2015年02月20日

Judy Roberts『Circle Of Friends』

息の合ったセッションの楽しさが伝わってきます!☆Judy Roberts『Circle Of Friends』
Circle of Friends
発表年:1995年
ez的ジャンル:女流ジャズ・ピアニスト/シンガー
気分は... :ブラジリアン・ジャズだけではなく・・・

今回はシカゴ生まれの女性キーボード奏者/シンガーJudy Robertsの人気作『Circle Of Friends』(1995年)です。

これまで当ブログで紹介したJudy Roberts作品は以下の3枚。

 『The Judy Roberts Band』(1979年)
 『The Other World』(1980年)
 『Nights In Brazil』(1981年)

本作『Circle Of Friends』(1995年)は、これまで紹介した3枚の作品と比較すると認知度の低い作品であり、ブラジリアン・ジャズ色も薄めです。しかしながら、ジャズ・アーティストとして円熟味を増したJudy Robertsを楽しめる1枚に仕上がっています。

プロデュースはJudy RobertsScott Steinman

レコーディング・メンバーはJudy Roberts(p、vo)以下、Stewart Miller(b)、Greg Sergo(ds)、
Greg Fishman(ts、fl)、Neal Seroka(g)という編成です。

アルバム・タイトルの通り、気心知れたメンバーとのセッションを楽しんでいる様子が伝わってくるのがいいですね。

落ち着いた演奏とJudyの透明感のあるチャーミングな歌声を聴いていると心がホッとします。「Common Ground」「My Attorney Bernie」のようなブラジリアン・ジャズな演奏もいいですが、「Scrapple From the Apple」「Do Nothin' Till You Hear from Me」「How About You」といったジャズ然とした演奏やヴォーカルを楽しむのが本作らしい聴き方だと思います。

ブラジリアン・ジャズだけではないJudy Robertsの魅力を堪能しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Scrapple From the Apple」
Charlie Parker作。当ブログではDexter Gordonのカヴァーも紹介済みです。Greg FishmanとテナーとJudyのスキャットと共に始まります。軽快なピアノも含めて、ジャズ・アーティストJudy Robertsを実感できるオープニングです。

「Common Ground」
Ivan Lins/Paul Winter作。『Nights In Brazil』でも取り上げていたIvan Lins「Velho Sermao」の英語ヴァージョンの再演です。Ivan Linsのオリジナルは当ブログでも紹介した『Somos Todos Iguais Nesta Noite』(1977年)に収録されています。『Nights In Brazil』での透明感のあるボッサ・サウンドを受け継ぎつつ、円熟味が増した芳醇なボッサ・サウンドを堪能できます。アルバム・タイトルは本曲の歌詞の中に出てくる"Circle Of Friends"というフレーズからとったものだと思います。

「I Didn't Know About You」
Duke Ellington/Bob Russell作。ジャズ・スタンダード然としたムーディーな演奏です。Judy Robertsのしっとりと歌い上げるヴォーカルも雰囲気があっていいですね。Greg Fishmanのリリカルなテナーもサイコー!

「My Attorney Bernie」
Dave Frishberg作。初期Judy Roberts作品がお好きな人は喜ぶであろうブラジリアン・フレイヴァーのメロウ・グルーヴです。ブラジリアン・ジャズ好きの人にとっては「Common Ground」と並ぶハイライトかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=SlO5GlN9AIg

「Do Nothin' Till You Hear from Me」
Duke Ellington/Bob Russell作。Wynton Kellyのカヴァーも紹介済みです。序盤はStewart MillerのベースとピアノのみをバックにJudyが歌います。このシンプルさがJudyのキュートな歌声を引き立て、なかなかいい雰囲気です。中盤はGreg Sergoのドラムも加わった小粋なピアノ・トリオ演奏を楽しめます。ラストは再びJudyの雰囲気たっぷりのヴォーカルで締め括ってくれます。

「Take Five」
Iola Brubeck/Paul Desmond作。Dave Brubeckでお馴染みの名曲ですね。昨年某ドラマの挿入歌として使われたJUJUのカヴァーを何度も聴いているうち、本曲の女性ヴォーカル・ヴァージョンが耳に馴染んできたので、それを経て今聴くと実にフィットします。

「Born to Be Blue」
Mel Torme/Robert Wells作。当ブログではWes Montgomeryのカヴァーも紹介済みです。少しブルージーな雰囲気で聴かせる大人のジャズ・バラード。

「How About You」
Ralph Freed/Burton Lane作。小粋なスウィンギー感が心地好いですね。歌詞を一部改変して有名人の名前が登場するといった遊び心も含めていい雰囲気です。

「So Many Stars」
Marilyn Bergman/Alan Bergman/Sergio Mendes作。Sergio Mendes and Brasil '66『Look Around 』(1968年)のヴァージョンでお馴染みの曲です。また、当ブログではSarah Vaughanのカヴァーも紹介済みです。ここではロマンティックな雰囲気でしっとりとJudyが歌い上げます。

「Comes Love」
Charles Tobias/Sam H. Stept作。Judyのジャズ・ヴォーカリストとしてのセンスを感じます。Greg Fishmanのフルートが盛り上げてくれます。

「Love Dance」
Ivan Lins/Paul Williams作。Judyの透明感のあるヴォーカルが素敵なラブソングとよくマッチしています。

「Centerpiece」
Harry "Sweets" Edison/Jon Hendricks作。参加メンバーの息の合った演奏を楽しめます。

「Twilight World」
Johnny Mercer/Marian McPartland作。ラストは美しい演奏で締め括ってくれます。Judyの透明感のあるヴォーカルに包み込まれる感じがたまりません。
https://www.youtube.com/watch?v=G2kHskBGQIQ

『The Judy Roberts Band』(1979年)
The Judy Roberts Band

『The Other World』(1980年)
Other World

『Nights In Brazil』(1981年)
Nights in Brazil

『You Are There』(1985年)
You Are There

『My Heart Belongs to Daddy』(1995年)
My Heart Belongs to Daddy

『In The Moment』(2002年)
In The Moment
posted by ez at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする