりとJudyが歌い上げます。

「Comes Love」
Charles Tobias/Sam H. Stept作。Judyのジャズ・ヴォーカリストとしてのセンスを感じます。Greg Fishmanのフルートが盛り上げてくれます。

「Love Dance」
Ivan Lins/Paul Williams作。Judyの透明感のあるヴォーカルが素敵なラブソングとよくマッチしています。

「Centerpiece」
Harry "Sweets" Edison/Jon Hendricks作。参加メンバーの息の合った演奏を楽しめます。

「Twilight World」
Johnny Mercer/Marian McPartland作。ラストは美しい演奏で締め括ってくれます。Judyの透明感のあるヴォーカルに包み込まれる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=G2kHskBGQIQ

『The Judy Roberts Band』(1979年)
The Judy Roberts Band

『The Other World』(1980年)
Other World

『Nights In Brazil』(1981年)
Nights in Brazil

『You Are There』(1985年)
You Are There

『My Heart Belongs to Daddy』(1995年)
My Heart Belongs to Daddy

『In The Moment』(2002年)
In The Moment
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2015年02月19日

The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』

Quanticのファンク・プロジェクト第2弾☆The Quantic Soul Orchestra『Pushin On』
Pushin On (TRUCD074)
発表年:2005年
ez的ジャンル:クラブ経由UKディープ・ファンク
気分は... :一歩引いてみる・・・

QuanticことWill Hollandの生演奏ファンク・バンドThe Quantic Soul Orchestraの2ndアルバム『Pushin On』(2005年)です。

これまで当ブログで紹介したQuantic関連のアルバムは以下の3枚。

 The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
 Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
 Quantic『Magnetica』(2014年)

2007年からのコロンビアでの生活に一区切りをつけ、コロンビア時代の成果を踏まえつつ、エレクトロ・サウンドとの融合など新たなアプローチに取り組んだ『Magnetica』を昨年リリースしたQuanticことWill Holland

今日紹介する『Pushin On』(2005年)は、The Quantic Soul Orchestra名義の第2弾アルバムであり、前作『Stampede』(2003年)同様、生音重視のディープ・ファンクを聴かせてくれます。

前作に続き、Alice Russellのヴォーカルを大きくフィーチャーしています。また、Russell Knightをドラムに迎え、よりディープなファンク・サウンドを追求しています。

その一方で、後のコロンビア移住を予感させるラテンをはじめとする民族音楽的アプローチの演奏も垣間見られる点も本作の興味深い点かも?

ファンクなQuanticがお好きな人は、『Stampede』(2003年)とセットでぜひチェックを!

全曲紹介しときやす。

「Introducing... The Quantic Soul Orchestra」
アルバムのイントロ。一気に駆け抜けるファンキー・チューンです。小手調べでRussell Knightが格好良いブレイクで決めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=w5srHHAa8FY

「West Pier Getdown」
USトランペッターTodd Simonの作品。そのTodd SimonとUSサックス奏者Tracy Wannomaeをフィーチャーした開放的なホーン・サウンドとファンキーなカッティング・ギターが印象的なインスト・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=M9cynjrDx00

「Pushin' On」
タイトル曲はAlice Russellをフィーチャーしたファンキー・ソウル。彼女のハスキー・ヴォーカルには少しレトロ調のR&Bサウンドがよくマッチしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=YXppv7LFDBI

「That Goose On My Grave」
Quanticらしいブレイクビーツの感覚を生演奏で再現したようなファンク・チューン。Russell Knightのドラムが格好良いです。
https://www.youtube.com/watch?v=6_-uRQmRggE

「Feeling Good」
Anthony Newley/Leslie Bricusse作。ミュージカル『The Roar of Greasepaint』(1965年)のために書かれた楽曲です。Nina Simoneのカヴァーが有名ですね。Alice Russellをフィーチャーし、ストリングを配した哀愁ソウル・グルーヴに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=z2MKk7jpPAU

「The Conspirator (Main Theme)」
本作から2年後にコロンビアへ移住するQuanticですが、それを予感させる哀愁ラテン・ファンクです。
https://www.youtube.com/watch?v=7-t-056JezM

「Hands Of My Love」
Alice Russellをフィーチャー。シブめのファンキー・チューンですが、なかなかいい感じ。
https://www.youtube.com/watch?v=ZnEqqHUmkH0

「Hold On Tight」
Alice Russellをフィーチャー。エスニックなエッセンスとファンク・サウンドが結び付いたこの時期のQuanticならではのサウンドかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=qZBm0k6t7ik

「Get A Move On」
DJのMr. Scruffの楽曲をカヴァー。オリジナルは『Keep It Unreal』(1999年)に収録されています。オリジナルはジャズ・テイストのハウス・チューンでしたが、このユニットらしい格好良いディープ・ファンクで聴かせてくれます。作者Mr. Scruffもアレンジで参加しています。‎
https://www.youtube.com/watch?v=dCYcD1Nbgjk

「Painting And Journeys」
美しいストリングスとパーカッシヴなリズムが結び付いた仕上り。この演奏も民族音楽へ傾倒していくQuanticを予感させます。
https://www.youtube.com/watch?v=Ls_tu5nwPEw

「End Of The Road」
Alice Russellをフィーチャー。ラストはAliceのパンチの効いたヴォーカルを前面に打ち出したレトロR&B調のサウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Cko7ifd_ajY

The Quantic Soul Orchestra名義の他作品やQuantic関連の他作品もチェックを!

The Quantic Soul Orchestra『Stampede』(2003年)
Stampede

The Quantic Soul Orchestra with Spanky Wilson『I'm Thankful』(2006年)
I'm Thankful

The Quantic Soul Orchestra『Tropidelico』(2007年)
Tropidelico (TRUCD139)

Quantic『The 5th Exotic』(2001年)
The 5th Exotic

Quantic『Apricot Morning』(2002年)
Apricot Morning (TRUCD034)

Quantic『Mishaps Happening』(2004年)
Mishaps Happening

Quantic『An Announcement to Answer』(2006年)
An Announcement to Answer (TRUCD100)

The Limp Twins『Tales From Beyond the Groove 』(2003年)
Tales from Beyond the Groove (TRUCD057)

Quantic & His Combo Barbaro『Tradition in Transition』(2009年)
Tradition in Transition (TRUCD190)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Death of the Revolution』(2008年)
Death Of The Revolution [日本語解説付き国内盤] (BRTRU163)

Quantic Presenta Flowering Inferno『Dog With a Rope』(2010年)
Dog With A Rope [ボーナストラック2曲・日本語解説付き国内盤] (BRC-262)

Quantic & Alice Russell With The Combo Barbaro『Look Around The Corner』(2012年)
Look Around The Corner [解説付 / ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC325)

Ondatropica『Ondatropica』(2012年)
Ondatropica

Quantic『Magnetica』(2014年)
Magnetica [帯解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC415)
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2015年02月17日

Gregg Diamond,Bionic Boogie『Hot Butterfly』

N.Y.オーケストラ・ディスコの要人による代表作☆Gregg Diamond,Bionic Boogie『Hot Butterfly』
ホット・バタフライ
発表年:1978年
ez的ジャンル:N.Y.オーケストラ・ディスコ
気分は... :ワンダー!

今日は訳あってハイテンション!

今回は70年代後半のN.Y.ディスコ作品の中から当時の人気プロデューサーGregg DiamondのプロジェクトBionic Boogie『Hot Butterfly』(1978年)です。

Gregg Diamondは1949年N.Y.生まれのプロデューサー/ピアニスト。

Andrea Trueをフィーチャーしたディスコ・ヒットThe Andrea True Connection「More, More, More」(1975年)を手掛けたことで注目を浴び、その後、George McCrae『Diamond Touch』(1976年)、I.O.B.『Impact Of Brass』(1977年) 、Gloria Gaynor『Glorious』(1977年)といった作品をプロデュースし、一気にディスコ系の人気プロデューサーとなります。

また、自身でも作品をリリースし、Gregg DiamondもしくはBionic Boogie名義で『Bionic Boogie』(1977年)、『Star Cruiser』(1977年)、『Hot Butterfly』(1978年)、『Tiger Tiger』(1979年)、『Hardware』(1979年)といったアルバムをリリースしています。

『Bionic Boogie』(1977年)に続くBionic Boogie名義の2ndアルバムとなる本作『Hot Butterfly』(1978年)には、Luther Vandrossのヴォーカルをフィーチャーした人気曲「Hot Butterfly」が収録されています。また、Zach Sandersのヴォーカルをフィーチャーした「Cream (Always Rises To The Top) 」もディスコ・ヒットしています。

まぁ、余計なことを考えず、Gregg Diamondのサウンド・センスを楽しみながら、ハイテンションで盛り上がるアルバムだと思います。そんな中でも随所でGregg Diamondのセンスの良さにニンマリするはずです!

全曲紹介しときやす。

「Hot Butterfly」
Luther Vandrossをフィーチャーしたタイトル曲。高揚感のあるモダン・ソウルは今聴いてもグッときます。Gregg Diamondが単なるディスコ職人ではないことを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Jjz0Z46VBnU

「Papillon」のタイトルでChaka Khanがカヴァーしていることでもお馴染みですね(アルバム『Naughty』収録)。また、The Sweet Inspirationsもカヴァーしていますね。これらと聴き比べてみるのも楽しいのでは?

Chaka Khan「Papillon」
 https://www.youtube.com/watch?v=Kv1UmWJFFA8
The Sweet Inspirations「Hot Butterfly」
 https://www.youtube.com/watch?v=F16lN5rOIgI

「Chains」
華のあるN.Y.スタイルのエレクトリック・ブギー。グイグイくるブギー・サウンドがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HCTKSBQ25mg

「When The Shit Hits The Fan (Rocket Pocket)」
アッパーなダンス・チューン。キャッチーな中にも妖しげな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=gwOJIkCuOPU

「Paradise」
白人シンガーDavid Lasleyのヴォーカルをフィーチャー。彼のファルセット・ヴォーカルが中性的に響くダンス・チューン。Jeff Mironovのギターが盛り上げてくれます
https://www.youtube.com/watch?v=yxj_lQ8X7uw

「Cream (Always Rises To The Top) 」
Zach Sandersのヴォーカルをフィーチャー。N.Y.スタイルのディスコ・チューンはGregg Diamondのサウンド・センスがよく反映されたクールな格好良さに溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=eR_7irtAt_g

「Fess Up To The Boogie」
いかにもなディスコ・チューンですが、こういうわかりやすいハイテンション大好きです(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=2nkEslEoYg4

『Bionic Boogie』(1977年)
BIONIC BOOGIE (EXPANDED EDITION)
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2015年02月16日

Gal Costa『Aquarela Do Brasil』

歌姫の華やかな魅力が満載!Ary Barroso作品集☆Gal Costa『Aquarela Do Brasil』
Aquarela Do Brazil
発表年:1980年
ez的ジャンル:歌姫系MPB
気分は... :華やかなGal姐さんサイコー!

MPBの歌姫Gal Costaが1980年にリリースした『Aquarela Do Brasil』です。

これまで当ブログで紹介したGal Costa作品は以下の7枚。

 『Gal Costa』(1969年)
 『Gal』(1969年)
 『Cantar』(1974年)
 『Gal Canta Caymmi』(1976年)
 『Fantasia』(1981年)
 『Minha Voz』(1982年)
 『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)

本作『Aquarela Do Brasil』は、タイトル曲である名曲「ブラジルの水彩画」をはじめ、数々の名曲を残した偉大なコンポーザーAry Barroso(1903-1964年)の作品集となっています。

レコーディングには、AzymuthIvan Conti(Mamao名義で参加)(ds)、Roberto Menescal(g)、
Vitor Biglione(g)、Moacyr Albuquerque(b)、Perna Froes(key)、Sergio Bore(per)、Luiz Roberto(congas)等が参加しています。

満面の笑みのGalが写るジャケが、そのまま歌や音に反映されたような華のあるアルバムです。

時に眩く、時にしっとりと歌い上げるGalのヴォーカルにうっとりしまくりの1枚です。また、ジャジー&メロウなバッキングも実に気が利いています。

数多くあるGal Costa作品の中でも、かなりオススメの1枚です。

全曲紹介しときやす。

「E Luxo So」
Ary Barroso/Luiz Peixoto作。開放的で華やかなサンバでアルバムは幕を開けます。サンバ・リズムをバックにしたGalのヴォーカルも眩いばかりです。サイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=KiIO1XxQIsE

「Ja Era Tempo」
Ary Barroso/Vinicius De Moraes作。哀愁のメロディを憂いを帯びたヴォーカルでしっとりと歌い上げます。ジャジーなボッサ・サウンドも雰囲気があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=LKTbUySN9vg

「Camisa Amarela」
寛いだ雰囲気が実に心地好い1曲。エレガントに円熟味を増したGalのヴォーカルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=yrj2xqn3hSk

「Na Baixa Do Sapateiro」
ディズニー映画『三人の騎士(The Three Caballeros )』でも使われた名曲。当ブログではLennie Dale & Sambalanco TrioSteen Rasmussen Feat. Josefine CronholmBanda Black Rioのカヴァーを紹介済みです。実に気の利いたジャジー・サウンドと雰囲気たっぷりのヴォーカルが見事にマッチしたGal Costaならではのカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=4awM3TJsoho

「Folha Morta」
大人のブルージー感にグッとくるジャズ・ヴォーカル調の仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=4BBIWlG0i2g

「No Tabuleiro Da Baiana」
Caetano Velosoをゲスト・ヴォーカルに迎えています。2人の息の合ったヴォーカルが実に楽しげなのがいいですね。。当ブログではMaria De Fatimaのカヴァーも紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=a4aSP3TBz5I

「Jogada Pelo Mundo」
美しいピアノを中心としたロマンティックなジャジー・サウンドをバックに、Galが品のあるヴォーカルでしっとりと歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=dzHEr3c-dOU

「Inquietacao」
僕の一番のお気に入りは、この疾走する大人のジャズ・サンバ。クールかつ余裕たっぷりのGalのヴォーカルがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DANWpeVQAaE

「Tu」
この曲も大好き!メロウなジャジー・サウンドをバックに、Galが素敵な大人のヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NNTbwiABp0Q

「Faceira」
ボッサ好きの方にはコレがオススメ。爽やかなメロウ・サウンドが華のあるGalのヴォーカルを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=lg3ATGpJwkI

「Novo Amor」
開放的なホーン・サウンドと共にGalのヴォーカルが躍動します。何も考えず、みんなで盛り上がりましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=0Na0ZgEq3e4

「Aquarela Do Brasil」
ラストはタイトル曲であり、お馴染みの名曲「ブラジルの水彩画」で締め括ってくれます。Galらしい華やかなカヴァーに仕上がっています。当ブログではOriginal Soundtrack『Brazil』Elis ReginaSonzeiraのカヴァーを紹介済みです。
https://www.youtube.com/watch?v=3RrDAI7tFzU

Gal Costaの過去記事もご参照下さい。

『Gal Costa』(1969年)
Gal Costa

『Gal』(1969年)
Gal

『Cantar』(1974年)
カンタール

『Gal Canta Caymmi』(1976年)
Gal Canta Caymmi

『Fantasia』(1981年)
Fantasia

『Minha Voz』(1982年)
Minha Voz

『Lua De Mel Como O Diabo Gosta』(1987年)
Lua De Mel Como O Diabo Gosta
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