発表年:2015年
ez的ジャンル:Odd Future系R&Bバンド
気分は... :甘い戯言・・・
今回はOdd Futureの注目R&BユニットThe Internetの最新作『Ego Death』です。
Syd tha Kyd(vo)、Matt Martians (beats)というTyler the Creator率いるOFWGKTA (Odd Future Wolf Gang Kill Them All)のメンバー2人によって2011年にL.A.で結成されたユニットThe Internetについて、当ブログは1stアルバム『Purple Naked Ladies』(2011年)、2ndアルバム『Feel Good』(2013年)という2枚のアルバムを紹介してきました。
特に、2013年にデジタル配信され、2014年にCDリリースされた2nd『Feel Good』は、僕好みのオルタナティブなR&B作品であり、年末恒例の『ezが選ぶ2014年の10枚』にセレクトしたほどのお気に入りでした。
3rdアルバムとなる最新作『Ego Death』は、前作『Feel Good』から大きく変わった点があります。ジャケを見てお分かりのとおり、男女ユニットからバンド編成となりました。
Syd tha Kyd(vo)、Matt Martians (beats)に加え、ライブ・メンバーであったJameel Bruner(key)、Patrick Paige(b)、Christopher Allan Smith(ds)、Steve Lacy(g)が加わった6人組です。Jameel Brunerは超絶ベーシストThundercatの弟のようです。
1st『Purple Naked Ladies』と比較して、前作2nd『Feel Good』では生演奏の比重が高まっていたので、バンド編成への流れは自然だったのかもしれません。
ただし、6人組になったからといって、一気にバンド・サウンドが全面に出てきている訳ではありません。最もバンド感が出ているのは「Under Control」、「Just Sayin/I Tried」あたりですかね。その意味でグループの過渡期における試行錯誤を楽しむべき1枚かもしれません。
アルバムにはJanelle Monae、Vic Mensa、James Fauntleroy、Kaytranada、Tyler, the Creatorといったゲストが参加しています。
正直、『Feel Good』の人気シングル「Dontcha」のようなキラー・チューンはありませんが、オルタナティブなR&B好きの人は要チェックの1枚だと思います。
切なさがたまらない・・・
全曲紹介しときやす。
「Get Away」
クールな哀愁サウンドとSyd tha Kydの憂いを帯びたヴォーカルが印象的なオルタナティブR&Bらしいオープニング。
https://www.youtube.com/watch?v=KZBxurtvmSY
「Gabby」
エキセントリックなディーヴァJanelle Monaeをフィーチャー。Steve Lacyのベース&ギターが効果的ですね。終盤のフューチャリスティックな展開が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=NwkXZNWekAg
「Under Control」
本作らしいバンド・サウンドを楽しめる1曲。ジャジー・メロウな雰囲気はオルタナティブ・ネオソウルといった感じでしょうか。
https://www.youtube.com/watch?v=8sOK9cE1kcc
「Go with It」
Vic Mensaのラップをフィーチャー。生音ジャジーHip-Hop好きの人は気に入るであろうジャジー・メロウ。パーカッシヴなスパイスが僕好みです。
https://www.youtube.com/watch?v=xxxkl5JoudM
「Just Sayin/I Tried」
前半の「Just Sayin」ではシンプルながらも生演奏リズム隊の生み出すグルーヴがSyd tha Kydのヴォーカルを引き立てます。後半の「I Tried」はヴォーカル・ワークを含めて、白日夢のような美しくも幻想的な音世界が展開されます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZB48I3tQziw
「For the World」
Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にも参加していた注目アーティストJames Fauntleroyをフィーチャー。と言いつつ、Syd tha Kydと共同でソングライティングしているものの、演奏後の談笑で登場しているのみだと思うで、フィーチャリングと呼ぶにはビミョーな気がします。それでもメロウな演奏自体は悪くないですよ。
https://www.youtube.com/watch?v=thwQ3GkyppA
「Girl」
Hip-HopアーティストKaytranadaをフィーチャー。Kaytranadaによるトラックにのって、Syd tha Kydが哀愁ヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=zmY8mG4_3j4
「Special Affair」
虫やカエルの鳴き声が聴こえてくるストレンジな雰囲気の仕上がり。Syd tha Kydのヴォーカルに絡みつくSteve Lacyのベースが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=ESxDzsv3CkI
「Somthing's Missing」
オルタナティブR&Bならではのクール&メロウな質感が心地好い1曲。こういったさりげないメロウ・チューン大好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=vtq2KmRqHZA
「Partners in Crime Part Three」
『Feel Good』に収録されていた「Partners in Crime Part Two」の続編という位置付けでしょうか。かなり雰囲気は異なりますが、ビートの効いたトラックが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=-xwSSaM8-i4
「Penthouse Cloud」
美しくも切ない哀愁メロウ・サウンドとSyd tha Kydの消え入りそうなヴォーカルが印象的です。この切なさがたまりません。終盤はガラっと展開が変わります。
https://www.youtube.com/watch?v=X9iRXsLSoK0
「Palace/Curse」
ラストは総帥Tyler, the CreatorとSteve Laceyをフィーチャー。「Palace」はTyler, the Creatorが存在感を示してくれるOdd Futureらしい仕上り。Steve Laceyをフィーチャーした「Curse」はメロウに躍動する感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=zsBQtklWNvA
未聴の方は1st、2ndもチェックを!
『Purple Naked Ladies』(2011年)
『Feel Good』(2013年)