発表年:2015年
ez的ジャンル:ドイツ産現行ファンク
気分は... :独自のファンク色がたまらない・・・
今回は新作からドイツの現行ファンク・バンドThe Mighty Mocambosの強力新作『Showdown』です。
The Mighty Mocambosはドイツ、ハンブルグで結成されたファンク・グループ。
UKマンチェスター出身の女性R&BシンガーGizelle Smithとのコラボが注目され、2009年にはアルバムGizelle Smith & The Mighty Mocambos『This Is Gizelle Smith & The Mighty Mocambos』(2009年)をリリースしています。
2011年に単独名義でリリースしたアルバム『The Future Is Here』では、Afrika Bambaataa、Charlie Funk(The Rock Steady Crewのオリジナル・メンバーAfrica Islam)といったHip-Hopレジェンドが参加し、話題となりました。
また、彼らはカリビアン・ファンク・バンドBacao Rhythm & Steel Band名義でも活動し、50 Centのカヴァー「Pimp」、J Dilla「Rico Suave Bossa Nova」のファンク・カヴァー「Bacao Suave」といったHip-Hop作品のカヴァー・シングルが注目を浴びました。
約2年ぶりの新作となる『Showdown』にクレジットされているメンバーは、Sascha Weise(ds)、Victor Kohn(b)、 Sebastian Nagel(g)、Bjorn Wagner(g)、Bernhard Hummer(bs、as)、Sebastian Drescher(tp、flh)、Philip Puschel(tp、flh)、Ben Greenslade-Stanton(tb)、Pascal Dreckmann(per)、Hank Dettweiler(key)の10名。
それ以外にゲストとして、Peter Thomas、Afrika Bambaataa、Charlie Funk、Hektek、Deejay Snoop、Donald D(元The B-Boys)、DeRobert、Nichola Richards、Shawn Lee、Guillaume Metenier、Thomas Burhornの名がクレジットされています。
アルバムのハイライトは何といっても、先行シングルとなった「It's The Music」、「Hot Stuff」(The Rolling Stonesのカヴァー)の2曲ですね。共にAfrika Bambaataa、Charlie Funkらがフィーチャーされています。
アルバム全体としては、ディープ・ファンク・バンドな側面と、アフリカ、カリブ/中南米のエッセンスを取り入れる一方で、Hip-Hopレジェンドを巻き込んだハイブリッドな側面が織り交ざった彼ら独自のファンクを構築しているのがいいですね。
ドイツ産に限らず、現行ファンク・バンド作品の中でもかなり出色の1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Road To Earth」
ドイツ映画音楽の巨匠Peter Thomasをフィーチャー。彼のピアノ&オーケストレーションを加えた映画テーマ曲風のファンク・チューンでアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=FwT_mQ-9of0
「It's The Music」
Afrika Bambaataa、Charlie Funk、Hektek、Deejay Snoopをフィーチャー。アルバムからの先行シングルとして話題になった本作のキラー・チューン。2Pac feat. Dr. Dre & Roger Troutman「California Love」のサンプリングも散りばめたキャッチーなファンク・グルーヴがサイコーです。
https://www.youtube.com/watch?v=f9-2i8ibxEI
「In The Dark」
女性シンガーNichola Richardsをフィーチャー。雰囲気のあるNichola Richardsのソウルフル・ヴォーカルとアーシー&パーカッシヴなファンク・グルーヴの組み合わせが実にいい感じです。
「The Spell Of Ra-Orkon」
Guillaume Metenierのオルガンも加わったインスト・ファンク。グルーヴィー・オルガンと見事なホーン・アンサンブルが印象的なアフロ・ファンク調の仕上がり。
「Political Power」
Afrika Bambaataa、Charlie Funk、Donald Dをフィーチャー。パワフルかつメッセージ性を感じる強力ファンク!煽動的なヴォーカル&ラップとそれを後押しする重量ファンク・サウンドのシナジーを感じます。
「Drifting Stars」
哀愁ブラスが印象的なインスト・スロウ・ファンク。何処となくコロンビア在住時代のQuanticに通じるものを感じます。
「Not Get Caught」
US男性ソウル・シンガーDeRobertをフィーチャー。サザン・ソウルなDeRobertのヴォーカルは、Mighty Mocambosのファンク・サウンドとの相性抜群です。
「Locked And Loaded」
格好良いブレイクにグッとくるインスト・ファンク。ファンク・グルーヴでひたすら疾走する感じがいいですね。
「Catfight」
Shawn Lee参加曲。彼はポリネシアン・ギター、マーキソフォン、ツィターと風変りな楽器を奏でています。鬼才Shawn Leeとの共演は興味深いですね。緩急使い分けたミステリアスなインスト・ファンクです。
「Hot Stuff」
Afrika Bambaataa、Charlie Funk、Deejay Snoopをフィーチャー。アルバムからの先行シングル。「It's The Music」と並ぶ本作のキラー・チューンは、The Rolling Stonesのファンク・カヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した『Black And Blue』(1976年)に収録されています。Stonesのオリジナル自体が大好きなので、このトーク・ボックス入りカヴァーを聴いた時には歓喜してしまいました。
「The Showdown」
ラストは哀愁インスト・ファンクのタイトル曲で締め括ってくれます。ディープ・ファンクな側面と彼らの音楽性の幅の広さが上手く調和したファンク・サウンドは彼ら独自のものですね。
https://www.youtube.com/watch?v=FFHiPNa0gHc
The Mighty Mocambosの他作品もチェックを!
Gizelle Smith & The Mighty Mocambos『This Is Gizelle Smith & The Mighty Mocambos』(2009年)
『The Future Is Here』(2011年)