発表年:1977年
ez的ジャンル:職人系UKポップ・バンド
気分は... :思わずニンマリ!
今日はUKのポップ・バンドCafe Jacquesの1stアルバム『Round The Back』(1977年)です。
Cafe Jacquesは、1973年にスコットランド、エジンバラで結成されたスタジオ・ミュージシャン系バンド。メンバーはChris Thomson(g、vo)、Mike Ogletree(ds、per、g、vo)、Peter Veitch(key、accordion)の3名。
グループはRupert Hineのプロデュースの下、『Round The Back』(1977年)、『International』(1979年)という2枚のアルバムをリリースしています。
僕は"UKのSteely Dan"というふれこみにつられて、本作『Round The Back』を購入したのですが、確かにSteely Dan好きの人は気に入るであろうアルバムだと思います。その一方で、よりポップ・ロック的な演奏やプログレ的なエッセンスも散りばめられているところが、このバンドの面白いところなのかもしれません。
メンバー以外にJohn G. Perry(b)、Phil Collins(per)、Geoff Richardson(viola、fl)が参加しています。特にPhil Collinsの参加が興味深いですね。Rupert Hine絡みでの参加だと思います。
個人的にはSteely Dan的なものを求めて購入したので、その意味では「Meaningless」、「Farewell My Lovely」、「Sandra's A Phonie」あたりがオススメです。「Ain't No Love In The Heart Of The City」、「Sands Of Singapore」あたりもAOR好きの人は気に入ると思います。展開がダイナミックな「Lifeline」も楽しめるはず!ファンキーな「None Of Your Business」も僕好み。
スタジオ・ミュージシャン系バンドらしいセンスが光る1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Meaningless」
最もSteely Dan的なこのオープニングが本作のハイライトだと思います。実に都会的でありながら一筋縄ではいかない感じがいいですね。イントロの印象的なリフがQ-Tip feat. Raphael Saadiq「We Fight/We Love」のネタになっている点も僕が気に入っている大きな要因です。
https://www.youtube.com/watch?v=GM7BHOeEDvI
Q-Tip feat. Raphael Saadiq「We Fight/We Love」
https://www.youtube.com/watch?v=MblPdhLTbE8
「Ain't No Love In The Heart Of The City」
本作唯一のカヴァーはBobby Bland、1974年のシングル曲(Dan Walsh/Michael Price作)というなかなかシブいセレクト。Whitesnakeもカヴァーしていました。本ヴァージョンはブルーアイド・ソウル的なAORチューンに仕上がっています。今の僕の嗜好にフィットした1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=PrO6XiA6Qcc
「Sands Of Singapore」
タイトルからイメージされるようなエキゾチックな雰囲気のAORチューン。プログレ的なエッセンスもあって、ある意味このバンドらしい演奏なのかもしれません。
「Farewell My Lovely」
「Meaningless」と並びSteely Danを感じる曲です。曲調やコーラスの雰囲気がSteely Danしてますね。ただし、そこにプログレ的なスパイスを効かせているのが、このバンドの独自性かもしれませんが。
https://www.youtube.com/watch?v=F7i4r4AoVao
「Eberehtel」
ポップ・ロックAORなミディアム・バラード。少しパンチに欠けますが、メロウな味わいはいい感じです。
「Dark Eyed Johnny」
ギター・サウンドを前面に出したポップ・ロック。メリハリをつけた展開に工夫を感じますが、正直僕の好みではありません。
「Sandra's A Phonie」
この曲もSteely Dan調です。派手さはないですが、聴いていて思わずニンマリしてしまいます。
「None Of Your Business」
シティ・ポップ的なサウンド・センスで楽しませてくれるファンキー・グルーヴ。聴き重ねるほどに好きになります。
「Crime Passionelle」
哀愁バラードですが、イマイチ印象に残らないかも?
「Lifeline」
ラストはダイナミック展開で楽しませてくれます。このバンドの持つポップな側面とプログレな側面を見事に融合させているのが素晴らしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=-9IqxXUOChU
CDにはボーナス・トラックとして「Meaningless」のシングル・ヴァージョンが追加収録されています。
『International』(1979年)