発表年:2008年
ez的ジャンル:イタリアン・クラブジャズ
気分は... :小休止・・・
今回はイタリアン・クラブジャズ作品からFabio Nobile『Always Love』(2008年)です。
Fabio Nobileは1977年イタリア、チェゼナーティコ生まれのドラマー。
2004年にFrance Gallをカヴァーしたシングル「Zozoi」をPaolo Scottiが主宰するDeja Vu Recordsからリリースし、注目を集めます。その後、2007年に「Always Love」、「Day What A Day」、「Didn't You Know」という3枚のシングルをリリースした後、満を持してリリースしたアルバムが本作『Always Love』(2008年)です。
現状では『Always Love』がFabio Nobile名義の唯一のアルバムですが、本作以降もThe Jazz Philosophy、Kelly Joyce & The Four Crackers、Jazz a La Mode Trioといったユニットで作品をリリースしています。また、Mario Biondiと共演していた時期もありました。
Kelly Joyce & The Four Crackers「Wake Up」(2012年)
https://www.youtube.com/watch?v=kSYC3jvL9sI
そんなFabio Nobileの魅力がコンパクトに詰まったアルバムが『Always Love』(2008年)です。
前述のシングル4枚が全て収録されており、殆どの曲でヴォーカリストがフィーチャーされているので、実にキャッチーで聴きやすいクラブジャズ作品です。しかも、Sunaga T ExperienceとGerardo Frisinaのリミックスが追加収録されているという嬉しいオマケ付!
目新しさはありませんが、ボッサ・ビート系クラブジャズの美味しいところをヴォーカル曲としてキャッチーにまとめているところに、Fabio Nobileのセンスを感じます。
アルバムにはRossella Key、Lehan Jin、Tanya Michelle、Ana Flora、Agata Leanza、Lorraine Bowen 等の多彩な女性ヴォーカリストがフィーチャーされています。また、idea6のGuido Pistocchi(tp)、Jazzlife SextetのStefano Serafini(flh、tp)とMassimiliano Rocchetta(p)等も参加しています。
Fabio Nobile自身もドラム、パーカッション、ピアノ、ベース、ギター、ヴォーカルとマルチプレイヤーぶりを発揮しています。
プロデュースはPaolo Scotti。
クラブジャズやラウンジ系のコンピがお好きな人向けのボッサ・ビート満載の1枚です。
全曲紹介しときやす。
「San Diego」
Rossella Keyをフィーチャー。ボッサ・ビートで疾走するイタリアン・クラブジャズらしい仕上り。Stefano SerafiniとMassimiliano RocchettaというJazzlife Sextetの2人のプレイも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=-2kzc59ZZr0
「Always Love」
Lehan Jinをフィーチャー。タイトル曲は実に洗練されたバカンスモードの仕上がり。ボッサ・ビートにストリングスも加わり、Lehan Jinのヴォーカルを華やかに盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=QOOIScNIo1I
「Didn't You Know」
Tanya Michelleをフィーチャー。パンチの効いたヴォーカル&コーラスと鮮やかなホーン・サウンドが印象的です。ガラージのエッセンスもあるクラブジャズという感じですね。Fabioがブレイクをキメてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=XvdEwNoVMRI
「Back With You」
Lehan Jinをフィーチャー。「Always Love」と同タイプのバカンスモードの仕上がり。華やかな雰囲気のボッサ・ビートが実にキャッチーです。Francesco Montisanaのサックス・ソロも盛り上がります。
https://www.youtube.com/watch?v=Hkeb-AXEZsc
「O Samba」
Ana Floraをフィーチャー。Joe Pistoのギターが先導するメロウ・ボッサ。Seba Ragusaのムーディーなサックス・ソロもいい感じ!
https://www.youtube.com/watch?v=gn26b1KYAyk
「D'improvviso」
2007年に逝去したベネズエラ出身のコンポーザーAldemaro Romeroの作品をカヴァー。当ブログではRosalia De Souzaのカヴァーも紹介済みです。ラウンジ感覚のラテン・グルーヴが実に心地好いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=aZPNUPTzmm0
「To Do Mi Amor」
前曲からの流れで、Aldemaro RomeroへのトリビュートとしてFabioが書いた曲のようです。Fabio自身がヴォーカルをとる雰囲気のあるメロウ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=1gWkuzdE2Ww
「Day What A Day」
Agata Leanzaをフィーチャー。ハードバップなイントロから本編はボッサ・ビートへ、華やかなAgata Leanzaのヴォーカル・パートとハードバップなソロ・パートの織り交ぜ具合が絶妙です。
https://www.youtube.com/watch?v=9rGBoAYShks
「Zozoi」
Nelson Angelo/Robert Gall作。France Gallの1970年のシングル曲をカヴァー。Lorraine BowenのヴォーカルとGuido Pistocchiのトランペットをフィーチャーしています。アフロ・ブラジリアンな疾走感がサイコーです。見事なホーン・アンサンブルがLorraine Bowenのキュートなヴォーカルを盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=BdxzxAG7UrE
「Fly To The Moon」
Angela Cortiをフィーチャー。タイトルの通り、ムーディーなボッサ・グルーヴです。Marco Tamburiniのトランペット・ソロもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=rJRSWAx68bs
「Love Is Gone (Adagio G Min)」
ラストはオーケストレーションを配した荘厳な雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rsAIV4JlkWg
「Always Love (Sunaga T Experience Remix)」
「Always Love」のSunaga T Experienceによるリミックス。夜ジャズ・モードの仕上がり!悪いわけないでしょ!
「Didn't You Know (Gerardo Frisina Remix)」
「Didn't You Know」のGerardo Frisinaによるリミックス。Gerardo Frisinaらしさが出たダンサブルなリミックスもサイコー!
本作と同じ2008年にLorraine Bowenをフィーチャーしたシングル「Rhythm On My Mind」もリリースしています。コチラもなかなかいい出来栄えです。
Fabio Nobile「Rhythm On My Mind」
https://www.youtube.com/watch?v=hs-jQTOLz3w
Jazz a La Mode Trio『Less Is More』(2013年)