発表年:1994年
ez的ジャンル:N.Y.産アシッド・ジャズ
気分は... :ジャズ・フィーリング・・・
今回はN.Y.アシッド・ジャズ作品からGroove Collective『Groove Collective』(1994年)です。
Groove CollectiveはN.Y.で結成されたジャズ・ファンク・グループ。グループは『Groove Collective』(1994年)、『We the People』(1996年)、『Dance of the Drunken Master』(1998年)、『Declassified』(1999年)、『It's All in Your Mind』(2001年)、『People People Music Music』(2006年)等のアルバムをリリースしています。
デビュー作となる本作『Groove Collective』(1994年)におけるメンバーは、Gordon "Nappy G" Clay(per、timbales、bongos、rap)、Jonathan Maron(b、key)、Fabio Morgera(tp、fl)、Jay Rodriguez(ts、ss、bs、bcla、bonsuri)、Josh Roseman(tb、toy sax)、Itaal Shure(el-p、p、key)、Genji Siraisi(ds)、Chris Theberge(congas、per)、Bill Ware(vibe、per)、Richard Worth(fl、alt fl、picollo、bonsuri、kalimba、pvc pipe)の10名。
Gordon "Nappy G" Clay、Jonathan Maron、Genji Siraisiの3名は、同じくN.Y.のジャズ・ファンク・グループRepercussionsのメンバーとしても活動していました。
本作『Groove Collective』(1994年)は、Repercussionsの1stアルバム『Earth And Heaven』(1995年)と同じく、Steely Dan作品でお馴染みのGary Katzがプロデュースしています。
The Brand New HeaviesやIncognitoに代表される"UKアシッド・ジャズに対するN.Y.からの回答"という文脈で語られることも多いグループですが、UKアシッド・ジャズとは少し違うフィーリングがあるグループです。
メンバー以外にToi Marcel(vo)、Diosa Gary(vo)、Lamont(rap)、Lokey(rap)、Deflon(Hed Rush)(rap)、DJ Jazzy Nice(scratches)、DJ Wayne(scratches)といったミュージシャンがゲストとしてクレジットされています。
Hip-Hopを通過してきた生音ジャズ/ジャズ・ファンクながらも、変にキャッチーになりすぎず、ジャズの根っ子をしっかり感じられるのがいいですね。また、ラテン・フレイヴァーやカリンバ、ヴァイヴ等でサウンドにアクセントがあるのも僕好みです。
派手さはありませんが、今聴いてもグッとくるジャズ・フィーリングです。
全曲紹介しときやす。
「Rentstrike」
シングルにもなったオープニング。スクラッチを適度に織り交ぜ、Hip-Hopを通過してきた生音ジャズを上手く体現しています。変にポップになりすぎず、しっかりジャズしているところがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=DP1Z6IXS1dQ
「Balimka」
ゆったりとした出だしから一気に加速します。ラテン・フレイヴァーを織り交ぜながら、爽快に駆け抜けて行く感じがいいですね。カリンバの音色が効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=SH3kSaNSokM
「Nerd」
シングル曲。LamontのラップとDiosa Garyのヴォーカルをフィーチャー。Hip-Hopバンドによる生音Hip-Hopといった仕上がり。Guru『Jazzmatazz』がお好きな人であれば、気に入るはず!バス・クラリネットの音色がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=HfEvzmsu2Rk
「Rahsaanasong」
素晴らしいバンド・アンサンブルを聴かせてくれるスパイ・ジャズ風の格好良い仕上がり。躍動する中にもクールネスがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=4GfA4sVQVxw
「Ms. Grier」
落ち着いた雰囲気ながらも、Hip-Hop/Acid Jazz以降の新世代ジャズを感じる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=9GG8ATYVdx8
「Whatchugot」
シングル曲。Toi Marcelのヴォーカルをフィーチャー。UKアシッド・ジャズ的なキャッチーな疾走感のある演奏です。ヴァイヴの音色やパーカッシヴなラテン・リズムでアクセントをつけているのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a0a0oSO1vc4
「El' Golpe Avisa」
Jonathan Maronの格好良いベースが牽引します。そんなリズム隊をバックに、各プレイヤーがコンパクトにソロをキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CbhpPX5f-pM
「Genji Monogatari」
タイトルからして、ドラムのGenji Siraisiに注目すべき演奏なのでしょうね。彼の躍動するドラミングがバンドを先導します。
https://www.youtube.com/watch?v=vPgyQsILWSE
「Buddha Head」
Lokey & Deflonのラップをフィーチャー。「Nerd」と同じく、Hip-Hopバンドによる生音Hip-Hopといった仕上がり。バンドの持つHip-Hopフィーリングを実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=5UJZiO_5gog
「Saturday Afternoon」
ラストはミステリアスながらもHip-Hop/Acid Jazz以降のジャズ・フィーリングを楽しめる演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=FL5XnIcWFtY
ご興味がある方はGroove Collectiveの他作品もチェックを!
『We the People』(1996年)
『Dance of the Drunken Master』(1998年)
『Declassified』(1999年)
『It's All in Your Mind』(2001年)
『People People Music Music』(2006年)