大注目の西海岸R&Bアーティストのオフィシャル・デビュー作☆
SiR『Seven Sundays』♪
発表年:2015年
ez的ジャンル:L.A.インディR&B
気分は... :揺らぎの音世界・・・
今回は新作R&B作品から
SiR『Seven Sundays』です。
SiRこと
Darryl Farrisはカリフォルニア州イングルウッド出身のR&Bシンガー/ソングライター。
Darrylは、ソウル/ゴスペル・シンガー
Jackie Goucheを母に持ち、二人の兄もプロデューサー/ソングライター/アーティストとして活躍しています。
Daniel "D-Smoke" FarrisはJaheimやTyreseのソングライティングを手掛け、もう一人の兄
Davion FarrisはTrey Songzや
Pleasure Pのソングライティングを手掛けたほか、2013年にはソロ・アルバム
『Davion Farris』をリリースしています。
さらに大物ベーシスト
Andrew Goucheを叔父に、プロデューサー/ソングライターとして活躍する
Tiffany Goucheを従姉妹に持つというミュージシャン家系です。
Farri3兄弟とTiffany Goucheは早くから
Woodworksというファミリー・グループを組んでいたようです。
そんな環境でDarrylも自然と音楽業界に身を置くようになり、兄らと共に
Ginuwineのソングライティングなどを手掛けました。
最近は人気プロデュース・チーム
Dre & Vidalの一人
Andre Harrisのプロダクションとソングライター契約を結び、
LeToya Luckett feat. T.I.「Don't Make Me Wait」や
Jill Scottの最新作
『Woman』でリード・シングル
「Fool's Gold」を含む3曲のソングライティングを手掛けています。
また、
Kendrick LamarらのクルーBlack Hippyの一員であるラッパーJay Rockの最新作『90059』に、
Kendrick Lamarらと共にゲスト参加しています。
このように
"SiR" Darryl Farrisの存在が注目されつつあるタイミングでリリースされたのがデビュー・アルバム
『Seven Sundays』です。
2012年に
『Wooden Voodoo』、2014年に
『Long Live Dilla』というミックステープをリリースしているので、本作
『Seven Sundays』はオフィシャル・デビュー・アルバムと説明した方が適切かもしれません。ちなみに、
『Long Live Dilla』はタイトルからも察しがつくように、
J Dillaへのオマージュです。
本作では
SiR自身は敢えてシンガーに徹し、プロデュースは他者に委ねており、セルフ・プロデュースは1曲のみです。
起用されたプロデューサー陣は、
Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』にもプロデューサーで参加した注目の才能
Knxwledge、前述の
Jill Scott「Fool's Gold」のプロデュースも手掛けた
DK The Punisher、元
Robert Glasper Experiment、最近は
D'Angelo & The Vanguardのバンドにも参加している旬のドラマー
Chris Dave、
Kendrick Lamarや
R. Kelly『Write Me Back』もプロデュースした
J.LBS、従姉妹の
Tiffany Gouche、自身のアルバム『(VIBE)rations』(2013年)にKnxwledge、J.LBS、Tiffany Goucheが関与していたR&Bシンガー/ソングライター/プロデューサー/ミュージシャンの
Iman Omari、イングルウッドを拠点に活動するプロデューサー
Alvin Isaacsといった多彩な顔ぶれです。
多彩なプロデューサー陣が手掛けるトラックは、全体的にアトモスフィック、アンビエント、コズミックといった形容したくなるものが多いですね。それらの秀逸トラックと、メロウ&セクシーなSiRのヴォーカルの組み合わせがたまりません。
特に
「Love You」、
「The Real」、
「N.B.N.」、
「Falling」、
「He Deserves Your Love」といった揺らぎのある音世界が僕にはツボです。
SiR自身の才能と多彩な多彩なプロデューサー陣の才能がケミストリーを起こした素晴らしい内容の1枚だと思います。
繰り返す聴き込むほどに、この音世界に惹き込まれる中毒性のある1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Love You」Knxwledgeプロデュース。浮遊感のあるトラックと憂いを帯びたSiRのヴォーカルが独特の世界を醸し出します。揺らぎのあるセクシー感がたまりません。このオープニングを聴いて、購入を即決しました。
https://www.youtube.com/watch?v=aAEPCZjPKNs「In The Sky」Knxwledgeプロデュース。Fat Ronをフィーチャー。アングラHip-Hop調です。Knxwledgeらしい手腕が発揮されたトラックなのでは?
「You Ain't Ready」Tiffany Goucheプロデュース。兄D-Smokeをフィーチャー。兄弟、従姉妹がタッグを組んだ1曲。派手さはありませんが、ハンドクラップを巧みに使うなどシンプルな中にもTiffanyセンスが窺えます。
「The Real」DK The Punisherプロデュース。コズミックな音世界が拡がる僕好みのトラック。西海岸らしいアンダーグランド感があっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=vQ4ogiMoya0 「Right By You」J.LBSプロデュース。哀愁モードの疾走感にグッとくるキャッチーな仕上り。J.LBSの手腕が光ります。
https://www.youtube.com/watch?v=S3ha7g_KEM4 「JAY Z」J.LBSプロデュース。シンプルながらもメロウなトラックがいいですね。まどろみ感があります。
https://www.youtube.com/watch?v=F3geeMSG3jw 「N.B.N.」J.LBSプロデュース。軽くL.A.ビートミュージックの影響も感じるトラックと儚い雰囲気が漂うSiRのヴォーカルが生み出す音世界はモロに僕好み。
「Liberation」Chris Daveプロデュース。Anderson .Paakをフィーチャー。前述のように
J Dillaから大きな影響を受けたSiRにとって、人力で
J Dillaビートを叩き出すChris Daveとの共演は待望していたものかもしれませんね。実に興味深く聴きました。
「Falling」Alvin Isaacsプロデュース。憂いを帯びたダウナー感が印象的です。ダウナーなのにセクシーに聴かせてしまうのがSiRのヴォーカルの魅力かもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=srHobAovRXU 「Can We Still」Iman Omariプロデュース。少しアンビエントなトラックとSiRの儚いヴォーカルがよくマッチしています。
「The Perfect Remedy」「Crashing Down」J.LBSプロデュース。さり気ないですが、アトモスフィックな美しいトラックとSiRのメロウ・ヴォーカルがいい感じです。
「The Bullet And The Gun」Knxwledgeプロデュース。
「He Deserves Your Love」DK The Punisherプロデュース。アンビエントな美しさを持つトラックとSiRの憂いのメロウ・ヴォーカルが際立つ感動的なエンディング!
サッカーはマインツの武藤がブンデス初ゴール&2点目を決めましたね。
早い時期に結果を残せて良かった!