2015年02月15日

Beat Spacek『Modern Streets』

"ソウル界のRadiohead"と呼ばれたSteve Spacekの最新プロジェクト☆Beat Spacek『Modern Streets』
Modern Streets [帯解説 / 国内仕様輸入盤CD] (BRZN206)
発表年:2015年
ez的ジャンル:UKベース・ミュージック系フューチャー・ソウル
気分は... :実は衝撃作です!

今回は新作アルバムから、"ソウル界のRadiohead"と呼ばれたSteve Spacekの最新フューチャー・ソウル・プロジェクトBeat Spacekの初アルバム『Modern Streets』です。

Steve Spacek(本名:Steve White)はサウスロンドン生まれの男性シンガー/プロデューサー。彼の弟はドラムンベースの人気アーティストDBridgeです。

Steve Spacek(b、vo)は、90年半ばにEdmund Cavill(g)、Morgan Zarate(ds)とSpacekを結成し、1999年にデビュー・シングル「Eve」をリリースし、同曲は故J Dillaもリミックスを手掛け、SpacekはJ Dillaのイチオシ・アーティストとなりました。

その後もSpacekは、『Curvatia』(2001年)、『Vintage Hi・Tech』(2003年)という2枚のアルバムをリリースし、"ソウル界のRadiohead"と称されるなどUKソウル界に大きなインパクトを与えました。

そして、ソロとして活動するようになったSteve SpacekはL.A.に拠点を移し、初ソロ・アルバム『Space Shift』(2005年)をリリース。同作にはJ DillaLeon Wareも参加し、話題となりました。同じ頃、当ブログでも紹介したSa-Ra『Second Time Around』(2005年)でもSteve Spacekがフィーチャーされています。

また、SupadreadBlack Pocket名義でも作品をリリースし、Mr. French(Mathieu Schreyer)とのユニットSteve&I、オーストラリア出身のMark PritchardとのユニットAfrica HiTech、同じくオーストラリア出身のプロデューサーKatalyst(Ashley Anderson)とのユニットSpace Invadas、当ブログでも紹介したニュージーランドのフューチャー・ソウル・ユニットElectric Wire HustleのメンバーTaay NinhとのユニットCloud Selection等多数のユニットにも参加しています。

とにかく、様々な名義で様々な顔を持つアーティストですが、そんな彼の最新プロジェクトがBeat Spacekです。2013年のシングル「Alone In Da Sun」に続き、Beat Spacekの全貌を見せたのが本作『Modern Streets』です。Ninja Tuneからのリリースとなります。

セクシーな男性シンガーであると同時に、優れたトラックメイカーでもある彼が全曲セルフ・プロデュースし、ヴォーカルも全て一人でこなしており、Steve Spacekの個性や現在の彼の嗜好がストレートに反映されたアルバムになっています。

僕が本作を最初に聴いた印象は、UKベース・ミュージック経由のミニマル感覚のフューチャー・ソウルといった感じですかね。サウンド自体はミニマルで無機質なのに、フューチャー・ソウル的な味わいがあるのは、Steve Spacekのセクシー・ヴォーカルの力かもしれません。

あとはミニマルながらもポップなサウンドは、僕のような70年代後半〜80年代前半のニューウェイヴ/エレポップを聴いてきた世代にとっては、時代が一回りして案外フィットするのが面白かったですね。

意外に注目度が低いようですが、かなりの衝撃作だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Wanna Know」
デジタル・ダンスホール調の妖しげなダンス・チューンでアルバムは幕を開けます。元々レゲエ、ダブからの影響が強い人だけに、らしいと言えばらしいのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=4iTgXjZ6kfE

「Tonight」
アフリカ〜カリビアン・リズムのエッセンスを巧みに取り込んだトライバルかつフューチャリスティックな仕上がり。そんな中でも官能ヴォーカルでしっかりソウルしているところがこの人の魅力かも?
https://www.youtube.com/watch?v=UPnYaiudfo0

「Inflight Wave」
スペイシーなエレクトロ感で疾走するキャッチーなフューチャー・ソウル。チープなデジタル感を逆手にとった感覚がサイコー!
https://www.youtube.com/watch?v=g4qOtrAZzN0

「Modern Streets」
本作らしいミニマル感のサウンドが印象的なタイトル曲。前述のようにのニューウェイヴ/エレポップを聴いてきた世代には、時代が一回りしていい感じです(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=gC3QaT-braI

「I Want You」
UKベース・ミュージックのミニマル・サウンドをポップに昇華させています。この曲もニューウェイヴ/エレポップ好きの人には案外フィットするのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=7fE-6CFfqv4

「Gotta Get Some Music」
子供の声と共に始まるベース・ミュージックらしいアブストラクトな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=L-Gou2TCMlE

「If You Are My Chalice」
ベース・ミュージックとUKソウルがセクシーに融合したSteve Spacekならではの仕上がり。僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=73UJcU0sep4

「There Is A Love」
摩訶不思議な無機質サウンドをバックに、Steve Spacekがオリエンタル調の摩訶不思議なヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QDWAsoWmpKw

「Stand Firm」
無機質なミニマル・サウンドをSteve Spacekの歌で官能的に聴かせてしまうところが、彼の存在感の凄さかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=w8lIypREsHE

「Compact N Sleep」
これは美しいエレクトロ・サウンドをバックにしたキャッチーなフューチャー・ソウル。Steve Spacekのファルセット・ヴォーカルが聴く者を包み込みます。
https://www.youtube.com/watch?v=MhW6w5I6UhU

「Back To School」
ダークなデジタル感で疾走します。Steve Spacekのヴォーカルも低音で不穏な雰囲気を煽ります。
https://www.youtube.com/watch?v=62tpLnoWLZQ

「You're The Only One」
何処となく切ない雰囲気にグッとくるミニマル・エレクトリック・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=DaVIaDUO3p4

「Alone In Da Sun」
ラストはBeat Spacek名義の初シングルとなった楽曲で締め括ってくれます。ある意味、Beat Spacekというプロジェクトの意図が最も凝縮されているミニマルなフューチャー・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=YZlKhsSY3Xk

ご興味がある方は、他のSteve Spacek関連作品もチェックを!

Spacek『Curvatia』(2001年)
Curvatia

Spacek『Vintage Hi・Tech』(2003年)
Vintage Hi-Tech

Steve Spacek『Space Shift』(2005年)
Space Shift

Black Pocket『Steve Spacek Presents Black Pocket The Album』(2010年)
Black Pocket the Album

Space Invadas『Soul:Fi』(2010年)
SOUL:FI

Africa HiTech『93 Million Miles』(2011年)
93 Million Miles [ボーナストラック収録・解説付・国内盤] (BRC294)
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2015年02月14日

Norman Connors『Romantic Journey』

ディスコ・チューン「Once I've Been There」収録☆Norman Connors『Romantic Journey』
Romantic Journey
発表年:1977年
ez的ジャンル:名プロデューサー系メロウ・フュージョン
気分は... :ロマンティックな旅へ・・・

今回はNorman Connorsが1977年にリリースした『Romantic Journey』です。

アーバンなメロウ・グルーヴで70年代半ば〜80年代前半にかけて佳作を多く残したドラマー/プロデューサーNorman Connorsの紹介は『This Is Your Life』(1978年)、『MR.C』(1981年)に続き3回目となります。

Buddahからリリースされ、Skip Drinkwaterがプロデュースした本作『Romantic Journey』は、メロウ・フュージョン色の強い1枚に仕上がっています。

レコーディングにはNorman Connors(ds、tympani、per)以下、Willie Weeks(b)、Alphonso Johnson(b)、Lee Ritenour(g)、Reggie Lucas(g)、Ray Gomez(g)、Jerry Peters(p、el-p、clavinet、harpsichord)、Hubert Eaves(p、el-p、clavinet)、Ian Underwood(syn)、Kenneth Nash(congas、per)、Bobbye Hall(congas、bongos)、Victor Feldman(per、vib)、Gary Bartz(as)、Pharoah Sanders(ss)、Fred Jackson(fl、as、clarinet)、Ernie Watts(fl、ts)等が参加しています。

さらにEleanore MillsPhillip Mitchellの男女ヴォーカリストがフィーチャーされ、The WatersJuliaMaxineOrrin等がバック・コーラスで参加しています。

全7曲、ヴォーカルものが4曲、インスト3曲という構成です。Eleanore MillsPhillip Mitchellをフィーチャーしたヴォーカル曲は人気ディスコ・チューン「Once I've Been There」以外はバラード系です。個人的には「Destination Moon」「For You Everything」の2曲が好きです。

また、インスト曲ではPharoah Sandersのカヴァー「Thembi」Gato Barbieriのカヴァー「Last Tango in Paris」あたりが聴き所です。

Norman Connorsが誘うロマンティックな旅へようこそ!

全曲紹介しときやす。

「You Are Everything」
オープニングはThe Stylisticsの大ヒット曲をカヴァー(Thom Bell/Linda Creed作)。リード・ヴォーカルはEleanore Mills。サックスとEleanoreのヴォーカルがムーディーに盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=aO4_re4SnmE

Five Deez「Late October」のサンプリング・ソースにもなっています。
Five Deez「Late October」
 https://www.youtube.com/watch?v=4gtaGjIuzWY

「Once I've Been There」
Phillip Mitchell作&ヴォーカル。本作のハイライトはこのディスコ・チューンかもしれませんね。ガラージ好きの人は気に入るであろうダンス・クラシックです。
https://www.youtube.com/watch?v=GyJIMQBshQ8

「Destination Moon」
この曲もPhillip Mitchell作&ヴォーカル。こちらはPhillip Mitchellが切々と歌い上げる哀愁モードのバラードです。Cam'ron feat. Juelz Santana「Double Up」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=k99F3l6yoDQ

「Romantic Journey」
Norman Connors作。タイトル曲はConnorsのドラミングが目立つフュージョン調のインスト。特にRay Gomezのギターが炸裂する中盤以降の展開は盛り上がります。アレンジを手掛けるのはHubert Eaves、Reggie Lucasという後のMtumeメンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=XbBAcIF4k0s

「Last Tango in Paris」
Gato Barbieri作。Bernardo Bertolucci監督、Marlon Brando主演映画のタイトル曲であり、Barbieriがグラミーを受賞した名曲です。そんな名曲を壮大なスケール感のあるフュージョン・チューンで聴かせてくれます。Jerry Petersのハープシコードもいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=5N8Ka0DbYLw

Binary Star「Honest Expression」、12 Jewels「Gunlow」のサンプリング・ソースにもなっています。
Binary Star「Honest Expression」
 https://www.youtube.com/watch?v=Cr0tntiFGM8
12 Jewels「Gunlow」
 https://www.youtube.com/watch?v=3DyceO_qNYg

「For You Everything」
Jerry Peters作。 Eleanore MillsとPhillip Mitchellの男女ヴォーカルをフィーチャーしたメロウ・チューン。2人のソウルフル・ヴォーカルとJerry Petersのアレンジがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=SU8LGsLQe7g

「Thembi」
ラストはPharoah Sanders作品をPharoah Sanders本人をゲストに迎えてカヴァーしています。オリジナルは当ブログでも紹介した『Thembi』(1970年)に収録されています。スピリチュアル・ジャズ名曲をキャッチーなメロウ・フュージョン風に聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Z4R00V4qC0I

Norman Connorsの他作品もチェックを!

『Dark of Light/Dance of Magic』(1973/1976年)
Dance of Magic/Dark of Light

『Love From the Sun/Slewfoot』(1974/1975年)
スリュー・フット/ラヴ・フロム・ザ・サン

『Saturday Night Special』(1975年)
Saturday Night Special

『You Are My Starship』(1976年)
You Are My Starship

『This Is Your Life』(1978年)
ディス・イズ・ユア・ライフ

『Invitation』(1979年)
Invitation

『Take It To The Limit』(1980年)
テイク・イット・トゥ・ザ・リミット

『MR.C』(1981年)
MR.C

『Passion』(1988年)
パッション
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2015年02月12日

Me'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』

レゲエ/ダブ色を前面に打ち出した5thアルバム☆Me'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』
Comfort Woman
発表年:2003年
ez的ジャンル:ジャンル超越系女性ベーシスト/ヴォーカリスト
気分は... :鳥のように自由に・・・

今回はジャンルを超越した音楽性でシーンにインパクトを与えてきた女性アーティストMe'Shell Ndegeocello『Comfort Woman』(2003年)です。

Me'Shell Ndegeocello(Meshell Ndegeocello)(本名:Michelle Lynn Johnson)は1968年旧西ドイツ、ベルリン生まれ、ワシントンD.C.育ちのアメリカ人ベーシスト/ヴォーカリスト/ソングライター。アーティスト名の"Ndegeocello"はスワヒリ語で"鳥のように自由に"を意味します。

これまで『Plantation Lullabies』(1993年)、『Peace Beyond Passion』(1996年)、『Bitter』(1999年)、『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)、『Comfort Woman』(2003年)、『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』(2005年)、『The World Has Made Me the Man of My Dreams』(2007年)、『Devil's Halo』(2009年)、『Weather』(2011年)、『Pour une Ame Souveraine: A Dedication to Nina Simone』(2012年)、『Comet, Come to Me』(2014年)といった作品をリリースしています。

ファンク、R&B、Hip-Hop、ジャズ、ロック、レゲエ/ダブ等ジャンルを超越した多様な音楽性とスピリチュアルな側面が相俟った独自の音世界が魅力の女性アーティストですね。

ファンク/R&B好きの人には『Plantation Lullabies』(1993年)、『Peace Beyond Passion』(1996年)、『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)あたりが人気でしょうし、静のNdegeocelloが好きな人は『Bitter』(1999年)、『Weather』(2011年)あたりがお気に入りかもしれません。

あるいはレゲエ/ダブ色の強い『Comfort Woman』(2003年)、ジャズ・ミュージシャンMe'Shell Ndegeocelloを前面に打ち出した『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』(2005年)、彼女の持つ多様性がよく反映された最新作『Comet, Come to Me』(2014年)あたりを推す人もいるでしょう。

僕もファンク/R&B系アーティストのイメージが強い人だったのですが、昨年『Jazz The New Chapter』を読んでからは、ジャズ・ミュージシャンとしての彼女にも注目するようになり、同書でセレクトされていた『Comfort Woman』(2003年)、『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』(2005年)の2枚をよく聴いています。

特に『Comfort Woman』(2003年)は、今年に入りJulie Dexter『Dexterity』(2002年)とセットでよく聴いています。共にレゲエ/ダブ色が強いR&B/ソウル作品ですが、今年の僕はそういったサウンドを欲しているようです。

レゲエ/ダブ色が強い『Comfort Woman』『Jazz The New Chapter』でセレクトされたのは、"今ジャズ"の肝である進化形ドラマーの代表格であるChris Dave(元Robert Glasper Experiment)が全曲でドラムを叩いているためです。

前作『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)がそれまでのNdegeocello<サウンドの集大成的なアルバムとなったので、一度リフレッシュする意味で、あえて脇道に入りたかったのかもしれませんね。それがレゲエ/ダブ色の強い本作やジャズ・アルバムの次作『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』といったアプローチになったのだと思います。

本作のプロデュースはMe'shell NdegeocelloAllen Cato。レコーディングにはMe'shell Ndegeocello(b、vo、additional instrumentation)、Allen Cato(g、talk box、drum programming)、Oren Bloedow(g)、Doyle Bramhall II(g)、Chris Dave(ds)が参加しています。

多様なMe'Shell Ndegeocello作品の中では脇道的な1枚かもしれませんが、今聴き直すとChris Daveの全面参加も含めてかなり面白い1枚だと思います。

クール&ダビーなサウンドが今の僕にはフィットします。

全曲紹介しときやす。

「Love Song #1」
Me'shell Ndegeocello作。本作らしいレゲエ/ダブ色が前面に出たクールなオープニング。淡々としたレゲエ/ダブ・サウンドが実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=kVU0f6h2Puo

「Come Smoke My Herb」
Me'shell Ndegeocello作。クールな音世界で貫かれています。ジャジー・ソウル好きの人も気に入るのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=1T7T9bCcuHs

「Andromeda & the Milky Way」
Me'shell Ndegeocello/Allen Cato作。Chris Daveのドラム目当ての人であれば、本曲の演奏なんかは進化形ドラマーの片鱗を垣間見ることができるのでは?その意味でJTNC好きの人はこのミディアム・グルーヴを気に入ると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=fnwliozCBPs

「Love Song #2」
Me'shell Ndegeocello作。子供の声と共に始まります。クールなドリーミー感はNdegeocelloにしか出せない雰囲気かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=ktbubASeTZM

「Body」
Me'shell Ndegeocello作。彼女のオルタナな側面を楽しめます。特にギターが80年代ニュー・ウェイヴっぽいところが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=TWMItlj76AU

「Liliquoi Moon」
Me'shell Ndegeocello作。アコースティック・ギターが印象的なアーシーな展開から一転し、終盤はロッキンなギター唸りを上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=R2TAbuwmECI

「Love Song #3」
Me'shell Ndegeocello/Doyle Bramhall II作。Doyle Bramhallのギターとスペイシーなサウンドが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=QYc0eGlMwEQ

「Fellowship」
Me'shell Ndegeocello作。クールな軽快感がいい感じのレゲエ・チューン。レゲエ・クラシックThe Wailers「Get Up, Stand Up」の歌詞が引用されています。
https://www.youtube.com/watch?v=H4BAGpbbgSs

「Good Intentions」
Me'shell Ndegeocello/Chris Dave作。ソングライティングにもChris Daveが参加している注目曲であり、「Andromeda & the Milky Way」と並ぶ僕のお気に入り。レゲエ・ビートをNdegeocelloとChris Daveの感性で独自の音世界に昇華させている感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=9W24nlpXoIU

「Thankful」
Me'shell Ndegeocello作。ラストはコズミック&スピリチュアルなNdegeocelloらしい音世界で締め括ってくれます。本作らしいダビーなスパイスも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=YYrouJezF34

Me'Shell Ndegeocelloの他作品もチェックを!

『Plantation Lullabies』(1993年)
Plantation Lullabies

『Peace Beyond Passion』(1996年)
Peace Beyond Passion

『Bitter』(1999年)
Bitter

『Cookie: The Anthropological Mixtape』(2002年)
Cookie: The Anthropological Mixtape

『The Spirit Music Jamia: Dance of the Infidel』(2005年)
Dance of the Infidels

『The World Has Made Me the Man of My Dreams』(2007年)
The World Has Made Me...

『Devil's Halo』(2009年)
Devil's Halo (Dig)

『Weather』(2011年)
Weather

『Pour une Ame Souveraine: A Dedication to Nina Simone』(2012年)
Pour Une Ame Souveraine (for a Sovereign Soul)

『Comet, Come to Me』(2014年)
Comet Come to Me -Digi-
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2015年02月11日

Terra Trio『Terra A Vista』

個性派ジャズ・サンバ・トリオ、唯一のアルバム☆Terra Trio『Terra A Vista』
TERRA A VISTA テーハ・ア・ヴィスタ
発表年:1969年
ez的ジャンル:個性派ジャズ・サンバ・トリオ
気分は... :のんびり・・・

今日はのんびり過ごすと決め込み、更新も遅めです。

今回はブラジルの60年代ジャズ・サンバ作品からTerra Trio『Terra A Vista』(1969年)です。

Terra Trioは、1966年に結成されたZe Maria Rocha(b、vo)、Fernando Costa(p、vo)、Ricardo Costa(ds、vo)の3人によるピアノ・トリオ。メンバー全員がヴォーカルをとるコーラスワークもグループの魅力です。

グループはMaria Bethaniaのバックやを務めたり、Nara Leao作品のレコーディングにも参加しています。

そんなTerra Trio唯一のアルバムが本作『Terra A Vista』(1969年)です。プロデュースはNara LeaoSidney Miller

ファルセットのコーラスワークと小粋なアンサンブルに、Sidney Millerのセンスも加わった、なかなか個性的なジャズ・サンバ作品に仕上がっています。わりと年代の古い楽曲を多く取り上げているのも特徴かもしれません。

初心者向けの作品ではないかもしれませんが、他の作品にはない味わいに魅了される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Nega Manhosa」
Herivelto Martins作。目覚まし時計の音色と共にスタートするピアノ・トリオらしい小粋なオープニング。冒頭にはNara Leaoの声も聴こえてきます。

「A Sobrinha da Judite」
Jimmy McHugh/Dorothy Fields作のポピュラー・スタンダード「On the Sunny Side of the Street」をAloysio de Oliveiraがポルトガル語に訳したもの。彼らのコーラスワークとSidneyのセンスがマッチした好カヴァーに仕上がっていると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=cnPFFJlEidw

「Recado」
Paulinho da Viola/Casquinha作。Nara Leaoも『Nara Pede Passagem』(1966年)で歌っていた楽曲です。ここでは美しいスロウ・テンポで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LHJDNPiyS_E

「Ave Maria」
Caetano Veloso作。Joyceもデビュー作『Joyce』(1968年)で歌っていましたね。さり気ないですが、素敵なコーラスワークが光ります。

「Duvi-D-O-Do」
Benedito Lacerda/Joao Barcellos作。Fernandoの小粋なピアノを強調した雰囲気のアレンジがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=XbTBybEOgic

「Passa Passa Gaviao」
Sidney Miller作。当ブログでは『Vento De Maio』(1967年)収録のNara Leaoヴァージョンも紹介済みです。アヴァンギャルドなイントロに続き、緩急をつけたコーラスワークで聴かせるユニークな仕上がり。

「Ze da Tuba」
Herman Hupfeld作ポピュラー・スタンダード「When Yuba Plays The Rhumba On The Tuba」をAloysio de Oliveiraがポルトガル語に訳したもの。何処となくユーモラスのある雰囲気が印象的です。

「Era de Madrugada」
Paquito作。メロウかつエレガントな雰囲気がいいですね。

「Deus Vos Salve Esta Casa Santa」
Caetano Veloso/Torquato Neto作。Nara Leaoも『Nara Leao』(1968年)でカヴァーしていました。素敵なハーモニーと何処となく寂しげな雰囲気がいいですね。

「Odeon」
Ernesto Nazareth作。この曲もNara Leaoが『Nara Leao』(1968年)でカヴァーしていました。ここではインストで聴かせてくれます。。

「Faustina」
Gade作。Nara Leaoも加わった寸劇風の仕上がりです。

「Pra Que Mentir」
Vadico/Noel Rosa作。Maria Bethaniaも『Maria Bethania Canta Noel Rosa』(1965年)でカヴァーしていました。哀愁のメロディをしっとりと歌い上げます。

ご興味がある方はTerra Trioが全面バックを務めたMaria Bethaniaのライブ・アルバム『Recital Na Boite Barroco』(1968年)

Maria Bethania『Recital Na Boite Barroco』(1968年)
Recital Na Boite Barroco
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2015年02月10日

Les DeMerle『Transfusion』

レア・グルーヴ人気ドラマーのジャズ・ファンク作品☆Les DeMerle『Transfusion』
トランスフュージョン
発表年:1977年
ez的ジャンル:レア・グルーヴ系ジャズ・ドラマー
気分は... :戦わずして勝つ!

今回はレア・グルーヴ方面で人気のファンキー・ジャズ・ドラマーLes DeMerle『Transfusion』(1977年)です。

Les DeMerleは1946年N.Y.ブルックリン生まれのジャズ・ドラマー。ファンキーなドラミングでBuddy Richの後継者と評されたこともあったようです。

Les DeMerle名義で『Spectrum』(1970年)、『Transfusion』(1977年)、『Concerts By The Sea』(1978年)、The Les DeMerle Transfusion名義で『Transcendental Watusi!』(1979年)といったアルバムをリリースしています。

このうち、『Transfusion』『Concerts By The Sea』The Les DeMerle Transfusion名義で『Transcendental Watusi!』の3枚は『Rare Groove A to Z』でセレクトされています。『Rare Groove A to Z』で3枚も作品がセレクトされているアーティストは僅かであり、そうした点からもLes DeMerleがレア・グルーヴの人気ドラマーであることを確認できます。

今日紹介する『Transfusion』(1977年)は彼にとって2枚目のソロ・アルバムとなります。

レコーディング・メンバーはLes DeMerle(ds)、Robby Robinson(p、el-p、org、syn)、Rex Robinson(b)、Doug Norwine(sax、fl)、John Phillips(ss、as、fl)、Danny Brin(g)、Onike(vo)。さらにゲストとして、Raul De Souza(b)、John B. Williams, Jr.(b)、Milcho Leviev(p)、Nolan Smith(tp、flh)、Emmett Chapman(electric stick)が参加しています。

Les DeMerleのダイナミックなドラミングが牽引するファンキーな演奏がズラリを並びます。純粋に演奏自体がファンキーな格好良さに溢れているのがいいですね。

ハイライトはファンキー・ブレイクが炸裂する「Moondial」ですが、アフロ・ラテン・モードの「Bacchanal」、ボッサ・フュージョンで疾走する「Kaballa」も僕の超オススメです。

昨年の『Jazz The New Chapter』以降、新進ジャズ・ドラマーが脚光を浴びるようになっていますが、そんな流れでLes DeMerleのドラミングを聴いてみるのも楽しいと思います。

全曲紹介しときやす。

「Moondial」
Robby Robinson作。Les DeMerleのファンキー・ブレイクと共に始まる本作のハイライト。うねるフェンダー・ベース、ファンキーにブロウするホーン隊も暴れまくるご機嫌なジャズ・ファンクです。De La Soul「Stone Age 」、DJ Shadow「Entropy」、Jurassic 5「Lesson 6 (The Lecture)」、Greyboy「Triple X Groove」等のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=pvMFuR_mmwA

「Canned Heat Suite」
Robby Robinson作。シンセが飛び交うコズミック・サウンドの前半と美しい後半のコントラストが印象的な演奏をDeMerleのドラムが牽引します。

「My Woman」
ゲスト参加のMilcho Leviev作。そのMilchoのピアノと同じくゲストのRaul De Souzaのトロンボーンが印象的な美しい演奏です。ここではDeMerleのドラムも抑え気味です。

「Bacchanal」
Robby Robinson作。僕の一番のお気に入り。Onikeのスキャットも入ったアフロ・ラテン・モードのファンク・チューンです。演奏全体の完成度も高いし、DeMerleのドラムも好調です。特にスピードアップした終盤のテンションはかなり高いです。
https://www.youtube.com/watch?v=ub-lelkv8lA

「Kaballa」
Rick Davis作。この演奏も僕好み。ボッサ・フュージョン・テイストながらも骨太感があります。中盤以降はドラムンベースに似た疾走感を感じます。このあたりが再評価が高い要因なのかも?
https://www.youtube.com/watch?v=kqZjC-KtBzk

「Funk It! If You Can't Take A Joke」
Les DeMerle作。ラストは自作のファンキー・チューンでジャズ・ドラマーらしい演奏を聴かせてくれます。

ご興味がある方はLes DeMerleの他作品もチェックを!

『Spectrum』(1970年)
Spectrum

『Concerts By The Sea』(1978年)
ライヴ・アット・コンサーツ・バイ・ザ・シー

The Les DeMerle Transfusion『Transcendental Watusi!』(1979年)
Transcedental Watusi
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