発表年:1993年
ez的ジャンル:NJS系男性R&Bグループ
気分は... :真摯に取り組む!
今回はJohnny Gillの兄Randy Gillが在籍していた男性R&BグループII D Extremeのデビュー・アルバム『II D Extreme』(1993年)です。
II D ExtremeはD'Extra Wiley、Randy Gill、Jermaine Mickeyの3名がワシントンD.C.で結成した男性R&Bグループ。前述のようにRandy Gillは人気男性R&BシンガーJohnny Gillの実兄です。
グループは『II D Extreme』(1993年)、『From One Extreme to Another』(1996年)という2枚のアルバムをリリースし、『II D Extreme』からは全米R&Bチャート第6位のヒット「Cry No More」が生まれています。その後、Sage Leeが加わり、4人組となりましたが、作品はリリースされていません。
デビュー・アルバム『II D Extreme』(1993年)は、ざっくりいえば後期NJS作品ということになります。全体として小粒な感は否めませんが、素晴らしいコーラスワークを活かしたミディアム〜スロウ系が充実しており、90年代R&Bがお好きな人であれば十分楽しめる1枚だと思います。
本作リリース時には既にRandyの弟Johnny GillはR&B界のスターとなっており、"Johnny Gillの兄のグループ"という形容詞は、グループにとって迷惑だったと思いますが、気負わず身の丈に合った作品づくりに専念している感じが好感持てます。
D'Extra Wiley、Randy Gillといったメンバー以外に、Erik "Lil Rick" White、Kevin "K-Jack" Jackson、Jeff Carruthers、Paul Brown、Somethin' For The People等がプロデュースを手掛けています。
ハイライトは前述のヒット曲「Cry No More」、The Gap Bandのカヴァー「Outstanding」、The Driftersのカヴァー「Up on the Roof」あたりですかね。
個人的には「To Love Someone」、「I Need Your Lovin'」あたりも超オススメです。
Johnny Gill云々に関わらず、90年代男性R&Bグループ好きの人はぜひチェックして欲しい1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Prelude: Falling in Love」
アルバムのイントロ。いきなり美しいコーラスワークで魅了します。
「Let Me Love You」
D'Extra Wiley/Hamiプロデュース。まずはコーラスワークを活かしたミディアム・スロウから入ってくるあたりにグループの色が出ていると思います。過度に熱唱しすぎず、美しいメロディをコーラスも含めてしっかり聴かせてくれるところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=jdkFoqRaOSM
「Tell Me」
Erik "Lil Rick" White/Kevin "K-Jack" Jacksonプロデュース。オーセンティックなバラード。リードが目立つのではなく、あくまでコーラスワークで聴かせてくれるのが僕好み。
https://www.youtube.com/watch?v=HgiWmfaTSFc
「Outstanding」
定番サンプリング・ネタとしてもお馴染みのThe Gap Bandの人気曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Gap Band IV』(1982年)に収録されています。
Anthony DeTiege/ Billy Moss/D'Extra Wileyプロデュース。The Gap Band好きとしては、やはりこのカヴァーは嬉しいですね。NJSな「Outstanding」を楽しみましょう!
https://www.youtube.com/watch?v=errJUfJ2X_Q
「Thinkin' Bout Cha'」
Erik "Lil Rick" White/Kevin "K-Jack" Jackson/D'Extra Wileyプロデュース。ジャジー・メロウなミディアム。ラップ・パートもあってアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=92DRWMmYELo
「Up on the Roof」
The Drifters、1962年のヒット曲をカヴァー(Gerry Goffin/Carole King作)。 グループの魅力であるコーラスワークを堪能するのは、いいカヴァー・セレクトかもしれませんね。正統派のカヴァーです。Jeff Carruthers/Paul Brownプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=s9obyTQevCE
「Interlude: Thinkin'」
インタールード。
「Cry No More」
Erik "Lil Rick" White/Kevin "K-Jack" Jackson/D'Extra Wileyプロデュース。前述のように全米R&Bチャート第6位のヒットとなったシングル曲。美しいメロディを、素晴らしいヴォーカル&コーラスで真摯に歌い上げる、このグループの魅力が凝縮された絶品スロウです。
https://www.youtube.com/watch?v=OL1sD7z7O8U
「To Love Someone」
Paul Brown/D'Extra Wiley/Randy Gillプロデュース。「Cry No More」、「Outstanding」と並ぶ僕のお気に入り。モロに僕好みの美メロ・ミディアム・スロウです。こういう胸キュンな曲を聴くと、あの時代に戻って、恋がしたくなりますね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=J8b7Ya7U274
「No Way」
Boogaloo & Camille/D'Extra Wileyプロデュース。メロディアスなNJSチューン。NJSしていてもメロディ重視というのがこのグループらしいのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=TyZt23vbzVg
「I Need Your Lovin'」
Somethin' For The People/Bobby Arringtonプロデュース。プロデュース・チームとしても人気だったR&BグループSomethin' For The Peopleが手掛けただけあって、完成度は高いです。素晴らしいコーラスワークが光るセクシーR&Bグルーヴって雰囲気が大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=yE_qj_mqFkw
「Yummy」
Gerald Thompson/Ray Wiley/D'Extra Wileyプロデュース。初めて聴いたときから懐かしい感じがするのは、思いきりGuyしているからかもしれません(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=TEgSrhs52K0
「Postlude: Finally」
D'Extra Wiley/Tim Carmonプロデュース。アルバムのアウトロで余韻に浸ります。
『From One Extreme to Another』(1996年)