2015年05月18日

Iain Matthews『Stealin' Home』

ヒット曲「Shake It」収録。英国AOR的な1枚☆Iain Matthews『Stealin' Home』
スティーリン・ホーム(紙ジャケット仕様)
発表年:1978年
ez的ジャンル:英国AOR/フォーキー
気分は... :あの頃は若かった・・・

UKの男性シンガー・ソングライターIain Matthewsの人気作『Stealin' Home』(1978年)です。

Iain Matthews(Ian Matthews)は1946年イギリス、リンカンシャー州出身。

ブリティッシュ・フォークの名グループFairport Conventionのメンバーとして、1stアルバム『Fairport Convention』(1968年)、2ndアルバム『What We Did on Our Holidays』(1968年)に参加します。

Fairport Convention脱退後は、自らのグループMatthews Southern Comfortを結成し、3枚のアルバムをリリースしています。さらに新たに結成したPlainsongでの活動と並行して、初ソロ『If You Saw Thro' My Eyes』(1972年)をリリースしています。

その後拠点をL.A.に移し、ソロ名義のアルバムをコンスタントにリリースすると同時に、Hi-Fi等の名義でも作品をリリースしています。

今回紹介する『Stealin' Home』(1978年)は、彼の最大のヒット曲「Shake It」が収録されている1枚です。

プロデュースはIan Matthews本人とSandy Roberton。レコーディングには Bryn Haworth (g、mandolin)、Phil Palmer(g)、Rick Kemp(b)、Jim Russell (ds)、Pete Wingfield (key)、Mel Collins(sax)、Duffy Power(blues harp)、Simon Morton(per)、Robert Kirbyといったミュージシャンが参加しています。

当時中学生の僕が洋楽を聴き始めた頃に好きだったヒット曲の1つが「Shake It」でした。晴れた日がよく似合う爽快AORって雰囲気が大好きでしたね。ただし、当時はレコードを買うお金が限られていたのでエア・チェックで済ませていました。その後社会人になり、晴れて本作のCDをゲットしました。

CD購入から20年以上が経ちますが、いつも「Shake It」他数曲ばかりを聴いており、アルバムをきちんと聴く機会があまり無かったので、今回アルバム通しでしっかり聴いてみることにしました。

ポップでAORテイストの本作は、本来のIan Matthewsの姿ではないのかもしれません。特にAORテイストを印象づけてくれる楽曲の殆どがカヴァー曲であるのが象徴的だと思います。逆に、Matthewsのオリジナル曲はフォーキーな印象が強いです。

「Shake It」を聴く度に、洋楽を聴き始めたあの頃を思い出してしまいます・・・
あの頃は若かった・・・

全曲紹介しときやす。

「Gimme An Inch Girl」
「Shake It」に続くシングル曲はRobert Palmer作品のカヴァー。Robert Palmerのオリジナルは当ブログでも紹介『Pressure Drop』(1975年)に収録されています。オリジナルの雰囲気を受け継ぐ哀愁モードのAORチューンに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Ev3SCdGFGGI

「Don't Hang Up Your Dancing Shoes」
Terence Boylan作。「Shake It」と同じく作者Terence Boylanのヴァージョンは『Terence Boylan』(1977年)に収録されています。甘酸っぱい青春の香りのするメロウ・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=AUMqZ9pN4Nc

「King Of The Night」
Jeffrey Comanor作。しみじみと歌い上げるバラード。ストリングスも配していますが、あまり仰々しくなりすぎないのがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=l_Vs_t_M5iI

「Man In The Station」
UKのフォーク・シンガー/ギタリストJohn Martynの作品。Duffy Powerのブルースハープやリズム隊が印象的な演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=Lk2hnHjweBU

「Let There Be Blues」
Ian Matthews作。本人のオリジナルになると一気にフォーク度が増してしまうところが面白いですね。Mel Collinsがサックスでサポートしています。

「Carefully Tough」
Ian Matthews作。1分強のア・カペラです。

「Stealin' Home」
Ian Matthews作。タイトル曲はSSWらしい温もりのあるフォーキー・チューンです。聴いていてホッとします。
https://www.youtube.com/watch?v=iOiLK2XLwqo

「Shake It」
Terence Boylan作。前述のように全米チャート第13位となったキャリア最大のヒット曲。当時FMラジオから流れてくるこの曲を聴いていると、涼しげな微風を浴びているような気分になりましたね。名手Mel Collinsのサックスが盛り上げてくれます。かつてJohn Boylanとの兄弟ユニットThe Appletree Theatreを組んでいた作者Terence Boylanのヴァージョンは『Terence Boylan』(1977年)に収録されています。
https://www.youtube.com/watch?v=pwj8dj9W2HE

「Yank And Mary/Smile」
Geoffrey Parsons/John Turner/Richard Stekol/Charlie Chaplin作。「Yank And Mary」とChaplinの名曲「Smile」のメドレー。
https://www.youtube.com/watch?v=b_v1oryScGI

「Slip Away」
Bill Lamb/Ian Matthews作。ポップ・ロック調の仕上がり。何処かユルい感じがいいですね。

「Sail My Soul」
Bill Lamb/Ian Matthews作。ラストは素敵なメロウ・バラードで締め括ってくれます。

Iain Matthews(Ian Matthews)関連の他作品もチェックを!

Fairport Convention『Fairport Convention』(1968年)
Fairport Convention

Fairport Convention『What We Did on Our Holidays』(1968年)
What We Did on Our Holidays

Matthews Southern Comfort『Matthews Southern Comfort/Second Spring』(1968年) ※2in1CD
Matthews Southern Comfort / Second Spring

Matthews' Southern Comfort『Later That Same Year』(1970年)
Later That Same Year + Extra Tracks

『If You Saw Thro' My Eyes』(1972年)
IF YOU SAW THRO' MY EYES

Plainsong『In Search of Amelia Earhart』(1972年)
アメリア・イアハートに捧ぐ

『Valley Hi/Some Days You Eat the Bear and Some Days the Bear Eats You』(1973/1974年) ※2in1CD
Valley Hi / Some Days You Eat the Bear Other Days

『Journeys from Gospel Oak』(1974年)
Journeys from Gospel Oak

『Go For Broke/Hit And Run』(1976/1977年) ※2in1CD
Go For Broke/Hit And Run

『Siamese Friends』(1979年)
サイアミーズ・フレンド(紙ジャケット仕様)

『Spot Of Interference』(1980年)
Spot Of Interference

『Walking a Changing Line』(1988年)
Walking a Changing Line
posted by ez at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月17日

Mario Biondi『Beyond』

進化する伊達男ジャズ・ヴォーカル☆Mario Biondi『Beyond』
Beyond
発表年:2015年
ez的ジャンル:伊達男系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :12秒・・・

今回は魅惑のバリトン・ヴォーカルで魅了するイタリア人男性ジャズ・シンガーMario Biondiの最新作『Beyond』です。

2メートルを超えるイタリア人の巨漢シンガーMario Biondiについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。

 『Handful Of Soul』(2006年)
 『If』(2009年)
 『Sun』(2013年)

Sony Music移籍第1弾となった前作『Sun』(2013年)は、IncognitoJean-Paul "Bluey" Maunickが共同プロデューサーとして全面関与し、Leon WareAl JarreauChaka KhanOmarJames Taylor(JTQ)といったソウル、ジャズ・ファンクの人気アーティストが多数参加し、話題となりました。

Sony Music第2弾となる本作『Beyond』は、顔馴染みのメンバーによるミラノ録音が殆どであり、1曲のみN.Y.のファンク・グループThe Dap-KingsとのN.Y.録音です。

3曲を除きプロデュースはMario Biondi本人とDavid FlorioMassimo Greco

レコーディングにはDavid Florio(g、ds)、Massimo Greco(key)、Michael Baker(ds)、Federico Malaman(b)、Marica(back vo)、Dina & Dana(back vo)等が参加しています。

派手なゲスト参加はありませんが、世界進出を意図した前作での経験を糧にし、スケール・アップしたMario Biondiワールドを楽しめます。個人的には著名ミュージシャンに頼らず、自分たちの音を創り上げようとする姿勢に共感します。

前作ほどの派手さはありませんが、伊達男らしい男のジャズ・ヴォーカルを存分に楽しめます。

全曲紹介しときやす。

「Open up Your Eyes」
空港の搭乗アナウンスと共に始まるオープニング。さり気なさの中にBiondiのダンディズムを感じます。これぞ伊達男のジャズ!

「All of My Life」
ラップ入りのダンサブル・チューン。アコーディオンの音色でアクセントをつけているのが面白いですね。

「Love is a Temple」
アルバムからのリード・シングル。哀愁モードのミディアム・チューン。派手さはありませんが、Biondiのバリトン・ヴォーカルが栄える大人なムードの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RcOzgGmBRrY

「All I Want Is You」
ベテラン女性ジャズ・シンガーDee Dee Bridgewaterとの共作曲。切々と歌われるバラード。Biondiのバリトン・ヴォーカルにはこういうバラードも似合います。

「I Chose You」
Alberto Roveroniプロデュース。生音とプログラミングを組み合わせたクラブジャズ・テイストのダンサブル・チューンです。

「You Can't Stop This Love Between Us」
Gianni Bini/Paolo Martiniプロデュース。僕の一番のお気に入り。Biondiの激シブ・バリトン・ヴォーカルの魅力を存分に堪能できる伊達男らしいダンサブル・チューン。開放的なホーン・サウンドや女性フレンチ・ヴォイスもいい感じ!

「Blind」
躍動感のある1曲。前作の流れを汲むキャッチーでソウルフルな仕上り。華やかなホーン・アレンジがいいですね。

「Come Down」
Biondiのヴォーカルの馬力を感じる1曲。R&Bフィーリングとジャズ・フィーリングが上手くミックスされているのがグッド!

「Heart of Stone」
Sharon Jones & The Dap-Kingsとしてお馴染み、N.Y.のファンク・グループThe Dap-Kingsとの共演作。60年代R&Bフィーリングの仕上がり。

「Fly Away」
哀愁モードのミディアム。Biondiの低音ヴォーカルに大人の哀愁を感じます。

「Another Kind of Love」
ジワジワとくるミディアム。アーバン・ソウル的な魅力もあります。

「Over the World」
進化するBiondiを感じられる1曲。世界進出を意図したSony Musicへ移籍したBiondiですが、そうした狙いを感じる1曲に仕上がっています。

「Where Does the Money Go」
ラストは意外にもレゲエ調。これはご愛嬌ということで(笑)

Mario Biondiの過去記事もご参照下さい。

『Handful Of Soul』(2006年)
ハンドフル・オブ・ソウル

『If』(2009年)
IF

『Sun』(2013年)
Sun
posted by ez at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月16日

『今の気分は...2015年5月16日編』

過去記事から10曲セレクトするシリーズです。

今回は1980年代カテゴリーから今の気分にフィットする女性系ブラコン/ディスコ系作品をセレクトしました。

全て過去記事で紹介済なので、気に入った曲があれば過去記事もご参照下さい。

Aurra「Coming To Get You」
http://www.youtube.com/watch?v=yHm8seUClMc
From 『Live And Let Live』(1983年)
LIVE AND LET LIVE +5

Atlantic Starr「Circles」
https://www.youtube.com/watch?v=MUzqXwxtzVo
From 『Brilliance』(1982年)
Brilliance

Sylvia Striplin「Give Me Your Love」
https://www.youtube.com/watch?v=bO_d5QNRtzQ
From 『Give Me Your Love』(1981年)
Sylvia Striplin.jpg

A Taste Of Honey「Rescue Me」
http://www.youtube.com/watch?v=8yKUHb38liY
From 『Twice As Sweet』(1980年)
シーズ・ア・ダンサー

Cheryl Lynn「Shake It Up Tonight」
http://www.youtube.com/watch?v=TETznfG-O-s
From 『In The Night』(1981年)
イン・ザ・ナイト(紙ジャケット仕様)

Rainbow Brown「I'm The One」
https://www.youtube.com/watch?v=TUbTeu9ZXp8
From 『Rainbow Brown』(1981年)
レインボウ・ブラウン+2(紙ジャケット仕様)

Krystol「Don't Change Your Ways」
https://www.youtube.com/watch?v=4YNsM-VF8PY
From 『Gettin' Ready』(1984年)
GETTIN READY (EXPANDED EDITION)

The Jones Girls「Knockin'」
http://www.youtube.com/watch?v=THHNkrVqVuY
From 『On Target』(1983年)
ON TARGET

Juicy「Sugar Free」
http://www.youtube.com/watch?v=rvdWuADk7SI
From 『It Takes Two』(1985年)
It Takes Two

Starpoint「This Is So Right」
https://www.youtube.com/watch?v=OvzDP547ozs
From 『It's All Yours』(1984年)
It's All Yours
posted by ez at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月15日

Tata Vega『Totally Tata』

フリーソウル・クラシック「You'll Never Rock Alone」収録☆Tata Vega『Totally Tata』
トータリー・タタ
発表年:1977年
ez的ジャンル:ミュージカル出身女性シンガー
気分は... :バックコーラスのディーバにスポットライトを!

今回はバックコーラスのディーバたちの一人、Tata Vega『Totally Tata』(1977年)です。

Tata Vega(本名:Carmen Rosa Vega)は1951年N.Y.出身の女性シンガー。

1963年からプロのキャリアをスタートさせ、ミュージカル女優とキャリアを積んだ彼女は、70年代前半にPollutionEarthquireといったグループに参加しています。

そして、1976年にTamla Motownとのソロ契約に成功し、同レーベルから『Full Speed Ahead』(1976年)、『Totally Tata』(1977年)、『Try My Love』(1978年)、『Givin' All My Love』(1980年)という4枚のアルバムをリリースしています。

さらに『Time's So Right』(1988年)、『Now I See』(1998年)、『This Joy』(2009年)といったアルバムもリリースしています。

近年でいえば、第86回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち(20 Feet from Stardom)』(2013年)で彼女の姿を確認できます。

本作『Totally Tata』(1977年)のハイライトは、フリーソウル人気曲「You'll Never Rock Alone」ですね。僕も『Free Soul Universe』で同曲を知り、Tata Vegaの存在が刷り込まれました。

レコーディングにはJames Gadson(ds)、Chuck Rainey(b)、Clay Drayton(b)、Ben Benay(g)、Dean Parks(g)、Ray Parker, Jr.(g)、
Andre Lewis(key、syn)、John Barnes(key)、Michel Rubini(key)、Sonny Burke(key)、Robert Zimmitti(per)、Paulinho Da Costa(per)、Al Johnson(back vo)、The Good Seed Ensemble(back vo)、Art Posey(back vo)、 Josef Powell(back vo)、Maxayn Lewis(back vo)、Oren Waters(back vo)といったミュージシャンが参加しています。

プロデュースはWinston MonsequeAl Johnsonがアレンジが手掛けています。

「You'll Never Rock Alone」以外ならば、ファンキー・ソウル「Mr. Troublemaker」、ディスコ調の「Jesus Takes Me Higher」、躍動する「It's Too Late」あたりがオススメです。

バックコーラスのディーバにスポットライトを当てましょう。

全曲紹介しときやす。

「Mr. Troublemaker」
Michael B. Sutton作。The Originalsヴァージョンでも知られるファンキー・ソウルでアルバムは幕を開けます。
https://www.youtube.com/watch?v=O443DZH-KYE

「Blame It On the Sun」
Stevie Wonder/Syreeta Wright作。Stevieのオリジナルは名盤『Talking Book』に収録されています。オーセンティックなバラードに仕上がっていますが、正攻法すぎて少し面白みに欠けるかも?

「Come In Heaven (Earth is Calling)」
Anna Gordy Gay/Terrence Harrison/Elgie Stover/Tata Vega作。同じバラードでも「Blame It On the Sun」よりコチラの方が僕好み。感動がジワジワと伝わってきます。9分超の大作です。
https://www.youtube.com/watch?v=67rUL8s182s

Jim Jones「Talking to the World」、Sektion Kuchikaschtli「I Han」、L.A. Symphony「Pops Song」のサンプリング・ソースになっています。
Jim Jones「Talking to the World」
 https://www.youtube.com/watch?v=YjT63UDw-k4
Sektion Kuchikaschtli「I Han」
 https://www.youtube.com/watch?v=AMuZIWRfiHQ
L.A. Symphony「Pops Song」
 https://www.youtube.com/watch?v=DDX14T1WErU

「Deep Inside」
Richard Winarick作。ミュージカル出身らしい歌声を楽しめるバラード。堂々とした歌いぶりがいいですね。

「Jesus Takes Me Higher」
Helen Lewis/Kay Lewis作。ディスコ調サウンドをバックに、ゴスペルをルーツに持つTataの歌声が躍動します。
https://www.youtube.com/watch?v=KphHR0OzquU

「Love Comes From the Most Unexpected Places」
Kim Carnes/David Ellingson作。Kim Carnesのオリジナルは『Sailin'』(1976年)に収録されています。レゲエ調リズムのミディアム・チューンはアルバムの中でいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=7VG0XddPBLY

Zeus「Gdy Pada Strzal」のサンプリング・ソースとなっています。
Zeus「Gdy Pada Strzal」
 https://www.youtube.com/watch?v=GMXl5ru5EJA

「It's Too Late」
Terry Huff/Al Johnson作。Carole Kingの名曲カヴァーと思いきや同名異曲です。あまり注目されない曲ですが、躍動するダンサブル感がTataのヴォーカルにもマッチしていてかなり好きです。

「You'll Never Rock Alone」
Brenda Russell/Brian Russell作。前述のようにフリーソウル人気曲。Brian & Brenda Russellによるオリジナルは『Word Called Love』(1976年)に収録されています。まるでJackson 5が歌っていそうなポップでキャッチーな曲ですよね・・・と思ったら、TataとJermaine Jacksonのデュエット・ヴァージョンもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=1xL8CSbJzD4

「Ever So Lovingly」
Al Johnson作。ラストは哀愁バラードで締め括ってくれます。Raige & Zonta「Tora-Ki」のサンプリング・ソースとなっています。

『Full Speed Ahead』(1976年)
Full Speed Ahead

『Now I See』(1998年)
Now I See
posted by ez at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月14日

Seu Jorge『Cru』

アコースティックな味わい深さが増した2nd☆Seu Jorge『Cru』
Cru
発表年:2004年
ez的ジャンル:ストリート系サンバ
気分は... :魅惑の低音ヴォーカル!

今回は俳優/ミュージシャンとして活躍するブラジルの人気アーティストSeu Jorgeの2ndアルバム『Cru』(2004年)です。

1970年リオデジャネイロ生まれのシンガー/ミュージシャン/俳優Seu Jorgeの紹介は、ソロ・デビュー・アルバム『Samba Esporte Fino』(2001年)に続き2回目となります。

本作『Cru』は、彼が出演した映画『City of God』(2002年)が2004年のアカデミー賞4部門にノミネートされ、作品への注目が高まると同時に、Seu Jorgeの知名度が一気に上がった状況下でリリースされたアルバムです。

本作はパリの人気スポットFavela Chicの創立者/DJのGringo Da Paradaが設立したフランスのレーベルFla-Fluかれリリースされ、本作のプロデュースもGringo Da Paradaが手掛けています。

ソロ・デビュー・アルバム『Samba Esporte Fino』(2001年)はミクスチャー感覚のサンバ・ファンクが印象的でしたが、本作はじっくり歌を聴かせるシンプルな演奏が目立ちます。寂しげな哀愁サンバと彼の魅惑の低音ヴォーカルを楽しむ1枚です。

僕は『Samba Esporte Fino』のサンバ・ファンクが好きだったので、昔は落ち着きすぎた本作に少し物足りなさを感じたものですが、久々に聴いたら、シンプルながらも味わい深い感じにハマってしまいました。

彼のシンガーとしての魅力を存分に堪能できます。

全曲紹介しときやす。

「Tive Razao」
Seu Jorge作。ストリート感覚の哀愁サンバでアルバムを幕を開けます。Pretinho Da Serrinhaによるカヴァキーニョの寂しげな響きとSeu Jorgeの切々とした歌がよくマッチしています。うっすらとシンセが効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=v5GGTaqDgww

「Mania de Peitao」
Bento Amorim/Seu Jorge作。実は歌詞がエロいサンバ・チューン。Seu Jorgeは巨乳好きだったのね(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=sMMdWXPYiZk

「Chatterton」
Serge Gainsbourg作品をカヴァー。このあたりはフランスのレーベルからのリリースらしいですね。でもSeu Jorgeのセクシー低音ヴォーカルはGainsbourgに通じるものがあり、意外によくハマったカヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=011tMppvkTU

「Fiore de la Citta」
Robertinho Brant作。憂いを帯びたSeu Jorgeのヴォーカル、作者Robertinho Brantの美しいギターが印象的な演奏です。一人物思いに耽けながら聴いていたい1曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=M629SAyDEl0

「Bem Querer」
Carlos Da Fe/Dom Mita作。前作『Samba Esporte Fino』のようなサンバ・ファンクっぽい雰囲気もありますが、実にメロディアスです。Seu Jorgeのセクシーな低音ヴォーカルを存分に堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=PJi7CdOqvtk

「Don't」
Jerry Leiber/Mike Stoller作。Elvis Presley、1958年のヒット曲をカヴァー。これが意外にもよくフィットしています。ヴォーカル、ギター、パーカッションのみのシンプルな演奏ですが、誰もいない浜辺の夕暮れ・・・といった雰囲気で実にいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=5SexIOSXAxQ

「Sao Gonca」
Seu Jorge作。シンプルな弾き語り。切々とした歌いっぷりが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=1YPvguZRYmQ

「Bola de Meia」
Duani作。Seu Jorgeのヴォーカル、Robertinho Brantのギターのみの演奏がシブすぎます。これが低音ヴォーカルの魅力でしょうか・・・
https://www.youtube.com/watch?v=-1Dy-KOMk_E

「Una Mujer」
Murilo Antunes/Robertinho Brant作。憂いを帯びたヴォーカルと寂しげなギターの響きが何ともサウダージな1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=6RaNt4C8jS0

「Eu Sou Favela」
Noca Da Portela/Sergio Mosca作。Bezerra da Silvaヴァージョンが有名なサンバ名曲で締め括ってくれます。ヴォーカルとパーカッションのみの演奏ですが、実に味わい深いです。
https://www.youtube.com/watch?v=LoL7_8cSNE8

他のSeu Jorge作品もチェックを!

『Samba Esporte Fino』(2001年)
サンバ・エスポルチ・フィーノ

『The Life Aquatic Studio Sessions』(2005年)
Life Aquatic Studio Sessions

『America Brasil』(2007年)
American Brasil

Ana Carolina/Seu Jorge『Ana & Jorge』(2005年)
Ana & Jorge

Seu Jorge & Almaz『Seu Jorge & Almaz』(2010年)
Seu Jorge & Almaz

『Musicas Para Churrasco Vol.1』(2011年)
Vol. 1-Musicas Para Churrasco

『Musicas Para Churrasco Volume II』(2015年)
Musicas Para Churrasco Vol.2
posted by ez at 02:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする