2015年05月07日

Truby Trio『Elevator Music』

Compost Recordsの人気ユニット唯一のアルバム☆Truby Trio『Elevator Music』
エレベーター・ミュージック
発表年:2003年
ez的ジャンル:コンポスト系Nu Jazz
気分は... :GW明けですが・・・

今回はドイツのNu JazzユニットTruby Trio『Elevator Music』(2003年)です。

Truby Trioは、Christian PrommerRainer TrubyRoland AppelというDJ、プロデューサー、ミュージシャンとしても活躍する3人が1997年にフライブルグで結成したユニット。

当ブログではChristian Prommerのソロ・アルバム『UberMood』(2014年)を紹介済みです。

NikeのCM曲にもなった「A Go Go」「High Jazz」などのシングルをリリースし、Compost Recordsの人気アーティストとしての地位を確立する傍らで、数多くのリミックスを手掛けたことでも人気を博しました。

そんなTruby Trioが、満を持してリリースしたフルアルバムが本作『Elevator Music』(2003年)です。結局彼らのオリジナル・アルバムは本作のみになってしまいましたが・・・

ブラジル、アフロ、スパニッシュ等のエッセンスとハウス、ドラムンベース、ブロークン・ビーツ、Nu Jazz等のダンス・サウンドを巧みに組み合わせて楽しませてくれるアルバムです。

アルバムにはMarcus BeggWunmiConcha BuikaMarcia MontezJoseph Malikといったヴォーカリストがフィーチャーされています。

また、Miyabi SudoDon FreemanMichael MettkeToni Nirschl等のミュージシャンが参加しています。

彼らのDJ的センスを見事にサウンドに反映させた、今聴いても納得の1枚です。

全曲紹介しときやす。

「The Rhythm (Part One)」
アルバムのプロローグ。

「Universal Love」
Marcus Beggをフィーチャーしたハウス調の仕上がり。Marcus Beggの妖しいセクシー男性ヴォーカルがディープな世界へ誘ってくれます。。
https://www.youtube.com/watch?v=oTJDFUlUK8A

「New Music」
ブロークン・ビーツのエッセンスも織り交ぜながら、一気に駆け抜けてくジャジー・ハウス。The Blackbyrds「Happy Music」をサンプリング。

「Runnin'」
Wunmiをフィーチャー。アフロ・リズムが鼓動するトライバルなフューチャー・ジャズ。覚醒するリズムが僕好みです。

「Jaleo」
Concha Buikaをフィーチャー。スパニッシュ・テイストのフューチャー・ジャズ。甘く危険な香りがしてきます・・・
https://www.youtube.com/watch?v=nUHh1guWfRQ

「Alegre 2003」
Marcia Montezのヴォーカルをフィーチャー。アフロ・ブラジリアン調のフューチャー・ジャズに仕上がっています。中盤のアコギのアクセントもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=J-dRxAkP8OU

「A Festa」
Os Originais Do Sambaをサンプリングしたブラジリアン・ドラムンベース。サンバとドラムンベースが交錯しながら疾走します。
https://www.youtube.com/watch?v=MrZHMUgcUI0

「Make A Move」
Wunmiをフィーチャー。トライバルな中にもフューチャー感を上手く織り交ぜた仕上がり。
https://www.youtube.com/watch?v=5VSXYb6JzN8

「A Go Go」
欧米のNikeのCM曲となった人気曲。レトロな雰囲気とドラムンベースを巧みに融合させた彼ららしい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=AtxNWgeZTpc

本曲については、DJ Muro Remixも要チェックですね。
「A Go Go (DJ Muro Remix)」
 https://www.youtube.com/watch?v=hhW52q4t5R8

「Bad Luck」
Joseph Malikをフィーチャー。ダウンテンポで少し落ち着かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bVKxiEs6uzE

「Lover Underground」
Marcus Beggをフィーチャー。落ち着いた雰囲気のアーバン・メロウ。夜マッタリと過ごしたい気分にフィットしそうです
https://www.youtube.com/watch?v=zVncLLBddIY

「The Swingin' Feel」
1分強の小曲ながらも、なかなかキャッチーです。

「Cruisin'」
ブロークン・ビーツ調のインスト。キレのあるサウンドは今聴いても格好良いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=gPWokMNPfV8

「Satisfaction」
ドリーミーなダンサブル感が魅力のインスト。人気DJの彼ららしい音創りを楽しめます。

「The Rhythm (Part Two)」
アルバムのエピローグ。

GW明けですが、今日、明日はあまり気合いが入りませんね(泣)
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2015年05月06日

Stereo Venus『Close To The Sun』

UKの人気女性SSW、Rumerが参加しているラウンジ・ポップ・デュオ☆Stereo Venus『Close To The Sun』
クロース・トゥ・ザ・サン+1
発表年:2011年
ez的ジャンル:ドリーミー・ラウンジ・ポップ
気分は... :初めて聴くのに、懐かしさで胸が一杯・・・

今回はGWらしいオシャレなラウンジ・ポップ作品Stereo Venus『Close To The Sun』(2011年)です。

Stereo VenusはUKの女性シンガー・ソングライターRumerとオルガン奏者Rory Moreのユニット。

パキスタン出身のRumer(本名:Sarah Joyce)は、デビュー・アルバム『Seasons of My Soul』(2010年)がUKで大ヒットしたアノ人です。2nd『Boys Don't Cry』(2012年)、3rd『Into Colour』(2014年)もヒットし、今やUKを代表する女性SSWの一人になりましたね。

そんな人気女性SSWのRumerが2011年にオルガン奏者Rory Moreとひっそりレコーディングしていた作品が本作『Close To The Sun』です。

Rory Moreは、イタリアの人気レーベルSchemaから2枚のアルバムをリリースしたクラブジャズ・ユニットLes Hommesのメンバーだったオルガン奏者です。また、2014年にはソロ・アルバム『Looking For Lazlo』をリリースしています。

さて、本作『Close To The Sun』ですが、アルバム全体としては60年代のボサノヴァ、ポップス、ソフトロック、ラウンジ、モッド・ジャズ、映画音楽等のエッセンスが2011年にタイムスリップしてきたような1枚に仕上がっています。

初めて聴くのに、懐かしさで胸が一杯になる至極のラウンジ・ポップが満載です。カフェ・ミュージック好きの人は特にオススメです。

Rumerの歌声も彼女のソロとは少し異なる雰囲気で、彼女の"イノセント・ヴォイス"がRory Moreのオルガンを中心としたラウンジ調サウンドと実に調和しています。

なお、上記ジャケは国内盤であり、輸入盤はジャケが異なりますのでご注意を!

『Close To The Sun』※輸入盤
Rory & Rumer's Stereo Venus

様々な場面で重宝する1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Blossom's Dream」
オルガンとギターをバックに、Rumerがイノセント・ヴォイスで歌うソフト・メロウ・ボッサ。60年代テイストのラウンジ感が実にいい雰囲気です。

「Coffee And Honey」
夢の中のラウンジ・ポップ。ドリーミーなオルガンの音色と甘く切ないRumerの歌声が、懐かしいあの日へとタイム・スリップさせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kflNGJRoDsk

「John Sebastian's Girl」
ボッサ・テイストのメロウ・ポップ。晴れた日の午後のカフェ・ミュージックに最適です。
https://www.youtube.com/watch?v=NYw86HUFZVA

「Mondo Blu」
Walter Wanderley調のオルガンの音色と憂いを帯びたRumerの歌声にグッとくるソフト・ボッサ

「Strange Waltz」
ワルツのリズムとヴァイヴの音色が心地好いインスト・チューン。架空の映画サントラって雰囲気ですね。

「Close To The Sun」
タイトル曲はムーディーなラウンジ・ポップ。ゆっくりと時間が流れていく感じがグッときます。まったりと寛ぎたい気分の時にピッタリな1曲だと思います。

「Photographs」
60年代スウィンギング・ロンドン調のレトロ・サウンドが逆に新鮮です。

「Hide Away」
国内盤ボーナス・トラック。Rumerのイノセント・ヴォイスが良く似合うエヴァーグリーン・ポップ。初めて聴くのに懐かしい気分で胸一杯になります。小粋なRory Moreのオルガンもサイコー!

「Scarlett」
ベースラインが格好良いスウィンギング・ロンドン調の仕上り。グルーヴィーなオルガンとポップ・アイコンのようなRumerの歌いっぷりが雰囲気たっぷりです。

「June (Young Lenny Version)」
甘く切ないガールズ・ポップといった趣ですね。キュートな疾走感にグッときます。

「John Sebastian's Girl (Revisited By Karminksy Experience Inc.) 」
「John Sebastian's Girl」のリミックス。エコーのかかった白日夢のような雰囲気です。

ご興味がある方はRumerのソロ作品やRory Moreが参加していたクラブジャズ・ユニットLes Hommesのアルバムもチェックを!

Rumer『Seasons of My Soul』(2010年)
Seasons of My Soul (Bonus Track Version)

Rumer『Boys Don't Cry』(2012年)
Boys Don't Cry

Rumer『Into Colour』(2014年)
イントゥ・カラー

Les Hommes『The Mood Is Modal』(2000年)
Mood Is Modal

Les Hommes『Les Hommes』(2002年)
Les Hommes
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2015年05月05日

New Horizons『Something New/Gonna Have Big Fun』

Zapp/Roger全面バックアップのヴォーカル・グループ☆New Horizons『Something New/Gonna Have Big Fun』
Something New / Gonna Have Big Fun
発表年:1983/1984年
ez的ジャンル:Zapp/Roger系ヴォーカル・グループ
気分は... :GWなので特別です・・・

今回はZapp/Rogerファミリーのヴォーカル・グループNew Horizonsの1stアルバムと2ndアルバムの2in1CD『Something New/Gonna Have Big Fun』(1983/1984年)です。

本来は2in1CDは扱いたくないのですが、この形式でしかCD化されておらず、GWということも手伝い2枚まとめて取り上げることにしました。

New Horizonsはオハイオ州デイトンで結成されたヴォーカル・グループ。メンバーはMark ThomasBart ThomasArt ThomasVarges ThomasTim Abramsという4兄弟と従兄弟の5組。

同郷の先輩Roger Troutmanのプロデュースにより、『Something New』(1983年)、『Gonna Have Big Fun』(1984年)という2枚のアルバムをリリースしています。

2枚のうち、僕が特に気に入っているのは1stの『Something New』(1983年)です。

Zapp/Roger名義以外のZappファミリー作品群の中で、最もZapp/Roger色が強いのが『Something New』(1983年)だと思います。

Roger Troutmanをはじめ、Zappファミリーのミュージシャンが全面バックアップし、楽曲もすべてRoger Troutman/Larry Troutmanの作品です。

アルバム全体はマイルドになったZapp/Rogerといった雰囲気でZapp/Roger好きの人は思わずニンマリする曲がズラリと並びます。

一方、2nd『Gonna Have Big Fun』(1984年)もRoger Troutmanプロデュース、Zappファミリー参加ですが、メンバー自身がソングライティングや演奏に関与するようになった分、1stほどモロにZapp/Rogerという雰囲気ではあなく、その分少しインパクトが弱いかも?

いずれにしてもZapp/Roger好きならば要チェックの1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

まずは『Something New』(1983年)の6曲から・・・

「Your Thing Is Your Thing」
オススメその1。シングルにもなった100%Zappな重量ファンク・チューン。Zapp/Rogerならば大満足な仕上り。あえて言うならば、トークボックス入りにしたくなりますね。Hi-C「Leave My Curl Alone」のサンプリング・ソースとなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=SYSNUamWzXA

「I Can't Tell You」
オススメその2。ヴォーカル・グループらしいメロウ・バラード。それでも曲調はあくまでZapp/Rogerテイストです。
https://www.youtube.com/watch?v=AOtqnnDpXmc

「Something New」
オススメその3。タイトル曲もシングルになりました。キャッチーなファンク・グルーヴはNew HorizonsらしさとZapp/Rogerサウンドが上手く融合していると思います。
https://www.youtube.com/watch?v=YN4B0NO0EEU

「County Line」
Zapp/Rogerをひと回りコンパクトにしたような印象のファンク・チューン。Roger Troutmanらしいギター・サウンドも堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=Le80rT42QCk

「Reaching For New Horizons」
Zapp/Roger作品でも、アルバムのアクセントに使われるパターンの曲調ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=RFTPGwxAR_c

「Your Thing (rap)」
「Your Thing Is Your Thing」のラップ・ヴァージョンといった感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=pbkW-db9omY

ここまでが『Something New』です。
ここから『Gonna Have Big Fun』(1984年)の8曲です。

「Big Fun」
ダイナミックなホーン・サウンドも取り入れた軽快なファンク・チューンですが、Zapp/Rogerな雰囲気はあまり感じません。
https://www.youtube.com/watch?v=7Hkwe8yXhyA

「Searching For That Lady」
哀愁のメロディが印象的です。このグループらしいメロウな味わいを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=_RWD7D3Ff9Q

「Love To Spend The Night」
ヴォーカル・グループとしての実力を示すメロウ・バラード。

「Get Ready, Let's Party」
オススメその4。シングルにもなった楽曲。本作で最もZapp/Roger色が強いメロウ・ファンク・チューン。個人的にも2ndではコレが一番好き。
https://www.youtube.com/watch?v=1gCtusHEtRM

「Dance Frite」
Zapp/Roger調のようで、ビミョーにそうではない感じが面白いですね。
https://www.youtube.com/watch?v=qXOh61OCHM4

「No One Ever Will」
Roger Troutmanの息子Lynchのアルバム『A Pinch Of Lynch』でも取り上げれていたメロウ&ビューティフルなラブソング。個人的にはLynchが大好きだったので、それと比較すると少し落ちるかも?
https://www.youtube.com/watch?v=kLOcXVbVdu4

Lynch「No One Ever Will」
 https://www.youtube.com/watch?v=nvDlR0DD-iQ

「U Can Do (Watcha Wanna)」
Zapp/Rogerサウンドを踏まえて、New Horizonsとしての色を出そうとしている感じが伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=qS_DcU0vaPA

「I See You There」
オススメその5。ラストは素敵なコーラスワークのメロウ・バラードで締め括ってくれます。個人的には、こういったヴォーカル・グループらしい曲をもっと多く入れても良かったような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=LIvbiiG2gbM

Zapp/Roger作品の過去記事もご参照下さい。

Zapp『Zapp II』(1982年)
Zapp II

Zapp『Zapp III』(1983年)
Zapp III

Zapp『The New Zapp IV U』(1985年)
The New Zapp IV U

Roger『The Many Facets of Roger』(1981年)
The Many Facets of Roger

Roger『The Saga Continues...』(1984年)
The Saga Continues

Roger『Unlimited!』(1987年)
Unlimited!

Roger『Bridging The Gap』(1991年)
Bridging the Gap
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2015年05月04日

Margie Joseph『Margie Joseph』

Atlantic移籍第一弾、名うてのバック陣が強力にサポートしたレディ・ソウル☆Margie Joseph『Margie Joseph』
マージー・ジョセフ
発表年:1973年
ez的ジャンル:Atlantic系レディ・ソウル
気分は... :世紀の一戦はあんなものだったのか?

昨日はボクシング世紀の一戦「パッキャオ対メイウェザー」がありましたね。
結果はご存知の通り、メイウェザーの判定勝ち。多分、ああいう試合展開、結果になるんだろうなと思っていましたが、その通りに終わるとすっきりしないですね。

やはりKO決着が観たかったですね。
ただし、メイウェザーの戦い方を一方的に批判する気になれません。彼は現行ルールを最大限に活かした賢い戦い方をしただけなので。それよりもメイウェザーのような戦い方で判定勝ちになってしまう現行ルールを見直すべきなのかもしれませんね。

祭りのあとの寂しさ・・・といった感じですね。

今回は女性ソウル・シンガーMargie JosephのAtlantic移籍第一弾アルバム『Margie Joseph』(1973年)です。

1950年アメリカ、ミシシッピ州生まれの女性R&B/ソウル・シンガーの紹介は、Johnny Bristolプロデュースの『Feeling My Way』(1978年)に続き2回目となります。

Stax傘下Voltから『Margie Joseph Makes A New Impression』 (1970年)、『Phase II』 (1971年)という2枚のアルバムをリリースしていたMargieがAtlanticへ移籍し、その第一弾アルバムとなったのが本作『Margie Joseph』(1973年)です。

プロデュースはArif Mardin。レコーディングはN.Y.で行われ、Cornell Dupree(g)、David Spinozza(g)、Hugh McCracken(g)、Chuck Rainey(b)、Jerry Jemmott(b)、Bernard Purdie(ds)、Richard Tee(key)、Norman Pride(per)、Ralph MacDonald(per)、David Newman(sax、fl)、Cissy Houston(back vo)、Deirdre Tuck(back vo)、Myrna Smith(back vo)、Rennelle Stafford(back vo)、Ronald Bright(back vo)、Sammy Turner(back vo)、Sylvia Shemwell(back vo)といった実力派ミュージシャン達が参加しています。

Arif MardinはMargieを"第2のAretha Franklin"と売り出そうとし、Margie自身もArethaを意識したようなヴォーカルを聴かせてくれます。そのせいで彼女をArethaと比較したがる人もいますが、個人的にはMargieの魅力はその若々しい声質にあり、Arethaとは別の持ち味を楽しむべきだと思います。

その意味では、本作のサウンドとMargieのヴォーカルはよくマッチしていると思います。N.Y.らしいメロウ・フィーリングとサザン・ソウルのアーシーな味わいのバランスがいい感じなのでは?

メロウ・フィーリングが好みであれば、「Make Me Believe You'll Stay」「Let's Stay Together」「I'm Only a Woman」がオススメ。

ファンキー好きならば、「How Do You Spell Love」「I Been Down」「You Better Know It」が楽しめるはずです。

Margieの声質に魅せられたいのであれば、「Touch Your Woman」「I'll Take Care of You」 あたりも捨て難いですね。

正直、派手さのあるアルバムではありませんが、聴き込むほどに味わいの増す1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Been Down」
Ron Galbraith作。強烈なブラック・フィーリングが印象的なオープニング。少しビッチなMargieのヴォーカルとアーシーなファンキー・サウンドが一体化していいですね。スウィンギーなジャズ・フィーリングを取り入れたり、煽動的なストリングスを配したりとArif Mardinの手腕に感心してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=QzY68fYcdBM

「Make Me Believe You'll Stay」
John W. Anderson作。1st『Margie Joseph Makes A New Impression』収録曲の再演です。本作らしいメロウなソウル・フィーリングを満喫できる味わい深いバラードに仕上がっています。本曲を聴けば、パンチ力で推すのではなく、声質で魅せるMargieのヴォーカルを実感できるのでは?都会的なのにアーシーな味わいもするバックもサイコーです。

「Let's Stay Together」
Al Green/Al Jackson, Jr./Willie Mitchell作。Al Greenお馴染みの大ヒット曲をカヴァー。シングル・カットもされました。大ヒットしたオリジナルは勿論、名演だと思いますが、個人的な好みでいえば、より都会的でメロウ・フィーリングに溢れた本ヴァージョンの方が圧倒的に好きです。本作のハイライトなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=H__WO75qKZs

「Turn Around and Love You」
Donna Weiss作。Rita Coolidgeヴァージョンで知られる曲のカヴァー。哀愁モードのバラードをしっとりと歌い上げます。こういったバラードでもMargieの声質が活きると思います。

「I'm Only a Woman」
Ben Peters作。Jane Morgan、Skeeter Davis、Lucille Starr、Dottie West等が歌っている曲です。Richard Teeの素敵なメロウ・エレピをバックに、Margieがしみじみと歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=2yPXktaxP0M

「Let's Go Somewhere and Love」
Larry Henley/Kenny O'Dell作。スワンピーなフィーリングとN.Y.フィーリングが上手く融合した本作らしい雰囲気を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=1W8TBTC1gDw

「You Better Know It」
Calvin White作。ソウル・グループC & The Shells、1972年のシングルをカヴァー。重厚なファンキー・サウンドをバックにMargieのヴォーカルも弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=l01KBohMKWg

「Touch Your Woman」
Dolly Parton作。Dolly Partonの1972年のカントリー・ヒットをカヴァー。アーシーな味わいの中に、隠し味程度にN.Y.フィーリングを効かせているのが心憎いですね。Margieの若々しい声質の魅力を楽しめる1曲。Brother Ali「Take Me Home」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S1wT2faAzcs

「I'll Take Care of You」
Brook Benton作。Bobby Blandのカヴァー。ブルージーなサウンドをバックに、Margieが素晴らしい歌唱力を披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kzL0Fmnru7E

「I'm So Glad I'm Your Woman」
Margie Joseph/Arif Mardin作。穏やかなメロウ・フィーリングが心地好い1曲。

「How Do You Spell Love」
Marshall Boxley/Bobby Patterson/Jerry Strickland作。Bobby Pattersonのカヴァー。名うてのバック陣によるファンキー・サウンドをバックに、Margieが快調なヴォーカルを聴かせてくれます。Bernard Purdieらのファンキー・リズムが最高です!僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=f0dd58p6IWA

「I'd Rather Go Blind」
Bill Foster/Ellington Jordan作。ラストはEtta Jamesのカヴァーでソウルフルに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rHE-5zv9ECY

ご興味がある方はMargie Josephの他作品をチェックを!

『Margie Joseph Makes A New Impression/Phase II』 (1970/1971年) ※2in1CD
メイクス・ア・ニュー・インプレッション/フェイズII

『Sweet Surrender』 (1974年)
スウィート・サレンダー(紙ジャケット仕様)

『Margie』 (1975年)
マージー

『Blue Magic-Major Harris-Margie Joseph Live! 』 (1976年)
※Blue Magic、Major Harrisとの共演ライブ
Live

『Hear The Words, Feel The Feeling』 (1976年)
Hear the Words Fell the Feeling

『Feeling My Way』(1978年)
Feeling My Way

『Knockout!』 (1983年)
Knockout

『Ready For The Night』 (1984年)
Ready for the Night
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2015年05月03日

Monkey House『Headquarters』

Steely Danフォロワーの決定打的な1枚☆Monkey House『Headquarters』
ヘッドクォーターズ
発表年:2012年
ez的ジャンル:Steely Danフォロワー系AOR
気分は... :ここまで徹底すればお見事!

今回はMonkey House『Headquarters』(2012年)です。2012年発売ですが、国内盤が先日発売され、再び注目されているアルバムです。

Monkey Houseはトロントを拠点とするミュージシャン/プロデューサーDon Breithauptのソロ・プロジェクト。

本作『Headquarters』以前に『Welcome to the Club』(1992年)、『True Winter』(2000年)という2枚のオリジナル・アルバムと編集盤『Big Money』(2005年)をリリースしています。

また、彼は映画/音楽ライターとしても知られ、Steely DanのAOR名作『Aja』(1977年)について研究した書籍『Aja』(2007年)は話題となりました。同書は2012年に『スティーリー・ダン Aja 作曲術と作詞法』として日本でも紹介されています。

そんなDon BreithauptSteely Dan研究の成果を自らのサウンドに反映させたアルバムが本作『Headquarters』です。

Don自身がプロデュース&アレンジを務め、ソングライティングも共作3曲も含めて全て彼が手掛けています。共作者の1人は兄Jeff Breithaupt、もう1人はAORファンにはお馴染みのカナダ人SSW、Marc Jordanです。

また、レコーディングにはSteely Danのサポート・メンバーであったDrew Zingg(g)、Michael Leonhart(tp)といったミュージシャンも参加しています。

アルバムにはモロにSteely Danな楽曲と、Don Breithauptが自分の色を出した楽曲から構成されていますが、良くも悪くもSteely Dan風の演奏が魅力のアルバムであり、Donの独自色を出した演奏にはさほど惹かれませんでした。

諸手を挙げて称賛するようなアルバムだとは思いませんが、Steely Dan好きの人は思わずニンマリしてしまう演奏が満載のアルバムであり、その意味では要チェックだと思います。

Steely Danフォロワーの決定打的な1枚であり、ここまでやれば"あっぱれ"という気もします。

全曲紹介しときやす。

「Checkpoint Charlie」
オススメその1。曲調、サウンド、女性コーラスも含めて、『Aja』に入っていそうなオープニング。Steely Dan好きの人は思わずニンマリしてしまうのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=H9gdR6TmCXw

「Where's Mantis Evar?」
オススメその2。この曲もモロにSteely Dan調ですね。違うのは、DonのヴォーカルがDonald Fagenよりもマイルドな点くらいでしょうか。Steely Dan作品のクロスオーヴァー・フィーリングを見事に再現しています。

「Faith In The Middle」
本曲はSteely Dan風というよりも、Don BreithauptらしいAORチューンに仕上がっています。Hip-Hopを通過してきたAORって感じが印象的です。

「Revolver」
ギター・サウンドが印象的な1曲。あまり僕好みの雰囲気ではありませんが・・・
https://www.youtube.com/watch?v=9i8LLwN-Pc4

「You On The Brain」
Don Breithauptの色が出た1曲。スクラッチを取り入れた試みが成功しているのかどうかはビミョーですが。
https://www.youtube.com/watch?v=T78kJGc3INI

「The Thinking Man's Me」
イントロを聴いて、モロにSteely Dan風と思いきや、Steely Danになりそうで、ならないところが面白い1曲。

「I Could Do Without The Moonlight」
オススメその3。スティール・ドラムのアクセントが心地好い1曲。演奏全体のメロウな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=Y8U6-5H7WHk

「Too Much, Too Much」
オススメその4。ラテン・フレイヴァーの効いた1曲。Steely Danの前期と後期が融合したような雰囲気が気に入っています。

「December Girls」
オススメその5。穏やかなメロウ・サウンドとSteely Dan風のヴォーカル・パート&ホーン・アンサンブルが心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=zs5lyvicPIU

「Right About Now」
オススメその6。この曲もSteely Dan好きの人はニンマリな1曲なのでは?Donald Fagenが書きそうなメロディですね。
https://www.youtube.com/watch?v=CK6I5kqPBtA

「Lebanon」
オススメその7。Marc Jordanとの共作曲。哀愁モードの素敵なAORチューンに仕上がっています。

「The Man You Love To Hate」
Steely Dan研究の成果がよく出た1曲。そういう耳で聴くとかなり楽しめる1曲なのでは?

「Emily Einstein」
Donのマイルドなヴォーカルとメロウ・サウンドがよくマッチしています。

「Second Avenue Subway」
本編のラストはラテン/トロピカルな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=9NdC97gW9yw

「I'm Not That Guy」
国内盤ボーナス・トラック。AOR好きの人は気に入るであろうクールな仕上がりです。

『スティーリー・ダン Aja 作曲術と作詞法』(2012年)
スティーリー・ダン―Aja作曲術と作詞法
posted by ez at 11:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 2010年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする