2015年03月06日

Duke Pearson『Angel Eyes』

クラブジャズ・クラシック「Jeannine」収録!不遇の名盤☆Duke Pearson『Angel Eyes』
エンジェル・アイズ
録音年:1961年、62年
ez的ジャンル:不遇の名盤系ピアノ・トリオ・ジャズ
気分は... :「Jeannine」格好良すぎ!

ジャズ・ピアニスト/作曲家/アレンジャーDuke Pearsonの不遇の名盤『Angel Eyes』です。

これまで当ブログで紹介してきたDuke Pearson(1932-80年)のリーダー作は以下の5枚。

 『Wahoo!』(1964年)
 『Sweet Honey Bee』(1966年)
 『The Right Touch』(1967年)
 『The Phantom』(1968年)
 『How Insensitive』(1969年)

本作『Angel Eyes』は不遇の名盤として知られる1枚ですね。

元々は新興レーベルJazz Lineで1961年8月に吹き込み、『Bags' Groove』のタイトルでリリース予定であったものの、同レーベルが経営不振に陥ったため、お蔵入りとなりました。その後Polydorから1968年に『Angel Eyes』のタイトルでリリースされたのが本作です。

レコーディング・メンバーはDuke Pearson(p)、Thomas Howard(b)、Lex Humphries(ds)の3名。ただし、タイトル曲はアルバム『Hush』(1962年)レコーディング時のセッション(1962年1月)であり、Duke Pearson(p)、Bob Cranshaw(b)、Walter Perkins(ds)という編成になっています。

こうした不遇の経緯を持つ作品ですが、中身は充実しています。

何といってもハイライトはクラブジャズ・クラシック「Jeannine」ですね。この1曲のために本作を購入した方も多いのでは?僕もそんな一人です。

それ以外にもラテン・タッチの「Le Carrousel」、美しい「Say You're Mine」あたりも僕のオススメです。

とりあえず「Jeannine」を聴いてみて下さい!
この1曲でKOされる人続出のはず!

全曲紹介しときやす。

「Bags' Groove」
Milt Jackson作。当ブログで紹介した帝王Miles Davisヴァージョンでもお馴染みのブルース。ここでは名アレンジャーPearsonの手腕を楽しめる演奏となっています。

「Le Carrousel」
Duke Pearson作。「Jeannine」と並ぶ本作のハイライト。ラテン・タッチの演奏で疾走していきます。何処となく哀愁が漂う感じがたまりません。

「Angel Eyes」
Earl Brent/Matt Dennis作。前述のようにタイトル曲のみ録音時期、メンバーが異なります。アルバム『Hush』(1962年)収録曲のショート・ヴァージョンです。演奏自体は殆どPearsonのピアノ・ソロに近く、彼の美しいピアノ・タッチを楽しむ演奏になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1vZhsBaB-Ak

「I'm an Old Cowhand from the Rio Grande」
Johnny Mercer作。映画『Rhythm on the Range』のために書かれた楽曲であり、Bing Crosbyによって歌われたスタンダード。ピアノ・トリオらしいエレガントな小気味良さ心地好い演奏となっています。

「Jeannine」
Duke Pearson作。本作のハイライト。本ヴァージョン以前にPearson本人が参加したDonald Byrd『At The Half Note Cafe, Vol. 2』(1960年)やCannonball Adderley『Them Dirty Blues』(1960年)でレコーディングされ、その後も数多くアーティストにカヴァーされている名曲です。その作者ヴァージョンということでも本ヴァージョンの価値は高いですね。何より、クラブジャズ・クラシックとして再評価の高い演奏の格好良さに魅了されます。今から54年前の演奏というが信じられません。格好良すぎる!
https://www.youtube.com/watch?v=Bm1NxfevGro

Donald Byrd「Jeannine」
 https://www.youtube.com/watch?v=bovferybdb8
Cannonball Adderley「Jeannine」
 https://www.youtube.com/watch?v=1OfnLuPEluo

「Say You're Mine」
Duke Pearson作。Pearson本人が参加したDonald Byrdのヴァージョン(アルバム『The Cat Walk』収録)でも知られる本曲。美しくも切ないムードに惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ECNG2mryCRM

Donald Byrd「Say You're Mine」
 https://www.youtube.com/watch?v=K8tXhz1xIng

「Exodus」
Ernest Gold作。映画『栄光への脱出』(1960年)のテーマとしてヒットした曲です。この有名曲を小粋なピアノ・トリオ・ジャズで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=jHMO01fuBqY

CDには「I'm an Old Cowhand from the Rio Grande」「Say You're Mine」「Le Carrousel」の別テイクがボーナス・トラックとして追加収録されています。

Duke Pearsonの過去記事もご参照下さい。

『Wahoo!』(1964年)
ワフー

『Sweet Honey Bee』(1966年)
Sweet Honey Bee

『The Right Touch』(1967年)
Right Touch

『The Phantom』(1968年)
ザ・ファントム

『How Insensitive』(1969年)
ハウ・インセンシティヴ
posted by ez at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする