2015年09月25日

Bobby Moore & The Rhythm Aces『Dedication of Love』

「Searching For My Love」だけではない!ソウル・バンドの隠れた名盤☆Bobby Moore & The Rhythm Aces『Dedication of Love』
デディケーション・オブ・ラヴ
発表年:1976年
ez的ジャンル:サザン・ソウル系ソウル・バンド
気分は... :芳醇な味わい・・・

今回はレア・グルーヴで再評価が高まった1枚、Bobby Moore & The Rhythm Aces『Dedication of Love』(1976年)です。

Bobby Moore(1930-2006年)はニューオリンズ出身のテナー・サックス奏者。陸軍徴兵中にバンドを組み、The Rhythm Acesを結成。復員後はアラバマを拠点にThe Rhythm Acesは南部各地をライブで回るようになり、1964年には息子のLarry Mooreもバンドに加入しています。

その後バンドはSam CookeやRay Charles等のバックを務め、評価を高めていきます。そして、1965年にMuscle ShoalsのFAMEスタジオでレコーディングの機会を得て、Chico Jenkinsのヴォーカルをフィーチャーしたシングル「Searching For My Love」を名門Chess傘下のCheckerからリリースします。「Searching For My Love」は全米チャート第27位、同R&Bチャート第7位となり、100万枚以上のセールスを記録する大ヒットとなります。

Bobby Moore & The Rhythm Aces「Searching For My Love」
https://www.youtube.com/watch?v=nC0vFA6qfQk

この勢いに乗ろうと、The Rhythm Acesはアルバム『Searching For My Love』(1966年)や数枚のシングルをリリースしますが、再び成功を収めることができず、1969年にはCheckerとの契約を打ち切られてしまいます。

しかしながら、バンドはその後も活動を続け、1976年に自主制作で本作『Dedication of Love』をレコーディングしています。Bobby Mooreは惜しくも2006年に逝去してしまいましたが、息子Larryがバンド・リーダーの座を受け継ぎました。

さて、本作『Dedication of Love』ですが、今年ようやくCD化が実現し、幻の名盤を気軽に入手できるようになりました。

本作におけるThe Rhythm AcesのメンバーはBobby Moore(ts、vo)、Howard Kidd(org、vo)、Presley Strong(g、vo)、John Baldwin(ds、vo)、Larry Moore(as、fl、vo)、 James Burquette(b、vo)、Chuck Strong(vo)という編成です。

リーダーのBobbyを中心にベテラン・ソウル・バンドらしい一体感のある演奏が生み出すソウル・サウンドは実に芳醇です。Chuck Strongのヴォーカルも実にいいですね。

グルーヴィー・ソウル「What Is It That You Got?」、ファンキー・グルーヴ「Witch Doctor」、スピード感のある「Love's Gonna Make Us Free」、ビター・スウィートな「Love's Got A Hold On Me」あたりが僕のお気に入りです。

ジャケも含めてシブさがいいですな!

全曲紹介しときやす。

「Love's Got A Hold On Me」
ビター・スウィートなミディアム・バラードでアルバムは幕を開けます。演奏全体に年輪を感じる味わいがあっていいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=a0qac5zScJE

「Groovin' With The Aces」
哀愁モードのインスト。Larry Mooreのフルートが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=pJpNDkWNl08

「Sweet Sixteen」
ブルージーな仕上り。Chuck Strongのヴォーカルの素晴らしさがよくわかります。演奏も激シブですが、ドープになり過ぎていないのが逆にいいかも?
https://www.youtube.com/watch?v=l1zclWWjhgA

「What Is It That You Got?」
Chuck Strongのヴォーカルが冴えるグルーヴィー・ソウル。ヴォーカル、リズム隊、ホーン隊が一体となったソウル・バンドらしいグルーヴを満喫できます。
https://www.youtube.com/watch?v=IvBArRW2jWc

「Love's Gonna Make Us Free」
一気に駆け抜けていくスピード感のあるグルーヴが魅力の演奏です。グルーヴィーなオルガンがいいですね。

「Witch Doctor」
JBスタイルのファンキー・グルーヴは文句なしに格好良いです。Presley Strongのギターが目立っています。終盤のドラム・ブレイクもキマっています。
https://www.youtube.com/watch?v=Cycu5pVrXes

「Nobody Knows The Trouble I've Seen」
ラストはBobbyのサックスがソウルフルにブロウするインストで締め括ってくれます。

『Searching For My Love』(1966年)
サーチング・フォー・マイ・ラヴ
posted by ez at 03:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 1970年代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする