発表年:1972年
ez的ジャンル:スライド系ファンキー・フォーキー・グルーヴ
気分は... :間違いない格好良さ!
フリーソウル・ファンにはお馴染みのカナダ人女性シンガーソングライター/ギタリストEllen McIlwaineの『Honky Tonk Angel』(1972年)です。
以前に『Honky Tonk Angel』(1972年)と『We The People』(1973年)の2in1CD『Up from the Skies:The Polydor Years』を紹介しましたが、オリジナル・アルバムをきちんと紹介したいと思い、今回『Honky Tonk Angel』を取り上げ直すことにしました。
本作のレコーディング・メンバーはEllen McIlwaine(vo、g)、Thad Holiday(b、back vo)、Don Payne(b)、Billy Curtis(congs)、Candido(congas)、Don Kaplan(p)、James Madison(ds)、Bill Keith(pedal steel g)、
オリジナルLPのA面はCurtis Mayfield『Curtis/Live!』やDonny Hathaway『Live』でもお馴染みのNYのライブハウスBitter Endでのライブ録音であり、B面がスタジオ録音です。
何といってもBitter Endでのライブ録音がサイコーですね。フリーソウル・クラシック「Toe Hold」をはじめ、「Up From The Skies」、「It's Growing」(ボーナス・トラック)、「Ode to Billie Joe」など素晴らしい演奏が目白押しです。
スタジオ録音では、フリーソウルのコンピ収録曲「Wings of a Horse」や「Wade in the Water」あたりがオススメです。
プロデュースはPeter K. Seige。
いつ聴いても間違いない格好良さに魅了される1枚です。
全曲紹介しときやす。
「Toe Hold」
オススメその1。Isaac Hayes/David Porter作。Wilson Pickettヴァージョンで知られる楽曲のカヴァーであり、フリーソウル・クラシックとしてお馴染みのファンキー・フォーキー・グルーヴ。これを初めて聴いたときにはぶっ飛びました。ライブらしい臨場感があるのもいいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=v9EzSlKVB2g
「Weird of Hermiston」
Jack Bruce/Pete Brown作。元CreamのJack Bruceの作品。オリジナルは『Songs For A Tailor』(1969年)に収録されています。Joni Mitchellに通じるものを感じるヴォーカル&演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=-2lCue9QrD4
「Up From The Skies」
オススメその2。Jimi Hendrix作。オリジナルはThe Jimi Hendrix Experience『Axis: Bold As Love』に収録されています。ブルージーな味わいのカヴァーが何ともビターでいいですね。
「Losing You」
Ellen McIlwaine作。Ellenのスライド・ギターを楽しむための楽曲。ギタリストEllen McIlwaineの魅力を堪能できます。
「It's Growing」
オススメその3。オリジナルには未収録のCDボーナス・トラック。Smokey Robinson作。The Temptationsのヒットで知られる曲ですね。ソウルフルな味わいを持ったファンキー・フォークです。Ellenの素晴らしいスキャット・ヴォーカルに魅力されます。
「Ode to Billie Joe」
オススメその4。女性カントリー・シンガーBobbie Gentry、1967年の大ヒット曲をカヴァー。Ellenというアーティストの持つ存在感に圧倒される素晴らしい演奏です。特に彼女独特の歌い回しに惚れ惚れします。当ブログでは本曲に関して、Lou Donaldson、Nicola Conteのカヴァーも紹介済みです。
ここまでがBitter Endでのライブ録音です。
「Pinebo (My Story)」
ガーナ出身のパーカッション奏者Guy Warrenの作品。バックはコンガのみのトライバルな仕上り。Ellenのヴォーカルには、こういうトライバル感のある音も似合いますね。
「Can't Find My Way Home」
Steve Winwood作。スーパーバンドBlind Faithのカヴァーです。内省的な雰囲気の味わい深いブルージー・フォーキーに仕上がっています。
https://www.youtube.com/watch?v=xeYt0BcPiyY
「Wings of a Horse」
オススメその5。Ellen McIlwaine作。この曲もフリーソウルのコンピ収録曲。軽くラテン・フレイヴァーの効いたグルーヴィー・フォーキーです。小粋なピアノとCandidoのコンガがEllenを好サポートします。
https://www.youtube.com/watch?v=g-f5LqQmvtY
「It Wasn't God Who Made Honky Tonk Angels」
J.D. Miller作。Kitty Wellsが歌ったカントリー・ソングをカヴァー。ほんわかムードのカントリー・ソング。正直僕はパスです(笑)
「Wade in the Water」
オススメその6。Ellen McIlwaine作。ラストは少し気だるい雰囲気のフォーキー・グルーヴで締め括ってくれます。
『We The People』(1973年)もセットでどうぞ
『We The People』(1973年)
「Jimmy Jean」
https://www.youtube.com/watch?v=eN7eoKft_c4