発表年:2003年
ez的ジャンル:西ロンドン系ジャズ/クロスオーヴァー
気分は... :肉みかん???
今回はニュージーランド出身、ロンドンを拠点に活躍するサックス奏者Nathan Hainesの『Squire For Hire』(2003年)です。
Nathan Hainesの紹介は、『Sound Travels』(2000年)に続き2回目となります。
前回紹介した『Sound Travels』(2000年)は、restless soul名義でPhil Asherがプロデュースしていますが、その次作となる本作『Squire For Hire』(2003年)もPhil Asherが全面プロデュースしています。
その意味では、前作以上にNathan HainesとPhil Asherのコラボがこなれてきた印象を受けます。
アルバムには2人以外に、Mike Patto(Reel People)、Mark De Clive-Lowe、Chris Frank(Da Lata)といった西ロンドンの気鋭のアーティストが参加しています。
また、Marlena Shaw、Guida De Palma、Vanessa Freeman、Shelley Nelson、Rich Medina、Marcus Begg、Lyric Lといった多彩なヴォーカル陣がゲスト参加し、アルバムに彩りを添えてくれます。
前作『Sound Travels』同様、殆どがヴォーカル曲なのでクラブジャズ好き以外の人でも聴きやすい1枚だと思います。
気付けば10年以上前のアルバムですが、この頃の西ロンドンの音は今聴いても格好良いですね。
全曲紹介しときやす。
「Squire For Hire」
タイトル曲は大物女性シンガーMarlena Shawをフィーチャー。ハモンド・オルガンの効いたジャズ・ファンク・サウンドをバックに、Marlenaが貫録たっぷりにスポークン・ワード調のヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=ka0Sx1J29kQ
「Folk Jazz」
Nathanの父親でジャズ・ベーシストのKevin Hainesをフィーチャー。シタールが印象的なブレークビーツ調のサウンドで親子共演を実現させています。
「O Misterio」
ポルトガル出身の女性シンガーGuida De PalmaとNathanと同じくNZ出身で西ロンドンを拠点としていた人気アーティストMark De Clive-Loweをフィーチャー。Guida De Palmaの透明感のあるヴォーカルが栄える爽快なクロスオーヴァーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=tMg3PABJvqw
「Springtime Rain」
USのHip-HopアーティストRich Medinaのスポークン・ワードをフィーチャー。スポークン・ワードとNathanのソプラノ・サックスが醸し出す落ち着いた雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=OoSd1rvqTXg
「Nothing New」
Shelly Nelsonの女性ヴォーカルをフィーチャー。クラブジャズらしい格好良さをストレートに実感できます。
https://www.youtube.com/watch?v=2SBCk_EbsRM
「FM」
Donald Fagen作。Steely Dan作品をカヴァー。Mike PattoとVanessa Freemanがヴォーカルをとっています。オリジナルの雰囲気を重視したカヴァーでSteely Danへのリスペクトを示してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-lQdu7j27f0
「U See That」
Vanessa FreemanとMarcus Beggのヴォーカルをフィーチャー。トライバルなビートとChris Frankのアコースティック・ギターが印象的なダンサブル・チューンです。Nathanもサックスとフルートの両方で盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gnhuSi-wGAM
「Doot Dude」
Lyric L(Lillian Mgbado)のスポークン・ワードをフィーチャー。西ロンドンらしいアッパーなブロークンビーツで一気に駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=PFikmaTHiSo
「Oblivion」
ストリングスをバックにNathanがサックスのみならずヴォーカルも披露してくれるオールド・ジャズ感のある仕上がり。
「Let It Go」
Rich Medinaをフィーチャー。Rich Medinaのスポークン・ワードのせいか、聴いているとGil Scott-Heronを思い出してしまいますね。Vanessa Freemanのバッキング・ヴォーカルもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=4uh7k4jq080
「Right By Your Side」
Vanessa FreemanとMarcus Beggの男女ヴォーカルをフィーチャー。シングル・カットもされたこの曲が本作のハイライトかもしれませんね。爽快に疾走するダンサブル・チューンは実にキャッチーです。
https://www.youtube.com/watch?v=JVMNYoy0Gp4
「The Last Dance (Make It Good)」
ラストはNathanのフルートが先導するドリーミーなブロークンビーツで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=CWkCIWAUabc
Nathan Hainesの他作品もどうぞ!
『Sound Travels』(2000年)
Marco Di Marco feat. Nathan Haines『My London Friends』(2004年)
『Life Time』(2005年)
『Right Now』(2007年)
『Music for Cocktail Lovers』(2008年)
『Heaven and Earth』(2010年)
『The Poet's Embrace』(2012年)
『Vermillion Skies』(2013年)
『5 a Day』(2014年)