発表年:1979年
ez的ジャンル:ブロードウェイ仕込み女性R&B
気分は... :魅惑のハイトーン・ヴォーカル・・・
今回は女性R&BシンガーStephanie Millsが1979年にリリースした3rdアルバム『What Cha Gonna Do With My Lovin'』です。
N.Y.クイーンズ出身でブロードウェイ・ミュージカルでも活躍した女性R&BシンガーStephanie Millsの紹介は、『Sweet Sensation』(1980年)に続き2回目となります。
ブロードウェイ・ミュージカル『The Wiz』にドロシー役で出演し、トニー賞を受賞したStephanieは、20th Century-Foxとの契約に成功します。そして、James Mtume/Reggie Lucasのプロデュースの下、『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)、『Sweet Sensation』(1980年)、『Stephanie』(1981年)という3枚のアルバムをリリースし、音楽面でも成功を収めました。
その第1弾となるアルバムが本作『What Cha' Gonna Do with My Lovin'』(1979年)です。Stephanie Millsのキュートなハイトーン・ヴォーカルとMtume/Lucasによる巧みなサウンド・プロダクションが見事に噛み合った1枚に仕上がっています。
James Mtume(per)、Reggie Lucas(g)以外にもTawatha Agee(back vo)、Hubert Eaves III(key)、Howard King(ds)、Basil Fearington(b)、Edward Moore(g)というMtumeメンバーが勢揃いし、レコーディングに参加しています。
それ以外にJoe Caro(g)、Brenda White(back vo)、Gwen Gutherie(back vo)、Lani Groves(back vo)等がレコーディングに参加しています。
シングル・ヒットした「What Cha Gonna Do with My Lovin'」、ガラージ・クラシック「Put Your Body in It」といったダンス・チューンがハイライトですが、個人的には「Deeper Inside Your Love」、「Starlight」といったメロウ・チューンもオススメです。
「Feel the Fire」、「Put Your Body in It」以外はJames Mtume/Reggie Lucasの作品です。
Stephanie Millsのキュートなハイトーン・ヴォーカルに思わず、胸がキュンとしてしまう素敵な1枚です。
全曲紹介しときやす。
「What Cha Gonna Do with My Lovin'」
タイトル曲はシングルとして全米チャート第22位、同R&Bチャート第8位のヒットとなりました。ここから女性R&Bシンガーの成功は始まります。さすがはMtume/Lucasコンビと思わせるアーバン・ダンサーですな。週末に聴きたいダンス・クラシックです。
https://www.youtube.com/watch?v=Vj6uIiWj4m8
Inner Cityがカヴァーしていましたね。また、 Lost Boyz「Get Up」、Sleepy Wonder「Rookie」、Pudgee「Money Don't Make Your World Stop」、Kool G Rap feat. Miss Jones「Can't Stop the Shine」、DMX feat. Stephanie Mills「When I'm Nothing」等のサンプリング・ソースとしても人気です。
Inner City「Whatcha Gonna Do With My Lovin'」
https://www.youtube.com/watch?v=d7qdinx_kPM
Sleepy Wonder「Rookie」
https://www.youtube.com/watch?v=Os9iONLYmZw
Pudgee「Money Don't Make Your World Stop」
https://www.youtube.com/watch?v=0Fl4plmtqJ8
Kool G Rap feat. Miss Jones「Can't Stop the Shine」
https://www.youtube.com/watch?v=KazRBAfSqqo
DMX feat. Stephanie Mills「When I'm Nothing」
https://www.youtube.com/watch?v=qEV39ZGZZDs
「You Can Get Over」
アルバムからの3rdシングル。個人的にはシンセが少し目立ちすぎるイントロがビミョーですが、キャッチーなダンス・チューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=O-SRFl6WvBM
「Deeper Inside Your Love」
メロウ・サウンドとStephanieの爽快ヴォーカルが心地好い1曲。ダンス・チューンもいいですが、Stephanieの魅力を堪能するのであれば、こういったメロウ・チューンもいいのでは?Miguel Migs「Satisfied (Original Discotek)」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=1tD2ri7BbPk
「Feel the Fire」
Peabo Bryson作。Peabo Brysonのオリジナルは『Reaching For The Sky』(1977年)に収録されています。ロマンティックなラブ・バラードを透明感のあるヴォーカルで歌い上げます。彼女の歌唱力の確かさを再認識できます。
https://www.youtube.com/watch?v=iLfHWg9n2co
「Put Your Body in It」
Edward Moore/Howard King作。アルバムからの2ndシングル。Larry Levanもプレイしたガラージ・クラシックとしても人気のダンス・チューンです。少し妖しげな雰囲気がパラダイス・ガラージ向けですよね。
https://www.youtube.com/watch?v=MbbjBiywa3I
The Chicago Connection「Dancin' (Mark Grant Remix)」、Will Smith「Gettin' Jiggy Wit It (DJ Scratch Remix) 」、KRS-One feat. Mad Lion & Shaggy「Ey-Yo (The Reggae Virus)」等のサンプリング・ソースとなっています。
Will Smith「Gettin' Jiggy Wit It (DJ Scratch Remix) 」
https://www.youtube.com/watch?v=0AcmxyWpatA
「Starlight」
Stephanieのキュートな歌声にマッチした僕好みのメロウ・チューン。Mtume/Lucasコンビはダンス・チューンのみならず、こうしたメロウ・バラードの作りも実に巧いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=YjW_XWCRb38
Nas「Black Girl Lost」、Jean Grae「My Crew」のサンプリング・ソースとなっています。
Nas「Black Girl Lost」
https://www.youtube.com/watch?v=WiWNjlhHjeg
「You and I」
Joe Caroのアコースティック・ギターが印象的なオーセンティック・バラード。こうした丁寧な歌いぶりは、さすがブロードウェイ・ミュージカル仕込みという気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=LPCxt3ud_Jg
Young Zee「Problems」、Da Dysfunkshunal Familee「Set It Off」等のサンプリング・ソースとなっています。
Young Zee「Problems」
https://www.youtube.com/watch?v=QRYfwpyJdzM
Da Dysfunkshunal Familee「Set It Off」
https://www.youtube.com/watch?v=uDr8-WR-UBM
「Don't Stop Dancin'」
ラストはキャッチーな華やかなダンス・チューンでディスコチックに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=s082qlstM1g
Stephanie Millsの他作品もチェックを!
『For the First Time』(1975年)
『Sweet Sensation』(1980年)
『Stephanie』(1981年)
『Tantilizingly Hot』(1982年)
『Merciless』(1983年)
『I've Got the Cure』(1984年)
『Stephanie Mills』(1985年)
『If I Were Your Woman』(1987年)
『Home』(1989年)
『Something Real』(1992年)
『Personal Inspirations』(1994年)
また、この時期のJames Mtume/Reggie Lucasプロデュース作品をまとめてチェックするのも楽しいのでは?
Phyllis Hyman『You Know How To Love Me』(1979年)
Rena Scott『Come On Inside』(1979年)
Gary Bartz『Bartz』(1980年)
The Spinners『Can't Shake This Feelin'』(1981年)
Sadane『One Way Love Affair』(1981年)
Marc Sadane『Exciting』(1982年)