2015年07月04日

Maxi Anderson『Maxi』

ジャジー&メロウとソウルフルな味わいが程良くブレンドした1枚☆Maxi Anderson『Maxi』
マキシ
発表年:1977年
ez的ジャンル:人気女性セッション・シンガー系コンテンポラリー作品
気分は... :狙われた男!

今回はL.A.の女性セッション・シンガーMaxi Andersonの唯一のソロ・アルバム『Maxi』(1977年)です。

Maxi Andersonは数多くのレコーディングに参加してきた人気セッション・シンガー。当ブログで紹介した作品でいえば、Starship Orchestra『Celestial Sky』(1980年)、Cherrelle『Fragile』(1984年)、Carl Anderson『Fantasy Hotel』(1992年)に参加しています。

Leon "Ndugu" Chanclerが率いたThe Chocolate Jam Co.にも参加し、作品をリリースしている彼女ですが、ソロ・アルバムということになると、今回紹介する『Maxi』(1977年)が唯一のアルバムです。

そんな唯一のアルバムはBlue Noteからリリースされたものです。

Billy PageGene Pageがプロデュースし、Gene Pageはアレンジも手掛けています。

レコーディングにはDavid T. Walker(g)、Jay Graydon(g)、Ray Parker, Jr.(g)、Rick Littlefield(g)、Henry Davis(b)、Scott Edwards(b)、Wilton Felder(b)、James Gadson(ds)、Greg Phillinganes(key)、Sonny Burke(key)、Jack Ashford(per)、Paulinho Da Costa(per)、Ernie Watts(fl)、Plas Johnson(as)、Gene Cipriano(horns)、Terry Harrington(horns)、Stella Castellucci(harp)、Dorothy Ashby(harp)が参加しています。

また、Augie JohnsonGregory MattaJim GilstrapというSide Effect勢やThe WatersJulia Tillman WatersMaxine Willard Waters等がバック・コーラスで参加しています。

こうした参加メンバーからも想像できるように、ジャジー&メロウとソウルフルな味わいが程良くブレンドしたサウンドが魅力の1枚に仕上がっています。主役のMaxiのヴォーカルもコントロールを効かせつつ、味わい深いヴォーカルを随所で聴かせてくれます。ポップな感じがあるのも特徴ですね。その意味でBlue Noteからのリリースという点に、あまり囚われない方がいいと思います。

フリーソウル人気曲「Lover To Lover」が有名だと思いますし、Van McCoy作の名曲「Walk Softly」やBarry Manilow「This One's For You」といったカヴァーも目立つかもしれませんが、個人的には「Dancin' To Keep From Cryin'」「The Perfect Day」「Glory, Glory」がオススメです。

ジワジワくる感じが心地好い1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Let Him In」
Gary Benson作。人気俳優John Travoltaもカヴァーしていた楽曲をカヴァー。作者Gary Bensonのオリジナルは『Don't Throw It All Away』(1975年)に収録されています。落ち着いたジャジー・メロウ感が心地好い1曲。Maxiの終盤のハイトーン・ヴォーカルはさすがです。
https://www.youtube.com/watch?v=JCnB9_c7xHI

「Dancin' To Keep From Cryin'」
Skip Scarborough/Tom Fauntleroy作。ファンキー・メロウな味わいが魅力のダンサブル・チューン。ただし、やりすぎず、あくまでMaxiのヴォーカルをメインに据えているのがでいいすね。Gene Pageのストリングス・アレンジも冴えています。
https://www.youtube.com/watch?v=yKKxOdZ8d8Y

「Walk Softly」
Van McCoy作。当ブログではMarlena Shawのカヴァーを紹介済みですが、それ以外にもCarl Graves、Aretha Franklin、Stanley Woodruff & The 'US' Trio、Billy "Crash" Craddock、Gladys Knight & The Pipsらが取り上げている名曲です。ソフトリーな中にもじわじわとソウルフルな味わいが増してくる素敵なメロウ・バラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=E_PZTfZlcuU

「The Perfect Day」
Clarence McDonald/Fritz Baskett作。ジャジー&メロウなサウンドが心地好い1曲。Patti Austinあたりと一緒に聴くと合いそうですね。

「This One's For You」
Barry Manilow/Marty Panzer作。Barry Manilowのオリジナルは『This One's For You』(1976年)に収録されています。Teddy Pendergrassもカヴァーしています。ポップとソウルとジャジーのバランスが絶妙なバラードに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=cBdpybHPLLE

「Delta Road」
Skip Scarborough作。Maxiのていねいな歌いぶりにグッとくるバラード。
https://www.youtube.com/watch?v=6MT8g_lsc2c

「Lover To Lover」
Skip Scarborough作。前述のようにフリーソウル人気曲です。この曲に限れば、主役のMaxiというより、素敵なバッキングによる都会的なジャジー・メロウ・サウンドの魅力で人気を博しているといえるでしょう。Side Effect勢による男性コーラスも効いています。
https://www.youtube.com/watch?v=qPPz9F8DCwY

「Glory, Glory」
Glenna Session/Jim Smothers/Skip Scarborough作。Maxiのソウルフル・ヴォーカルを楽しめるメロウ・グルーヴ。Gene Pageによる素敵なストリングスも効果絶大です。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_Y74RoMfxU

「By Your Side」
Lamont Dozier作。ジャジー・メロウとソウルフルな味わいがうまく調和したミディアム・チューン。The Watersのバック・コーラス隊との絡みもいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=NgDT1VMbbZQ

「Music On My Mind」
Clarence McDonald/Deniece Williams/Lani Groves作。Nancy Wilsonもカヴァーしていた楽曲。落ち着いた中にも、緩急つけた展開で楽しませてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=WOxgwcIlSIo

なぜ、これだけのシンガーがソロ・アルバム1枚なんですかね?
posted by ez at 11:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする