2015年07月17日

Dusko Goykovich『Swinging Macedonia』

"バルカンの至宝"の代表作☆Dusko Goykovich『Swinging Macedonia』
スインギン・マケドニア
録音年:1966年
ez的ジャンル:"バルカンの至宝"ジャズ・トランぺッター
気分は... :これぞ名盤!

今回は"バルカンの至宝"Dusko Goykovich の代表作『Swinging Macedonia』(1966年)です。

Dusko Goykovich 1931年旧ユーゴスラビア(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)のヤイツェ生まれのジャズ・トランぺッター。

ベオグラードの音楽学校で学んだ後、1961年に渡米し、バークリー音楽院で学んだ後、Maynard FergusonWoody Hermanのバンドで活動した後、ヨーロッパを拠点に活動し、今日までコンスタントに作品をリリースしています。

そんな"バルカンの至宝"を代表するアルバムが本作『Swinging Macedonia』(1966年)です。今日、再評価が高まっている1枚でもあります。

レコーディング・メンバーはDusko Goykovich(tp、flh)、Nathan Davis(ss、ts、fl)、Eddie Busnello(as)、Mal Waldron(p)、Peter Trunk(b)、Cees See(ds)です。

Nathan DavisMal Waldronという当時ヨーロッパに渡っていたUSジャズ・ミュージシャンの参加が目を引きます。

何より演奏が粒揃い!

Nicola Conteもかつてカヴァーした「Macedonia」、『須永辰緒の夜ジャズ』にも収録された人気曲「The Nights Of Skopje」「Old Fisherman's Daughter」「Bem-Basha」「Balcan Blue」、エキゾチック・ダンシング・ジャズ「Macedonian Fertility Dance」など今聴いても古さを全く感じない素晴らしい演奏が満載です。

「The Gypsy」「Macedonian Fertility Dance」の2曲以外はGoykovichのオリジナルです。

クラブジャズ好きの人であれば、聴くべき1枚だと思います。
"バルカンの至宝"の魅力を存分に満喫しましょう。

全曲紹介しときやす。

「Macedonia」
これぞ哀愁ジャズの決定盤。少しエスニックな雰囲気が漂う哀愁モードのアンサンブルがたまりません。Goykovichのソロも実にキマっています。今聴いても実に格好良い演奏ですね。
https://www.youtube.com/watch?v=mQhu7Uttcp4

本曲といえば、Nicola Conte『Rituals』(2008年)でカヴァーしていましたね。このNicola Conteヴァージョンで本曲を知った方も多いのでは?
Nicola Conte「Macedonia」
 https://www.youtube.com/watch?v=jzKB8xESzcE

「Old Fisherman's Daughter」
Goykovichの代表曲の初演。Goykovichの優しげなミュート・トランペットが実にいいですね。Nathan Davisの戯れのようなフルートも効いています。雰囲気をガラリと変えるEddie Busnelloのサックスも印象的です。日本人女性ジャズシンガーAkikoがカヴァーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=SBM9wPgpeWQ

「Jumbo Uganda」
アフロ・キューバンなドラム・ソロと共にスタートします。アフロ・キューバンな疾走感とビバップなGoykovichのソロにグッときます。

「The Gypsy」
Billy Reid作のスタンダードをカヴァー。ノスタルジックな雰囲気にグッとくるバラードをGoykovichのトランペットが歌い上げます。
https://www.youtube.com/watch?v=4zYRXRnKvxk

「Macedonian Fertility Dance」
Mal Waldron作。この演奏も実にエキゾチックです。そんなエキゾチックな雰囲気とダンシング・ジャズ的な疾走感を併せ持つサウンドは正にクラブジャズを予見していたかのようです。
https://www.youtube.com/watch?v=wSj6s-b-3BU

「Bem-Basha」
この曲もGoykovichを代表する哀愁ジャズ。哀愁モードながらも小粋なセンスが光る演奏です。Nathan Davisのテナー・ソロもにもグッときます。
https://www.youtube.com/watch?v=9JABjw8rHZ8

「Saga Se Karame」
Goykovich、Davis、Busnelloの三管によるアンサンブルが素晴らしいです。

「Wedding March Of Alexander The Macedonian」
キャッチーなハードバップ。本作の中では王道な演奏かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=gCe0cDWRB6I

「The Nights Of Skopje」
『須永辰緒の夜ジャズ』にも収録された再評価の高い1曲。マケドニアの首都スコピエの夜を表現した変拍子の哀愁ジャズ。Goykovichの美学が貫かれた演奏は、ただ素晴らしいの一言です。
https://www.youtube.com/watch?v=9DIF1kDTLnE

「Balcan Blue」
ラストの本曲もGoykovichの代表曲。アフロ・キューバンなエッセンスとモーダルな演奏が見事に結び付いた格好良い演奏で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=LieSltHXXk8

『Belgrade Blues 』(1966年)
ベオグラード・ブルース

『Ten To Two Blues』(1971年)
テン・トゥー・ツー・ブルース

『After Hours』(1971年)
After Hours

『Slavic Mood』(年)
Slavic Mood

『Celebration』(1987年)
セレブレーション(紙ジャケット仕様)

『Soul Connection』(1994年)
ソウル・コネクション

『Bebop City』(1995年)
BEBOP CITY

『Balkan Connection』(1996年)
BALKAN BLUE

『In My Dreams』(2001年)
IN MY DREAMS

『5 Horns And Rhythm』(2002年)
5 HORNS & RHYTHM UNIT

『Samba Do Mar』(2003年)
サンバ・ド・マー

『A Handful o' Soul』(2005年)
ア・ハンドフル・オブ・ソウル

『Samba Tzigane』(2006年)
SAMBA TZIGANE
posted by ez at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 1960年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする