発表年:2015年
ez的ジャンル:カナダ産女性ヴォーカル系ソウル/ポップ・バンド
気分は... :レジリエンス!
今回は新作アルバムから、デビュー・アルバム『Spandex Effect』(2013年)が"現代版フリーソウル"として、日本でも人気を博したカナダのグループThe Spandettesの2ndアルバム『Sequin Sunrise』です。
Lizzy Clarke(vo)、Maggie Hopkins(vo)、Alex Tait(vo)という3人の女性ヴォーカリストを中心としたカナダ、トロント出身のグループThe Spandettesの紹介は、デビュー・アルバム『Spandex Effect』(2013年)に続き2回目となります。
デビュー・アルバム『Spandex Effect』(2013年)は、"現代版フリーソウル"の流れを作った作品として音楽シーンに大きなインパクトを残しました。
2014年にはメンバーの一人Alex Taitがソロ・アルバム『Thirty』を発表し、国内盤も今年に入りリリースされました。僕も『Thirty』を試聴しましたが、The Spandettesのイメージとは異なるジャジー・ヴォーカル作品だったのは意外でした。
そのため、次作はどのような方向になるのだろう?と思っていましたが、届けられた新作『Sequin Sunrise』は、デビュー作同様に"現代版フリーソウル"らしい1枚に仕上がっています。
特に本作ではソウル/ディスコ色やJamiroquaiに代表される90年代アシッド・ジャズのエッセンスを強調した曲が目立ちます。また、前作に続き、Lemuriaのカヴァー曲があるのは嬉しい限りです。
本作のメンバーは、上記の女性ヴォーカリスト3名に加え、Thomas Francis(p、org)、Mike Meusel(b)、Kevin Neal(g)、Mackenzie Longpre(ds)、Chris Brophy(as、fl)、Patrice Barbanchon(tp)という9名がクレジットされています。
プロデュースはJustin Abedin。彼はトロントのソウル・バンドJacksoulの元メンバーです。グループの目指す方向性が彼の起用にも表れていると思います。
『Spandex Effect』をお聴きになった方は、1stからの進化を確認しながら聴くと楽しいと思います。
全曲紹介しときやす。
「Love Me Leave Me」
アルバムのリード曲だけあって、キャッチーな疾走感があります。デビュー・アルバム収録の代表曲「Sweet & Saccharine」のメロウ・グルーヴ感に、90年代アシッド・ジャズのテイストを加えた感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=1oM5lPD_bHs
「Little Late」
躍動するガールズ・ポップ・ロック。ガールズ・ポップとニューウェイヴが融合したような感じが面白いですね。
「Lover's Summer Day」
タイトルの通り、夏モードのメロウ・グルーヴ。Spandettesらしいキャッチーなポップ・センスを楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=aAJlNqRSK7Y
「Over Me」
この曲はモロにJamiroquaiですね(笑)。彼女たちのJamiroquai好きがよくわかります。
https://www.youtube.com/watch?v=exPdYG9jFZI
「If You Wanna Stand By Me」
ヴィンテージ・ソウル風のバラード。ただし、モロにレトロ・ソウルではなく、現行バンドによるソウル・バラードという雰囲気なのがいいですね。
「Don't Look Now」
ロッキン・テイストのアシッド・ジャズといった雰囲気でパンチの効いた1曲。
「Mister Mister」
Daft Punk「Get Lucky」あたりを意識したかのようなディスコ・ブギー調のダンス・チューン。Daft Punk+Jamiroquaiって雰囲気ですね。
「Something Good」
ソウル・バンドの雰囲気がよく出た哀愁モードのソウル・チューン。
「So Far Away」
リラックスした雰囲気のレゲエ・・チューン。彼女たちのキュートなヴォーカル・ワークを考慮すれば、こういったラヴァーズ路線は有りですね。
「All I've Got to Give」
前作でもハワイアンAORの人気グループLemuriaの「Hunk of Heaven」をカヴァーしていましたが、本作でもLemuriaを代表するフリーソウル人気曲「All I've Got to Give」をカヴァーしてくれました。これが悪いわけありませんよね。オリジナル同様、黄昏モードが良く似合う素敵なメロウ・チューンに仕上がっています。
「Love Me Leave Me (extended version)」
「Love Me Leave Me」のextended version。
『Spandex Effect』(2013年)
Alex Tait『Thirty』(2014年)