発表年:1970年
ez的ジャンル:ウィスパー・ヴォイス系女性ジャズ・シンガー
気分は... :London, London・・・
コケティッシュなウィスパー・ヴォイスが魅力の女性ジャズ・シンガーBlossom Dearieの『That's Just The Way I Want To Be』(1970年)です。
フリーソウル/レア・グルーヴ人気盤としてもお馴染みの1枚ですね。
N.Y.出身のジャズ・シンガー/ピアニストBlossom Dearie(1926-2009年)の紹介は、『1975:From The Meticulous to the Sublime』に続き2回目となります。
本作『That's Just The Way I Want To Be』(1970年)は、英国Fontanaレーベルでの最終作であり、ロンドン録音です。
レコーディング・メンバーはBlossom Dearie(vo、p)、Ian Carr(flh)、Kenny Wheeler(tp)、Harold McNair (ts、fl)、Ray Warleigh(fl)、Spike Wells(ds)、Daryl Runswick(b)、Jeff Clyne(b)、The Ladybirds(vo)です。
プロデュースはPete King、アレンジはBrian Gascoigneが手掛けています。
UKジャズの精鋭が奏でるポップでグルーヴィーなサウンドをバックに、Blossomのコケティッシュなウィスパー・ヴォーカルを存分に楽しめます。
John Lennon、Georgie Fame、Dusty SpringfieldといったUKの人気アーティストに因んだ曲が収録されているのもロンドン録音らしいですね。
グルーヴィーなフリーソウル人気曲「I Like London in the Rain」、キュートなガ―リー・ポップ「Long Daddy Green」、ドリーミー・ボッサ「I Know the Moon」、哀愁ボッサ「Yesterday When I Was Young」など聴き所満載の1枚です。
いつ聴いても彼女のコケティッシュなヴォーカルにKOされてしまいます。
全曲紹介しときやす。
「That's Just the Way I Want to Be」
Jim Council/Blossom Dearie作。タイトル曲はミステリアスなフォーキー感が印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=JGFm05Mx2nY
「Long Daddy Green」
Blossom Dearie/Dave Frishberg作。切なさとキュートさが同居するガ―リー・ポップ。アレンジの妙が光ります。個人的にはアルバムで一番のお気に入り。
「Sweet Surprise」
Jim Council/Blossom Dearie作。
「Hey John」
Jim Council/Blossom Dearie作。John Lennonへのトリビュート・ソング。『1975:From The Meticulous to the Sublime』でも再演しています。Blossomらしいキュートなジャジー・ポップに仕上がっています。
「Sweet Georgie Fame」
Blossom Dearie/Sandra Harris作。こちらはGeorgie Fameへのトリビュート・ソング。『Sweet Blossom Dearie』(1967年)で取り上げた曲の再演です。オーケストレーションを配したエレガントな雰囲気がいいですね。
「Both Sides Now」
Joni Mitchellの名曲をカヴァー。素敵なアレンジを伴ったBlossomらしいカヴァーに仕上がっています。
「Dusty Springfield」
Jim Council/Blossom Dearie/Norma Tanega作。タイトルの通り、Dusty Springfieldがへのトリビュート・ソング。オーケストレーションをバックにしたビューティフル・バラードに仕上がっています。
「Will There Really Be a Morning」
John Wallowitc/Emily Dickinson作。落ち着いた雰囲気ながらグルーヴィー感もあるのがいいですね。
「I Know the Moon」
Jim Council/Blossom Dearie作。ボッサ・テイストのドリーミー・ポップ。バック陣の小粋な演奏がコケティッシュ・ヴォーカルを引き立てます。
https://www.youtube.com/watch?v=_9Mr-pHd7ic
「Inside a Silent Tear」
Blossom Dearie/Peter King作。コケティッシュながらもBlossomの円熟味を感じるミディアム。
https://www.youtube.com/watch?v=D2-EXN4DSbo
「Yesterday When I Was Young」
Charles Aznavour/Herbert Kretzmer作。哀愁モードの切ないボッサ・グルーヴ。Blossomのコケティッシュなウィスパー・ヴォーカルと哀愁サウンドがよくマッチしています。
https://www.youtube.com/watch?v=hT4nVFwIgk0
「I Like London in the Rain」
Jim Council/Blossom Dearie作。本作のハイライト。フリーソウル人気曲としてもお馴染みのグルーヴィー・ポップ。イントロのブレイクの格好良さも魅力ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=PT1Dm6Ni1eQ
Blossom Dearieの他作品もチェックを!
『Blossom Dearie』(1956年)
『Give Him the Ooh-La-La』(1957年)
『Once Upon a Summertime 』(1958年)
『May I Come In?』(1964年)
『Sweet Blossom Dearie』(1967年)
『My New Celebrity Is You』(1975年)
『1975:From The Meticulous to the Sublime』(1975年)
『Winchester in Apple Blossom Time』(1977年)