2015年03月09日

Osmar Milito『Viagem』

名アレンジャーの手腕が冴えるブラジリアン・ラウンジ作品☆Osmar Milito『Viagem』
ヴィアージェン BOM1131
発表年:1974年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ラウンジ
気分は... :落ち着ける大人の空間・・・

今回はブラジル人名アレンジャーOsmar Milito『Viagem』(1974年)です。

サンパウロ生まれのコンポーザー/アレンジャー/キーボード奏者Osmar Militoの紹介は、『... E Deixa O Relogio Andar!』(1971年)、『Nem Paleto, Nem Gravata』(1973年)に続き3回目です。

これまで紹介した『... E Deixa O Relogio Andar!』『Nem Paleto, Nem Gravata』の2枚はブラジリアン・ソフトロックの人気作でした。本作『Viagem』は、それら2作と比較すると、よりラウンジ感の高い落ち着きのある1枚に仕上がっています。

オープニングの「Up, Up And Away」を聴けば、本作のラウンジ感がよくわかるはずです。キャッチーなサンバ・チューン「Eu Bebo Sim」もわかりやすいですね。

メロウ・サウンドを求める方であれば、「Mulher Rendeira」「Sangue Latino」あたりがオススメです。また、「Oracao A Mae Menininha」「Planalto Geral」といったノルデスチのスパイスの効いたブラジリアン・ラウンジも本作ならではの魅力だと思います。

レコーディングにはLuizao Maia(b)、Pascoal Meirelles(ds)、Chico Batera(per)、Nene Baterista(per)、Luiz Claudio(g)等のミュージシャンが参加しています。

シブいジャケ同様に、落ち着い珠玉のブラジリアン・ラウンジを満喫しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Up, Up And Away」
Jimmy Webb作。The 5th Dimensionの大ヒット曲をカヴァー。素敵なコーラスを伴い、本作らしいラウンジ感のあるアレンジで聴かせてくれます。Militoのエレガントで落ち着きのある鍵盤の響きがいい感じです。短いドラム・ブレイクもキマっています。

本曲について、当ブログではRoman AndrenBossa RioGary McFarland & Co.SunlightsquareSonido 5のカヴァーも紹介済みです。

「Bonita」
Antonio Carlos Jobim作。Militoの美しいピアノを楽しむ1曲に仕上がっています。

「Mulher Rendeira」
Ze Do Norte作。柔らかなメロウ・エレピやマリンバなど音色の心地好さが絶妙の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=XVX0b3NkyOc

「Oracao A Mae Menininha」
Dorival Caymmi作。ブラジルならではのラウンジ感覚が楽しめます。10弦ギターの響きなどノルデスチな雰囲気で盛り上げてくれます。

「Sangue Latino」
Joao Ricardo/Paulinho Mendonca作。美しいコーラスとメロウ・サウンドが織り成す至極のブラジリアン・ラウンジを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=yTI0dT-GnY4

「Que Maravilha」
Jorge Ben/Toquinho作。当ブログではSom Okey 5Heraldo Do Monteのカヴァーも紹介済みです。ここではテンポを落とし、ストリングスを配したラウンジ感たっぷりのジャズ・ボッサ・サウンドで聴かせてくれます。

「Viagem」
Joao De Aquinho/Paulo Cesar Pinheiro作。Militoの美しいピアノを中心とした淡いメロウ・サウンドに癒されます。

「Nao Me Diga Adeus」
Joao Correo Da Silva/Luiz Soberano/Paquito作。当ブログではNara LeaoBossa Tresのカヴァーも紹介済みです。淡々としたラウンジ・ボッサと思いきや終盤にドラマティックな展開が待っています。このあたりはMilitoの心憎い演出ですね。

「Planalto Geral」
Osmar Milito作。本作唯一のオリジナル曲はノルデスチ感覚のミステリアスな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=OBYrPMRA-vY

「Eu So Quero Um Xodo」
Anastacia/Dominguinhos作。Gilberto Gilのヒットで知られる曲ですね。軽快さとエレガントさの折り合いのつけ方がさすがMilitoですね。

「Eu Bebo Sim」
Joao Do Violao/Luiz Antonio作。ラストはポップかつメロウなサンバ・サウンドで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=0-jzY8DVtAU

CDにはボーナス・トラックとして「Maracatu Atomico」が追加収録されています。

Osmar Militoの他作品もチェックを!

『... E Deixa O Relogio Andar!』(1971年)
E Deixa O Relogio Andar

『Nem Paleto, Nem Gravata』(1973年)
ネン・パレトー、ネン・グラヴァッタ(紙ジャケット仕様)(BOM24124)

『Ligia』(1978年)
LIGIA (1978)
posted by ez at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする