2015年07月24日

Quinteto Ternura『Quinteto Ternura』

Trio Ternuraからパワーアップしたブラジリアン・ヤングソウル☆Quinteto Ternura『Quinteto Ternura』
キンテート・テルヌーラ
発表年:1974年
ez的ジャンル:ブラジリアン・ソフトロック/ヤングソウル系男女コーラス
気分は... :パワーアップ!

今回はブラジルの男女コーラス・グループQuinteto Ternura『Quinteto Ternura』(1974年)です。

Quinteto Ternuraは、1960年代後半からTrio Ternuraとして活動していたJurema Lourenco da SilvaRobson Lourenco da SilvaJussara Lourenco da Silvaの3人に、LeoJose Robertoが加わった男性3名女性2名のコーラス・グループ。

Trio Ternura時代には『Trio Ternura』(1968年)、『Trio Ternura』(1971年)等のアルバムをリリースしています。特に後者は本作と並び再評価の高い1枚ですね。僕もCDを保有しており、愛聴しています。

Trio TernuraをパワーアップさせたのがQuinteto Ternuraという流れになると思いますが、確かに本作『Quinteto Ternura』(1974年)は、『Trio Ternura』(1971年)からの進化が窺える1枚に仕上がっています。

アルバムにはAlex Malheiros(b)、Mamao(Ivan Conti)(ds)といったAzymuthのメンバーや、Luiz ClaudioA Brazuca)(g)、()、ChacalSergio Mendes & the New Brasil '77)(per)、Chico BateraSergio Mendes & Brasil '65)(per)といった名うてのブラジル人ミュージシャンが参加しています。また、3曲で男性コーラス・デュオBurnier & Cartier(Octavio Burnier、Claudio Cartier)がフィーチャーされています。

アレンジはLaercio De FreitasAlberto ArantesArthur VerocaiHugo Bellardの4名が務め、各人がいい仕事ぶりで本作に貢献しています。

これほどフリーソウル的なブラジル作品には滅多に出会えないかもしれませんね。その意味では実にヤングソウル/ソフトロック的な仕上りです。同時に、フリーソウルらしいメロウ・サウンドに魅了される1枚でもあります。

特にArthur Verocaiがアレンジを手掛けた「Baby」Caetano Veloso作の名曲カヴァー)、「Consgui Concluir」の2曲は本作のハイライトと呼べるでしょう。

それ以外にも「Leao De Bronze」「Eu Preciso Te Encontrar」「Come To Me Together」「Logo Cedo」など良い曲が揃っています。

ブラジル音楽好き以外に、フリーソウル好き、ソフトロック好きの人も要チェックの1枚だと思います。

全曲紹介しときやす。

「Quando Gosta E Pra Valer」
Cassiano/Paulinho Motoka作。壮大なオーケストレーションをバックに、憂いを帯びた男性リード・ヴォーカルと美しいコーラス隊が印象的です。 ただし、僕には少し仰々しく感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=HLlzMtvVzEE

「O Amigo」
Beto Quartin/Sergio Bittencourt作。男臭く熱唱するブラジリアン・ソウル。

「Leao De Bronze」
オススメその1。Luiz Bandeira作。爽快メロウなグルーヴ感が心地好いブラジリアン・ソフトロック。華やかでカラフルな雰囲気がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=JpPP2DcF4V0

「Baby」
オススメその2。Caetano Veloso作。Gal Costaヴァージョンでお馴染みの名曲。当ブログではトロピカリズモ名盤『Tropicalia: ou Panis Et Circencis』収録のGal & CaetanoヴァージョンやOs Mutantesヴァージョン、Bebel Gilbertoも紹介済みです。本作においてもこの名曲カヴァーはハイライトです。この名曲の新たな魅力を伝えてくれる好カヴァーだと思います。キュートな女性コーラスとエレピのメロウな響きがたまりません。この至極のメロウネスはアレンジを担当したArthur Verocaiの手腕かもしれません。
https://www.youtube.com/watch?v=K5MOAiA11eQ

「Consgui Concluir」
オススメその3。Paulo Cesar Barros/Prentice Neto作。「Baby」と並ぶ本作ハイライト。「Tighten Up」のメロウ・ヴァージョンといった雰囲気でメロウに疾走します。この曲のアレンジもArthur Verocai。やはり、この人の職人技はスゴイですな。
https://www.youtube.com/watch?v=5f_dd-x9SvA

「Ele E Ela」
Ivan Wrigg/Octavio Burnier作。Burnier & Cartier参加曲の1曲目。涼しげなアコギ音色が心地好いフォーキー・グルーヴ。

「Eu Preciso Te Encontrar」
オススメその4。Hugo Bellard作。爽快ポップなブラジリアン・ソフトロック。素敵なメロディを透明感のあるヴォーカルで歌い上げるビューティフルな仕上り。
https://www.youtube.com/watch?v=oGauyifWWeA

「Velha Amizade」
Fabio/Paulo Imperial作。ジェントルな雰囲気が漂うメロウ・バラード。エレガントなアレンジもグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ZjENQ2hnKLQ

「Come To Me Together」
オススメその5。Athayde/Octavio Burnier作。Burnier & Cartier参加曲の2曲目。フリーソウル好きの人が気に入りそうなアコースティック・メロウ。Alzo & Udineあたりと一緒に聴いても合うかも?

「Chegando」
Paulo Brito作。男女デュエットによるメロウ・チューン。ここでもArthur Verocaiによる素晴らしいアレンジが際立ちます。
https://www.youtube.com/watch?v=Pw6l1nhEzFE

「Logo Cedo」
オススメその6。Octavio Burnier作。Burnier & Cartier参加曲の3曲目。開放的なファンキー・メロウ・サウンドが実に心地好いです。
https://www.youtube.com/watch?v=bJR5G0BoSpQ

「Falsos Caprichos」
Betto Scalla/Sao Betto作。ラストはヤングソウルな雰囲気で締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=iTR6uy520oU

『Trio Ternura』(1971年)もそのうち取り上げたいと思います。
posted by ez at 01:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする