2015年08月22日

Lil Albert『Movin' In』

元Society Of Sevenメンバーによるメロウ・グルーヴ作品☆Lil Albert『Movin' In』
ムーヴィン・イン
発表年:1976年
ez的ジャンル:ハワイアン??メロウ・グルーヴ
気分は... :ハワイのようでハワイではない・・・

今回はハワイアン・メロウ・グルーヴとして知られる1枚、Lil Albert『Movin' In』(1976年)です。

Lil AlbertことAlbert Maligmatはフィリピン、マニラ出身。兄弟でThe Rocky Fellersというグループを組み、USマーケットへ進出し、1963年にはシングル「Killer Joe」が全米チャート第16位のヒットとなっています。

The Rocky Fellersは60年代後半に活動を休止させますが、Albertは1970年代に入るとハワイの人気グループSociety Of Sevenに加入します。さらに1976年にSociety Of Sevenを脱退したAlbertは、1978年にシカゴのブラス・ロック・バンドThe Mobに加入しています。しかしながら、1981年には出戻りでSociety Of Sevenに再加入しています。

本作『Movin' In』はSociety Of Seven脱退後間もなく、ハワイを離れて西海岸でレコーディングされたアルバムです。

プロデュース/ソングライティングはSociety Of Sevenも手掛けていたErnie Freeman。レコーディングにはPaul Humphrey(ds)、Sylvester Rivers(p)、Arthur Wright(g)、Greg Poree(g)、John Williams (b)、Larry Latimer (per)、George Bohanon(tb)、Plas Johnson(ts)、Paul Hubinon(tp)等が参加しています。

元Society Of Sevenメンバーの作品ということでハワイアン・メロウ・グルーヴとして知られる1枚ですが、上記のとおり、Albert自身はハワイ出身ではなく、レコーディング場所もハワイではありません。

当ブログで紹介したハワイアン・メロウ/AOR作品といえば、Kalapana
Mackey Feary BandSummerLemuriaTender LeafBabaduCountry Comfort等がありますが、本作はこれらの作品と同じ流れで位置づけられるような作品とは少し異なる気がします。

少し前に当ブログで紹介したRay Gooliak『Home Away From Home』(1979年)のように、ハワイでレコーディングされていなくとも十分にハワイを感じる作品もありますが、正直本作はそれ程ハワイ色が前面に打ち出されている訳でもありません。

ただし、メロウ・グルーヴ作品という点では、十分に魅力的な1枚に仕上がっていると思います。想像以上にソウルフル/ファンキーな1枚というのが僕の印象です。

某Mix CDにも収録されていた「My Girl Friday」、フリーソウル的な「Who Do The Vodoo (Baby Like You Do)」、ソウルフルなメロウ・グルーヴ「Outrageous」、都会的ファンキー・グルーヴ「Loose Woman」、メロウ・バラード「Movin' In」あたりが僕のオススメです。

"ハワイアン"という形容に惑わされず、楽しんで欲しい1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Movin' In」
タイトル曲はメロウ・バラード。Albertのヴォーカルの魅力を実感でき、重厚なオーケストレーションが盛り上げてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=-rO9nJ8xj40

「My Girl Friday」
今日再評価が高いのは本曲かもしれませんね。ソウルフルな魅力を持ったメロウ・グルーヴ。サビのポップな展開もいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=UDVicjj9hLo

「Who Do The Vodoo (Baby Like You Do)」
個人的には一番のお気に入り。フリーソウル好きの人が気に入りそうな1曲ですね。女性コーラスも含めたヴォーカルワークが気に入っています。軽くラテン・フレイヴァーが効いているのも僕好み!
https://www.youtube.com/watch?v=f-i4rUGyY9g

「Roads」
オーケストレーションを配したメロウ・バラード。

「(Restin' My Bones, Gettin' Stoned) Daydreamin'」
リラックスした雰囲気が伝わってくるヴォーカル&演奏です。ソウルフルなヴォーカルワークもいいですね。わざと力んでみせるAlbertの遊び心のあるヴォーカルが印象的です。

「Outrageous」
ソウルフルなメロウ・グルーヴ。曲、ヴォーカル、サウンドが調和しています。僕の好みからすると、オーケストレーションが少し出過ぎなのですが、それでも好きな演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=evTVKaM9CCA

「Fox Of The Year」
イナたい雰囲気の仕上がり。僕の好みとは少し違うかな・・・

「Loose Woman」
この演奏も大好き!アルバムで最もソウル・フィーリングを感じる都会的なファンキー・グルーヴ。

「River Of Steel」
ラストもファンキーな雰囲気で締め括ってくれます。ファンキー・オルガンや女性コーラス隊もグッド!
https://www.youtube.com/watch?v=ja6lp56qwzQ

最近、「Higher Ground」を歌うStevie WonderのCMをよく見ますが、個人的には複雑な思いがします・・・
posted by ez at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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