発表年:1970年
ez的ジャンル:SSW系フォーキー・ロック
気分は... :ピンクのキリン???
今回はBuffalo Springfield、Crosby, Stills, Nash & Young等でも活躍した男性シンガー・ソングライター/ギタリストStephen Stillsの1stソロ・アルバム『Stephen Stills』(1970年)です。
これまで『Manassas』(1972年)、『Down the Road』(1973年)といったManassas時代の作品は紹介してきましたが、Stephen Stillsのソロの紹介は初めてになります。
僕の場合、Stephen Stillsについては、フリーソウル的な聴き方をしているので、Buffalo Springfield、Crosby, Stills, Nash & Young(CSN&Y)よりも、初期のソロ作やManassasを聴く機会が多いですね。
1stソロ・アルバムとなる本作『Stephen Stills』(1970年)は、この時期の彼の充実ぶりが反映されたアルバムであり、商業的にも全米アルバム・チャート第3位、ゴールド・ディスク獲得という大成功を収めました。
レコーディングには、Stephen Stills(vo、g、b、p、org、steel drum、per)以下、Jimi Hendrix(g)、Eric Clapton(g)、Booker T. Jones(org、vo)、Ringo Starr(ds)、
David Crosby(vo)、Graham Nash(vo)、John Sebastian(vo)、Rita Coolidge(vo)、Cass Elliott(vo)等の有名ミュージシャンが参加しています。
また、後にManassasのメンバーとなるCalvin "Fuzzy" Samuel(b)、Dallas Taylor(ds)も参加しています。
プロデュースはStephen Stills本人とBill Halverson。また、StillsとArif Mardinがアレンジを手掛けています。
アルバム全体としては、フォーク、ロック、ブルース、ソウル、ゴスペルといったエッセンスを巧みに組み合わせたメリハリのあるアルバム構成となっています。グルーヴィーな楽曲やスワンピーな楽曲、ゴスペル調のコーラスが印象的です。CSN&Yの枠では収まりきらなかった創作意欲を発散している感じですね。
シングル・ヒットし、今日でもフリーソウル人気曲である「Love the One You're With」がハイライトでしょうね。また、Jimi Hendrix参加の「Old Times Good Times」、Eric Clapton参加の「Go Back Home」も聴く者の期待を裏切らない内容です。
スワンピーな「Sit Yourself Down」、Booker T. Jones参加の「Cherokee」あたりも僕のお気に入り。酒が進みそうな酔いどれフォーキー・ブルース「Black Queen」も捨て難い魅力が・・・
楽曲はすべてStephen Stillsのオリジナルです。
雪景色なのに軽装のStillsとピンクのキリンが写るジャケが不思議ですね(笑)
全曲紹介しときやす。
「Love the One You're With」
本作のハイライト。シングルとして全米チャート第14位になっています。前述のようにフリーソウル人気曲でもあります。スティール・ドラムのアクセントが効いたフォーキー・グルーヴ。本作らしいゴスペル調コーラスもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=0VsOr5N8LnA
『4 Way Street』(1971年)に収録されたCSN&Yのライヴ・ヴァージョンや、当ブログで紹介したThe Isley Brothersのカヴァーもお馴染みですね。それ以外にAretha Franklin、Dawn、Free Movement、The Supremes & Four Tops、Phyllis Dillon、Luther Vandross、Bucks Fizz等多くのアーティストがカヴァーしています。また、Widespread Panic「Ball of Confusion (That's What the World Is Today)」のサンプリング・ソースとなっています。
「Do for the Others」
SSWらしいフォーキー・チューン。僕の場合、こういう曲はあまり期待していのですが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=-OSaIUKi8p4
「Church (Part of Someone)」
ギターではなく、ピアノを中心としたソウル・バラード。ストリングスやゴスペル調コーラスも加わり、盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=P10-ORxQuFA
「Old Times Good Times」
Jimi Hendrix参加曲。ジミヘンのギターとStillsのオルガンの絡みが格好良いグルーヴィーなロック・チューン。久々に聴きましたが、シビれる格好良さですね。
https://www.youtube.com/watch?v=ph_E6tugYLg
「Go Back Home」
Eric Clapton参加のブルース・ロック。Claptonにぴったりなブルージーな雰囲気の中で、らしいギター・ソロを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pd9VNlquFlE
「Sit Yourself Down」
この曲もシングルになりました。スワンプ・ロック調の味わい深い仕上がりです。終盤にコーラス隊が盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=hCre-_HUXoU
「To a Flame」
幻想的ながらも味わい深い仕上がりです。中盤以降はストリングスも加わり盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=25dB7pC-ut4
「Black Queen」
弾き語りによる酔いどれフォーキー・ブルース。激シブな格好良さがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=ACBQbkYG_tw
「Cherokee」
Booker T. Jones参加曲。ドラマティックなホーン隊やミステリアスなフルートが盛り上げてくれる独特の魅力を持った曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=k_ryQC7Ei5I
「We Are Not Helpless」
Neil Young「Helpless」を意識した曲ですね。ストリングスが少し仰々しいですが、中盤以降のスワンピーな展開はなかなかエキサイティングです。
https://www.youtube.com/watch?v=cBZfsIAZk30
Stephen Stills『Stephen Stills 2』(1971年)
Stephen Stills/Manassas『Manassas』(1972年)
Stephen Stills/Manassas『Down the Road』(1973年)