2015年09月20日

Dam-Funk『Invite The Light』

80年代ファンク・リバイバル先駆者、待望の新作☆Dam-Funk『Invite The Light』
Invite the Light
発表年:2015年
ez的ジャンル:80年代ファンク・リバイバル先駆者
気分は... :ファンク愛!

今回は80年代ファンク・リバイバルの先駆者Dam-Funk、待望の新作アルバム『Invite The Light』です。

Dam-Funk(Damon Garrett Riddick)は、1971年L.A.郊外のパサディナ生まれ。

The Sylversのメンバーであり、ShalamarDynasty、The Whispers、Lakesideなどを手掛け、80年代西海岸を代表するレーベルSolarの看板プロデューサーであったLeon Sylvers IIIの下でプロ・ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせ、90年代にはG-Funk系のHip-Hop作品のレコーディングにも参加しています。

その後、音楽以外の仕事をしながら音楽活動を続けていましたが、80年代ディスコ/ファンクのDJ仲間を介してStones Throwとの契約に成功します。

2008年にデビュー・シングル「Burgundy City」 をリリースし、2009年にリリースしたアルバム『Toeachizown』は大きな話題となりました。かつての師匠Leon Sylvers IIIがプロデュースした同作は、80年代ファンク・リバイバル作品として、多くの音楽ファンから高い支持を得ました。

その後も90年代の音源集『Adolescent Funk』(2010年)、彼が大ファンであったファンク・グループSlaveの元メンバーSteve Arringtonとの共演アルバム『Higher』(2013年)、Snoopzilla(Snoop Dogg)との共演アルバム7 Days of Funk『7 Days of Funk』(2013年)といったアルバムでファンク・リバイバルを牽引してきました。

そんなDam-Funk『Toeachizown』以来、約6年ぶりの新作としてリリースした『Invite The Light』は、同じStones Throwのレーベル・メイトTuxedo『Tuxedo』と並ぶ、80年代ディスコ/ブギー/ファンク・リバイバルの話題作となるでしょう。

アルバムには、Leon Sylvers IIIとその息子Leon Sylvers IV、元Ohio Players/Parliament/FunkadelicJunie MorrisonSnoop DoggQ-Tip(元ATCQ)、Jody Watley(元Shalamar)、Ariel Pink(Ariel Pink's Haunted Graffiti)などがゲスト参加しています。

あの手この手でDam-Funkのファンク・ワールドを披露してくれるのがいいですね。全体構成も工夫されており、アルバム1枚飽きることなく聴き終えることができます。

遅咲きモダン・ファンカーのファンク・ワールドに陶酔しましょう!

全曲紹介しときやす。

「Junie's Transmission」
Ohio Players/Parliament/FunkadelicのJunie Morrisonをフィーチャー。70年代ファンクの系譜を受け継ぐファンク・作品であることを印象づけます。

「We Continue」
オススメその1。アルバムからの先行シングルにもなったDam-Funkらしいシンセ・ファンク。本作を象徴するキャッチーな仕上りです。OutKast作品などに参加していた女性シンガーJoi Gilliamがバック・ヴォーカルを務めています。
https://www.youtube.com/watch?v=LEu_ARi0Fc8

「Somewhere, Someday」
80年代ファンク・リバイバルらしいメロウ・ミディアム。シンセの音色が80年代らしくていいですね。

「I'm Just Tryna' Survive (In The Big City)」
オススメその2。Q-Tipをフィーチャー。西海岸のDam-Funkと東海岸Hip-Hopを代表するATCQのメンバーであったQ-Tipとの共演は意外な組み合わせという気もしますが、メロウなシンセ・ファンク・トラックをバックにしたQちゃんのラップは結構馴染んでいます。

「Surveillance Escape」
アッパーなフューチャー・ファンク。イケイケなダンス・チューンで気分もハイに!
https://www.youtube.com/watch?v=kuV6ifv349M

「Floating On Air」
オススメその3。Computer JayとFlea(Red Hot Chili Peppers)をフィーチャー。Computer Jayは以前にDam-Funkとバンドを組んでいたキーボード奏者。フューチャリスティックでクロスオーヴァー感のあるサウンドがかなりいいですね。音的にはアルバムで一番好きかも?
https://www.youtube.com/watch?v=BtuOOhCa9oE

「HowUGon'Fu*kAroundAndChooseABusta?」
G-Funk調の重心の低いファンク・サウンドが印象的です。ケバケバしいシンセの響きもらしくていいですね。

「The Hunt & Murder Of Lucifer」
ダークな雰囲気とシンセのピコピコ感が印象的なインスト・チューン。
https://www.youtube.com/watch?v=geuBAHPscUw

「It Didn't Have 2 End This Way」
オススメその4。ヴォコーダーを使用した僕好みのメロウ・チューン。昨今のトークボクサー系ではなく、80年代らしい雰囲気になっているのがいいですね。

「Missing U」
この曲もヴォコーダーを使っています。哀愁モードのメロウ・ファンクは80年代愛に溢れています。
https://www.youtube.com/watch?v=wor1ApJxsw8

「Acting」
オススメその5。Ariel Pinkをフィーチャー。Dam-FunkはAriel Pink's Haunted Graffitiの『Mature Themes』(2012年)収録の「Baby」に参加していました。Dam-Funkのファンク色にAriel Pinkのサイケ色が加わったケミストリーが面白い1曲に仕上がっています。揺らぎのあるシンセ・サウンドがいいですね。

「O.B.E」
約8分半の長尺。ファンク・ミーツ・シカゴ・ハウスといった趣の妖しげな雰囲気に惹かれます。
https://www.youtube.com/watch?v=c5eOXNBMQHA

「Glyde 2nyte」
オススメその6。師匠Leon Sylvers IIIとその息子Leon Sylvers IVをフィーチャー。80年代ファンク好きにはたまらないメロディアスなメロウ・ファンクに仕上がっています。

「Just Ease Your Mind From All Negativity」
オススメその7。Snoop DoggとJoi Gilliamをフィーチャー。Henningが共同プロデュースしています。7 Days of Funkで息もピッタリのDam-FunkとSnoopの組み合わせが悪いはずありません。哀愁モードのファンク・サウンドがいい感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=Don8fUAd08A

「Virtuous Progression」
JimiJames/Jane Jupiter/Nite Jewel/Novena Carmel/Jody Watleyをフィーチャー。 多くの女性シンガーたちがDam-Funkのファンク・サウンドを鮮やかに彩ります。

「Junie's Re-Transmission」
ラストはオープニングに続き、Junie Morrisonが登場します。

Dam-Funkの他作品もチェックを!

『Toeachizown』(2009年)
Toeachizown

『Adolescent Funk』(2010年)
Adolescent Funk

Steve Arrington & Dam-Funk『Higher』(2013年)
Higher

7 Days of Funk『7 Days of Funk』(2013年) ※Snoopzilla(Snoop Dogg)との共演
7 Days of Funk
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2015年09月19日

Ellen McIlwaine『Honky Tonk Angel』

フリーソウル人気作のファンキー・フォーキー・グルーヴ☆Ellen McIlwaine『Honky Tonk Angel』
ホンキー・トンク・エンジェル+1
発表年:1972年
ez的ジャンル:スライド系ファンキー・フォーキー・グルーヴ
気分は... :間違いない格好良さ!

フリーソウル・ファンにはお馴染みのカナダ人女性シンガーソングライター/ギタリストEllen McIlwaine『Honky Tonk Angel』(1972年)です。

以前に『Honky Tonk Angel』(1972年)と『We The People』(1973年)の2in1CD『Up from the Skies:The Polydor Years』を紹介しましたが、オリジナル・アルバムをきちんと紹介したいと思い、今回『Honky Tonk Angel』を取り上げ直すことにしました。

本作のレコーディング・メンバーはEllen McIlwaine(vo、g)、Thad Holiday(b、back vo)、Don Payne(b)、Billy Curtis(congs)、Candido(congas)、Don Kaplan(p)、James Madison(ds)、Bill Keith(pedal steel g)、

オリジナルLPのA面はCurtis Mayfield『Curtis/Live!』Donny Hathaway『Live』でもお馴染みのNYのライブハウスBitter Endでのライブ録音であり、B面がスタジオ録音です。

何といってもBitter Endでのライブ録音がサイコーですね。フリーソウル・クラシック「Toe Hold」をはじめ、「Up From The Skies」「It's Growing」(ボーナス・トラック)、「Ode to Billie Joe」など素晴らしい演奏が目白押しです。

スタジオ録音では、フリーソウルのコンピ収録曲「Wings of a Horse」「Wade in the Water」あたりがオススメです。

プロデュースはPeter K. Seige

いつ聴いても間違いない格好良さに魅了される1枚です。

全曲紹介しときやす。

「Toe Hold」
オススメその1。Isaac Hayes/David Porter作。Wilson Pickettヴァージョンで知られる楽曲のカヴァーであり、フリーソウル・クラシックとしてお馴染みのファンキー・フォーキー・グルーヴ。これを初めて聴いたときにはぶっ飛びました。ライブらしい臨場感があるのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v9EzSlKVB2g

「Weird of Hermiston」
Jack Bruce/Pete Brown作。元CreamのJack Bruceの作品。オリジナルは『Songs For A Tailor』(1969年)に収録されています。Joni Mitchellに通じるものを感じるヴォーカル&演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=-2lCue9QrD4

「Up From The Skies」
オススメその2。Jimi Hendrix作。オリジナルはThe Jimi Hendrix Experience『Axis: Bold As Love』に収録されています。ブルージーな味わいのカヴァーが何ともビターでいいですね。

「Losing You」
Ellen McIlwaine作。Ellenのスライド・ギターを楽しむための楽曲。ギタリストEllen McIlwaineの魅力を堪能できます。

「It's Growing」
オススメその3。オリジナルには未収録のCDボーナス・トラック。Smokey Robinson作。The Temptationsのヒットで知られる曲ですね。ソウルフルな味わいを持ったファンキー・フォークです。Ellenの素晴らしいスキャット・ヴォーカルに魅力されます。

「Ode to Billie Joe」
オススメその4。女性カントリー・シンガーBobbie Gentry、1967年の大ヒット曲をカヴァー。Ellenというアーティストの持つ存在感に圧倒される素晴らしい演奏です。特に彼女独特の歌い回しに惚れ惚れします。当ブログでは本曲に関して、Lou DonaldsonNicola Conteのカヴァーも紹介済みです。

ここまでがBitter Endでのライブ録音です。

「Pinebo (My Story)」
ガーナ出身のパーカッション奏者Guy Warrenの作品。バックはコンガのみのトライバルな仕上り。Ellenのヴォーカルには、こういうトライバル感のある音も似合いますね。

「Can't Find My Way Home」
Steve Winwood作。スーパーバンドBlind Faithのカヴァーです。内省的な雰囲気の味わい深いブルージー・フォーキーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xeYt0BcPiyY

「Wings of a Horse」
オススメその5。Ellen McIlwaine作。この曲もフリーソウルのコンピ収録曲。軽くラテン・フレイヴァーの効いたグルーヴィー・フォーキーです。小粋なピアノとCandidoのコンガがEllenを好サポートします。
https://www.youtube.com/watch?v=g-f5LqQmvtY

「It Wasn't God Who Made Honky Tonk Angels」
J.D. Miller作。Kitty Wellsが歌ったカントリー・ソングをカヴァー。ほんわかムードのカントリー・ソング。正直僕はパスです(笑)

「Wade in the Water」
オススメその6。Ellen McIlwaine作。ラストは少し気だるい雰囲気のフォーキー・グルーヴで締め括ってくれます。

『We The People』(1973年)もセットでどうぞ

『We The People』(1973年)
ウィ・ザ・ピープル
「Jimmy Jean」
 https://www.youtube.com/watch?v=eN7eoKft_c4
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2015年09月17日

Blackgirl『Treat U Right』

ガールズR&Bグループによるキュートなヒップ・ホップ・ソウル☆Blackgirl『Treat U Right』
Treat U Right
発表年:1994年
ez的ジャンル:ヒップ・ホップ・ソウル系90年代女性R&Bグループ
気分は... :90's Girl!

今回は90年代ガールズR&Bグループ作品からBlackgirl『Treat U Right』(1994年)です。

Blackgirlはアトランタで結成された女性R&Bグループ。メンバーはPamela CopelandNycolia TurmanRochelle Stuartの3名。

そんなBlackgirl唯一のアルバムが『Treat U Right』(1994年)です。メンバー3人が凛とポーズをキメるジャケが印象的ですね。

Derek AllenChristopher StewartSean HallArnold HenningsChristianというプロデューサー陣が起用されています。

「Krazy」「90's Girl」「Where Did We Go Wrong」「Let's Do It Again」といったシングル曲を中心に、アッパー、ミディアム、スロウがバランス良く配された、実によく出来た女性R&Bグループ作品だと思います。何にも増して、メンバーがキャッチーなサウンドに負けない素晴らしいヴォーカル・ワークを聴かせてくれるのが嬉しいですね。

結局、さほど大きなヒットに恵まれず、本作の後、クリスマス・シングルを1枚残したのみでシーンから消えてしまったグループですが、中身は90年代女性R&Bグループ好きを十分納得させるものだと思います。

全曲紹介しときやす。

「Krazy」
彼女たちのデビュー・シングルにもなったヒップ・ホップ・ソウル。初々しいヴォーカル・ワークとヒップ・ホップ・ソウル・サウンドがよくマッチしたキャッチーな仕上り。Derek Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=Z5QhDPRnT7U

「Treat U Right」
ソウルな味わいの美メロ・ミディアム。彼女たちのエモーショナルな側面を堪能できます。Derek Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=qX3kJTXGXjI

「Can U Feel It」
妖しげな雰囲気が印象的なヒップ・ホップ・ソウル。Christopher Stewart/Sean Hallプロデュース。

「Where Did We Go Wrong」
シングルにもなったスロウ・チューン。彼女たちのヴォーカル・グループとしての実力を確認できる素晴らしい出来栄えです。Derek Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=xWdSoMnZ_gM

「Chains」
何処となく切ないヴォーカルでしっかり聴かせるミディアム・スロウ。Arnold Henningsプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=qE6VlxZHaSE

「Ooh Yeah (Smooth)」
SWVがお好きな人であれば気に入りそうなミディアム・グルーヴ。Christopher Stewart/Sean Hallプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=T36X8afr-5E

「90's Girl」
この曲もシングルになりました。まさに90年代ガールズR&Bグループらしいキャッチーなアッパー・チューンです。90年代女性R&Bグループ好きには間違いない1曲なのでは?Slick Rick「Children's Story」 をサンプリング。Christianプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=xf1_apP84Zg

「Nubian Prince」
彼女たちの素晴らしいヴォーカルワークを堪能できるミディアム。こういうのも好きだなぁ!Christianプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=dnXgotGkIoA

「Things We Used To Do」
タイトル曲は美メロのスロウ・チューン。90年代女性R&Bグループらしい胸キュンな感じがいいですね!Derek Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=hw-ngmKdugM

「Can't Live Without You」
オーセンティックなラブ・バラードを堂々と歌い上げます。Christopher Stewart/Sean Hallプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=PLzGdSCJQV0

「Let's Do It Again」
The Staple Singersのカヴァーである本曲もシングルになりました。オリジナルの持つイナたい味わいを残しつつ、90年代R&Bらしくアップデートされている感じがいいですね。Derek Allenプロデュース。
https://www.youtube.com/watch?v=VUEsUkUqaXI

「Home」
感動的かつエモーショナルなコーラス・ワークで本編のラストを締め括ってくれます。Derek Allenプロデュース。

「90's Girl (Encore Mix)」
Teddy Rileyによる「90's Girl」のリミックス。タイトルにあるようにCheryl Lynn「Encore」をサンプリングしたリミックスです。
https://www.youtube.com/watch?v=uc7mdeg0o50

90年代女性R&Bグループ作品は、僕にとっての大事な音楽サプリメントって感じですかね。
posted by ez at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 1990年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月16日

特別企画:『Jazz The New Chapter 3』が発売になりました・・・

特別企画:『Jazz The New Chapter 3』が発売になりました・・・

昨年話題となった音楽本『Jazz The New Chapter』の第3弾『Jazz The New Chapter 3』が発売されました。

『Jazz The New Chapter 3』
Jazz The New Chapter 3 (シンコー・ミュージックMOOK)

『Jazz The New Chapter』(左)
『Jazz The New Chapter 2』(右)
Jazz The New Chapter~ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平 (シンコー・ミュージックMOOK)Jazz The New Chapter 2 (シンコー・ミュージックMOOK)

当ブログでも昨年9月には『Jazz The New Chapter(JTNC)』強化月間という特集を組み、そのまとめエントリーは今でもアクセス数の多い人気記事となっています。

そんな流れで『Jazz The New Chapter 3』についてのエントリーを期待されている方もしれないので軽く触れておきます。、

結果として、『Jazz The New Chapter 3』には、当ブログで紹介した記事から以下の13枚が掲載されていました(エントリーが新しい順)。

Stuart McCallum『City』(2015年)
シティ

Quantic Presents The Western Transient『A New Constellation』(2015年)
A NEW CONSTELLATION [帯解説・ボーナストラック収録] (BRC477)

Mark Guiliana Jazz Quartet『Family First』(2015年)
Family First[ボーナストラック収録・日本語解説つき]

Robert Glasper『Covered』(2015年)
カヴァード

Kamasi Washington『The Epic』(2015年)
The Epic

Hiatus Kaiyote『Choose Your Weapon』(2015年)
Choose Your Weapon

Marc Cary『Rhodes Ahead Vol. 2』(2015年)
ローズ・アヘッド・ヴォリューム2

Kendrick Lamar『To Pimp A Butterfly』(2015年)
To Pimp a Butterfly

Jose James『Yesterday I Had The Blues』(2015年)
イエスタデイ・アイ・ハド・ザ・ブルース

From Alan Hampton『Origami for the Fire』(2014年)
Origami For The Fire

From Tigran Hamasyan『Mockroot』(2015年)
Mockroot

From D'Angelo & The Vanguard『Black Messiah』(2014年)
Black Messiah

From GoGo Penguin『V2.0』(2014年)
V2.0

あえて内容には言及しません。
何でもかんでもJTNCに結びつけたがる流れに辟易することもありますが、見逃していた話題の盤や注目アーティストを手っ取り早くチェックできる便利な本であることに変わりありません。

1、2を未読の方は、3の前にそれら2冊を読むことをお勧めします。特にJTNCの本質が凝縮されている1はチェックを!
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2015年09月15日

Anamaria & Mauricio『No No No... Estamos Na Nossa』

男女デュオによる格好良すぎるブラジリアン・グルーヴ☆Anamaria & Mauricio『No No No... Estamos Na Nossa』
anamaria & mauricio.jpg
発表年:1970年
ez的ジャンル:男女デュオ系ブラジリアン・グルーヴ
気分は... :ミラクル起きた!

今回は70年代ブラジル作品からAnamaria & Mauricio『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)です。

Anamaria & MauricioAntonio Adolfoの秘蔵っ子として、『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)と『Anamaria E Mauricio Vol.2』(1972年)という2枚のアルバムをリリースした男女デュオ。

特に本作は『No No No... Estamos Na Nossa』(1970年)は90年代に再評価を高めた1枚であり、クラブジャズ世代の人が聴いても魅了される格好良すぎるブラジリアン・グルーヴです。

このアルバムがクラブジャズ世代に支持され、今聴いても鮮度が落ちていないのは、バックを務めたJongo Trioの貢献がかなり大きいと思います。彼らの奏でるグルーヴィーなサウンドと主役Anamaria & Mauricioのスキャット・ヴォーカルがケミストリーを起こし、ミラクルなブラジリアン・グルーヴを生み出しています。効果的なホーン・アレンジも随所で目立ちます。

アレンジを務めたのはJongo TrioArthur Verocai、Chico Moraes。

こうしたアルバムの魅力が凝縮されているのが、「Freio Aerodinamico」「Le Le Le」「Marina, Eu Vou」という冒頭の3曲。

それ以外にArthur Verocaiの手腕が光る「Quem Vem De La」、エレガントなジャズ・サンバ「Amem, America」、小粋なワルツ調の「Ele E Ela」あたりも僕のお気に入り。

現状では入手しづらいCDですが、こういう作品こそ廉価版で再発CD化することで世に広めたい1枚ですよね。

全曲紹介しときやす。

「Freio Aerodinamico」
Marcos Valle作品のカヴァーとなる本曲はアルバムのハイライトの1つ。Marcosのオリジナルは『Marcos Valle(1970)』に収録されています。当ブログではRosalia De SouzaをフィーチャーしたQuintetto X‎Os 3 Moraisのカヴァーも紹介済みです。高速スキャットのブラリアン・グルーヴにクラブジャズ好きの人はグッとくるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=e98tUGR_hM4

「Le Le Le」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作。切れ味のあるJongo Trioの演奏とレレレ・スキャットが軽快に弾けるヤングソウル調の本曲も「Freio Aerodinamico」と並ぶ本作のハイライトといえるでしょう。冒頭のブレイクもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=BCViVIU5wnY

「Marina, Eu Vou」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作。ピースフルなグルーヴ感が心地好いブラジリアン・フリーソウル。ソフトロック好きの人も気に入るはず!効果的なホーン・アレンジもグッド!

「Escrito Na Parede Da Varanda」
Jose Jorge/Ruy Maurity作。ミステリアスなイントロに続き、Anamariaが艶やかなヴォーカルを聴かせてくるエレガントなメロウ・チューン。

「No, No, No, Estamos Na Nossa」
Fernando Lona/Vidal Franca作。タイトル曲は小粋なJongo Trioの演奏をバックに、Anamaria & Mauricioが男女デュオらしい雰囲気のあるユニゾン・ヴォーカルを聴かせてくれます。
https://www.youtube.com/watch?v=GyQLpJMnczo

「Madalena」
Ivan Lins/Ronaldo Monteiro De Souza作。当ブログでは有名なElis ReginaヴァージョンやTania MariaAquarius Y Luiz AntonioSylvia Vrethammarのカヴァーを紹介済みです。当ヴァージョンは躍動感のあるMauricioのヴォーカルとホーン・アンサンブルが印象的です。

「Quem Vem De La」
Arthur Verocai/Paulinho Tapajos作。Arthur Verocaiの職人技を堪能できるグルーヴィーな仕上り。どこまでも高く跳べそうな解放された雰囲気です。

「Pelo Teletipo」
José Jorge/Ruy Maurity作。ほのぼのとしたフォーキー感でアルバムにアクセントを加えてくれます。

「Amem, America」
Jose Jorge/Ruy Maurity作。格好良いブレイクから始まるエレガントなジャズ・サンバ調の仕上がり。Jongo Trioとホーン・セクションによる素晴らしいバッキングにグッときまます・
https://www.youtube.com/watch?v=lvgEjWlDekM

「Ele E Ela」
Marcos Valle作品カヴァーの2曲目。オリジナルは『Marcos Valle(1970)』に収録されています。小粋なワルツ調のこの曲は男女スキャッチ・コーラスにフィットする1曲ですね。

「Minie」
Jose Jorge/Ruy Maurity作。サイケなロッキン・テイストも取り入れていますが、本編はMauricioがしっとりとしたヴォーカルで聴かせます。

「Fotograma "Click"」
Antonio Adolfo/Tiberio Gaspar作。ラストは気の利いたブラジリアン・ソフトロックで締め括ってくれます。

『Anamaria E Mauricio Vol.2』(1972年)もCD化して欲しいですね。
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑
(追記)CD化されてました!
posted by ez at 05:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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