2015年04月12日

Selah Sue『Reason』

コケティッシュなベルギー産オルタナティヴ・ソウル☆Selah Sue『Reason』
Reason
発表年:2015年
ez的ジャンル:女性SSW系ベルギー産オルタナティヴ・ソウル
気分は... :この才能は本物だ!

今回は新作アルバムの中から、世界が注目するベルギー人女性シンガー・ソングライターSelah Sueの2ndアルバム『Reason』です。

1989年ベルギー、レーフダールの生まれの女性シンガー・ソングライターSelah Sue(本名:Sanne Putseys)の紹介は、デビュー・アルバム『Selah Sue』(2011年)に続き2回目となります。

彼女のデビュー・アルバム『Selah Sue』(2011年)は、年末恒例の『ezが選ぶ2011年の10枚』でもセレクトした作品であり、彼女が才能豊かな女性シンガー・ソングライターであることを世界中のリスナーに知らしめた1枚でした。

レゲエ/ダブ、R&B、ソウル/ファンク、Hip-Hop、ロック、フォーク、エレクトロニカといった多様なジャンルのエッセンスを取り込んだサウンドで軽々とジャンルの壁を飛び越え、同時に多彩なサウンドに埋もれることなく、抜群の存在感を示すコケティッシュなハスキー・ヴォーカルは、我々に大きなインパクトを与えてくれました。

ただし、チャート・アクション的にブレイクしたのは本国ベルギーや欧州の一部のみで、USチャートやUKチャートを賑わしたわけではありません。その一方で、Prince殿下がオープニング・アクトに起用し、Cee Lo Greenがデュエット・パートナーに抜擢し、Me'Shell Ndegeocelloが自らプロデュースを名乗りでるといったように、彼女の才能は大物ミュージシャンたちも認めています。

あれから4年、待望の2ndアルバム『Reason』でもリスナーの期待を裏切ることのない、コケティッシュで、コスモポリタンで、オルタナティヴなSelah Sueワールドを展開しています。

レコーディングはベルギー、ロンドン、ジャマイカ、ロサンゼルスで行われ、メイン・プロデューサーとしてRhyeをはじめ、Boom Clap BachelorsParallel Dance EnsembleQuadronといった様々なユニットでの活動やLittle Dragon等のプロデュースでも知られるデンマーク人プロデューサーRobin Hannibalを起用しています。Rhye『Woman』(2013年)は僕もよく聴きました。

また、Childish GambinoHaimを手掛けたスウェーデン人プロデューサーLudwig Goranssonも本作に大きく貢献しています。
それ以外にもビート・ジャンキーなスコティッシュDJ、Hudson MohawkeDeepest Blue4tune500M'BlackThe Drillでの活動でも知られるイスラエル出身のプロデューサーMatt Schwartzプロデュース・チームThe Charactersでの活動でも知られるR&B界の人気プロデューサーTroy Taylor、UKを拠点に活動するブラジル人プロデューサーUtters等がプロデュースを手掛けています。

こうしたプロデューサー陣の顔ぶれからも想像できますが、前作以上に多彩なサウンドを楽しむことができます。ジャンルを超越したサウンドですが、あえて括るならばオルタナティヴなソウル/R&Bといったところでしょうか。多分、CDショップではソウル/R&Bの売場に置いてあると思います。

前作『Selah Sue』ではトリップ・ホップ調のダウナー&レイジーな哀愁チューンや、ラガ/レゲエ調の曲が印象的でしたが、本作ではそうしたタイプの曲に加え、ポップな曲やクラブ寄りの曲なども収録されています。このバラエティ感は本作の魅力です。

こうしたサウンドの振り幅が大きいにも関わらず、どの曲を聴いても実にSelah Sue的にしてしまうところが、彼女の放つ個性の凄さだと思います。

やはり、この才能は本物だと思います。
ますます惚れ込んでしまいました。

全曲紹介しときやす。

「Alone」
アルバムからのリード・シングル曲。2012年2月Whitney Houstonが亡くなった晩に書かれた楽曲とのこと。それまでの彼女のイメージからすると、かなりポップな印象ですが、コケティッシュなハスキー・ヴォーカルがよく栄えます。Robin Hannibal/Salva Shapira & Itai Shapiraプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=bEhBom2D-L0

「I Won't Go for More」
Robin Hannibal/Salva Shapira & Itai Shapiraプロデュース。Selah本来のシンガーソングライター的なアコースティックの質感に、R&B的な味わいのホーン・サウンドを上手く織り交ぜています。
https://www.youtube.com/watch?v=cZIS6psYlO4

「Reason」
Robin Hannibalプロデュース。タイトル曲は1stの雰囲気を受け継いだ哀愁モードのエレクトリック・ソウル。この少しダウナーな感じがいいんですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=DE6950P2vXU

「Together」
Ludwig Goranssonプロデュース。俳優/コメディアンでもある男性シンガー/ラッパーChildish Gambinoをフィーチャー。同じくGoranssonがプロデュースを手掛けている関係での客演でしょう。哀愁モードのラブソングですが、Selahのヴォーカルに、Gambinoのヴォーカルが重なり、さらにはGambinoのラップへと表情が変化していきます。
https://www.youtube.com/watch?v=Dsgzv_QHihs

「Alive」
Ludwig Goransson/Robin Hannibalプロデュース。静かなる決意のようなもの感じるSelahらしい1曲。じわじわ広がっていくエレクトロニックな質感がいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=b0fEUI9YdxU

「The Light」
Robin Hannibal/Hudson Mohawkeプロデュース。Hip-Hopとエレクトロニカを融合させたサウンドとコケティッシュなSelahのヴォーカルがマッチしたキュートなオルタナティヴ・ソウル。
https://www.youtube.com/watch?v=okxpl_x0pv0

「Fear Nothing」
Matt Schwartzプロデュース。かつてMassive Attack「Dissolved Girl」のソングライティングも手掛けたSchwartzらしくトリップ・ホップ調のサウンドに仕上げています。こういったダーク&ダウナーな雰囲気もSelahには似合いますね。
https://www.youtube.com/watch?v=c6Mcn-ICVMU

「Daddy」
Ludwig Goranssonプロデュース。生ドラムの質感を上手く活かしたビューティフル・ソング。Goranssonの音創りの巧さを感じます。『Selah Sue』に「Mommy」という曲が収録されていたので、それに続く「Daddy」なのでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=Gm5oZ1kfyHw

「Sadness」
Troy Taylor/Spruillプロデュース。ヴィンテージ感のあるソウル・チューンですが、終盤にラガ・スタイルのラップでアクセントをつけているのが彼女らしいですね。『Selah Sue』にもラガ・スタイルの曲がいくつかありましたが、僕は彼女のラガ・スタイル好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=Ytwh1VFkbj0

「Feel」
Uttersプロデュース。前曲から一転し、フューチャリスティックなクロスオーヴァー・ソウルに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=3Xto8xEMoVU

「Right Where I Want You」
Ludwig Goransson/Robin Hannibalプロデュース。オルガンの音色が印象的なダウナーな哀愁エレクトリック・ソウルです。
https://www.youtube.com/watch?v=OJ7q72CABXw

「Always Home」
Ludwig Goransson/Robin Hannibalプロデュース。Selahの弾き語りをストリングスや鍵盤がサポートします。
https://www.youtube.com/watch?v=jZKdYeCvr9A

「Falling Out」
Ludwig Goranssonプロデュース。ラストはクラブ仕様のダンス・チューン。こういったクラブミュージック調の曲があるといいなぁ、と思っていたので、個人的にはいい締め括り方だと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=8TydLLVmcOE

未聴の方は1st『Selah Sue』(2011年)もチェックを!

『Selah Sue』(2011年)
Selah Sue
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2015年04月11日

Milt Jackson『Jazz 'N' Samba』

バグスのヴァイヴとボッサ・ジャズ!☆Milt Jackson『Jazz 'N' Samba』
ジャズ・ン・サンバ
発表年:1964年
ez的ジャンル:ブルージー&ボッサ系ジャズ・ヴァイヴ
気分は... :モラトリアム!

今回はジャズ・ヴァイヴのパイオニアMilt Jackson『Jazz 'N' Samba』(1964年)です。

Modern Jazz Quartet(MJQ)のメンバーとしても活躍したヴァイヴ奏者Milt Jackson(1923-1999年)の紹介は、『Sunflower』(1972年)、Wes Montgomeryとの共演作Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)に続き3回目となります。

Impulse!からリリースされた本作『Jazz 'N' Samba』(1964年)は、タイトルの通りボッサ・ジャズが魅力の1枚です。ただし、全面ボッサ・ジャズという訳ではなく、オリジナルLPのA面はブルージーなジャズ、、B面はボッサ・ジャズという構成です。この1枚で2度美味しい感じも本作の魅力です。

レコーディング・メンバーは、Milt Jackson(vibe)、Jimmy Heath(ts)、Tommy Flanagan(p)、Richard Davis(b)、Connie Kay(ds)、Barry Galbraith(g)、Howard Collins(g)、Joe E. Ross(vo)、Lillian Clark(vo)です。

ボッサ・ジャズなB面では「Jazz 'n' Samba」が有名ですが、個人的には「I Love You」「Kiss & Run」「Jazz Bossa Nova」の3曲がオススメです。また、A面の「Big George」「Blues For Juanita」も僕のお気に入りです。

普段ジャズを聴かない人でも、バグスのヴァイヴのダンディな魅力を実感できる聴きやすい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Blues For Juanita」
Milt Jackson作。ブルージーなオープニング。バグスのヴァイヴとJimmy Heathのテナーをはじめ、演奏全体の落ち着きがシブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UboCIegyBeE

「I Got It Bad And That Ain't Good」
Paul Francis Webster/Duke Ellington作。Duke Ellington作のジャズ・スタンダードをカヴァー。当ブログではDonald Byrdのカヴァーも紹介済みです。バグスのリリカルなプレイを堪能できるバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=b7GlRabE0tc

「Big George」
Milt Jackson作。小粋なスウィンギー感が僕のお気に入り。バグスのヴァイヴの軽やかな響きに加え、Tommy Flanaganのピアノもいい感じです。

「Gingerbread Boy」
Jimmy Heath作。当ブログでも紹介したMiles Davis『Miles Smiles』での演奏が有名な曲ですね。当ブログではDonald Byrdのカヴァーも紹介済みです。ここでは小気味良い演奏が印象的です。

ここまでがLPのA面です。

「Jazz 'n' Samba」
ここからがLPのB面のボッサ・ジャズ・パートです。1曲目はAntonio Carlos Jobim/Vinicius de Moraes作。お馴染みのボサノヴァ名曲「So Danco Samba」をカヴァー。Lillian Clarkの女性ヴォーカルをフィーチャー。少しレイジーなヴォーカルとギターが醸し出すボッサ・サウンドに、バグスのメロウ・ヴァイヴの響きがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=svQL1DmXwCQ

本曲に関して、当ブログではSergio Mendes & Brasil'66Wanda Sa(Wanda De Sah)Tamba TrioRoberto MenescalGimmicksJazzlife SextetStan Getz & Luiz Bonfaのカヴァーを紹介済みです。

「The OO-OO Bossa Noova」
Manny Albam作。Joe E. Rossの掛け声がユーモラスなボッサ・ジャズ。この掛け声も一応ヴォーカルということになるんですかね(笑)。
https://www.youtube.com/watch?v=OmgT5ylvDkw

「I Love You」
Cole Porter作。オリジナルは1944年のミュージカル『Mexican Hayride』挿入歌。当ブログではAnita O'Dayのカヴァーも紹介済みです。ロマンチックなボッサ・サウンドにのって、バグスのヴァイヴが全面フィーチャーされています。

「Kiss & Run」
Jack Ledru/Rene Denoncin/William Engvick作。再びLillian Clarkをフィーチャー。全体のバランスという点では、このメロウ・ボッサが僕の一番のお気に入り。

「Jazz Bossa Nova」
Milt Jackson作。ラストはバグスならではのリズミック&ブルージーなボッサ・グルーヴで締め括ってくれます。

60年代半ば〜後半のMilt Jackson作品もチェックを!

『Vibrations』(1964年)
Vibrations

『In a New Setting』(1965年)
In a New Setting

『Born Free』(1967年)
Born Free

『Milt Jackson and The Hip String Quartet』(1968年)
モーニング・アフター

Milt Jackson with the Ray Brown Big Band『Memphis Jackson』(1969年)
メンフィス・ジャクソン

Milt Jacksonの過去記事もご参照下さい。

Milt Jackson & Wes Montgomery『Bags Meets Wes』(1961年)
Bags Meets Wes

『Sunflower』(1972年)
Sunflower
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2015年04月10日

J. Little『Puttin' It Down Blues』

Gerald Levertらがプロデュース。元Rude Boysメンバーのソロ☆J. Little『Puttin' It Down Blues』
j. little puttin' it down blues.jpg
発表年:1994年
ez的ジャンル:Trevelプロダクション系男性R&B
気分は... :大人R&B・・・

今回は元Rude BoysメンバーJ. Littleのソロ・アルバム『Puttin' It Down Blues』(1994年)です。

J. LittleことJoe Little IIIは、1968年クリーブランド生まれの男性R&Bシンガーであり、Gerald Levertに見出され1990年代前半に活躍した男性R&BグループRude Boysの元メンバーです。

クリーブランドで結成されたLarry MarcusMelvin SephusEdward Lee BanksJoe Little IIIの4人組Rude Boysは、 Gerald Levertのバックアップの下、1990年にデビュー・アルバム『Rude Awakening』をリリース。シングル・カットされた「Written All Over Your Face」は全米R&BチャートNo.1に輝き、同曲は1991 Billboard Music AwardのNo.1 R&B Single of the Yearも獲得しました。

続く2ndアルバム『Rude House』(1992年)からもシングル「My Kinda Girl」がヒットするなど、グループの活動は順調に思えましたが、Joe Little IIIがソロ活動を機にグループを脱退してしまいます。そこで、グループは後釜にDwight Thompsonを迎え、1997年に3rdアルバム『Rude As Ever』をリリースしますが、以前のような成功を収めることができず、シーンから姿を消すことになります。

しかしながら、2006年のGerald Levertの死を機に、Joe Little IIIが新メンバーを迎えて新生Rude Boysとして活動を再開させています。

本来ならば、J. Littleのソロを紹介するより先に、Rude Boys『Rude Awakening』(1990年)、『Rude House』(1992年)を取り上げるべきですよね。僕もリアルタイムでよく聴いていたのはRude Boysの2枚で、本作『Puttin' It Down Blues』は後追いで入手したのですが、今の僕の気分にフィットするのが本作なので、こちらを優先してしまいました。

本作ではJoe Little III本人に加え、Gerald LevertEdwin NicholasMarc GordonMarc Jenkinsがプロデュースし、Rude Boys作品同様にTrevelプロダクション(Levertのスペルを逆にしたもの)が制作に深く関わっています。

ミディアム〜スロウ中心の落ち着いた大人R&B作品に仕上がっています。濃厚すぎず、エロすぎず、適度にアーバンといったあたりが、J. Littleのテナーの声質も含めて、今の僕の気分にフィットしています。

とりあえず、「Me And You」「Puttin' It Down」の2曲を聴けば、本作の魅力を実感できると思います。

全曲紹介しときやす。

「Puttin' It Down」
オススメその1。J. Littleプロデュース。タイトル曲はミディアム・グルーヴ。グルーヴは感じるけど程良く力の抜けた感じが大人R&Bでいいですね。Rude Boysの同僚Edward Lee Banksがバック・コーラスで盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RIORN8LQkuo

「Break U Off」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。Gerald Levertらしい素敵なスロウ・チューンを、J. Littleがテナー・ヴォーカルで歌い上げます。この甘く切ない感じにグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=OeYrl66IXTA

「Me And You」
オススメその2。Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。シングルにもなったセクシー・スロウ。僕の一番のお気に入りもコレ。セクシーだけどエロエロになりすぎず、素敵な大人R&Bになっているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5BSEsKRGGuU

「The Hump Is On」
オススメその3。Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。この曲もシングルになりました。美メロ・バラードをJ. Littleが素敵なテナーでさり気なく歌い上げるのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=sibK8pyGku8

「Flex & Sex」
Marc Gordon/J. Littleプロデュース。哀愁モードのセクシー・バラード。哀愁のメロディがなかなかいいです。
https://www.youtube.com/watch?v=6C_CES9VtAg

「You're Gonna Miss Me」
オススメその4。Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。メロウ・ギター、パーカッションといった夏モードの生音感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=EB-xPr-mNcY

「The Way We Used To Roll」
Gerald Levert/Edwin Nicholasプロデュース。ジャジー・テイストのミディアム・スロウ。
https://www.youtube.com/watch?v=_XFPvt0pOiM

「Make Me Know It」
J. Littleプロデュース。サックスも入ったアーバン・テイストのミディアム・スロウ。J. LittleとEdward Lee Banksが息の合ったヴォーカル・ワークを聴かせてくれます。

「I Gotta Have It」
Marc Gordon/J. Littleプロデュース。妖しいムードが90年代R&Bらしくていいですね。

「I'm A Playa」
J. Little/Marc Jenkinsプロデュース。ラストはHip-Hopテイスト。それまでの流れからすると少し唐突な気もしますが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=mM3AWp5OK0o

Rude Boysの1st、2ndもセットでチェックを!

Rude Boys『Rude Awakening』(1990年)
Rude Awakening

Rude Boys『Rude House』(1992年)
Rude House
posted by ez at 02:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月09日

Marcos Valle『Marcos Valle (1974)』

ファースト・フィナーレを飾る集大成的な1枚☆Marcos Valle『Marcos Valle (1974)』
マルコス・ヴァーリ(1974)
発表年:1974年
ez的ジャンル:ブラジル最高のメロディ・メーカー
気分は... :ハートに効く薬・・・

今回はブラジルを代表するシンガー・ソングライターMarcos Valle『Marcos Valle (1974)』(1974年)です。
※セルフ・タイトルのアルバムが他にもあるので、便宜上『Marcos Valle (1974)』とリリース年を併記した表記にしています。

当ブログでこれまで紹介したMarcos Valle作品は以下の9枚。

 『Samba '68』(1968年)
 『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
 『Marcos Valle (1970)』(1970年)
 『Garra』(1971年)
 『Vento Sul』(1972年)
 『Previsao Do Tempo』(1973年)
 『Vontade De Rever Voce』(1981年)
 『Pagina Central』(2009年) ※Celso Fonsecaとの共演作
 『Esphera』(2010年)

本作『Marcos Valle (1974)』(1974年)は、Marcosのキャリアにおいて大きな節目となった作品であり、本作リリース後、次作『Vontade De Rever Voce』(1981年)をリリースするまで約7年の歳月を要することになります。

そんな節目のアルバムは、ブラジル最高のメロディ・メーカーぶりに存分に発揮された充実の1枚です。

前作『Previsao Do Tempo』(1973年)がエクスペリメンタル・ポップ的な側面があったので、その反動でメロディアスなポップ・アルバムを創ったのかもしれませんね。僕はどちらのMarcosも大好きですが。サウンド面では美しいオーケストレーションで、素敵なメロディを盛り上げるアレンジが印象的です。

楽曲はすべてMarcosのオリジナル。インストの「Brasil X Mexico」「Charlie Bravo」Walter Marianiとの共作「Novelo De La」以外は兄Paulo Sergio Valleとの共作です。

『Marcos Valle (1970)』(1970年)を皮切りに、毎年充実したアルバムをリリースし続けたMarcosの70年代絶頂期の集大成的な1枚です。

全曲紹介しときやす。

「No Rumo Do Sol」
邦題「太陽に向かって」。ゆっくりと翼を広げて飛び立つようなスケール感を持ったビューティフル・ソング。美しいメロディと壮大なオーケストレーションがよくマッチしています。

「Meu Heroi」
邦題「僕のヒーロー」。ブラジル最高のメロディ・メーカーらしい魔法のメロディが冴え渡ります。コーラス隊も加わり、素敵な高揚感に包まれます。

「So Se Morre Uma Vez」
邦題「人生は一度きり」。美しいストリングス&女性コーラスをバックに、切なる思いを歌い上げます。

「Casamento, Filhos E Convencoes」
邦題「結婚と子どもとしきたり」。これぞMarcosといったメロディ&ヴォーカルを聴かせてくれます。アナログ・シンセの音色がいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=60iP9yUnwV4

「Remedio P'ro Coracao」
邦題「ハートに効く薬」。♪ハートに効く薬はどれだろう♪寂しい男心をMarcosを切実に歌います。思わずアルコールが欲しくなる1曲です(笑)

「Brasil X Mexico」
邦題「ブラジル対メキシコ」。サッカーの試合がテーマですかね。メキシカンなエキゾチック・メロディと「イパネマの娘」調のメロディで両国をイメージさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=rYk8knDMT04

「Tango」
ブラジル人のMarcosがあえてアルゼンチン・タンゴ調の楽曲を作るのが面白いですね。アコーディオンの音色をバックに、Marcosが凛としたヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=8gjRDdVwYyw

「Nossa Vida Comeca Na Gente」
邦題「人生は僕らの中に」。疾走するメロディと共に、Marcosが自分の道を進む後押ししてくれます。ハンド・クラップも入ったキャッチーな仕上がりがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=0cgahgkWmEU

「Novelo De La」
邦題「毛糸玉」。時の過ぎ行く流れをしみじみと歌い上げます。

「Cobaia」
♪僕はモルモットになりたくない♪と自由への思いを高らかに歌い上げます。

「Charlie Bravo」
ラストは美しいオーケストレーションのインストでアルバムを締め括ってくれます。

Marcos Valleの過去記事もご参照下さい。

『Samba '68』(1968年)
サンバ’68

『Mustang Cor De Sangue』(1969年)
Mustang Cor De Sangue Ou Corcel Cor De Mel

『Marcos Valle(1970)』(1970年)
marcos valle 1970.jpg

『Garra』(1971年)
Garra

『Vento Sul』(1972年)
ヴェント・スル

『Previsao Do Tempo』(1973年)
Previsao Do Tempo

『Vontade De Rever Voce』(1981年)
ヴォンタージ・ジ・レヴェール・ヴォセ

『Pagina Central』(2009年)
パジナ・セントラウ [ボーナス・トラック付]

『Esphera』(2010年)
ESPHERA
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2015年04月08日

Da Lata『Serious』

2ndはエスニックなブロークンビーツを展開!☆Da Lata『Serious』
Serious
発表年:2003年
ez的ジャンル:エスニック・ブロークンビーツ
気分は... :想定外の寒さですが・・・

今回はロンドンのクラブジャズ・ユニットDa Lataの2ndアルバム『Serious』(2003年)です。

DJとしてロンドンのクラブ・シーンを牽引してきたPatrick ForgeSmoke CityZeepといったユニットの活動でも知られるChris FrankとのユニットDa Lataの紹介は、1stアルバム『Songs From The Tin(2000年)に続き2回目となります。

1stアルバム『Songs From The Tin(2000年)はブラジリアン・ジャズ色が強い作品でしたが、2ndとなる本作『Serious』はプログラミング的で、よりエレクトロニックなサウンドを意識したアルバムとなっています。同時に、ブラジルに止まらないより広範なエスニック色、特にアフリカのエッセンスも目立ちます。

その結果、アルバム全体としてはエスニックなブロークンビーツ作品という印象です。

プロデュースはDa LataToni Economides。Toni Economidesはプログラミング、エンジニアでも貢献しています

レコーディングには、Reel People等でお馴染みのMike Patto、Chris FranckにとってSmoke Cityの同僚であるNina MirandaMarc Brown、随所で印象的なアコーディオンの音色を聴かせてくれるMarcelo Jeneci、多国籍バンドNegrocanのメンバーAndres LafoneDavide Giovaninni、Level 42のMike Lindup、西ロンドンの歌姫Bembe Segue、マリ出身の女性シンガーMamani Keita、ソロ活動でもお馴染みのUK女性シンガーJhelisa Anderson、セネガル出身の男性シンガーBaaba Maal、当ブログでもお馴染みのポルトガル出身の女性シンガーGuida De Palma、ブラジル人ミュージシャンPedro Martins、さらには日本人ミュージシャン吉澤はじめ等の多彩なメンバーが参加しています。

僕が保有するのは国内盤ですが、国内盤には「Change (synth version)」「Golden」「Petropolis」「Serious (seiji remix)」という4曲のボーナス・トラックが追加され、それに伴い曲順も異なっています。また、ジャケも異なります。

Da Lata『Serious』 ※輸入盤
Serious

Da Lataというユニットの個性を楽しめるブロークンビーツ作品です。

全曲紹介しときやす。 ※国内盤仕様

「Serious」
Bembe SegueとMamani Keitaのツイン女性ヴォーカルをフィーチャー。アフロビート+ブロークンビーツなサウンドで前作との違いを感じさせます。Marcelo JeneciのアコーディオンとDennis Rollinsのトロンボーンがいいアクセントになっています

「Change (synth version)」
日本盤ボーナス・トラックその1。Mike Scott-Hardingのヴォーカルをフィーチャー。Guida De Palmaがバック・ヴォーカルを務めます。Satin Singhのパーカッションが効いたエスニックなブロークンビーツに仕上がっています。

「Golden」
日本盤のみのボーナス・トラックその2。Chico Cesarをはじめ、Nina MirandaGuida De Palmaといったヴォーカル陣や吉澤はじめも参加しているブラジリアン・ブロークンビーツ。ここでもMarcelo Jeneciのアコーディオンが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=OwSZ5GHfvKQ

「Something」
Jhelisa AndersonとNina Mirandaのツイン女性ヴォーカルをフィーチャー。妖しくミステリアスかつフューチャリスティックなエスニック感が印象的です。

「If U Don’t Know」
Marcelo JeneciのアコーディオンとChris Franckのギターがメロウに響くインスト。

「Alice (No Pais Da Malandragem)」
Pedro Martinsのヴォーカル&ギターをフィーチャーしたコンテンポラリーなブラジル人SSW作品風の仕上がりです。
https://www.youtube.com/watch?v=ag1ecCwTXGo

「Breathe」
インタールード的なエスニック・インスト。

「Reeling」
Jhelisa Andersonをフィーチャーした哀愁モードのブロークンビーツ。本作らしいプログラミング的で、よりエレクトロニックなエッセンスが強調された仕上がりです。

「Firefly」
Jinkoのヴォーカルをフィーチャー。オカリナ、ビリンバウ等の多彩なエスニック感が散りばめられたブロークンビーツ。

「Can It Be?」
Courtney Denniのヴォーカルをフィーチャー。アコースティックな味わいとプログラミング的なエレクトロニック感が織り成す哀愁ブロークンビーツ。
https://www.youtube.com/watch?v=bvyMjsOtg2g

「Petropolis」
日本盤のみのボーナス・トラックその3。Nina Mirandaのヴォーカルをフィーチャーしたアコースティック・メロウ。本編とは異なる雰囲気でブレイクといったところでしょうか。

「Distracted Minds」
Nina Miranda、Marc BrownというSmoke City勢が参加、Nina Mirandaと共にBaaba Maalのヴォーカルがフィーチャーされた哀愁メロウ。レイジーかつエスニックな独特の雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=NftVifH_FmU

「Nuts」
エスニックとフューチャリスティックが交錯する哀愁ブロークンビーツ。

「Serious (seiji remix)」
日本盤のみのボーナス・トラックその4。Bugz In The AtticのSeijiによるリミックス。

Da Lataの他作品もチェックを!

『Songs From The Tin(2000年)
Songs from the Tin

『Fabiola』(2013年)
ファビオラ
posted by ez at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする