発表年:2005年
ez的ジャンル:デンマーク産クラブジャズ
気分は... :宇宙の力・・・
今回はデンマークのクラブジャズ・ユニットPovoの『We Are Povo』(2005年)です。
Povoはマルチ・リード奏者Lars VissingとDJのAnders Andreasenがコペンハーゲンで結成したクラブジャズ・ユニット。
2002年に本作収録の「Good & Bad」、「Uam Uam」も収録した3曲入りEPでデビュー。そして2005年にスウェーデン、ストックホルムのダンス・レーベルRaw Fusionからリリースした1stアルバムが『We Are Povo』(2005年)です。
Raw Fusionからのリリースということで、ダンス・モード全開のニュー・ジャズ/クラブジャズをイメージしてしまいますが、オーソドックスなヨーロピアン・ジャズ的な演奏も多く、想像以上に落ち着いた印象を受けるかもしれません。
レコーディングにはLars Vissing(brass)、Heine Hansen(p)、Bastian Sjelberg(b)、Lennart Ginman(b)、Ed Thigpen(ds)、Mikkel Hess(ds)、Frands Rifbjerg(ds)、Peter Fuglsang(Clarinet)等が参加しています。メンバーのうち、Anders AndreasenはDJ的なセンスを活かし、曲作りや音作りの方向決めというかたちで関与しているようです。
さらにTrine-Lise Vaering、Mark Linn、Katrine Madsen、Ed Jonesといったヴォーカリストが参加しています。
僕が保有するのはボーナス・トラック3曲が追加収録された国内盤です。本作に関しては、ボーナス・トラック3曲が本編以上のハイライトとなるので、購入するのであれば絶対国内盤をオススメします。
全曲紹介しときやす。
「Intro」
Heine Hansenのピアノによるアルバムのイントロ。
「Million Ways」
Trine-Lise Vaeringのヴォーカルをフィーチャー。ミステリアスな妖艶さにグッときます。秘密の館へようこそ・・・って雰囲気かな(笑)
https://www.youtube.com/watch?v=FasjO5F3edk
「We Are Povo」
Nu Jazzモードのジャズ・ダンス。ただし、Lars Vissingのリードも含めて落ち着きのあるジャズ・ダンスって感じがこのユニットの特徴かも?
https://www.youtube.com/watch?v=polI5ZlzzRQ
「Eyes Closed」
Trine-Lise Vaeringのヴォーカルをフィーチャー。Vaeringのハスキー・ヴォーカルがいい雰囲気を醸し出す哀愁バラード。Peter Fuglsangのバス・クラリネットがいいアクセントになっています。
https://www.youtube.com/watch?v=EiCVWU0vlTg
「Good & Bad」
少しフューチャリスティック感のあるラウンジ・チューン。Ed Thigpenのスピークがラウンジ感を高めてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=6LETYlSGB30
「Too Right To Be Wrong」
Mark Linnのヴォーカルをフィーチャー。少し地味めですが、緩急でアクセントをつけています。
https://www.youtube.com/watch?v=wvagCzqiUlU
「Interlude」
Heine Hansenのピアノによるインタールード。
「Perfect Day」
Lou Reedの名曲をカヴァー。オリジナルは当ブログでも紹介した名作『Transformer』(1972年)に収録されています。Duran Duranがカヴァーしたり、映画『Trainspotting』(1996年)のサントラにも収録されていました。ここではTrine-Lise Vaeringのヴォーカルをフィーチャーし、バラード仕立てで聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=NmXHR8OflO8
「Ed The Bull」
メンバーのオリジナルですが、まるでスタンダードを演奏しているかのようです。この余裕がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TsvSjxEIibk
「Hot Lips」
Mark Linnのヴォーカルをフィーチャー。パーカッシヴに疾走します。ヒップな感覚にグッときます。「Too Right To Be Wrong」以上にMark Linnの魅力が伝わってきます。
https://www.youtube.com/watch?v=TwFmNYofYN8
「Be Da Bau」
クラブジャズらしいダンサブルな演奏が楽しめます。このあたりはAnders AndreasenのDJ的センスでしょうね。
https://www.youtube.com/watch?v=NhMKn9Qyl6A
「Uam Uam」
Art Farmer/Quincy Jones作の「Mau Mau」をカヴァー。Nu Jazzのコンピ・アルバムにも収録されたダンサブル・チューンです。
https://www.youtube.com/watch?v=XvqgU7GSwV8
「You Are!」
デンマークのベテラン・シンガーKatrine Madsenをフィーチャー。しっとりとした大人のバラードで本編を締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=gA-nf9j5u00
国内盤には以下の3曲がボーナス・トラックとして追加収録されています。この3曲でさらに本作の価値がアップしていると思います。特に「You Are! (Nicola Conte New Samba RMX)」、「East On West」の2曲は本編以上の注目曲かも?
「You Are! (Nicola Conte New Samba RMX)」
「You Are!」のNicola Conteによるリミックス。さらにバックをPietro Lussu(p、el-p)、Pietro Ciancaglini(b)、Lorenzo Tucci(ds)というイタリアの実力派トリオLTCのメンバーが務めています。Nicola Conteらしいフロア仕様のボッサなクラブジャズに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=JMoL0M6JYoE
「Senior Blues」
Horace Silver作品をカヴァー。Ed Jonesのヴォーカルをフィーチャーした少しビターな仕上り。シブくていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=9ImaKLfj_HE
「East On West」
ある意味で本作のキラー・チューンはコレかもしれませんね。著名DJたちが大絶賛したダンシング・ジャズ!Ed Jonesのヴォーカルをフィーチャーし、Nu Jazzらしいスピード感で一気に駆け抜けます。
https://www.youtube.com/watch?v=EQArcuHL3qw
グループは2010年に2ndアルバム『The Yellow Of The Sun In You』(2010年)をリリースしています。
『The Yellow Of The Sun In You』(2010年)