発表年:2015年
ez的ジャンル:アルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレ
気分は... :水の音節
今回はアルゼンチン・コンテンポラリー・フォルクローレ作品からSebastian Macchi/Claudio Bolzani/Fernando Silva『Luz De Agua : Otras Canciones』です。
パラナ河の美しい自然を讃えた詩人Juan l. Ortizの詩にメロディをつけたコンテンポラリー・フォルクローレの名作『Luz De Agua』(2005年)を生み出したSebastian Macchi(p、key、vo)、Claudio Bolzani(g、mandolin、vo)、Fernando Silva(b、cello、g、vo)という3人のミュージシャンが、再び結集して創り上げた続編が『Luz De Agua : Otras Canciones』です。
3人のうち、Fernando Silvaについては2013年にリリースした『Miro Por La Ventana』を当ブログで紹介しました。『Miro Por La Ventana』は年末恒例の『ezが選ぶ2014年の10枚』にもセレクトし、心の平静を保つ特効薬として僕のお気に入りの1枚となりました。
そして、届けられた『Luz De Agua : Otras Canciones』も、『Luz De Agua』、『Miro Por La Ventana』同様に、コンテンポラリー・フォルクローレの魅力を存分に伝えてくれる1枚に仕上がっています。
目を閉じて聴くと田園風景が広がるサウンド・スケープ的な音世界にグッときます。
アルバムには3人に加え、Pedro Guastavino(vo)、Mariano Cantero(Aca Seca Trio)(ds、per)、Carlos Aguirre(per)、Luciano Cuviello(ds)、Jjuan Pablo di Leone(fl)がゲストとして参加しています。
緻密さと美しさと素朴さを併せ持つコンテンポラリー・フォルクローレの世界を楽しみましょう。
これからの季節に聴くと、微風のような涼しさを感じる1枚だと思います。
全曲紹介しときやす。
「Crepuusculo en el campo de Gualeguay」
Sebastian Macchi作。本作で唯一Juan l. Ortizを用いた楽曲がオープニング。田園の黄昏風景のサウンドスケープをコンテンポラリー・フォルクローレらしい澄み切った音色で聴かせてくれます。
「Los Viajes」
Claudio Bolzani作。作者Bolzaniのギターを中心に、Macchiのピアノ、Silvaチェロによる素晴らしいアンサンブルを楽しめる1曲。Jjuan Pablo di Leone、Mariano Canteroがゲスト参加しています。
「Otro Atardecer」
Sebastian Macchi作。フォルクローレらしい素朴な雰囲気がいいですね。この曲にもMariano Canteroが参加しています。
「Aguasiilabas」
Sebastian Macchi作。邦題「水の音節」。移り往く田園風景という「世界の車窓から」的な趣が心地好い1曲。
「Muusicas que la Adormilaban」
Fernando Silva作。ミステリアスな美しさに惹かれます。Silvaの美学を感じます。
「Ceibas」
Sebastian Macchi作。村の小さな物語といった趣のヴォーカル曲。Bolzaniのマンドリンも効いています。
「Gran Ciudad」
Sebastian Macchi作。Sebastian Macchiの美しい感性に魅了されます。MacchiのピアノとSilvaのチェロが織り成す素晴らしい音色にもグッときます。
「Mayo」
Claudio Bolzani作。ゲストのJjuan Pablo di LeoneによるフルートとBolzaniのギターが印象的です。コンテンポラリー・フォルクローレらしいサウンドスケープを感じるインストです。
「Lourdes」
Sebastian Macchi作。Pedro Guastavino、Carlos Aguirre参加曲。僕の一番のお気に入り曲です。コンテンポラリー・フォルクローレならではの緻密な音世界にグイグイ惹き込まれます。
「Tarde de Mayo」
Fernando Silva作。アルバムの中では最も都会的な雰囲気のサウンドで締め括ってくれます。
Fernando Silva『Miro Por La Ventana』(2013年)