発表年:2003年
ez的ジャンル:プリンセス・オブ・ダークネス系ブルース/ジャズ
気分は... :一瞬にして魂を奪われる...
ジャズを超越した最高の女性シンガーCassandra Wilsonが2003年にリリースした『Glamoured』です。
これまで当ブログで紹介したCassandra Wilsonは以下の6枚(発売年順)。
『Point Of View』(1986年)
『Days Aweigh』(1987年)
『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
『New Moon Daughter』(1995年)
『Traveling Miles』(1999年)
『Belly Of The Sun』(2002年)
前作『Belly Of The Sun』(2002年)は、デルタ・ブルース発祥の地であるミシシッピ州クラークスデールの旧鉄道駅舎に録音機材を持ち込んでレコーディングを行い、ミシシッピ出身のCassandraが自身のルーツを追求した意欲作でした。本作もその流れを受けて、ミシシッピ州ジャクソンでレコーディングを行ったブルース色の濃い1枚に仕上がっています。
"プリンセス・オブ・ダークネス"と呼ばれる彼女の低音ヴォーカルには、ブルースが良く似合うと思います。
本作ではCassandra本人とイタリア人ギタリストFabrizio SottiCassandra Wilson(vo、g)、Brandon Ross(banjo、g)、Fabrizio Sotti(g)、Calvin Jones(b)、Reginald Veal(b)、Jeff Haynes(per)、Terri Lyne Carrington(ds)、Herlin Riley(ds)、Gregoire Maret(harmonica)といったミュージシャンが参加しています。
シンプルながらも各プレイヤーが存在感を示す演奏がCassandraの低音ヴォーカルを引き立ててくれます。全体的にFabrizio SottiおよびBrandon RossのギターとJeff Haynesパーカッションが目立っています。
聴けば聴くほど、お酒が飲みたくなる1枚です(笑)
全曲紹介しときやす。
「Fragile」
オススメその1。Stingのカヴァー。オリジナルは『...Nothing Like the Sun』(1987年)に収録されています。Stingの名曲をしっとりと歌い上げます。哀愁モードのこの曲とCassandraの低音ヴォーカルはフィットしますね。
https://www.youtube.com/watch?v=RN8b7SKPu-Y
「Sleight of Time」
Fabrizio SottiとWilsonの共作。抑えた感じながらも存在感を示すバッキングとCassandraのヴォーカルの一体感がいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=TbmK7kX-syM
「I Want More」
オススメその2。Cassandra Wilson/Fabrizio Sotti/Terri Lyne Carrington作。僕の一番のお気に入り。パーカッシヴなリズムとGregoire Maretのハーモニカが最高に格好良い1曲。軽快なバックを従え、Cassandraのヴォーカルも快調です!
https://www.youtube.com/watch?v=TtbUtoS6nU0
「If Loving You Is Wrong」
Luther Ingram、1972年のヒット曲をカヴァー(Homer Banks/Carl Hampton/Raymond Jackson作)。The Faces、 Millie Jackson、 Barbara Mandrell、Rod Stewartもカヴァーしている楽曲です。哀愁ソウルな本曲をCassandraは少し抑えめのヴォーカルでブルージー&ジャジーに聴かせてくれます。Fabrizio Sottiのギターもいい味出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ZIa5TxR9VrU
「Lay Lady Lay」
オススメその3。Bob Dylanの名曲をカヴァー。オリジナルは『Nashville Skyline』(1969年)に収録されています。当ブログでは『Hard Rain』収録のDylanのライブ・ヴァージョンやThe Isley Brothersのカヴァーを紹介済みです。まさにCassandraにしかできない「Lay Lady Lay」を聴かせてくれます。Brandon Rossのギター、Calvin Jonesのベースをはじめとするアンサンブルも素晴らしい!
https://www.youtube.com/watch?v=dlVAfvZo1LY
「Crazy」
オススメその4。Willie Nelson作。Patsy Cline、1962年のカントリー・ヒットで知られる作品をカヴァー。CassandraのヴォーカルとBrandon Rossのギターが生み出す味わい深さにグッときます。思わずウィスキーが飲みたくなる演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=YpZEvvmB4Y4
「What Is It?」
オススメその5。Cassandra Wilson作。アーシー&パーカッシヴな雰囲気がなかなかいいです。Fabrizio Sottiのギター・プレイにも注目です。
「Heaven Knows」
Cassandra Wilson作。CassandraのヴォーカルとFabrizio Sottiのアコギが寄り添う、さり気ない雰囲気が魅力の演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=qASK6RnddWI
「Honey Bee」
オススメその6。Muddy Waters作品をカヴァー。アルバムの中にも特にブルース色の強い演奏になっています。Brandon Rossのギター&バンジョーをバックに、Cassandraが"プリンセス・オブ・ダークネス"らしいヴォーカルを存分に披露してくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=OBZ5ft63FWg
「Broken Drum」
Cassandra Wilson作。地味なブルージー・チューンですが、じわじわと味わいが増してくる感じが好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=jVa0-_qQJ0g
「On This Train」
Fabrizio SottiとWilsonの共作。ミステリアスな雰囲気が漂います。
https://www.youtube.com/watch?v=ovHjY-Iyttk
「Throw It Away」
Abbey Lincoln作品をカヴァー。CassandraがAbbey Lincolnをカヴァーするのってハマりそうですよね。Reginald Vealのベースのみのバッキングで、情感のこもった低音ヴォーカルを堪能できます。
https://www.youtube.com/watch?v=5ABf4eV8ZC8
Cassandra Wilson作品の過去記事もご参照下さい。
『Point Of View』(1986年)
『Days Aweigh』(1987年)
『Blue Light 'Til Dawn』(1993年)
『New Moon Daughter』(1995年)
『Traveling Miles』(1999年)
『Belly Of The Sun』(2002年)