2015年03月31日

Damian Dame『Damian Dame』

LaFaceの契約第1号アーティストとなった男女R&Bデュオ☆Damian Dame『Damian Dame』
damian dame damian dame.jpg
発表年:1991年
ez的ジャンル:悲運の男女R&Bデュオ
気分は... : ブラック・マンバ

今回は90年代R&B作品からDamian Dame『Damian Dame』(1991年)です。

DamianDeah Dameの男女R&Bデュオ。

Deah DameことDebra Hurdは1958年テキサス州ヒューストン生まれ。1983年にソロ・アルバム『Debra Hurd』をリリースし、シングル「Hug Me, Squeeze Me」をヒットさせました。

その後、Babyfaceの1stソロ・アルバム『Lovers』収録曲「Faithful」でフィーチャリングされたことがきっかけで、後の人気プロデュース・チームL.A. Reid & Babyfaceの関連作品へ参加するようになります。

具体的には、L.A. ReidBabyfaceが在籍していたThe Deele『Eyes Of A Stranger』(1987年)、Shalamar『Circumstantial Evidence』(1987年)、Karyn White『Karyn White』(1988年)といったアルバムに参加しています。

そんな中、Debraのヴォーカルを気に入ったDamian(本名:Bruce Edward Broadus、1966年ミシガン州マーシャル生まれ)が彼女に声を掛けて結成されたのがDamian Dameです。

彼らは幸運にもL.A. ReidとBabyfaceが設立したLaFace Recordsの第1号アーティストとして契約することに成功します。そして制作されたアルバムが本作『Damian Dame』(1991年)です。

アルバムからは全米R&Bチャート第1位となった「Exclusivity」、同チャート第2位となった「Right Down To It」という2曲のヒット・シングルが生まれ、上々の船出となりました。

1992年にはL.A. Reid & Babyfaceがプロデュースし、LaFaceからリリースされたEddie Murphy主演の映画『Boomerang』のサントラに参加し、「Reversal of a Dog」Highland Place MobstersTLC、Toni Braxtonと共演しています。

ちなみにTLCChilliはかつてDamian Dameのバックダンサーを務めていました。

このように順調に見えた2人ですが、突然悲劇が襲います。2ndアルバムのリリースも予定されていた1994年6月にDebraが交通事故で他界してしまいます。享年35歳。

取り残されたDamianは失意の中、1996年にソロ・アルバム『199SEX 』をリリースしますが、その直後にガンのため逝去しました。運命のいたずらか、DebraとDamianの命日は共に6月27日でした。

悲運のデュオDamian Dame唯一のアルバムが本作『Damian Dame』(1991年)です。

L.A. Reid & Babyfaceをはじめ、Daryl SimmonsKayo(Kevin Roberson)といったLaFaceファミリーがプロデュースを務め、Babyfaceの兄Kevon EdmondsTLCLeft EyeT-Boz等がレコーディングに参加しています。

アルバム全体の印象としては、Debraの哀愁ヴォーカルが印象的なアップ・チューン、DamianのラップによるHip-Hopチューン、メロディアスなミディアム〜スロウがバランス良く配されています。このあたりがL.A. Reid & Babyfaceのセンスかもしれませんね。

色使いがケバいジャケも含め、良くも悪くも90年代初頭の雰囲気を満喫できる1枚です。

勿論、僕はこの雰囲気が大好きです。

全曲紹介しときやす。

「Intro」
イントロ。

「Exclusivity」
アルバムからの1stシングルであり、前述のようには全米R&Bチャート第1位となったヒット曲。哀愁のメロディが印象的なNJSです。この時代らしくラップパートを織り交ぜています。
https://www.youtube.com/watch?v=1w7FqIQ3q60

「Gotta Learn My Rhythm」
アルバムからの3rdシングル。Debraの哀愁ヴォーカルが印象的なダンス・チューン。妖しげなサウンドが90年代初めのR&Bらしくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=w_IRVmc3WMM

「Believer」
シングル向きのキャッチーなアップ・チューン。Damianのラップ・パートもキマっています。バッキング・ヴォーカルはKayo共にプロデュースを手掛けたDaryl Simmons(DeRock名義)。
https://www.youtube.com/watch?v=rN9HYv-PWr8

「Right Down To It」
アルバムからの2ndシングル。「Exclusivity」に続き、全米R&Bチャート第2位のヒットとなりました。メロディアスなミディアム・チューンです。Damianのヴォーカルの節回しはLaFaceサウンドにマッチしますね。後にKenny Lattimoreがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=0PBcyxDD5Js

「Virgin Island」
Debraがキュートながらも大人のヴォーカルでしっとりと聴かせるバラード。イントロは和風です(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=4Ij_jyLt9lc

「Whack It On Me」
ラップを前面に打ち出したHip-Hopチューン。DamianのみならずDebraもラップを聴かせてくれます。90年代初めのダンサブルなHip-Hopチューンって結構好きでした。
https://www.youtube.com/watch?v=t9hbRsrwjH0

「Don't Remind Me」
ヒップ・ハウス的なエッセンスを取り入れたダンス・チューン。こういうのもこの時代ならではの音ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=kl7WQmh5lsI

「Love Come Near Me」
美メロのミディアム・スロウ。ミディアム〜スロウ系ではこれが一番好き。Damianのソングライティングの才を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=A-OB_JfM0sE

「Trumpet Man (Tribute To Miles Davis)」
本作がリリースされた1991年に逝去したジャズ界の帝王Miles Davisに捧げれた曲。タイトルの割にはトランペットが入っていませんが(笑)。その代わりにシンセでミュート・トランペットっぽいフレーズを奏でています。Milesの遺作となった『Doo-Bop』あたりを意識した雰囲気の仕上がりです。女性R&BグループBlackgirlのメンバーTye-V(Nycolia Turman)がバック・コーラスで参加しています。

「When I'm Crying」
Debraのヴォーカルの魅力を際立たせた哀愁バラード。バック・ヴォーカルでKevon Edmondsが参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=cwLmRNgCvQI

「Sixty Seconds (The Conclusion)」
Left Eye(Q.T.名義)とT-Boz(Boz名義)というTLCメンバーがラップで参加した短いHip-Hopチューン。アルバムのアウトロ的な感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=cw6DqdNesII

「Exclusivity Remix」
「Exclusivity」のリミックス。

Original Soundtrack『Boomerang』(1992年)
Boomerang: Original Soundtrack Album
posted by ez at 04:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする