発表年:1979年
ez的ジャンル:ハワイアンAOR
気分は... :ハワイへの憧れ・・・
今回はハワイアンAORの人気作Ray Gooliak『Home Away From Home』(1979年)です。
Ray Gooliakは1951年インディアナ州インディアナポリス生まれの男性シンガー・ソングライター。
ミュージシャンを志しながらツアーを続ける生活を送っていたGooliakでしたが、友人に会いに訪れたマウイ島を気に入り、最終的に移住することになります。そして、ホノルルのラジオ局が主催したソングライター・コンテストへ応募した自作曲「Maui On My Mind」が見事入選し、コンピ・アルバム『Home Grown 2』に同曲が収録されました。
その直後に自主制作で作ったソロ・アルバムが本作『Home Away From Home』(1979年)です。ただし、レコーディングはハワイではなく、故郷のインディアナポリスで行われました。しかしながら、インディアナポリス録音でもハワイへの思いが存分に伝わってくるハワイアンAORに仕上がっています。
楽曲はすべてGooliakのオリジナルであり、演奏の大半もマルチ・プレイヤーであるGooliakが殆どの1人で演奏しています。実際の音やヴォーカルを聴けば、Gooliakの緻密で丁寧な仕事ぶりに感心させられるはずです。
基本はハワイアンAORですが、ウエスト・コーストの爽快なエッセンスもかなり入っているのが本作の特徴です。また、多重録音による素晴らしいヴォーカル・ワークも本作の大きな魅力です。Gooliakのヴォーカルは、"ハワイのNed Doheny"と評されるように、爽快なハイトーン・ヴォーカルの中にブルー・アイド・ソウル的なフィーリングも感じることができます。
ハワイアンAORらしいメロウ・チューン「Maui On My Mind」、「All Alone」、ウエスト・コーストの爽快さが加わった「Goodbye Aloha」、「Making Amends」あたりが僕のオススメです。
ジャケもハワイアンAORの雰囲気たっぷりでいいですね。
全曲紹介しときやす。
「Goodbye Aloha」
オススメその1。ウエスト・コースト風の爽快メロウでアルバムは幕を開けます。この爽快コーラスはウエスト・コースト・ロック好きの人は気に入るはず!
「Dream Lady」
素晴らしいヴォーカル・ワークが光るメロウ・フォーキー。Gooliakの丁寧な仕事ぶりを実感できます。
「Making Amends」
オススメその2。ハワイアンAOR+ウエスト・コーストといった雰囲気のメロウネスの相乗効果にグッときます。Gooliakの音楽嗜好がよく反映された1曲なのでは?それにしてもこの人はヴォーカル・ワークのセンス抜群ですな。
https://www.youtube.com/watch?v=YRmLJMbhcgw
「Love Is All」
彼の持つブルー・アイド・ソウル的センスを楽しめる1曲。ここでも多重録音による素晴らしいコーラスワークで魅了します。
「See」
派手さはありませんが、彼の曲作り、サウンド作り、ヴォーカル・ワークの巧みさを存分に楽しめる1曲です。
「Take Good Care (Of Your Time)」
オススメその3。Gooliakのハイトーン・ヴォーカルがグッド・ヴァイヴを届けてくれる爽快メロウ・グルーヴ。
「Maui On My Mind」
オススメその4。前述の『Home Grown 2』収録曲ですが、本ヴァージョンは新録です。より爽快メロウ感が洗練されたハワイアンAORへバージョン・アップしています。多重録音による素晴らしいコーラスワークにもグッときます。
「Hold Her Own」
アルバムの中では最もロッキンな雰囲気です。悪くはないですが、僕が本作に求めるのはこういう音ではないかな・・・
「All Alone」
オススメその5。「Maui On My Mind」と並ぶお気に入り。メロウなアコースティック・サウンドと軽くブルー・アイド・ソウル的なGooliakのヴォーカルとサックスの組み合わせがいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=P-tAzkl8SkU
「Home Away From Home」
ギター主体のサウンドが目立つ本作ですが、ラストは鍵盤主体のビューティフル・バラードで締め括ってくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=bQvDkWXseEA
1996年にはハワイのミュージシャン達がGooliak作品を演奏したアルバム『Isle Say』が発表されています。
『Isle Say』(1996年)