2015年06月26日

Phil Asher Presents Focus『Sweet And Sour』

Phil Asherのソロ・プロジェクト・アルバム☆Phil Asher Presents Focus『Sweet And Sour』
SWEET AND SOUR
発表年:2002年
ez的ジャンル:西ロンドン系ハウス/ブロークンビーツ/フューチャー・ジャズ
気分は... :甘い?酸っぱい?

今回はUKの人気DJ/プロデューサーPhil AsherFocus名義でリリースした『Sweet And Sour』(2002年)です。

Phil Asher関連作品の紹介は、restless soul Fun Band『Fun Lp』(2013年)に続き2回目です。

本作はFocus名義ですが、Phil Asher初のソロ・アルバムという位置付けでいいでしょう。

アルバムにはKaidi TathamBugz In The Attic2000Black等)、Mike Patto(元Reel People)、Mark De Clive-LoweChris FrankDa Lata)、Nathan HainesWilliams Cumberbacheといった西ロンドンのキーパソンとなるアーティストが多数参加しています。

アルバム全体としては、西ロンドンらしいハウス/ブロークンビーツ/フューチャー・ジャズらしい1枚に仕上がっており、Phil Asherや参加ミュージシャンの名が引っ掛かった人にとっては満足できる内容の1枚だと思います。

僕が保有するのは国内盤ですが、国内盤は曲順が変更されており、前半7曲が"Sweet"パート、後半6曲が"Sour"パートとなっています。Sweetパートはキャッチーなダンス・チューンが並び、Sourパートは実験的な曲が並びます。

やはり、キャッチーなSweetパートを聴いてしまいますね。シングルにもなった「Having Your Fun」「Find Myself」といった人気曲や、人気ブラジリアン・グルーヴのカヴァー「Bamba」、アフロ・テックな「Wha Blo」、80年代モードの「Bassual」「Never Giving Up」と聴き所満載です。

それと比べてSourパートは多少聴く人を選ぶかも?そんな中でも「Journey To Jupiter (Act 1 The Daughter Of Spazm)」「Hal」あたりは魅力的です。

1枚でPhil Asherの多様な音楽性や当時の西ロンドンの勢いを実感できる充実の1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Having Your Fun」
シングルにもなった人気曲と共にアルバムは幕を開けます。Maiya Jamesの女性ヴォーカルをフィーチャーしたR&Bテイストの仕上がりは夜遊びモードにピッタリ!聴く者のテンションを上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WREk8_4BLaU

「Find Myself」
この曲もシングルになりました。Andrea Mendezの女性ヴォーカルをフィーチャーしたソウルフル・ハウス。90年代N.Y.ハウス調のアンダーグラウンドな雰囲気があっていいですね。Williams Cumberbacheのパーカッションも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=L0Ss2gNt_NI

「Marvin Is One」
アブストラクトなハウス・チューン。エレクトリックなアクセントも印象的です。Nathan Hainesがシンセで参加しています。
https://www.youtube.com/watch?v=wzrF7ImrdY4

「Bamba」
ハンガリーのフュージョン・グループDimenzioが1981年にリリースしたブラジリアン・グルーヴをカヴァー。クラブジャズ・クラシックとしても人気のある本曲を、西ロンドンらしいエレクトリックなダンス・チューンに仕上げています。Kaidi Tathamの貢献が大きい1曲。
https://www.youtube.com/watch?v=ENuO5_n6rfc

Dimenzioのオリジナルもチェックを!
Dimenzio「Bamba」
 https://www.youtube.com/watch?v=QO5lgq5LBS0
Dimenzio『Dimenzio』(1981年)
ダイメンツィオ

「Wha Blo」
Kaidi Tathamのフィーチャリングが明記されているダンサブルなアフロ・テック・ジャズ。女性ヴォーカルはMaiya James。ハイパーなアフロ・ビートがクセになります。

「Bassual」
Maiya Jamesをフィーチャーしたディスコ・ブギー。昨今のディスコ・ブギー・ブームにもリンクするアッパーな仕上り。

「Never Giving Up」
Maiya Jamesをフィーチャー。前曲に続き80年代ブラコン調のエレクトリック・ダンス・チューンです。本曲ではMike Pattoの貢献が大きいようです。

ここまでが前半の"Sweet"パートです。

「China Bumps」
ここからが後半の"Sour"パートです。本曲はフェンダーローズのメロウな音色と躍動するリズムを組み合わせたブレイク・ビーツ・チューンです。

「Spaceship Rocket」
アブストラクトな展開です。

「Journey To Jupiter (Act 1 The Daughter Of Spazm)」
Kaidi Tathamによるアナログ・シンセやChris Franckのギターが彩るエレクトリック・ジャズ。カリプソ・テイストのアクセントがいいですね。

「Exagr8」
実験的なミニマルなサウンドが印象的です。

「Hal」
デトロイト・テクノ調の仕上がり。彼のルーツに触れることができる1曲なのでは?

「Sweet & Sour」
タイトル曲はMark De Clive-Loweが参加しています。マッドなフューチャリスティック感が印象的です。

「Never Giving Up (Dub Mix)」
国内盤ボーナス・トラック。「Never Giving Up」のダブ・ミックスです。

restless soul Fun Band『Fun Lp』(2013年)
restless soul fun band fun lp.jpg
posted by ez at 02:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 2000年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする