発表年:2015年
ez的ジャンル:伊達男系男性ジャズ・ヴォーカル
気分は... :12秒・・・
今回は魅惑のバリトン・ヴォーカルで魅了するイタリア人男性ジャズ・シンガーMario Biondiの最新作『Beyond』です。
2メートルを超えるイタリア人の巨漢シンガーMario Biondiについて、これまで当ブログで紹介した作品は以下の3枚。
『Handful Of Soul』(2006年)
『If』(2009年)
『Sun』(2013年)
Sony Music移籍第1弾となった前作『Sun』(2013年)は、IncognitoのJean-Paul "Bluey" Maunickが共同プロデューサーとして全面関与し、Leon Ware、Al Jarreau、Chaka Khan、Omar、James Taylor(JTQ)といったソウル、ジャズ・ファンクの人気アーティストが多数参加し、話題となりました。
Sony Music第2弾となる本作『Beyond』は、顔馴染みのメンバーによるミラノ録音が殆どであり、1曲のみN.Y.のファンク・グループThe Dap-KingsとのN.Y.録音です。
3曲を除きプロデュースはMario Biondi本人とDavid Florio、Massimo Greco。
レコーディングにはDavid Florio(g、ds)、Massimo Greco(key)、Michael Baker(ds)、Federico Malaman(b)、Marica(back vo)、Dina & Dana(back vo)等が参加しています。
派手なゲスト参加はありませんが、世界進出を意図した前作での経験を糧にし、スケール・アップしたMario Biondiワールドを楽しめます。個人的には著名ミュージシャンに頼らず、自分たちの音を創り上げようとする姿勢に共感します。
前作ほどの派手さはありませんが、伊達男らしい男のジャズ・ヴォーカルを存分に楽しめます。
全曲紹介しときやす。
「Open up Your Eyes」
空港の搭乗アナウンスと共に始まるオープニング。さり気なさの中にBiondiのダンディズムを感じます。これぞ伊達男のジャズ!
「All of My Life」
ラップ入りのダンサブル・チューン。アコーディオンの音色でアクセントをつけているのが面白いですね。
「Love is a Temple」
アルバムからのリード・シングル。哀愁モードのミディアム・チューン。派手さはありませんが、Biondiのバリトン・ヴォーカルが栄える大人なムードの1曲に仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=RcOzgGmBRrY
「All I Want Is You」
ベテラン女性ジャズ・シンガーDee Dee Bridgewaterとの共作曲。切々と歌われるバラード。Biondiのバリトン・ヴォーカルにはこういうバラードも似合います。
「I Chose You」
Alberto Roveroniプロデュース。生音とプログラミングを組み合わせたクラブジャズ・テイストのダンサブル・チューンです。
「You Can't Stop This Love Between Us」
Gianni Bini/Paolo Martiniプロデュース。僕の一番のお気に入り。Biondiの激シブ・バリトン・ヴォーカルの魅力を存分に堪能できる伊達男らしいダンサブル・チューン。開放的なホーン・サウンドや女性フレンチ・ヴォイスもいい感じ!
「Blind」
躍動感のある1曲。前作の流れを汲むキャッチーでソウルフルな仕上り。華やかなホーン・アレンジがいいですね。
「Come Down」
Biondiのヴォーカルの馬力を感じる1曲。R&Bフィーリングとジャズ・フィーリングが上手くミックスされているのがグッド!
「Heart of Stone」
Sharon Jones & The Dap-Kingsとしてお馴染み、N.Y.のファンク・グループThe Dap-Kingsとの共演作。60年代R&Bフィーリングの仕上がり。
「Fly Away」
哀愁モードのミディアム。Biondiの低音ヴォーカルに大人の哀愁を感じます。
「Another Kind of Love」
ジワジワとくるミディアム。アーバン・ソウル的な魅力もあります。
「Over the World」
進化するBiondiを感じられる1曲。世界進出を意図したSony Musicへ移籍したBiondiですが、そうした狙いを感じる1曲に仕上がっています。
「Where Does the Money Go」
ラストは意外にもレゲエ調。これはご愛嬌ということで(笑)
Mario Biondiの過去記事もご参照下さい。
『Handful Of Soul』(2006年)
『If』(2009年)
『Sun』(2013年)