発表年:1984年
ez的ジャンル:Jam & Lewis系ブラコン
気分は... :初期Jam & Lewisの魅力!
今回は80年代ブラコン作品からTabuの歌姫Cherrelleのデビュー作『Fragile』(1984年)です。
人気プロデュース・チームJam & Lewis(Jimmy Jam & Terry Lewis)が手掛けた代表的アーティストの一人、Cherrelleの紹介は、『High Priority』(1985年)、『Affair』(1988年)に続き3回目となります。
Cherrelleの場合、やはりAlexander O'Nealとデュエットした名曲「Saturday Love」のイメージが強いですね。その昔、MZA有明で"Tabu Night"という2人のライブを観たのが懐かしいです。
それ故、ついつい「Saturday Love」収録の『High Priority』を聴くことが多くなってしまうのですが、その前作でデビュー作となる『Fragile』にも捨て難い魅力があります。
Jam & Lewis好きの人にとっては、彼らの初期プロデュース作という点でも楽しめる1枚だと思います。人気プロデュース・チームとなって大ヒットを連発した絶頂期のJam & Lewisプロデュース作品も勿論大好きですが、個人的にはCherrelle、Alexander O'Neal、The S.O.S. Band等を手掛けていた初期のプロデュース作品に思い入れが強いので、その意味では本作は初期Jam & Lewisサウンドを満喫できます。
デビュー・ヒットなった「I Didn't Mean to Turn You On」、タイトル曲「Fragile...Handle With Care」あたりに初期Jam & Lewisサウンドの魅力が凝縮されています。個人的には「When You Look In My Eyes」も大好きです。
実際には全8曲中、Jam & Lewisが5曲、Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersが3曲プロデュースしています。Jam & Lewis以外のプロデュースが数曲入ることで、逆にJam & Lewisサウンドの個性・魅力をより実感できると思います。誤解を招かないように補足すると、Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersプロデュース曲も悪くない出来です。
Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersプロデュース曲では、Maxi Anderson、Bill Champlin等もバック・コーラスで参加しています。
Jam & Lewisのことばかり書いてしまいましたが、主役のCherrelleのキュートな歌声も本作の大きな魅力です。
80年代ブラコンの魅力を再確認できる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Fragile...Handle With Care」
Jam & Lewisプロデュース。タイトル曲はアルバムからの2ndシングルにもありました。後にKaryn White、Janet Jackson等の女性シンガーをプロデュースし、大ヒットさせるJam & Lewisですが、その原点のようなものを感じるキャッチーなダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=cu8uv4QLYAk
「I Didn't Mean to Turn You On」
Jam & Lewisプロデュース。デビュー・シングルとして全米R&Bチャート第8位のヒットとなりました。さすがJam & Lewis!と思わせる洗練されたダンサブル・サウンドは今聴いても歓喜してしまいます。華やかながらもクールなところが心憎いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=zJE_lbjx87U
本曲といえば、大ヒットしたRobert Palmerのカヴァー(1986年、全米チャート第2位)でもお馴染みですね。それ以外にMariah Carey、Frankie Paul、Colette、Cass & Mangan、Dinoがカヴァーしています。
また、Queen Latifah「Turn You On」、Snoop Dogg「Wasn't Your Fault」等のサンプリングソースにもなっています。
Robert Palmer「I Didn't Mean to Turn You On」
https://www.youtube.com/watch?v=2YO0WyOGHjU
Queen Latifah「Turn You On」
https://www.youtube.com/watch?v=7Kj-SYu05vM
「Like I Will」
Jam & Lewisプロデュース。硬質なクール・サウンドの中に、オリエンタルなエッセンスを入れる遊び心も楽しい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=S2oza3Fegdo
「I Will Wait For You」
Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersプロデュース。正統派のビューティフル・バラード。Jam & Lewisプロデュース曲だと、どうしても耳がサウンドの方に引き寄せられてしまうので、Cherrelleのヴォーカルを満喫するという意味では、しっとりと歌い上げるバラードもいいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=zBBV5N5ivXY
「Who's It Gonna Be」
Jam & Lewisプロデュース。この曲もビューティフル・バラードですが、前曲との対比でJam & Lewisサウンドの個性を実感しやすいかもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=d9NEucaDpy0
「Stay With Me」
Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersプロデュース曲では、コレが一番好きです。Cherrelleのキュートなヴォーカルの魅力を上手く引き出したラブ・バラードです。
https://www.youtube.com/watch?v=ludslaIFadY
Daniel Swain「I'm Not Ready」、Black C feat. Hermanata「Stay With Me」のサンプリングソースになっています。
Black C feat. Hermanata「Stay With Me」
https://www.youtube.com/watch?v=tMb_Qe7-1Lw
「When You Look In My Eyes」
Jam & Lewisプロデュース。何気ない曲ですが、僕の本作における一番のお気に入りはコレ。僕の場合、Jam & Lewisが手掛けたアーティストで一番好きなのがThe S.O.S. Bandなのですが、本曲は正にThe S.O.S. Bandのアルバムに入っていそうな曲ですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=qz761XiotcI
IamSu「All I Rep」のサンプリングソースになっています。
IamSu「All I Rep」
https://www.youtube.com/watch?v=VDSYF-4sjPA
「I Need You Now」
Michael Everitt Dunlap/Isaac Suthersプロデュース。ラストはCherrelleがキュートに熱唱するスロウで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RpuKemC0Dd0
『High Priority』(1985年)、『Affair』(1988年)もセットでどうぞ!
『High Priority』(1985年)
『Affair』(1988年)