2015年05月04日

Margie Joseph『Margie Joseph』

Atlantic移籍第一弾、名うてのバック陣が強力にサポートしたレディ・ソウル☆Margie Joseph『Margie Joseph』
マージー・ジョセフ
発表年:1973年
ez的ジャンル:Atlantic系レディ・ソウル
気分は... :世紀の一戦はあんなものだったのか?

昨日はボクシング世紀の一戦「パッキャオ対メイウェザー」がありましたね。
結果はご存知の通り、メイウェザーの判定勝ち。多分、ああいう試合展開、結果になるんだろうなと思っていましたが、その通りに終わるとすっきりしないですね。

やはりKO決着が観たかったですね。
ただし、メイウェザーの戦い方を一方的に批判する気になれません。彼は現行ルールを最大限に活かした賢い戦い方をしただけなので。それよりもメイウェザーのような戦い方で判定勝ちになってしまう現行ルールを見直すべきなのかもしれませんね。

祭りのあとの寂しさ・・・といった感じですね。

今回は女性ソウル・シンガーMargie JosephのAtlantic移籍第一弾アルバム『Margie Joseph』(1973年)です。

1950年アメリカ、ミシシッピ州生まれの女性R&B/ソウル・シンガーの紹介は、Johnny Bristolプロデュースの『Feeling My Way』(1978年)に続き2回目となります。

Stax傘下Voltから『Margie Joseph Makes A New Impression』 (1970年)、『Phase II』 (1971年)という2枚のアルバムをリリースしていたMargieがAtlanticへ移籍し、その第一弾アルバムとなったのが本作『Margie Joseph』(1973年)です。

プロデュースはArif Mardin。レコーディングはN.Y.で行われ、Cornell Dupree(g)、David Spinozza(g)、Hugh McCracken(g)、Chuck Rainey(b)、Jerry Jemmott(b)、Bernard Purdie(ds)、Richard Tee(key)、Norman Pride(per)、Ralph MacDonald(per)、David Newman(sax、fl)、Cissy Houston(back vo)、Deirdre Tuck(back vo)、Myrna Smith(back vo)、Rennelle Stafford(back vo)、Ronald Bright(back vo)、Sammy Turner(back vo)、Sylvia Shemwell(back vo)といった実力派ミュージシャン達が参加しています。

Arif MardinはMargieを"第2のAretha Franklin"と売り出そうとし、Margie自身もArethaを意識したようなヴォーカルを聴かせてくれます。そのせいで彼女をArethaと比較したがる人もいますが、個人的にはMargieの魅力はその若々しい声質にあり、Arethaとは別の持ち味を楽しむべきだと思います。

その意味では、本作のサウンドとMargieのヴォーカルはよくマッチしていると思います。N.Y.らしいメロウ・フィーリングとサザン・ソウルのアーシーな味わいのバランスがいい感じなのでは?

メロウ・フィーリングが好みであれば、「Make Me Believe You'll Stay」「Let's Stay Together」「I'm Only a Woman」がオススメ。

ファンキー好きならば、「How Do You Spell Love」「I Been Down」「You Better Know It」が楽しめるはずです。

Margieの声質に魅せられたいのであれば、「Touch Your Woman」「I'll Take Care of You」 あたりも捨て難いですね。

正直、派手さのあるアルバムではありませんが、聴き込むほどに味わいの増す1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「I Been Down」
Ron Galbraith作。強烈なブラック・フィーリングが印象的なオープニング。少しビッチなMargieのヴォーカルとアーシーなファンキー・サウンドが一体化していいですね。スウィンギーなジャズ・フィーリングを取り入れたり、煽動的なストリングスを配したりとArif Mardinの手腕に感心してしまいます。
https://www.youtube.com/watch?v=QzY68fYcdBM

「Make Me Believe You'll Stay」
John W. Anderson作。1st『Margie Joseph Makes A New Impression』収録曲の再演です。本作らしいメロウなソウル・フィーリングを満喫できる味わい深いバラードに仕上がっています。本曲を聴けば、パンチ力で推すのではなく、声質で魅せるMargieのヴォーカルを実感できるのでは?都会的なのにアーシーな味わいもするバックもサイコーです。

「Let's Stay Together」
Al Green/Al Jackson, Jr./Willie Mitchell作。Al Greenお馴染みの大ヒット曲をカヴァー。シングル・カットもされました。大ヒットしたオリジナルは勿論、名演だと思いますが、個人的な好みでいえば、より都会的でメロウ・フィーリングに溢れた本ヴァージョンの方が圧倒的に好きです。本作のハイライトなのでは?
https://www.youtube.com/watch?v=H__WO75qKZs

「Turn Around and Love You」
Donna Weiss作。Rita Coolidgeヴァージョンで知られる曲のカヴァー。哀愁モードのバラードをしっとりと歌い上げます。こういったバラードでもMargieの声質が活きると思います。

「I'm Only a Woman」
Ben Peters作。Jane Morgan、Skeeter Davis、Lucille Starr、Dottie West等が歌っている曲です。Richard Teeの素敵なメロウ・エレピをバックに、Margieがしみじみと歌います。
https://www.youtube.com/watch?v=2yPXktaxP0M

「Let's Go Somewhere and Love」
Larry Henley/Kenny O'Dell作。スワンピーなフィーリングとN.Y.フィーリングが上手く融合した本作らしい雰囲気を楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=1W8TBTC1gDw

「You Better Know It」
Calvin White作。ソウル・グループC & The Shells、1972年のシングルをカヴァー。重厚なファンキー・サウンドをバックにMargieのヴォーカルも弾けます。
https://www.youtube.com/watch?v=l01KBohMKWg

「Touch Your Woman」
Dolly Parton作。Dolly Partonの1972年のカントリー・ヒットをカヴァー。アーシーな味わいの中に、隠し味程度にN.Y.フィーリングを効かせているのが心憎いですね。Margieの若々しい声質の魅力を楽しめる1曲。Brother Ali「Take Me Home」のサンプリング・ソースにもなっています。
https://www.youtube.com/watch?v=S1wT2faAzcs

「I'll Take Care of You」
Brook Benton作。Bobby Blandのカヴァー。ブルージーなサウンドをバックに、Margieが素晴らしい歌唱力を披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=kzL0Fmnru7E

「I'm So Glad I'm Your Woman」
Margie Joseph/Arif Mardin作。穏やかなメロウ・フィーリングが心地好い1曲。

「How Do You Spell Love」
Marshall Boxley/Bobby Patterson/Jerry Strickland作。Bobby Pattersonのカヴァー。名うてのバック陣によるファンキー・サウンドをバックに、Margieが快調なヴォーカルを聴かせてくれます。Bernard Purdieらのファンキー・リズムが最高です!僕の一番のお気に入り。
https://www.youtube.com/watch?v=f0dd58p6IWA

「I'd Rather Go Blind」
Bill Foster/Ellington Jordan作。ラストはEtta Jamesのカヴァーでソウルフルに締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=rHE-5zv9ECY

ご興味がある方はMargie Josephの他作品をチェックを!

『Margie Joseph Makes A New Impression/Phase II』 (1970/1971年) ※2in1CD
メイクス・ア・ニュー・インプレッション/フェイズII

『Sweet Surrender』 (1974年)
スウィート・サレンダー(紙ジャケット仕様)

『Margie』 (1975年)
マージー

『Blue Magic-Major Harris-Margie Joseph Live! 』 (1976年)
※Blue Magic、Major Harrisとの共演ライブ
Live

『Hear The Words, Feel The Feeling』 (1976年)
Hear the Words Fell the Feeling

『Feeling My Way』(1978年)
Feeling My Way

『Knockout!』 (1983年)
Knockout

『Ready For The Night』 (1984年)
Ready for the Night
posted by ez at 17:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする